2013年7月23日火曜日

NHK 夏休み 子ども科学電話相談

私の大好きなラジオ番組です。
今年も始まりました。
今年で30周年だそうです。

子どもの相談内容がとても良いですね。
以下は昨日と今日の質問からです。
「土星の輪は、何でできているのですか?」
「タイムマシンは、まだできないのですか?」
「ナメクジは、塩をかけると小さくなるのは何故ですか?」

この番組のキモは、難しい科学の理論を如何に難しい言葉を使わずに説明するかです。
何しろ質問の答えになる理論の、更にその前提の理論が無い子ども達に分かるように説明することはとても困難なことです。
例えば重力も相対性理論も浸透圧も細胞も知らないのですから。
いつも質問を聞いて、私ならどう答えるかシミュレーションするのです。(私、一応理科の教員免許を持っています)
そしてラジオの回答と比べてみるのが、朝の楽しみです。
もちろん、ラジオの回答に拍手したくなることが多いです。
たまに「おやおや、それは無理でしょう」と言いたくなることもありますが、それは少しでも丁寧に教えたい思いからであることが理解できますし、そんなときは周りの方がフォローします。
あの番組は、とても良い回答者が揃っています。

しかも回答者の先生達は、質問した子どもに対してすぐに回答に入りません。
その子が、いつどんな状態で、そのような疑問を持ったのかを聞きます。
そして「良く気が付いたね」って褒めます。
答えてからも、質問に関する今後のアドバイス(ちょっとした課題)も追加して終わります。
子ども達は、もっと科学が好きになりますね。
このあたりが、私がとても感心している部分です。


私達専門家と言われる人達は、この技術を身に付けなければなりません。
私は後輩達に、相談者に対して「○○法第○条・・」という説明はしないように指導しています。自分の説明能力不足を法律の名前を借りて煙に巻くようなものだからです。
少しこのラジオを聞いて、素人に平易な言葉で説明するということは、どんなことなのかを考えてみましょう。