5月23日のブログで「登記所はどこに行くのか」を書きました。
先日も書きましたように、これは地方分権の流れから来る考えです。いわゆる出先機関の事業仕訳ですね。
全国知事会に置かれた「国の出先機関原則廃止プロジェクトチーム」の中間報告では、法務局・地方法務局についても、国の出先機関であるから原則廃止の対象とされました。
登記事務を地方自治体に移管すべき事務と考えられています。
前回の地方分権改革推進委員会の第2次勧告においては、法務局は国の機関として残すことになっていたのですけれどね。
もっとも、プロジェクトチームの名前が、最初から「原則廃止PT」ですからね。
ここのPTの原則として、「広域性」、「専門性」、「事業規模」、「全国統一性」等は 国が事務を実施すべき理由としない、と言っているのですから、ほぼ全部が当てはまります。
でも、実際本当に登記所が地方自治体に移管されることになったら、当の自治体が困惑するでしょうし、国民のためにも登記制度がどうなるのか大変心配です。
「広域性」、「専門性」、「事業規模」、「全国統一性」等は 国が事務を実施すべき理由としない、って本当に正しいんでしょうか。
権利の客体を特定する表題については、かなり高度な専門的判断も必要ですし、先日も書きましたが、自治体の国土調査の検査状況を見ていると、筆界特定は自治体の致命傷になる可能性が懸念されます。
資金やマンパワーの問題でも対応できる自治体はそう無いでしょう。
登記官を国家公務員から地方公務員にすれば良いという意見も有るようですが、登記は今年だけのものでは有りません。今後各自治体が、人材教育をどこまで継続できるのか、登記行政は国家の基本ですから、当然に全国一律の登記行政が行われなければなりません。おそらく難しいでしょうね。
国も自治体も国民も、誰も望まない政策でしょう。
しかし、それでもこのような政策は全体を包括して、ある意味乱暴に方針を決定することが多く、各論になってからみんなで困ることも大変多いですね。
私たちは、この点は注目しなければならないし、機会を捉えて、それも早急に意見を言わなければならないと思います。