2014年1月28日火曜日

ミニモ 世界で一番細いボールペン

何かをメモしなければならないときに手近に筆記具がないととても困りますね。咄嗟のメモの際、メモ用紙は何か手近なものが有るものですが、筆記具は無いことがあります。

私はとにかくあらゆるところに何らかの筆記具を置いています。
事務所にも、自宅にも、車の中にも、持つ可能性の有るバッグ全部にも、常時入れています。
基本的にはそれらの筆記具は非常時のもので、普段使うのは持ち歩いているペンケースの中のペンか、スーツに一本入れているペンです。

さて、その非常時ペンの一つに、名刺入れに入れているオート株式会社の「ミニモ」があります。これは世界一細いノック式ボールペンです。

名刺サイズの差し込み型のホルダーが付いているので、手帳や財布や名刺入れにきれいに入ります。


私の場合、個人事務所の名刺と、オフィシャルな会長の名刺とを一緒に持ち歩いているので、名刺入れの丁度その仕切りに使っています。




このミニモの長さは名刺と同じ91mmで、軸径は3.7mmとのこと。
用途から言ってもキャップ式や、ペン先がむき出しは有り得ないので、ノック式でこのサイズは頑張ったと思っています。



他のペンと比べるとこんな感じです。
右がお馴染みの三菱のジェットストリーム、左がパーカーのインジェニュイティです。このミニモのサイズが分かるでしょう。




分解してみました。細い中にノック式の機構が組み込まれています。



ボール径は0.5mmです。
握った感じも、短いメモならまったく問題の無い使い心地です。
思ったよりもしっかりしていますよ。

半年ほど前から名刺入れに入れていますが、数回使った程度ですね。
公式なパーティでペンケース入りのバッグを持ち込んだりできない場所で、名刺入れだけ持つシチュエーションで使いました。

一番の使い方は、名刺交換の際に「どう、こんなの知っている?」って自慢することかな。
いいんです。私の文具は持っていることに意味が有るんだから。














2014年1月26日日曜日

近畿ブロック新人研修会にて

近畿ブロック協議会の新人研修会に今年も講師でお招き戴きました。



いつも書いていますが、この新人研修会や先日の開業ガイダンスで講義をすることは、他の研修会の講義とはかなり違った特別のものだと考えています。

試験に合格し、土地家屋調査士会に登録して開業し、これから土地家屋調査士として頑張ろうという意欲に満ちた新人達の未来を左右しかねない研修会だからです。だから細心の注意を払って研修を構築しなければならないと考えています。

研修では自分勝手な哲学を振り回す訳にも行きません。しかし、当たり障りの無いことだけ言っても、何も心に響かないでしょう。そんな研修は意味がありません。その兼ね合いがとてもデリケートなものだと思っています。

新人たちの中で補助者歴が長い人は変な自信を持っていて、慢心していることがあります。補助者歴が長くても、土地家屋調査士をしていた訳では無いのです。その事務所の登記事務や測量をやっていただけです。しかも勤めていたその事務所は、全国の土地家屋調査士の中の標準的なレベルの事務所なのでしょうか。

土地家屋調査士を知っていると言っても、勤めていた事務所の先生を含む数名程度の土地家屋調査士しか知らないでしょう。それで土地家屋調査士全体を見たつもりにならないでください。
また登記情報を含む地籍情報の動向や、これからの制度の見通しなど聞いたことも考えたことも無いでしょう。そんなことを考えておかないと、時代に取り残されてしまうかも知れません。
全国には様々な土地家屋調査士がいることをお知らせしたいのです。

一度謙虚に、今回の講師たちの話しを聞いてみて欲しいと思います。
近畿ブロック新人研修会の講師団は、後輩たちの為に熱心に講義をする人たちが集まっています。そしてこの講師たちは、受講している新人たちの為に、時間を割いて長年かかって身に付けた自分のノウハウを、分かりやすく伝える努力をしているのです。
それらの講義を聞いて、本来の、そしてこれからの、土地家屋調査士のあり方について、気がついて欲しいのです。

