2013年7月31日水曜日

土地家屋調査士の日に広報活動について考える


先日他の会の役員さんから、計画されている具体的な広報活動について、鈴木はどう考えるかと質問されました。こんなことを答えました。

広報活動は費用対効果がわかりにくい分野です。
何をやっても批判があるはずです。
でも何もやらないことだけはダメだと思います。

本日7月31日は「土地家屋調査士の日」です。
全国で一斉の登記無料相談会が開催されています。

私達土地家屋調査士は、不動産の表示に関する登記の専門家であり、土地境界の専門家です。このことを広く国民の皆さんに広報するためにも、無料登記相談会や境界に関する困り事相談会などを開催しています。

これらの相談会は、もちろん広報活動だけが目的ではなく、当然社会貢献の一つです。普段から不動産登記などの専門家として活動している土地家屋調査士が、社会にお返しする窓口の一つでもあります。
もちろん、一生懸命に社会貢献をすることにより、私達が何の専門家であるかが、国民の皆さんに自然と分かっていただければ、それが理想です。

さて以前も書きましたが、この相談会に来場される相談者について「多かった。少なかった。」ということを気にする方がいます。その方は、相談者が少なければ広報活動にはならないと考えているようです。

このような指摘は全く間違っていると、私は考えています。
「どこでどんな相談会を開催しているかが周知されていないから相談者が少なかった」というなら、もちろん広報活動として反省すべきです。

しかしそうでなければ、この相談者が少ないと言うことは実際に相談したい案件が少ないだけなのでしょう。
本当に緊急を要する相談は、もうどこかの土地家屋調査士事務所に相談して解決しているはずです。そうでない緊急相談が、列を作るほど有るとも思えません。

今登記や境界で困っている人が、街中に溢れている訳はありません。
仮にそうなら、その地域の土地家屋調査士である私達の通常業務が疑われます。
周りの人達が、私達の相談会のインフォメーションを聞いて、「今は問題が無いけれど、何か問題が起こったら土地家屋調査士に相談すれば良いのか。」と理解してくれたら、それ以上の広報はないのです。

ですから、機会ある度に継続して広報活動を続けるべきです。
大きなイベントも良いでしょう。でもそれが10年に一度の単発なら、役員が替わっても継続できる恒常的な小さな活動の方が効果が有るかも知れません。

「本来何を目的として今何をしているのか」をしっかりと共通理解して行動すれば、組織は目先の数字などに惑わされなくなります。



2013年7月30日火曜日

ノートの罫線を選んでいますか

さて今日は文具ネタです。
ノートの罫線については、皆さんどんな選び方ですか。
横罫、縦罫、メッシュ、無罫、いろいろありますね。

最近は「頭の良くなる・・・」という特殊罫のノートも売れていますし、「コーネル大学の・・・」などもあります。これらは後日別にコメントします。

私は横罫と無罫をよく使います。

ものを考えるときは無罫、いわゆる無地のものを使います。
何も制約がないノートの真ん中にキーワードを書いて考え始めます。
どうも罫線があると平面的な思考に制限される様な気がします。

発想用のノートとしては、メッシュ罫もごく薄いものなら使います。
メッシュ罫ならグラフや表を書くにも綺麗にまとめられますし、マインドマップを使うときも重宝します。
でも濃いメッシュのものは思考を妨げます。
私はそう考えています。ですから人気のロディアも罫線が濃いので私には向きません。

それに対して仕事や会議のメモは、やはり横の罫線があった方が書きやすいし、後で見返すときに見やすいです。

問題は罫線の幅です。
皆さんは意識して選んでいますか。

罫線には、A罫 B罫 C罫、U罫などがあります。
A罫は幅7mm、B罫は幅6mm、C罫は幅5mm、U罫は幅8mmです。

コンピュータの時代、清書はコンピュータによることが多いので、ノートは下書きや、メモ、マインドマップなどの発想ツールに使います。
ですから私の手書きは、比較的走り書き的なスピードで書きますので、大きめな文字になります。

罫線のノートに書く場合は、もともとアルファベットを意識した細い罫線の幅に、きっちり漢字を入れるのではサイズが合いません。
私は基本的に太い罫線が欲しいのですが、U罫はなかなか売っていません。

最近の私は、むしろ細い罫線のノートを選んで、罫線を気にしないではみだして書いたり、一行空けて書く事でスッキリ見える方法を採ったりすることが多いです。

文具店に行ったら、ノートの罫線にも着目して見てください。
太さだけで無く、ドットが付いていたり、とても工夫されているものがあります。





2013年7月29日月曜日

ボランチ専門講座 福西崇史



皆さん各々各組織における役割があると思います。
職場、家庭、趣味のサークル・・・そんな組織の中でリーダー、サブ、スペシャリスト、ムードメーカー各々の役割があると思います。

私が昔所属していた交響楽団や吹奏楽団では、様々な楽器があります。
どの楽器を選ぶかで、その人の役割に対する性格や嗜好が少し分かる気がします。
管楽器で言えば、華やかなソロが格好良いトランペット、クラシックにはほぼ使われないサックス、主に和音の中で生きるホルン、ベースを支えるチューバ等々。
このテーマは以前ブログに書きました。

