2010年6月29日火曜日

バッテリーはリフレッシュしないとね

以前、このブログで書きましたように、私iPadを使っています。

日本では電子書籍はまだ大して流通していませんが、私は自分の周りの膨大な資料をスキャンしてPDF形式にして持ち歩き始めています。

出張も多いので、出張先で問い合わせに対応できる範囲の事件資料や会務資料。

・継続中の事件の図面等
・業務上調べ物をするために持ち歩きたい六法や専門書などのレファレンス類。
・時間があったら読んでおきたい書籍。
・勉強飽きたときの趣味の書籍などですね。

これらの内容は、後日ブログでしっかり説明しましょう。

さて、ここまで使ってみて、購入前に思った以上にiPadは結構バッテリーが持つので、出る前に充電して持ち歩けば、私の使い方ではバッテリーで悩むことは無さそうです。

それでもバッテリーは劣化します。少しずつ容量が減ります。

そこで、リチウムイオンバッテリーを使っている場合、バッテリーの寿命を延ばすためにも、たまに完全充電と放電をしなければなりません。アップルのサイトにも下記の説明が有りました。

リチウムベースのバッテリーを適切にメンテナンスするには、バッテリー内の電子を時々動かすことが重要です。毎月最低でも1回は充電/放電サイクルを完了する(完全に充電した後、バッテリーを使い切る)ようにしてください。


毎月最低でも1回か。
・・・そうだよね。少し放電してくるか。

2010年6月28日月曜日

二宮金次郎を探せ

神奈川会の活動「二宮金次郎を探せ」という企画を、4月30日の私のブログで、紹介いたしました。

有る程度の年齢以上なら国民誰もが知っていて、そう言えば最近見ていないなという存在、それが二宮金次郎ですね。
昔の偉人伝には必ず載っているのに、今の子供には知られていない存在、そして子供達に伝えたい存在、それが二宮金次郎です。

先日の日調連総会でお会いした神奈川会の海野会長に、「目の付け所が良いですね。」とお伝えしたところでした。

この企画がNHKで放送されました。
放送されたことは、神奈川会の制度広報特別委員の上田尚彦さんから教えていただきました。

この番組では、土地家屋調査士の出番が多く、大変良い広報活動ができています。
二宮金次郎を探している時点で、なんか良い人達とアピールできるから面白いですね。
(本当は悪い人だという意味に取らないくださいね。笑)

6分間のたっぷりのニュースです。
YouTubeで見ることができますので、皆さん一度ご覧ください。
       ↓     ↓
http://www.youtube.com/watch?v=mzZNn-NtE2E

各種行事に参加すること

26日(土)には鹿児島会研修会に講師でお招き戴きました。

そこで昔小学校の地理で学んだ遠い鹿児島の地理を実感して来ました。

鹿児島会には、種子島や屋久島、奄美大島や与論島などの離島の土地家屋調査士の皆さんも含まれます。
その離島からも研修会には参加者がありました。奄美大島から本土までは12時間かかるそうです。前日の夜18時に舟に乗って、当日朝6時に着くそうです。その日午前午後研修を受けて、また帰りも夜18時に舟に乗って翌朝6時に帰るそうです。そこまでして研修会に参加して戴いたようです。

本当に参加者のその姿勢に頭が下がります。私は鹿児島会会長でもないけれど感激しました。
もちろん、そこまでして参加してくれるのですから、講師の立場でも中途半端な研修では申し訳ないので、心を込めてお話をしたつもりです。納得していただけたでしょうか。

以前、長崎の会長からも、所属離島のお話しをお聞きしたことが有ります。
「長崎から離島に伺うとすれば、時間的には東京まで行った方が早いくらいだ。会員によっては総会に参加するためには2泊3日になる。」といった趣旨でした。
考えてみれば、このようなことは鹿児島も含め他にもたくさん有りそうですね。宮城会は幸せです。

ちなみに今回は与論島の調査士さんは欠席だったようですが、与論島までは片道24時間かかるそうです。

また27日(日)は鹿児島青年会の研修会に講師をさせて戴きました。
青年会参加の皆さんは2日連続午前午後と研修会に参加したわけです。土日を潰しての研修会参加ですので、いろいろ調整も有ったでしょう。

会員さんが各種行事に参加することの大変さと、そこまでする調査士会への期待など、それらの意味を改めて考えさせられました。

2010年6月25日金曜日

過去3年分の会報を読んでから行け

昨日まで日調連総会から家に帰って、昨晩と本日は自分の仕事をして、午後業務部会にちょっと参加して、明日は鹿児島県土地家屋調査士会へ講師で伺います。
ちょっと日程的にハードですが、私が仲間の役に立てると思うなら、頑張ることができる範囲です。