私個人としても、昨晩も研修後に夜中まで新人の皆さんと、お話しができました。
すべて聞かれた質問には答えたつもりです。
皆良い眼をしていました。
全国であのような新人たちが増えてきたら、彼らの事務所も、この土地家屋調査士業界も素晴らしい未来が待っているでしょう。



2014年1月22日水曜日

本日は研修会ですよ

本日は以下の研修会です。
宮城会会員の皆さん、忘れていませんか。

関連業務の研修会です。
関連業務の知識が曖昧のまま業務を続けてトラブルになることが有るようです。
会場でお待ちします。


平成25年度第3回研修会


日時 平成26年 1月22日(水) 13:00~17:00

会場 フォレストホール(宮城教育会館)
   〒981-0933 仙台市青葉区柏木1-2-45/TEL:022-271-9340

① 建築基準法(道路部分を中心に) 13:35~14:35
     講師 宮城県担当職員

② 都市計画法(開発行為を中心に) 14:45~15:45
     講師 宮城県担当職員

③ 開発行為の事例説明       15:55~16:55
     講師 宮城県土地家屋調査士会研修部


追記)

お疲れ様でした。
本日は、本当に多数の会員が出席されました。
また他の会からも20人ほどの会員が参加されました。
研修部も企画した甲斐がありました。
会員の皆さんの明日からの業務に役に立てて戴きたいと思います。

2014年1月21日火曜日

ココサス 切り離せるふせん

私の普段使いの文具の中で欠かせないものの一つに付箋(ふせん)があります。そして私の使う付箋には、2つの役割があります。

一つは、該当ページを速やかに開くためのブックマークの役割です。
もう一つは、書籍などを読んでいる際に思いついたことを書くためのメモ用紙代わりにして、その書籍の該当部分に張り込む役割です。


今回紹介する「ココサス」は、その前者の役割を担います。
後で参照したい項目を速やかに開くためにそのページに付箋を付けますが、そのページを開いてから、「このページのどこが大切なんだっけ?」ということがありますね。
それを解消する付箋です。



この付箋は、先端部分とその下の部分を切り離せます。




だから該当部分に先端部分を貼り付け、その下の部分を切り離し、その本のページの上にはみだして貼ります。これでページと該当部分がすぐわかることになります。



皆さん、良いでしょ。

・・・誰ですか?
「付箋を2枚使えば良いだけですね」って言っているのは?

私の文具は事務用品とは違うんです。
合理的だけでは事務用品になっちゃいますからね。


追記)
ただ、この付箋はどうも粘着力が少ないですね。自然に剥がれるかも知れないくらいです。たまたま私の買った製品の個体差なら良いのですが、もう少しだけ強くないと使いづらいかも知れません。


2014年1月20日月曜日

開業ガイダンスを終えて

先週末1月18日は東北ブロック協議会主催の「試験合格者のための開業ガイダンス」が開催されました。
本来は仙台法務局管轄の東北地方で今年合格された方々のための「開業ガイダンス」でしたが、今年も新潟、群馬、神奈川、長野、三重など他のブロックからの参加申込みもいらっしゃいまして、当日欠席者がありましたが最終受講者は16名でした。
合格者の疑問や迷いには、東北ブロックの各会の会長や数年前に登録したばかりの先輩土地家屋調査士が皆でお答えしました。

開業の方法や事務所経営の考え方は、皆それぞれ違います。
その人の経歴や能力や環境で、その方法は違ってくるはずです。
そういう意味でも、皆さんの迷いに対する100点満点の正解は無いのでしょう。でも不正解は必ずあります。
ですから、様々な経歴を持って現実に長い間事務所を経営している多くの先輩が、本音で回答することが重要だと思いました。
今回は上記の東北の回答者と他のブロックから視察に来てくれたオブザーバーを含めて10数名で回答しました。
おそらく受講生には迷いを晴らすヒントはお渡しできたと思います。

迷っている人を無理に入会させようという趣旨ではありません。迷いをはらした結果、入会は辞めたという結論でも良いと思っています。ただ迷っている人生が勿体ないと思うからです。