そして、今は宮城県土地家屋調査士会というチームで監督という役割をやっています。本当は監督ではなく、プレイヤー向きなんですけどね。

さてサッカーで言えば、私が一番やりたいのはどのポジションでしょうか。
小学校の頃は遊びでサッカーをするときは、大抵ゴールキーパーでした。
「ゴールキーパーって、チーム内で一番運動センスの良い人がやるんだ」という説も聞いたことがありますが、まったくそれとは違い、「走らなくて良さそうだから」というとんでもない理由で希望していました。
大人になってサッカーを見てから、ポジションとして一番好きなポジションはボランチになりました。ボランチは「守備的ミッドフィルダー」と呼ばれることがありますが、フォワードとディフェンダーの間のミッドフィルダーの中では後ろに位置するので、「守備的」が付くのでしょう。実際は守備と攻撃の要です。今の日本代表で言えば、遠藤保仁でしょう。

私のベガルタ仙台を応援する際の正装、いわゆるレプリカユニフォームの背中には「8番シルビーニョ」があります。シルビオ・ジョゼ・カヌート、登録名シルビーニョ。2002年から2005年のベガルタ仙台の絶対的ボランチでした。彼の好不調が直接チームの成績に影響するような選手でした。
私の中では未だに別の選手のレプリカに替えられないほどの存在です。

さて、シルビーニョでなくても、サッカーを見るときにはボランチの動きを見ていると、そのチームが今何をしたいのかが良く分かります。

そんなボランチについて、あの元日本代表ボランチの福西崇史が書いた本、その名も「ボランチ専門講座」を読みました。
福西選手が、ジュビロ時代あのドゥンガに鍛えられて身に付け、自分のものにしたボランチのノウハウが具体的に書いてあります。

第1章 ポジショニング
第2章 アプローチ
第3章 1対1の守り方
第4章 グループ
第5章 ビルドアップ
第6章 ターン技術
第7章 ゲームメイク
第8章 攻撃参加
第9章 ボランチの見方

福西選手のプレーは好きでは無かったけれど(なにしろベガルタ仙台の敵ですから)、この本で長年サッカーを見てきた私の見方に後付で確認ができました。

何故このボランチは相手の攻撃に対してあの位置取りなのか、何故あの姿勢なのか、何故突っ込まないのか、何故今突っ込むのか、このパスはどういう意味を持つのか。
ボランチが2人の場合の役割やチーム戦術とボランチの役割等々。
書き出すと長くなりそうですが、とても具体的で興味深い内容です。

そして最後の第9章では現代サッカーの代表的三人のボランチについて書いています。
アンドレア・ピルロ(ユベントス)、ヤヤ・トゥーレ(マンチェスター・シティ)、セルヒオ・ブスケツ(バルセロナ)のそれぞれの個性と、チーム内の役割を書いています。ボランチの眼で見た評価になるほどと思いました。

選手としてボランチを目指す人にも、試合観戦に新しい視点が欲しい人にも良い本だと思います


ちなみに、私達土地家屋調査士も、フォワードやゴールキーパーではなく、社会における攻守の要・ボランチあたりの役割が一番望ましいと考えています。





2013年7月26日金曜日

ダイハード・ラストディ 新幹線用映画


以前も書きましたが、必ずしも速い新幹線に乗るとは限らず、映画を見終わる時間も考慮して新幹線を選ぶこともあります。
ということで、私は結構新幹線車内で映画を観ます。
時間が無い人は有る人と同じ行動はできません。如何に「ながら行動」をするかだと思っています。 

新幹線では、何か仕事をしたり映画や本を読んだりするので、常に窓側に指定を取り、隣に座った方にトイレ等の動きに邪魔されないようなポジションを取ります。
映画を観る場合は以前はDVDを持ち込んだりしましたが、今は事前にiTunes等でコンピュータにダウンロードしておきます。

問題は何を見るかです。
以前の私のコンピュータは覗き見防止フィルターを付けていましたが、今のものには付けていません。
まあ特に見られて困るようにものは無いのですが、そう言いながら、私ギャラリーを気にするタイプでもあります。

さて、どんな映画でも、どこかに1回程度はキスシーンやベッドシーンがあるものです。
寝ていた隣人がたまたまこちらを見たときに、ちょうどその一回のシーンだっとことがあります。

なるべくなら、それは避けたいです。
でも初めての映画で、そんな場面が無いかどうか分からないしね。

じゃあ、新幹線では知っている古い名画でも観るかとも考えますが、時間が無いから映画を新幹線にまで持ち込んでいるのに、以前見た映画を再度観るのも時間が勿体ない気もする。


今更こんな映画観ているの?
あんたこんな映画面白いと思う?