さて、私はいつも講師で伺う時はその参加者の雰囲気をできるだけ把握しようとしています。宮城の感覚だけで全国にお話しするのは大変危険だからです。沖縄に伺う時に読んだ本もこのブログで紹介したことが有りますね。

以前、私が日調連の理事だった頃、当時の西本日調連会長から言われた言葉が有ります。
鈴木、講師で伺う時は、その会の過去3年分の会報を読んでから行け。」と言うものです。
お聞きして大変感心しました。西本先生は、実際それをやっていたそうです。
会報3年分を読むことはなかなかできませんが、それ以来それに近い努力はしているつもりです。

最近「報酬に関する講義」を依頼戴くことが多くなりました。報酬のお話は特にその地域を把握しなければなりません。
なぜなら、地域の土地、地域の地図、地域の経済、地域の土地家屋調査士の業務、地域の常識が分からないと、まったくフィットしない講義になってしまうからです。
また過去の研修会でどんな勉強をなさったかについてもヒアリングします。

例えば、鹿児島会の役員さんにお聞きした内容は次のようなものです。答える方は嫌になっちゃいますよね。
谷口部長お答えありがとうございました。
できるだけ丁寧に対応するつもりですので、明日「これだけ答えたのにこの程度の講義か。」って言わないでくださいね。ワールドカップ見ながら、もう少し詰めてみます。


*********************************************************
早速ですが、講義の内容をなるべく鹿児島のニーズに合うようなものにしたいので、参考までに下記についてお知らせください。

あくまでも参考なので、厳密に悩んでご回答をされる必要はありません。雰囲気を掴みたいだけです。役員としての模範的な回答よりも、個人的な「こんなモンでしょ」ってアバウトな答えで結構ですし、回答できないものがあっても結構です。
時間のあるときにお返事をください。もちろん、メールに書き込むのは面倒、若しくは回答を残したくない、ということもあるでしょう。その際はお電話で結構です。

1.鹿児島の過去の研修について
・日調連の業務報酬統計資料は会員に配布されていますか?
・平成15年以降、報酬額研修は開催されていますか?
・開催されたとすればどのような内容でしたか?

2.鹿児島の皆さんの帰属意識について
(宮城の役員をやっていますので、事情は同じと思います。
帰属意識や会の指導に対する意識を確認したいだけなので、気にしないでお答えください。)

・会員何割程度の参加になりそうですか?
・参加者は研修タイトル(内容)によって、割合が変わりますか?例えば不登法は参加者が多いとか。
・測量会社兼業の方の割合はどんな感じでしょうか?
・補助者を雇っている方々はどれくらいの割合でしょうか?

3.鹿児島の皆さんの業務感覚について
(鹿児島も広いので部長の地盤を基準に、部長の本音で答えていただいて結構です)

・平均的な一戸建ての敷地は何坪(㎡)程度でしょうか?
平均的な一戸建ての敷地の地積更正登記の報酬額の相場はどれくらいでしょうか?
・上記条件でいくらを下回るとダンピングだと感じますか?
・上記条件でいくらを上回ると高いなと感じますか?
その際に隣接者の境界確認印をもらうのも調査士がやってますか?

・平均的な建物の新築の登記の報酬額はどれくらいでしょうか?
・上記条件でいくらを下回るとダンピングだと感じますか?
・上記条件でいくらを上回ると高いなと感じますか?

・鹿児島は報酬額がメチャクチャになっていると感じますか?
・ダンピングしている人は新人とベテランとどちらが多いですか?

・分筆等の測量の際に、街区基準点を含めた基準点測量を一般的に利用していますか?
・93条調査報告書については、書くのが面倒だとか、利用していない等の話しは多く聞かれますか?
・GPSの利用状況はどんなもんでしょうか?
・オンライン申請についての意識は如何ですか?
・筆界特定に対する考え方はどんなもんでしょうか?
・ADRセンターに対する意識はどんなもんでしょうか?