今回受講者の皆さんとお話ししていて特に感じたことですが、皆さんが思った以上に1人で悩んでいるということです。私からのアドバイスとしては、もっと先輩の土地家屋調査士と話して欲しいということです。それもできるだけたくさんの土地家屋調査士と話しができれば良いですね。
まったく1人だけで考えて、情報源はネットだけで、匿名掲示板などの書き込みをそのまま受け取って悩んでいたりしているようです。
本当に土地家屋調査士の資格では生活できる年収は得られないのでしょうか。
では土地家屋調査士一本で生活している先輩たちの存在をどう考えているのでしょうか。
どんな資格者にもいろいろな人がいます。問題は誰を信じるかです。
匿名でぼやいている人達だけでなく、実名を出して表で活躍している先輩たちの話しも聞いてください。少なくても彼らの存在と活動は現実ですから。

補助者経験の無い人も多いので、土地家屋調査士は1人も知らないという方もいるでしょう。でも知り合いに土地家屋調査士がいなくても、皆さんは合格者なんだから、地元の土地家屋調査士会に開業の相談に行っても良いと思います。おそらく相談に載ってくれる土地家屋調査士を紹介してくれると思います。

今回の受講者のみなさんの疑問の中で、このブログで書きづらいものもありますが、書いても差し支えなさそうなものについては、後日私の意見と共に紹介していきます。





2014年1月15日水曜日

きれいに切れるアルミ定規

私はペンケースに三角スケールを、手帳に定規を入れて持ち歩いています。三角スケールは図面を読むときに使いますが、三角スケールでは線を引きません。
手帳内のちょっとした線引き等にこの定規をよく使います。
最近その手帳の定規のポジションには、クツワのアルミ定規を入れてます。
15cmの長さのアルミ製のものです。色は最近お気に入りの赤系統色のピンクです。

定規の目盛りが端からマージン無く、ゼロで始まっているので、使いやすいですね。
線引きにはもちろんですが、実はこの定規には一芸があります。紙がきれいに切れる機能があるのです。
皆さんもやったことがあるでしょう。ハサミを使わずに定規を当てて、紙を持ち上げて、紙を切ることを。その方法で、なるべくきれいに切ることを追求した定規です。

たわみがないアルミを採用し、定規の切る辺は45度の角度を付けて紙を折り返しやすくしています。また紙を切るために最適な引っ張る方向を示す方向線(写真のCutting guide)が、定規に予め印刷されています。


その切りたい紙に定規を載せて、Cutting guideに引っ張る方向を合わせて紙を引きます。


すると、普通の定規で切るよりも、ずっときれいに切れます。


えっ、ただそれだけかって?

そう、それだけです。
切れた跡はハサミには敵いません。
これ以上きれいに切るためには、定規の端を刃にすれば良いだけです。
それでは危険すぎて、定規とは言わずナイフになります。
安全を考えながら、その制約の中で、定規界のセンターを目指しただけですね。

おそらく「鈴木はペンケースの中にpen型のハサミを常備しているから、この定規は不要でしょ」というご意見もあるでしょうね。
結局文具ヲタクは、うんちくが語れるものを持っているだけで幸せなんです。






2014年1月14日火曜日

はがせるくっつくファイル

私の場合、1枚から数枚の資料は、まず暫定的にクリアファイルに入れます。
他所から資料を戴くときも、クリアファイルに入ってくることが多いです。
おそらく私以外でも、数枚程度の資料はクリアファイルに入ることが多いでしょうね。

その資料の行き先が決まっている場合は、クリアファイルから出して、すぐに穴を空けてファイリングするか、スキャンして廃棄するかなど、何らかの処理をしますが、とりあえず持っておきたいときにはクリアファイルのままで一時保管しています。
この一時保管クリアファイルの資料が多くなるとそれはそれで資料の検索がしづらくなります。
それを検索性を良くする為に、最低でもクリアフォルダ等にファイリングすることに超したことはないのですが、所詮一時保管資料ですから、わざわざ何かにファイリングする作業することまでは面倒でやりたくありません。

