2010年6月19日土曜日

裏技はありますか?

先日ある新人から「この件を処理するのに裏技はありますか?」という質問を戴きました。

「本来法律でどう処理しなければならないのか」の原則を理解した上での質問だったようです。
「それが満たせないから、若しくは面倒で時間がかかるから」が質問の発端です。初心者に有りがちな質問なんでしょうね。


法律家の一端を担う気が有るなら、このような発言は控えるべきです。
この場合の「裏技」は「手口」というニュアンスを含んでいます。

本来の法律をしっかり学んで、登記官や他の資格者と正面から議論して、他の手続き方法を進めるなら問題はないのです。でも自分でもその方法が疑問なら、目先の売上げのために進んではいけません。

ならぬことはならぬものです。(会津藩)

仮に裏技が有ったとしましょう。それを誰も気がつかず、たまたま通ったとします。
お客様ももしかしたら喜んでくれるかも知れません。
でも、それが本当にお客様の為でしょうか。
将来、この件で訴えられたらお客様の負けです。
お客様が気がつかない将来の不安を、お客様が望んでいなくても説得して事前に取り除くのが私達専門家じゃないのでしょうか。

つまらないテクニックに走らず、王道を歩んで欲しいのです。
誰に対しても、どこに出ても、正論は勝てます。

ただ、新人なら「もしかしたら自分だけ知らない手続きが有るかも知れない」と不安になる気持ちは分かります。
仮に知らない手続きが有ったとしても、それは裏技ではないので、勉強すれば必ず発見できます。

仕事をしていて不安だったり、何が王道か分からなかったりしたら、この後輩のように、遠慮無く質問して下さい。私でも結構ですし、他の先輩でもよろしいと思います。この業界は面倒見が良い業界ですから。