いやいや世間は何も気にしていないですよね。
わかってますよ。でもおじさんは気になるのです。
他人に本棚を見られるのが嫌なタイプです。


というところで、様々なチョイスの中で、先日の出張では「ダイハード・ラストディ」を観ました。まあお約束のブルース・ウィリスのあのシリーズ5作目です。
遅過ぎもなく、濡れ場もなく、無難かと思いまして。
このシリーズは1作目が一番良かったと言いながら、でも結局毎回見ています。ただ今回だけは、この作品上映中に映画館に行くことができなかったので。

たまたま運の悪い一警察官が事件に出くわして・・・
これを毎回やってくれるシリーズです。
ブルース・ウィリスのいつもの演技でアクションの中にくすぐりがあるシリーズです。

いつもの演技と言えば、ブルース・ウィリスって昔のテレビシリーズの「こちらブルームーン探偵社」当時から今まで、どんな役柄でも結局同じですね。ドラマ毎にまったく雰囲気が変わる役者は凄いですが、こんな役者もアリだと思います。

さて話しを戻して、ダイハードシリーズですが、だんだんアクションがエスカレートして、先にアクションありきの作りなので、ドラマがどんどん酷くなっていますね。
アクションも前作4.0などは飛んでいる戦闘機F-35Bにしがみつくんですからね。

今回の「ダイハード・ラストディ」も、本来別の映画に仕立てても良かったドラマを「ダイハード」の名前を冠すれば間違いなく売れるので、そんな売り方にしたと思える映画でした。
今回も確かにアクションは面白いですよ。
ロシアでとんでもないカーチェイスをしたり。(しかし何台車を壊したのだろうか。あのポルシェ欲しい)

そして今作の主人公マクレーンは、いつもよりスーパーなんですよ。
私の中でダイハードは、もっと違って欲しいと思いました。

ただの一警官ジョン・マクレーンが、最悪なタイミングで最悪な事件に遭遇して、格好良くもなく、ぶつぶつ言いながらも切り抜ける・・・。
気が付いたら巨悪を壊滅させている・・・。
ブルース・ウィリスの味を前面に出す映画のはずです。
そのためのドラマが第5作目にもあれば良かったと思います。
あの1作目の極限の中の無線だけで繋がる巡査部長アル・パウエルとの友情などのようなものは好きですね。

結局ダメ映画かって?
いえいえ面白かったです。お勧めしますよ。
特に新幹線で観るには、とても無難な映画でした。







2013年7月23日火曜日

NHK 夏休み 子ども科学電話相談

私の大好きなラジオ番組です。
今年も始まりました。
今年で30周年だそうです。

子どもの相談内容がとても良いですね。
以下は昨日と今日の質問からです。
「土星の輪は、何でできているのですか?」
「タイムマシンは、まだできないのですか?」
「ナメクジは、塩をかけると小さくなるのは何故ですか?」

この番組のキモは、難しい科学の理論を如何に難しい言葉を使わずに説明するかです。
何しろ質問の答えになる理論の、更にその前提の理論が無い子ども達に分かるように説明することはとても困難なことです。
例えば重力も相対性理論も浸透圧も細胞も知らないのですから。
いつも質問を聞いて、私ならどう答えるかシミュレーションするのです。(私、一応理科の教員免許を持っています)
そしてラジオの回答と比べてみるのが、朝の楽しみです。
もちろん、ラジオの回答に拍手したくなることが多いです。
たまに「おやおや、それは無理でしょう」と言いたくなることもありますが、それは少しでも丁寧に教えたい思いからであることが理解できますし、そんなときは周りの方がフォローします。
あの番組は、とても良い回答者が揃っています。

しかも回答者の先生達は、質問した子どもに対してすぐに回答に入りません。
その子が、いつどんな状態で、そのような疑問を持ったのかを聞きます。
そして「良く気が付いたね」って褒めます。
答えてからも、質問に関する今後のアドバイス(ちょっとした課題)も追加して終わります。
子ども達は、もっと科学が好きになりますね。
このあたりが、私がとても感心している部分です。


私達専門家と言われる人達は、この技術を身に付けなければなりません。
私は後輩達に、相談者に対して「○○法第○条・・」という説明はしないように指導しています。自分の説明能力不足を法律の名前を借りて煙に巻くようなものだからです。
少しこのラジオを聞いて、素人に平易な言葉で説明するということは、どんなことなのかを考えてみましょう。




2013年7月22日月曜日

東北ブロック協議会総会

7月19日と20日は東北ブロック協議会総会が開催されました。
東北ブロック協議会は、毎年開催地が各会持ち回りになってまして、今年は福島会の担当でした。何と言っても今年は「八重の桜」の年ですから、会場も会津若松市で開催されました。

1日目が東北ブロック協議会の総会議事日程でした。
無事に会務や事業に関する昨年度の報告と来年度の計画や、決算と予算を承認いただきました。また若干の会則変更と役員変更の議題も無事に決まりました。


2日目は、各部の意見交換会の前に、急遽先月の日調連総会で新会長に就任された林千年氏の講話を入れていただきました。
15分の短い時間しか無いところ、とても多岐にわたってお話しされました。
具体的政策を述べられましたが、その他にもいくつか印象的な言葉がありました。