そんな時に見つけたのがこの製品です。



ニトムズの「はがせるくっつくファイル」です。
あの「コロコロ」をはじめとした接着面を持った各種製品群で有名なニトムズです。その会社が、得意の接着面を売りにしたファイルを作りました。なんというネーミングでしょうか。何とかならなかったのでしょうか。でもこのネーミングがあったから、私も手に取ったのですけどね。



ファイルを開くと背表紙の内側部分に黒い得意の接着面があり、クリアファイルの背の部分をそのまま押しつけると、まるでクリアフォルダになったように「くっつく」のです。

軽く押しつけるだけで問題なさそうです。



そして、それらの「くっついた」クリアファイルは、製品名どおり「はがせる」のです。ですからクリアファイルの資料を暫定的なままで手間をかけずにまとめることができます。

資料を抜き差しする方のクリアファイルの開放されている辺が外側に来ますが、この「はがせるくっつくファイル」には外側にかけるゴムバンドが付いているので資料が抜け落ちることはありません。
逆に開放される辺の2枚を「くっつければ」、袋状になると思い、試してみましたが、粘着力が弱いようです。やはり説明書どおりクリアファイルの背の方を着けるべきですね。




この製品、結構気に入りました。

問題はこの「はがせるくっつく」粘着テープの粘着性がどこまで持つのかでしょう。この製品にはスペアテープが一本付いていました。ということは、そんなに粘着性は長続きしないのかも知れません。

まあそれでも元は取れると思います。











2014年1月10日金曜日

環境は嘆くものではなくて造るもの

先日の投稿で「補助者から独立開業する不安」について書きました。

私は一貫して、独立開業する人達に伝えたいことが、
「環境は嘆くものではなくて造るもの」ということです。

新人達と話していると、独立しているにもかかわらず、まだまだ誰かの指示を待っているように見えます。
組織の呪縛から逃れて、自分の力で生きていこうと思うなら、もっと目標に向かって動かなければならないと思います。おそらく本当の意味で自分で未来を選択したことがないのかも知れないのかも知れませんね。

会社が何もしてくれない、だから独立して自分の力で生きて行くんですよね。
居酒屋で会社や上司の愚痴を言い合う図式が嫌だから、独立したのでしょう。
だったら政治や社会経済を恨んだり、所属会や支部に不満を持ってグズグズしていないで、できることから動けば良いと思うのです。

結局、まだまだ勤め人だった頃と同じ意識なのでしょうね。
独立と言うことは、自分の環境を整えると言うことでもあります。

自分の必要なものは誰も与えてはくれません。
だから自分で造るのです。

先日も書きましたが、自分を客観的に捉えるためにも、将来の指針を作るためにも、先輩と付き合うことも大切ですし、新人同士の仲間作りも大切です。
おそらく新人の皆さんの地元にも、新人が中心の任意の勉強会が有ると思うので、そこに入れてもらっても良いと思います。勉強と同時に仲間作りにもなるはずです。

先日、そんなアドバイスをしたら、「私の会には青調会がないから・・・」と言った新人がいました。
青調会が無いと嘆くより、別に青調会でなくても、何か自分たちで勉強会を造れば良いと何故考えられないのでしょうか。
誰かに何か与えられるのを待って、それを粛々とこなすのが望みなら、その人は独立には向かないでしょう。人生を無駄にしますから、早く組織に戻った方が良いです。
自分で切り開くのが個人業です。

何度も繰り返しになりますが、私達土地家屋調査士会はかなり面倒見の良い業界だと思います。
何の雇用関係も無いのに自分の時間を削って後輩にアドバイスをする先輩が多い、ある意味珍しい業界でもあります。
だからと言って、甘えてもいけません。
最後の判断と行動は自分でやらなければなりません。

