山野目先生には昨年に引き続き講義を戴いたのですが、いつもお忙しい中しっかりご準備なされて、どうすれば私達に分かりやすく伝えられるかと工夫されている姿勢には敬服と感謝をしております。
今回は研修部としても、質問のための細かい枝葉のQ&Aではなく、体系的に民法を考えるためのQ&Aを準備しましたが、これはもちろん山野目先生あってこその設定でした。
受講なさった皆さんは、いかがだったでしょうか。
さて、その講義の事前打合せを山野目先生とさせていただいている際に、境界杭そのものを法的にはどう考えるかの話題になりました。
境界杭の所有権をどう考えるか。
(民法上)自分の土地の中にある杭は自由に処分できるものなのか。
両者で確認した境界杭を一方の土地の設置すると、その土地に附合するものなのか。
一般的な物ととらえるのではなく境界を示す特別の概念と捉えるべきなのか。等々
この件は、今後日調連とも議論する予定とのことでした。
ということで、「ではいろいろな境界杭を実際に見てみましょうか」という事を提案させていただきまして、土地家屋調査士会館から研修会場まで車で行くのはキャンセルして、一緒に散歩しながら会場入りすることになりました。
会館の敷地境のコンクリート杭や、仙台市のアルミプレート、金属鋲等々をご覧に入れ、「境界点に対してなぜこの方向からこの種類の境界標を選んだか」についての考察を山野目先生にご説明致しました。
また杭を見てその時代背景を推測したり、昔の境界に関する地域の慣習のお話しもできました。
途中で都市再生街区基本調査の基準点や道路台帳の基準点などもあり、「基準点の設置は一般的にどのような条件で設置場所を選んでいるのか」についても併せてご説明できました。
山野目先生にも喜んでいただけたようですし、同行した私たちも土地家屋調査士の日常のこだわりを説明できて楽しい散歩でした。