「内向きの話だけしていると耳障りは良いけれど、その内すら守れなくなる」
「意識を変えれば、行動が変わる。行動が変われば、習慣が変わる。習慣が変われば、業務が変わる。業務が変われば、制度が変わる。」

最後に「しっかり説明責任を果たしてやっていきたい。」とお話しされました。
国も東電を引き合いに出すまでもなく、この説明責任はとても大事なことです。
私がいつも言ってきたことですが、日調連は説明が下手です。
説明する気が無いのかと思うほど、下手です。
説明するにも、背景まで分かりやすく説明しなければなりません。
日調連には優秀なスポークスマンが欲しいものです。
この林会長の言葉で少し変わることを期待します。

そのように全国会員が共通理解を心がけ、思考ベースを一致させ、世界の流れを察知して、その流れに先んじて共に行動しなければならないと思っています。
流れを気にせずに正論さえ言っていれば守られる訳ではありません。
世の中は政治が正論を覆すこともあります。

まさに今回の会場は会津です。
正論を貫いたはずの会津の運命はご存じのとおりです。




2013年7月20日土曜日

熊本会研修会で考えたこと

先週末、熊本県土地家屋調査士会で研修会講師を務めてきました。
講義名は「東日本大震災を経験して〜土地家屋調査士の役割」です。
東日本大震災の際の支援に対する御礼を述べる機会でもありましたので、喜んでお伺い致しました。

その際に宮城から石巻支部の渋谷周一郎会員も同行したのですが、彼も研修会の中で自分が被災した体験をお伝えする機会を戴きました。あの時の石巻は街に津波が浸入し、とても大きな被害がありました。その最前線にいた彼の正直な言葉はとても説得力がありました。

被災者が、どこにいたか、何をしていたか、どんな立場か、それによって得た被災体験が皆違います。それは伝えるべき被災内容が皆違うということです。
ですから、できるだけ多くの人が自分の被災体験を伝えるべきです。

私達は地震学者でも、防災専門家でもありません。
しかしそのような地震の専門家だけでなく、一般の市民が自分の立場でお話しすれば良いと思います。
被災地の農家として、被災地の公務員として、被災地の母親として、被災地の愛犬家として、被災地の中学生として・・・。
そうすれば、確実に他の地域の同じ立場の人の役に立ちます。

私達も土地家屋調査士の立場で震災を経験し、私達の業界とそれを取り巻く周辺の問題点を見つけました。それは被災地の土地家屋調査士でないと経験できなかったことです。それらを伝えることで、全国の土地家屋調査士の為になると思います。

また私も被災地の会長として被災を経験し、私でないと経験できなかったことがあると思っています。ですから今後もそれを伝えたいと思っています。おそらく全国の被災地の組織を運営する際にお役に立つヒントをお渡しできると思っているからです。

それが「被災者責任」でもあります。



2013年7月18日木曜日

言葉のキャッチボール

会話は、相手があってはじめて成立します。
私が相手に意見や考えをお伝えして、その内容に対して相手が返してくる。
このような会話における言葉のやりとりを、よくキャッチボールに喩えられることがあります。

確かに「言葉のキャッチボール」と言われると分かりやすいことがあります。

キャッチボールは相手の顔色を見ながらボールを投げるのです。
一球一球に対して変化する相手の反応を見ながら、リズムやスピード、コースや変化を考えて、効果的なボールを投げるのです。

ボールをどちらかで止めるとキャッチボールは成立しません。
でもボールを見失うことはよくあるのです。
ボールを投げられたのが気が付かないと、遊んでもらえなくなります。

今ボールはどちらにあるのか。
そうか私が投げる順番だった・・・ではマズイでしょうね。

これがバッターとの勝負事と勘違いするようなボールを投げるとキャッチボールは難しくなります。
オレはこんなに豪速球を投げられるんだと、自慢話だけのボールは相手が受けません。
相手が投げ返さなくなったら、自分のボールを反省すべきです。
キャッチボールは必ず相手が受けられるボールを投げます。
 
もちろん簡単なボールだけを投げるべきだとは思いません。
それではキャッチボールが退屈になります。
緩急の変化を付けて、球種を投げ分けて、相手が球拾いに行かないで済む程度の難しいボールを投げることも、相手を楽しませることだと思います。

友人関係も、会務も、研修講師も、私は皆同じだと思っています。

そして本当にお伝えしたい意見は、姑息な変化球を使わずに、相手の構えたグラブのど真ん中にストレートボールを投げたいと思っています。




2013年7月15日月曜日

地図の源

熊本県土地家屋調査士会が設置した「地図の源」(旧日本測地系第Ⅱ系測量原点記念碑)を見る機会がありました。
案内と説明をしていただいたのは熊本会前田千秋副会長(漬け物名人)と坂本隆一会員(あの有名なオンライン申請入門の作者)です。
実際に行ってみると、事前に私が勝手に想像していたものより、遙かに立派なものでした。