嘆く必要はありません。
環境を造ったり変えたりすることは、そんなに難しい事ではありません。
動き始めれば、それがわかります。





2014年1月8日水曜日

補助者から独立開業する不安

土地家屋調査士の資格取得後1年ほど先輩の土地家屋調査士事務所で修行された方が、今回独立しました。中部ブロックの新人からの相談です。

(要約)
先輩の事務所に約1年お世話になり、厳しい修行の中、自信が付いたので独立しました。
ぽっと世間に出たとたんに、自分は仕事がまともにできないことに気付き、現在、開業したことをちょっと後悔し、開業の辛さや寂しさを思い知った今日この頃です。
ただ実力のない自分が情けなく、このまま1人でやっていけるんだろうかと毎日不安で仕方ありません。


大丈夫です。

気持ちは良く分かります。
誰でも通る道だと思います。
あなたは1年修行して、まだ実力不足と考えて、もう少し修行期間を長くしておけば良かったと後悔しているのでしょうね。
でも、あと3年修行してもきっと同じですよ。

所詮、雇われているうちは、どうしても身につかない部分があります。
独立してあらゆる事に対して矢面に立つことにならないと、どうしても気が付かないことがあります。
ですから、どうせ経験するなら早いほうが良いという考え方もあります。
ちなみに私は補助者経験はありません。お勧めはしませんが。

自分で実力がないと分かれば、あとは簡単です。
その実力が無い部分を、次々に埋めていけば良いだけですから。
修行中は自分に実力がないことが分からなかったのですから、埋めることもできません。
自分を謙虚に捉えることができれば、実力はすぐ付きます。

もちろん、かなりの努力は必要です。
厳しい修行と書いてありますが、それでも実力が付かなかったのだから、まだまだ厳しくなかったのかも知れませんよ。
勤めている間の努力は、やれと言われたことを努力するのです。
独立した後は、誰もやれと言わないのに自分で努力するのです。
美味しい物を食べに行ったり、楽しいことをするためのお金と時間を、自ら書籍や研修会費やトレーニングに使うのです。
本当にお客様の役に立つ専門知識を身に付けるのですから、当然の努力です。
でも、その努力は必ず自分に戻ってきます。

誰かの後ろ盾がないととても不安になる気持ちも良く分かります。
あらゆる責任を背負うのですから、とても怖いでしょう。
もちろん「上司に聞いてきます」という言葉が使えないのですから。
でも、あなたはその独立を目指していたのでしょう。
だったら、そこは甘ったれてはいけません。
実力が付けば、その不安は消えます。

また、私はいつでも言ってますが、この業界は面倒見が良い業界です。
何かと相談できる先輩と、愚痴を言える新人の仲間を作った方が良いでしょう。
孤独でいると不安が増大しますから。

心配はありません。
あなたは実力がないことに気が付いたのですから。



2014年1月6日月曜日

リアル書店とネット書店

近年、本を読まない世代が増えてきたと言われます。
それに加えてAmazonや楽天ブックスなどのネット書店の躍進により、リアル書店つまり従来の店舗型書店の売り上げが急減し、書店の先行き不安を取り上げられることが多いようです。
また電子書籍も増えてきました。最近少し別の動きも出ては来ましたが、電子書籍は原則店舗型書店では取り扱わないものです。
そんな現状を考えると本当に従来型の店舗型書店は消滅してしまうのでしょうか。

私自身もAmazonで書籍を購入することは多いです。でも店舗型書店で買う書籍の数の方がいまだに多いです。
私はこのブログで何回か書いていますが、月一度程度大型書店を半日掛けて全部の棚を見て歩くことが趣味となっています。全部の棚を見るのは、必ず新しい発見が有るからです。
とにかく楽しいのです。この書店に立ち寄ることが楽しいと言う人々は、まだまだ多いです。

私は欲しい本が決まっているときで時間が無いときは、間違いなくAmazonで買います。
でも私の購入した本を振り返ると、買うと決まっている本よりも、その場で何となく買う本の方が多いようです。
背表紙のタイトルを見ながらインスピレーションで本を開き目次をパラパラ読んで買うことも有りますし、その書店が準備したpopによって興味をそそられて買うことも多いです。