日本土地家屋調査士会連合会 第67回定時総会 2日目

2日間に渡った日調連総会が終わりました。


22年度の事業計画と予算も承認可決されました。
また「土地家屋調査士倫理規程」も一部文言の修正をして、日調連会則に位置づける議案も承認可決されました。

この倫理規程の一部修正は、先日の研修でお配りした文言の修正であり、条文の趣旨が変わるものでは有りません。後日修正文をお知らせします。


22年度の事業計画も盛りだくさんです。
詳細は後日少しずつ解説しますが、変化の時代にあらゆる方向にアンテナを張って、行動をするということでしょう。単位会も動かなければなりません。


しかし、予算には限りが有ります。
日調連もそうですが、宮城会は全国の他会と比べても事業に使える予算は大変少ないのです。
予算規模の違う他の会と同じような考えでは会務執行はできません。
では何もしないほうが良いでしょうか。
この時代何もしないと言うことは、「座して死を待つ」と言うことです。


できるだけ節約をして、使うところには集中して使うことを工夫しなければなりません。
宮城会もいわゆる事業仕訳をしながら節約しています。


「金がないから何もできない。」という役員がいたら、その人を一番最初に事業仕訳の対象にすべきでしょうね。

2010年6月24日木曜日

日本土地家屋調査士会連合会 第67回定時総会

日調連総会出席の為に東京に来ています。
昨日と本日に渡っての会議です。
また制度制定60周年の記念式典も併催です。

総会については、昨日は日調連の21年度の会務と事業の報告と決算の報告が有り、承認されました。本日は22年度の事業計画と予算の審議です。
また先日宮城会で研修を開催した「土地家屋調査士倫理規程」を、日調連会則に位置づける議案の審議もあります。

毎回思うのですが、日調連は、様々な事項に対処するため、各部とにかく事業が多いですね。おそらく、どの事業も手を抜くと、制度的にも致命傷になる時代です。是非頑張っていただきたいし、私たち単位会としてもサポートしたいと考えています。

ただし、その詳細を議論をする場が少なすぎますね。総会で審議する時間が毎回足りないのです。
確かに総会でもっと時間を取ると、会期はもう1泊となり、経済的にも多くの負担が出るでしょう。であれば総会の運営方法をもう少し工夫することと、総会以外で普段からの議論ができる場が必要です。

宮城会でも同じことを常に考えています。
年に一度の総会や、決まったことの文書伝達だけで、私たちの考えていることを伝えるのは大変難しいのです。そこで、宮城会も、各種通信方法の見直しをしておりますし、ホームページの変更(まもなく)ですし、この会長ブログですし、各支部への出前研修などを始めました。

それでも、まだ足りません。
日調連も宮城会も会員を信じて、しっかり情報を開示して、皆で未来を議論して、同じ方向に力を合わせたら、かなり良い未来が開けると信じています。

さて、これから朝食を戴いて、会議に向かいます。

2010年6月22日火曜日

思わぬ落とし穴

本日は筆界調査委員として筆界特定事件の意見書(案)を書いていました。
昨日書いたように私の日程はギリギリです。
でも時間が無くてもチェックは大切です。

裁判に耐えうる意見書を書かなければなりません。
どのような理論構成で行くかを思案し、文案を練り、どのような附属資料を作ると分かりやすいかを一生懸命に考えて作りました。

文章は長すぎないか、主語述語は合っているか、誤字脱字はないか、変な断定はしていないか、事実と判断が混ざらず整理できているか、申請人と関係人の双方が提出した資料に漏れなく言及しているか、特に結果的に主張が通らないと思われる方の当事者の主張について丁寧に意見が書けているか等々、様々な角度からチェックして、意見書(案)が完成しました。

それを本日法務局に提出したところ、法務局から電話が来ました。
「何か計算が違うんですけれど・・」
「えっ、そうなんですか。(座標計算、交点計算、しっかりチェックしたはずなのに・・・)」

「あの~、間=メートル換算がおかしいと思うんですよ。」
「えっ、ソコですか。」
見てみたら、27.90間=92.23mと書いてありました。
「なんで・・、27.90間=50.72mなのに、何故92.23mって書いちゃったんだろう???」

「もしかしたら坪換算しちゃったんじゃないですか。(笑)」
「うわっ!」

慣れって恐ろしいです。
指が勝手に電卓上で慣れた定数を叩いたのですね。
筆界特定には影響のない部分ではあったのですが、汗が出ました。
いやぁ、(案)で良かった。

登山も下山が怖いって言いますが、反省反省。

ちょっと忙しかったのです

ここ数日、ちょっとブログ更新ができていませんでした。
皆さんから「どうした?病気か?」「南アフリカに行ってないよね?」いろいろご連絡を戴きました。
まあそれでも6月に入ってブログ20本書いていますが。(笑)