熊本会で測量して原点を出し、このモニュメントを設置したとのことです。
国有林の一部を借地して原点までの道路を整備し、立派な原点のモニュメントや銘板がありました。これらの資金を熊本県土地家屋調査士会が寄付を募ったものです。また県道からこの記念碑までの通路部分の国有林を熊本会が借地しているそうです。この行動力に敬意を表します。


「地図の源」は香川保一先生の書です。


斜面に張り出したテラスの上に復元された第Ⅱ系原点


以下、記念碑に刻まれた原点の説明です。

 地図に関わってきた私たち土地家屋調査士の制度が誕生して50年を迎えました。記念すべきこの年は、伊能忠敬が日本地図を作るため測量の旅に出発してから丁度200年になります。伊能忠敬も丸い地球を平らな地図として表すことに随分苦労したようですが、現在では、地図の多くは全国を座標系と呼ばれる19の区域に分け、それぞれを平面とみなして作製されています。
今、あなたが立っているこの位置(東経131度00分00秒、北緯33度00分00秒)は、九州の大部分を含む座標系(平面直角座標系第Ⅱ系)の中心です。
座標系の中心を原点といいますが、―つの座標系の中にある、例えば学校や病院、あるいはあなたが住んでいる家の位置は、この原点からの南北方向の距離と、東西方向の距離で表すことができます。これらを平面上に表示することにより地図が作られます。いわばこの原点は「地図の源」と言えます
これらの座標系の基となる日本測地系と世界測地系の経緯度が、人工衛星を使った測量により、ずれていることが判明いたしました。現在、これを―致させる作業が進められています。その結果、この原点の位置が約400m南東に移動することになります。
そこで、土地家屋調査士制度制定50周年にあたり、永い間「地図の源」となってきたこの原点を、記念の碑として後世に残したいと思います。

2000年10月1日
熊本県土地家屋調査士会

もっと詳しい説明はyoutubeで動画があります。
熊本会の中島孝副会長が丁寧に説明してくださいます。

この「地図の源」はとても素晴らしいものと思います。地図に携わる者としてとても感激しました。なかなか測量原点で車ですぐ側まで行くことができるところはありません。土地家屋調査士に限らず、阿蘇観光をされる皆さんは、是非立ち寄ってみてください。

行き方ですか?

『東経131度00分00秒、北緯33度00分00秒』ですよ。
(日本測地系ですが)


*カーナビは世界測地系です。



2013年7月11日木曜日

境界問題相談センターみえ設立

中部ブロック協議会総会の前日の7月4日に、三重会のADRセンター「境界問題相談センターみえ」の設立記念式典が開催されました。私も出席させて戴きました。全国土地家屋調査士会50会の最後の境界ADRセンターになります。これで全国全部の会に境界ADRセンターが揃いました。
三重会もここまで来るには様々な議論を重ねて、先週の設立を迎えたのでしょう。
本当にお疲れ様でした。

私はこれまで、このブログで何度も「ADRセンターは有った方が良い」と言っています。
心配された方々の間では、全国のADRセンターの事件数を見て、費用対効果を議論がされたかも知れません。
「裁判」や「裁判所の調停」との棲み分けや、「筆界特定制度」との棲み分けの問題も議論されたのかも知れません。

しかし、私は「棲み分けや件数でADRセンターを語る必要は無い」と思っています。
地元にADRセンターが有れば「何かあったときに相談できる場所がある」ということだけで地権者に安心感ができます。地元に住んでいる人は今境界争いをしている人ばかりではありません。それでも設立の意味があるのです。

筆界特定制度とADRセンターの取り扱う境界問題は、理論的にまったく違うのですが、一般の地権者はその違いが分かりません。だから、まずは行きやすいところに相談に行きます。
実際に窓口振り分けと言っても、具体的内容に入っていかないと本当の振り分けができないこともあります。実際にそれで良いと思っています。困っている人の窓口は多い方が良いです。
ADRセンターは法務局や裁判所と違い、場合によっては土日や夜間などのフレキシブルな対応も可能です。そこが利用者としてもADRセンターを利用しやすい部分でもあり、ADRセンターとしても紛争の本質を把握しやすい部分でもあります。

土地家屋調査士が境界ADRセンターを担当すべき理由は、境界に関する法律や境界を調査する技術に熟知しているからだけではありません。むしろ毎日境界を調査して地権者の相談を受けているからこそ、紛争当事者の真に言いたいことが一番良く分かるからだと思っています。

お金がかかるという問題についても、固定費を減らせば、今のところ件数が少ないのですから変動費は問題ないはずです。ここも工夫次第です。また費用対効果を語るときの「効果は何か」ということも考えるべきです。

さて、日調連もここまでは、全国にADRセンターを揃えることが、ある意味目的化していました。全部揃った今からは、次のステージに行かなければなりません。
先月の日調連総会で選任された林会長は「境界紛争ゼロ宣言」を打ち出しました。
この機会に全国が、ADRセンターについても認定土地家屋調査士についても、再度議論すべきと思います。