ですから店舗型書店は、書店に訪れたお客様に、適切なpop等で書籍の紹介をして、もっと購入を促すべきです。
本来1冊買うはずのお客様が、興味を持ってもう1冊買うことになれば、来客数がそのままでもリアル書店の売り上げは簡単に2倍になります。
ネット書店でも「この商品を見た後に買っているのは?」というように書籍を紹介しますし、カスタマーレビューで書籍内容の紹介もしています。
でも、店舗型書店の説得力には敵わないはずです。

嘆いている店舗型書店は嘆いていないで、もう少し努力をすべきです。既に努力している書店は、売り上げを伸ばしています。

書店は漫然と本を売るだけでなくて、pop等で直接的にも、平積み等で間接的にも、本の情報を提供する場でもあったのです。

大型書店だけではありません。町の小さな書店なら並べる本は少ないかも知れないけれど、同時にお客様の数は絞られます。1人1人の顔が分かる商売です。お客様とのコミュニケーションをしっかりすれば、各々のお客様の読書の好みが分かって、その後の本の紹介をもっときめ細かく提案できるはずです。当然勉強は必要です。努力は求められます。でも確実に売り上げは増えるはずです。
売り上げは客数が増えなくても、増えるものです。

私の知っている業界にも、人口の減少に伴って仕事が減った、先行きが心配だと嘆いている人達がいます。その人たちはおそらく従来のまま、ただ手続を売るだけの人だったのでしょう。
努力をして少し提案型の業界にしてみましょう。
まだまだ先は開けていると思っています。







2014年1月4日土曜日

さよならドビュッシー 映画

2012年7月にこのブログで紹介した「さよならドビュッシー」ですが、2013年1月に映画化されました。
そのときはどうしても観に行く時間がとれなくて、残念ながら観ることができませんでしたが、この年末にTV放送されたのでとても楽しみに観ました。今更ながら1年遅れの感想を書きます。

私はミステリーやSFを読み漁った時期があります。
その上で感じていることですが、この2つの分野(分けにくい作品も多いですが)では、トリックやアイディアを思いついただけで、それだけに頼った作品があまりにも多いと言うことです。
やはり名作と言われるものは、むしろそのトリックの部分を除いても文学作品になっているものです。

私がこの原作を気に入ったのは、ミステリーの部分だけでなく、むしろその他の部分です。前回の私のブログからちょっと引用します。

何不自由無い生活をして音楽学校に進む主人公が、突然の火災で資産家の祖父と仲良しの従姉妹を失い、自分も全身大火傷を負う。主人公の、指も満足に動かせないところからピアニストを目指しての壮絶な闘いと、それに不審な事件が絡む。

キャラクター設定がしっかりしていて、一人一人がよく描かれています。ハンディキャップを背負ったヒロインが頑張る姿と素晴らしいコーチ。私の世代にドンピシャのスポ根テイストも満載。
ミステリーが無くてもピアニスト物語としても十分読み応えが有るストーリーで、なおミステリーをさんざん読んでいる者も納得させる力のある上質なミステリーでした。

のだめカンタービレの成功は、単なるラブコメだけではなく音楽の描写に説得力が有ったからですし、このミステリーも音楽や演奏の描写の部分はまったく同じ事が言えると思いました。

では映画ではどう描かれていたのか。
結論として映画だけ観たら良い作品でしょう。
でも原作を気に入った私にはちょっとだけ残念な部分もありました。

映画としても原作を生かそうと頑張っていると思います。
でも映画としての時間的な制約もあり、その時間内でミステリーとしても物語としてもまとめなければならないので、原作とは詳細が変わっています。話しの前後関係が変わっていたりもします。
ミステリーの原則として、すべての手がかりは読者に予め提示しなければなりません。
だから制約の中でこの原則を守るために、変えざるを得なかったと思います。

だから原作を読んでいた方が分かりやすい部分も有りましたが、ミステリーとしてはギリギリ成立しています。ただ、私の気に入ったスポ根テイストやピアニスト物語の多くの味わいが削除されていたことが残念でした。

