2013年1月30日水曜日

試験合格後土地家屋調査士事務所で修行すること

補助者経験のない方で、土地家屋調査士試験合格後、先輩の土地家屋調査士事務所で修行したいという方々がいます。
受け入れてくれるところがあれば、それも良いでしょう。
ただその事務所がどんな分野が得意なのか、その事務所の先生が補助者にどのような指導をしているのか、それがとても重要です。また何年後独立したいと考えているのか、その点の明確な目標を持つことはもっと重要です。
それらが明確でないとズルズルと時間が過ぎていきます。面接の際、一番最初に、先生にしっかりと相談した方が良いでしょう。

以下は、先輩事務所で修行中の新人達から、今までに受けた相談の一例です。
それぞれ自分の目的と手段を見失った言葉だと思います。


「私の勤めている事務所は、とても給料が安いです」

そもそも何かを教えてもらうには、本来お金を払うものです。
給料をもらっているのであれば、当然にその事務所の事情に合わせて働かなければなりません。
結局あなたは就職が目的だったのですか。お金目的の就職なら、他の仕事の方が割が良いですよ。
今は仕方ありません。さっさと実力を付けて独立しましょう。


「私の勤めている事務所では、毎日測量だけでまったく登記を教えてもらえません」

もともと就職の際に何年後に独立したいという意思を伝えましたか。
そして勤務時間中に教えると言われましたか。すべての分野を教えると言われましたか。
どの先生も当然に教えてくれるとは限りませんよ。
また、教えてもらえないと不満を言っているうちは、受け身なんでしょうね。
勉強は受け身ではできません。という前に、そもそも土地家屋調査士の様な独立した資格業は受け身ではできません。
どちらにしても給料をもらっているのなら、本当に使えると思われない限り、様々な仕事を担当させてもらえません。もう少し頑張る必要も有りますね。
それを踏まえて、先生と再度相談したら良いでしょう。


「私の勤めている事務所は、とても残業が多く、仕事を家に持って帰らないとこなせないくらいでとても辛いです」

これも考え方ですね。
修行であれば、仕事のチャンスは多いのと少ないのとどちらが良いのですか。
仕事を家に持ち帰る事は御法度という事務所も多いと思いますよ。
それを持ち帰る事ができるなら、ある意味とても柔軟な事務所とも考えられますよ。
あなたは責任のないお茶汲みの様な仕事をして5時に帰りたかったのですか。
いつまでにどのくらいの実力を付けたら独立するかという自分の目標が曖昧だから、不満が有るのでしょうね。
とにかく今は修行なのか、就職なのか、何の為に頑張っているのか、もう一度自分で考えてみてください。


私は試験前の補助者経験も試験合格後の土地家屋調査士事務所への就職もしないで開業してしまいました。開業後必死で独学しました。これが今でも財産です。
独学も選択肢の一つです。
でも、誰にでもお勧めする事はできません。
上記の様な不満を持つ人なら、なおさら独学は無理でしょう。親切な事務所があれば、やはりそこで修行する方が良いでしょうね。

問題は本人の意識なんです。学生やサラリーマンだった頃の、受け身であったり被害者意識であったりを払拭しなければ、先に進めないのです。