2013年7月9日火曜日

関東ブロック協議会総会

7日は、関東ブロック協議会の第59回定例総会にお伺い致しました。
関東ブロック協議会は、このブログでも何回か説明しているように、いわゆる関東地方の東京、神奈川、埼玉、千葉、茨城、栃木、群馬に加えて静岡、山梨、長野、新潟を含む11会が所属している大きなブロックです。
さすがに11会の役員が勢揃いすると壮観でした。
会員数でも全国会員数の4割弱を占めますので、土地家屋調査士の世界の未来を決める議論の中でも、この関東ブロック協議会の影響が大きいことになります。
今後ともよろしくお願い致します。

さて今回の総会担当会は新潟会で、新潟市内で開催されました。
新潟会は、一昨年の東日本大震災の際に、支援物資の中継基地として大変ご苦労をお掛けした会です。東北への最前線基地として昼夜問わず頑張って戴きました。
宮城の会員は、助けていただいた恩を忘れません。
この機会を戴いて、阿部会長をはじめとする新潟の皆さんに、改めて感謝の気持ちをお伝えしてきました。

以下の写真は、会場の朱鷺メッセから見た信濃川です。


この信濃川の沿岸にこんなメッセージがありました。


小さな写真から読み取ることができるでしょうか。

震災 ガンバレ! 東北

とあります。
「震災」の前にも何か文字があるのでしょう。

ありがたいです。
美しい夕日と信濃川を見ながら、新潟がまた好きになりました。






2013年7月8日月曜日

中部ブロック協議会総会

先週末、中部ブロック協議会総会と関東ブロック協議会総会に来賓として出席して来ました。
そして来週は東北ブロック協議会総会があります。

参加してみると各ブロック毎にまったく雰囲気が違います。
各ブロック協議会の定義が曖昧なために、ブロック協議会主催で事業をするために広報部長や研修部長が存在するブロック協議会と、各単位会の情報交換を主目的とするブロック協議会があります。東北ブロックは後者です。
東北ブロックは、もともと会員数が少ないという事情があり、会費が潤沢なブロック協議会とは異なり、情報交換程度しかできないと言うことも事実です。

ただこれは愚痴を言っているのでは無く、方針の違いです。
単位会でやるべきことをブロックでやるか、つまり大きな政府を目指すのか、小さな政府を目指すのか、それに対応した単位会が何をすべきなのかの方針の違いが有るということです。
他のブロック協議会を見ることにより、自分たちの位置づけを再確認しましょうと言っております。
また、他のブロックや他の単位会の事情を知らずに日調連や単位会の役員になり、自分の地元と同じ感覚で全国に意見を言うことが、他にとってとても迷惑なことも理解しておかなければなりません。

さて、それにしても全国には頼もしい仲間がたくさんいます。全国に行くとまだまだお会いしていないたくさんの仲間に会うことができます。
これらの人材を生かさないと、業界としてとても勿体ないことだと思いました。

今年の中部ブロック協議会の総会は三重会が担当しました。
三重会のおもてなしの心遣いは「懇親会からランチまで丁寧に書き込んだマップ」の作成など、各所に現れていました。

本当に熱い中、三重の役員さん達は、各所に立って幟を持って道案内をしてくださっていました。

本会議の写真はありません。
来賓の立場で本会議場を撮影する訳にいきませんので。


余興のハンドベルです。
三重県土地家屋調査士会会員さんのグループですが、三重県司法書士会会長も入っていました。
何曲か披露した中にお馴染みの「土地家屋調査士の歌」もありました。
ハンドベルの演奏は、特に集まって練習する必要があるので、大変だったと思います。



また以下は、懇親会の中で披露された狂言「寝音曲」です。
左が野村又三郎氏(和泉流狂言方・野村派14世当主)、とても有名な方だそうです。
すみません。私は知りませんでした。
右がそのお弟子さんで、なんと三重会所属の土地家屋調査士藤波徹会員です。
素人の趣味の範囲ではなく、とても素晴らしい狂言を堪能致しました。


細やかで多才な方がいる三重会に感謝します。



2013年7月7日日曜日

世界から猫が消えたなら

「世界から猫が消えたなら」川村元気


ゴールデンウイークに買っておいた本ですが、先日の出張でやっと読みました。

郵便配達員の主人公が明日死ぬと伝えられ、悪魔にこの世から何かを消すことと引き替えに自分の寿命を一日延ばすことができる言われた話です。
さて何を消せば良いのだろうか。
世の中に必要の無いものは・・・。
チョコレート、電話、映画、時計、猫。
そして僕・・・。
それらは本当にこの世に必要なのか、それとも・・・

評判がとても良かった本です。
「哲学的内容をさらっと読ませて、涙が止まらない・・・」
まあそのようなポップがどうかという問題があります。

仙台〜東京の片道で読み終わりました。
文体が脱力系でさらっと読める本です。
死を通して今生きている世界を再確認する話なので、哲学的と言えばそうなんでしょう。私にはそこまででは無かったのです。
確かに泣けそうな部分もあるけれど、涙腺の弱くなったおじさんでも新幹線車内で涙を流さないで済みました。

