2009年12月20日日曜日

サイドウェイズ ーリメイク版の必然性

サイドウェイズ。ハリウッドのサイドウェイのリメイク版です。

人生のピークを過ぎたダメ男2人が、人生の節目にナパにワインツアーに行き、人と出会い、様々な事件に出会い、人生を振り返り、少しだけ新しい自分にも出会う人生の寄り道を描いています。

リメイク版というのは、本来その原作を私ならこう解釈する、こう膨らませるとか、何か想いが有るもので、だから作ると思います。

リメイク版は過去も沢山作られています。実際どうなのでしょう。
必然性があったのでしょうか?
例えば「椿三十郎」黒澤版の世界的映画がありながら、織田ちゃんで再度作る必然性はどうだったのか?
驚くほど原作に忠実で、だからこそ敢えて作ることに評価が難しいと思いました。悪くは無いのですが、話題性だけで売ろうとしたのではないのかな。

さて、サイドウェイズです。
この映画の必然性はどうなのでしょう。
確かに同じテーマでテイストを少し変えて、原作をただ日本人に置き換えて作っただけではないことも感じました。

でも舞台も同じナパ。
ワインと人生をなぞらえるテーマは分かるし、ピノ・ノワールの取り扱いが重要なファクターなのだから、ナパになったのもわかります。
それでも、山梨でワインを作る設定ではダメだったのでしょうか。
場合によっては日本酒で作るわけにはいかなかったのでしょうか。

私の好きな映画の一つであるサイドウェイを作り直すことの必然性が微妙に見えました。

ここまで書いているけれど、もちろん駄目な映画ではないです。
サイドウェイズと「ズ」を付けた気持も分かります。
小日向文世、生瀬勝久、鈴木京香、菊地凛子の演技も悪くはなかったし。鈴木京香のキャスティングが、もう少し人生に疲れが見えた人の方が良いなと思いましたが。

もちろん、先にハリウッド版を見ていた人にとっても、十分良い映画です。

ただ映画だけでなく、リメイクには必然性が必要と思うのです。