2010年4月23日金曜日

土地家屋調査士政治連盟について

昨日22日には、宮城県土地家屋調査士政治連盟の平成22年度定時大会が開催されました。その際に会長としてお招き戴き祝辞を述べさせて戴く機会を戴きました。

私が政治連盟について考えていることを、本日の祝辞から以下のとおり抜粋してみます。

(前略)
 昨今、社会経済が不安定になっており、日本国中の人々が、目先の生きていくことだけに集中し、本来あるべき姿を見失っているような感があります。
土地家屋調査士としても、目先の仕事に右往左往しないで「日本の不動産登記はどうあるべきか」「地籍制度はどうあるべきか」専門家として日本の未来を語りたいものだと常々思っています。
 さて、その「日本の不動産の公示制度はどうあるべきか」を国会で議論して戴いて出来上がったのが「不動産登記法」であります。そして、その「登記という公示制度の中で、私たち土地家屋調査士はどうあるべきか」を国会で議論して戴いて、お示し戴いたのが「土地家屋調査士法」であります。

 これらの法律は、近年、規制改革や司法制度改革、都市再生や電子政府などのキーワードを基にして改正されました。
 そういった理念と議論の基に改正された法律ですから、本来使い勝手が良くなるはずですが、実際は良くなった部分だけではなく、我々専門家から見ると大変使い勝手が悪く、国民の負担を増やしているだけの部分も見受けられます。
 
 とは言っても、法律が改正された後に仲間内で文句を言っていたり、評論家のように他人事のように批評していても、社会は何も変わりません。法律を作っているのは国会です。その議論をしているのは政治家です。ですから、しっかり議員を選び、しっかり国会の議論を注視し、必要が有れば議員の先生方の議論のお手伝いをし、国会で先生方に国民の視点に立って議論して戴くことが大切です。

 過去、土地家屋調査士会は政治活動が不得意でした。不得意と言うよりタブーとされてきたのかも知れません。その根底には、政治連盟とは自分たちへの利益誘導だけ訴える組織のようなイメージだったのかも知れません。

 でも、私たち資格者は、国民の為の専門家として資格を戴いているのですから、国民の利益になるような専門的意見を国会に届ける権利も義務も有ります。そこを自覚しなければなりません。

 今年の参議院選挙においては、土地家屋調査士会として、登記・土地・地籍制度と土地家屋調査士制度を深く理解して戴いて、私たち土地家屋調査士が国民の皆さんの為にどれだけお役に立っているかを理解してくださっている先生方を、与野党に拘わらず応援したいと考えています。  
(中略)
 ですから本日ご列席戴いている先生方に、国会で登記や地図又は境界について活発にお仕事をしていただければ、日本の登記や地図の制度に起因する国民の悩みは減少していくことでしょう。そうなれば、私たちも資格を与えていただいている国民の皆様への社会貢献ができる世の中になると信じております。

 地家屋調査士会は直接政治活動ができない組織ですが、政治は語りたいと考えております。これからも政治連盟のバックアップをしっかりしていきたいと考えておりますし、政治連盟会員の増加にもご協力させて戴きたいと考えております。
(後略)