今文学が軽くなっています。
ライトノベルというジャンルや、携帯小説の時代でもあります。
この本はとても読みやすく、やはりこれだけのサービス文体じゃないと、今は読者がついてこないのかも知れません。子どもから大人までを対象にした本になりますし。

でもサービスしすぎて、味わいを消してしまっているところが惜しいと思いました。
私がギリギリで涙を流さないで済んだ理由がこの辺りにもありそうです。
作者川村元気が映画プロデューサーであることが、作品をこんな感じにまとめさせたのかも知れません。

いや、良い本だと思いますよ。
このテーマを考えついて、それに沿って日常を掘り下げていったことがすごいと思います。内容はネタバレになりますので書きませんが、簡単な文体で深い話を考えさせると言うことは、とても難しくテクニックが要るところです。
(実は私の研修会もここを目指していますので、思い知らされています)

「結局この本を読むべきか?」
はい、買って読んでください。
大半の方は後悔しないでしょう。
私も後悔はしていません。
もし読んで合わなかったら、お子さんに渡してください。
夏休みの読書感想文にはもってこいの本だと思います。


2013年7月5日金曜日

長野支部被災地視察旅行その後のお便り

長野支部の被災地視察旅行については、先日のブログでご紹介致しました
その後も長野支部の皆さんから嬉しいメールを戴いております。
以下長野会松本誠吾副会長から戴いたメールの一部をご本人の了解のもとに転載させて戴きます。

(略)
翌日は松島巡りの船に乗り、船内で島の案内をしてくれていた女性が突如「私は親も子も失いました、だだ一つだけ増えたものがあります、きれいな海が戻りました」と言っていました。あの津波の映像が信じられないほどの穏やかな海に、人ごととは思えないほど恨めしさを感じました。
船を下りる際には私も含め、生わかめ、牡蠣野水煮など沢山の方が買いもとめていました。
石巻に於いても多感な平井君と同様な感想です。何度も見た地形と同じ場所に立ち、上段と平地部でのまさに天国と地獄を感じました。
長野も河川水害、地震の多い処です。江戸末期、善光寺地震では一万人近く無くなったという記録があります。火災と自然ダム湖の決壊です。
地滑り防災学の先生が「何で山がこんな形をしているか判るかね、みな水で流され、こうなったんだよ」と言ってました。
(略)
我々の支部旅行はなかなかのものとなりました。あまり沢山来られると大変でしょうが、発信され沢山の会員が訪れたら良いと思いました。
(略)

先日の平井支部長も今回の松本副会長も、「やはり映像ではわからない、現地に来なければわからないことがある」とおっしゃってくださいました。
宮城会ではお声をかけて戴ければ、できる範囲でお役に立ちたいと思います。
一昨年の東日本大震災では、全国の皆さんから戴いた多大なご支援を戴いております。
長野支部の皆さんのように、被災地を見て戴いて、皆さんの地元の防災にも思いを巡らす切っ掛けになることが、ほんの僅かではありますが、今私たちができる恩返しと思っておりますので、ご遠慮なくご相談ください。




2013年7月4日木曜日

宮城会入会希望者面接

7月2日に宮城県土地家屋調査士会に入会を希望する方の面接がありました。

宮城県土地家屋調査士会に入会を希望する方は、所属予定支部の支部長の面接を受けてその確認を得ることを、入会条件に加えることの検討をしています。前回の支部長会議でその方向性に決まりましたので、今回はそのパイロットケースとして、田中仙台支部長と一緒に私も面接を行いました。

土地家屋調査士会としては、どこかに就職したままの入会を避けるために、詳細をお聞きする必要があります。たとえば測量会社等に雇われたまま入会することは土地家屋調査士法違反に該当します。
土地家屋調査士は個人の能力に与えられた専門資格です。
事件に当たっては、資格者本人の判断で行動しなければなりません。
それなのに測量会社などに雇われている場合は、本人の判断ではなくて、資格の無いボスの判断で動くことが懸念されます。
名義貸しの虞れも有ります。
ですから、どの土地家屋調査士会でも、そのような状態での入会は認めません。
その他にも、その方が入会要件を満たすかどうかを確認しました。

ただこの面接は、そのような振り落とす目的ではなくて、今後の土地家屋調査士事務所経営の為に仙台支部長と2人でアドバイスすることを中心に考えました。
その中で私も以下のアドバイスを致しました。

1、事務所開設では固定費を極力下げることを考える
実際に事務所経営では固定費が効いて来ます。変動費は仕事が有るときに発生しますから、さほど問題ではありません。最初から測量機器を全部揃える程仕事があるのか。事務所の設備はどこまで必要なのか。冷静に考えてみましょう。

2、今までの自分の能力を再度棚卸ししてみる
あなたの実力は今まで勤めた事務所の中で判断しているでしょう。
その事務所が土地家屋調査士の世界で標準でしょうか。
謙虚になって世間を見てください。