もちろん観ても良い映画ですよ。
「あまちゃん」ファンの方には足立ユイちゃん役の橋本愛がメインキャストですし、音楽ファンの方にはピアニストの清塚信也が重要な役でピアノも弾いていますし、アラベスクや月の光はほぼ全曲聴けますし。




2014年1月3日金曜日

世界一素朴な質問、宇宙一美しい答え

子どもはたくさんの疑問を持っています。
私が子どもの頃も当然にたくさんの疑問を周りの大人に聞きまくっていた記憶があります。
それらの質問は、純粋が故に科学や哲学や神学の神髄に踏み込んでしまい、大人でもそうそう答えられるものではありません。そしてそんなときに、大人が適当に答えられてしまうと、子どもでもこれは誤魔化されていると思うものです。私にも間違いなくそんな記憶があります。



「原子ってなに?」
「夢はどんなふうに生まれるの?」
「どうして音楽があるの?」
「風はどこからくるの?」
「なぜ戦争が起きるの?」
「人間はどうやって文字を書くことを覚えたの?」
「人はどうして永遠に生きていられないの?」
「神様ってだれ?」
「どんなふうに恋に落ちるの?」

これら100の質問に世界の第一人者100人が答えた本です。
答えが難しいのは子どもが分かる言葉で説明するからです。
回答者は分野の専門能力に加えて、難しいことをできるだけ分かりやすく説明する能力が求められます。そしてこの本の第一人者と言われる人達の答えは、単に質問に答えているだけではなくて、その回答の中に質問者である子どもに対する深い愛情が感じられます。

たとえば「スポーツで負けてばかりのとき、どうすればやる気がでる?」の質問に、
「まず、なにかに負けない人なんていないことを知っておいてね。」から始まります。

たとえば「火はどうやってもえるの?」という質問に、
「火をつける方法なんて、教えてあげないよ。だってたいせつな秘密だもの。それにものをもやすのは、とっても危険だからね!友だちとか靴下とかなにかに火をつけたりしちゃ、ぜったいだめなんだから。でももし、少しだけ教えてあげたとしたら、内緒にしておける?」と始めます。

たとえば「ミミズを食べても大丈夫?」という質問にしっかり答えてから、
「そうそう、もうひとつおぼえてほしい。「どしゃぶりの日にも笑顔を忘れない」ってことを。それが二番目にたいせつな教えだ。さあ、家なんかに閉じこもっていないで、探検にでかけよう!」って結びます。

たとえば「どうして大人の言うことをきかなくちゃいけないの?」に対する答え、私達が考えそうな答えに一味加えた答えが提示されていてなかなか良いですよ。

相手のために言葉を選んだ分かりやすい回答をすることは、私達専門家と言われる人達も備えなければならない必要な能力です。

私の知っている専門家の中で、何かと法律条文をあげて質問者を煙に巻こうとでもしているような回答を見ることがあります。説明が面倒で「俺に任せておけば問題ないんだ」とでも言いたいのでしょうか。そんな時代でも無いし、子どもも素人も誤魔化されていることだけは分かりますけれどね。

そして更に専門家は、その専門的回答だけではなく、その質問者の為に心を込めた提案も加えることができると良いですね。

この本を本屋で見かけたら、手に取ってみてください。
世界一素朴な質問に対する宇宙一美しい答えが、そこにあります。





2014年1月1日水曜日

謹賀新年

あけましておめでとうございます。
昨年もまた、たくさんの方々のお世話になりました。
お陰様で元気で新しい年を迎えることができます。

新春は何かと嬉しいです。
新しいカレンダーを掛けて今年の一年を考えます。
新しいカレンダーの日々にどんな未来が待っているのか、とてもわくわくします。
嬉しいのは未来が希望だからです。

被災地にも3回目の春が来ました。
まだ自宅に帰る目処の立たない方々もとても多いです。
でもその方々にとっても、少しでも未来が希望であるカレンダーになって欲しいと願います。カレンダーをめくる嬉しさを思い出してもらいたいと思います。
個人としても業界としても微力ですが、そんなことを考えております。

初詣に行って、新しい年の平和と東北の復興を願いました。



皆さん、本年もよろしくお願い致します。