- 私、家庭裁判所の調停委員をしてまして、離婚や遺産分割のお手伝いをしております。どちらも家族の争いですから、お互いの主張に理屈にならない部分も多く、得られる財産よりも多くのコストをかけても争ったりするので、深みに嵌ることも多いですね。
- これは、私たち土地家屋調査士としていつも接している境界問題とも似てますね。
- 私の関与した境界訴訟も、時価30万円の土地の範囲の争いに、訴訟費用を300万弱かけて争っていました。本当は財産の争いなのに、「金の問題ではない。」と、なっちゃうんですね。
- 相続に戻ると、自分の財産をどう処分しようと関係者に争いがない限り、法律は関与しません。自分の財産をどうしたいのか明確に関係者に伝え、関係者が納得すれば法定相続分も何も関係ないのです。そういう見方で民法相続編を見ていると、本当に争った場合を細かく想定していますね。
- どちらにしても、被相続人が元気な内に身内を集めて、意思を伝えて、全員に納得させておきたいものです。
相続に不安が有るけれど、それができない方には、公正証書による遺言を勧めています。
パーフェクトな手段ではないけれど、実務的に考えるとかなり有効です。
「遺言なんて水臭い。」と言う方がいます。
- 境界問題でも、「境界確認図に実印をついて印鑑証明書をお互いに交わした方が良い。」と勧めますと、「隣同士で印鑑証明書なんて水臭い。」って言う方もいます。
- こういった方々には同じ説明をします。
- 「水臭いって言える環境(仲)の内にやりましょう。」って。
本日4月15日は「遺言の日」だそうです。
近畿弁護士会連合会が制定したものを、2007年から日弁連も採用したようです。
4月15日は、「ゆ(4)い(1)ご(5)ん」の語呂合わせだそうです。
- 「語呂になっているのか?」ってツッコミを入れずに、皆で「遺言」を再確認しても良い日ですね。