不動産登記法が改正になっています。
・世界座標で測量をしない言い訳をして任意座標で測量を続ける事務所が標準でしょうか?
・添付情報も含めてオンライン申請をせずに、未だに紙申請をしている事務所が標準でしょうか?
・筆界特定申請を依頼されて、躊躇する事務所が標準でしょうか?
・認定調査士制度があるのに、特別研修にチャレンジしない事務所が標準でしょうか?
少し考えてみてください。

3、一番の営業は実力を付けることである
新人の足下を見て変な仕事の依頼が来ることが有ります。
せっかく取った資格を大事にしてください。
新人は名前が売れていないから仕事が来ないだけではないのです。
総合的実力が無いから仕事が来ないのです。
暇なら、悩んでないで、公園でも測量に行けば良いでしょう。
境界鑑定書の練習でもすれば良いでしょう。
実力が有れば、少なくても先輩から手伝ってくれと声がかかるはずです。

4、土地家屋調査士は商売敵ではなく仲間である
土地家屋調査士は共同して仕事を受託することもありますし、教え合うこともあります。
固定費を増やせないなら、なおさら仲間を作った方が良いです。
宮城には青調会が有りますので、入れば、研修と仲間作りに役に立つでしょう。

昨日の方は入会して良い土地家屋調査士になりそうです。

このブログをお読みで入会を検討している方がいれば、遠慮なく相談に来てください。
別に宮城会入会が前提でなくても結構です。
入会してからでは遅いアドバイス内容も有りますので。




2013年7月3日水曜日

一時ファイルの背表紙はフリクションで

このブログでは、フリクションボール・シリーズをしつこく書いていますが、私はパイロットの人間ではありません。まあ土地家屋調査士ですからね。

さて、このフリクションボールのシリーズの中でも、フリクション・カラーズ(FRIXION COLORS)はお気に入りの一本です。このペンは太めの文字幅で書き味も滑らかで、筆圧も少なくて済むので筆跡が綺麗に消えます。

私はこのフリクション・カラーズを、ファイルの背表紙に文字を書く用途に使うことが多いです。



一時的な資料のファイリングに使う紙のファイルは、短い一定期間が過ぎると役目を終えてしまいます。そのときに背表紙に文字を書いているとリユースしづらいのです。
背表紙を鉛筆で書いてみたこともありますが、鉛筆では文字が薄くて読みづらく、そこで使い始めたのがこのフリクション・カラーズです。
汎用のファイルの背表紙にはこんな感じで走り書きをしておきます。
ちなみに中の2冊がフリクション・カラーズで書いた一時ファイルで、右がクリアブック・ノビータで、左がマインドマップ用スケッチブックです。



下の写真は、上の写真で書いた「荒町」の「町」を消したところです。実際にとても綺麗に消えます。


鉛筆よりしっかり濃く書くことができて、消し跡は鉛筆よりはるかに綺麗になります。

一時ファイルは、このフリクション・カラーズで背表紙を書くようになってから、無駄が減りました。また最終的な保管についても、最近は資料の大半をEvernoteで保管しますので、実際に使用するファイルの数は激減しました。

フリクション・ボールは、文字を書いて間違ったら消すことができるという本来の使い方だけでなく、最初から一定期間後消す前提で文字を書く用途と捉えることもできます。




2013年7月1日月曜日

長野支部被災地視察旅行

6月28日に長野会長野支部の皆さんが、被災地視察旅行に来てくださいました。以下は宮城県土地家屋調査士会館前の集合写真です。
28名の皆さんのご参加がありました。
長野からのバスによる長旅にもかかわらず、たくさんの皆さんがご参加くださり、感謝しております。


初日に、このブログでも何度か紹介している仙台市青葉区折立地区を視察してもらいました。

いつも申し上げているように、真っ新になった海辺の問題も深刻ですが、地籍的には地形地物が残ったまま地殻変動した地域はとても難しい問題を抱えています。


 折立地区は2年3ヶ月経ってやっと土木工事に着手しました。


ここは例の直線道路です。
両側には建物が建ち並んでいたのです。

その後宮城県土地家屋調査士会の会館に移動して、大震災と土地家屋調査士について、少し説明をさせて戴きました。長野支部の皆さんは、資料を読み込んで、事前にたくさんの質問も準備なされて来て、積極的な態度がとても嬉しく思いました。



松島に宿泊され、地元にもお金を落としてくださったようです。
そして翌日は震災語り部の案内を受けながら石巻方面を視察なさりました。
私は石巻には同行できませんでしたが、良い視察をして戴きました。

震災を忘れずに来て戴けることは、とてもありがたいことです。
私達もできるだけご協力させて戴きます。
被災地に行くからと言って、あまりストイックに考えなくても結構です。
観光旅行的な視察でも土地家屋調査士が見れば、必ず専門家の目になります。
何かを感じることができると思います。


以下、平井支部長から戴いたメールから抜粋させてください。

石巻の津波被災地は圧倒されました。
自分の目で見て、肌で感じることの大切さを再認識し
それと同時に、被災された方の心情がどれほどのものか、大変胸が痛む思いです。
まだまだ、まだまだ時間がかかりそうですね。


長野支部の皆さん、ありがとうございました。