とりあえず何の問題も有りませんので、ご心配なく。
ただただ以下のような予定が詰まっていて余裕が有りませんでした。
言い訳も含めて書いてみます。



18日(金)境界立会、広報部会、懇親会付
境界立会が有りました。今日はスムーズです。いつもこんな感じなら良いのですが。地権者が隣接者とどのようなお付き合いをしてきたかが境界立会の際に出てきます。今回は良いお付き合いができていた地権者なのでしょう。

広報部会が有りました。懸案の宮城会ホームページの刷新がもう少しで実現しそうです。本当に会員に役に立ち、毎日開きたくなるホームページを目指しています。広報部協力員の大浦君の頑張りに感謝しながらも期待しています。
懇親会つきで、2次会に行かず20時台から映画に行く計画も「会長は帰れないでしょ」の一言で諦めて最後までお付き合いいたしました。広報部長のカラオケに感心しました。



19日(土)相続の相談、筆界特定意見書作成、立会隣接者調整
相続が発生した人から相談を受けました。これらの相談は、いつも法律の解釈や手続きの問題より、心の安定のためのものが多いです。ですから答えを出すだけでなく、「心配要りません。」が一番必要なのかも知れません。

来週立会する隣接者と日程調整をしていました。この調整でコミュニケーションをとる課程が大変重要です。この段階で立会の正否が決まります。

筆界特定委員として意見書を書かなければなりませんでした。〆切ギリギリです。裁判にも耐えうる意見書を書かなければならないので、じっくり時間を取らなければなりません。じっくり時間を取りすぎました。まだ終わりません。



20日(日)新日本法規出版の「Q&A表示登記実務マニュアル」の加除の原稿、途中草むしり
平日は自分の仕事と会務なので、このような原稿を書くのは土日だけです。と言っても、しばらく土日が潰れていましたので、この原稿も1週間〆切を越えています。これ以上遅れられないので、頑張りました。これは20日の日付が変わる頃書き終えました。出版社から怒られそうですが、〆切後1週間で書き終えたのは、今までで一番早いと思います。

途中、庭の草むしりをしました。原稿書きの飽きた頃、丁度14時から15時の炎天下でした。とにかく家のことを放って置いたので、草も伸び伸びと育っていました。



21日(月)みやぎ境界紛争解決支援センター運営委員会、評議委員会
仙台法務局で、業務部提案の地積測量図の書き方について議論をしてきました。まもなくお知らせできると思います。

お客様の替わりに登記添付書類としての上申書の文案を練りました。疎明資料が少し足りないのです。

ADR運営委員会と評議委員会が有りました。これも懇親会つきです。
仙台弁護士会から推薦していただいている弁護士さん2人も参加しての会議と懇親会でした。ADR法による認証がおりたので、再度運営等を見直したことと、ADRと筆界特定制度との連携について具体的な議論を致しました。

懇親会後事務所に戻ってきて、明日の委任状等を準備しています。
あれっ、今日になった。門限を過ぎたか。

2010年6月19日土曜日

裏技はありますか?

先日ある新人から「この件を処理するのに裏技はありますか?」という質問を戴きました。

「本来法律でどう処理しなければならないのか」の原則を理解した上での質問だったようです。
「それが満たせないから、若しくは面倒で時間がかかるから」が質問の発端です。初心者に有りがちな質問なんでしょうね。


法律家の一端を担う気が有るなら、このような発言は控えるべきです。
この場合の「裏技」は「手口」というニュアンスを含んでいます。

本来の法律をしっかり学んで、登記官や他の資格者と正面から議論して、他の手続き方法を進めるなら問題はないのです。でも自分でもその方法が疑問なら、目先の売上げのために進んではいけません。

ならぬことはならぬものです。(会津藩)

仮に裏技が有ったとしましょう。それを誰も気がつかず、たまたま通ったとします。
お客様ももしかしたら喜んでくれるかも知れません。
でも、それが本当にお客様の為でしょうか。
将来、この件で訴えられたらお客様の負けです。
お客様が気がつかない将来の不安を、お客様が望んでいなくても説得して事前に取り除くのが私達専門家じゃないのでしょうか。

つまらないテクニックに走らず、王道を歩んで欲しいのです。
誰に対しても、どこに出ても、正論は勝てます。

ただ、新人なら「もしかしたら自分だけ知らない手続きが有るかも知れない」と不安になる気持ちは分かります。
仮に知らない手続きが有ったとしても、それは裏技ではないので、勉強すれば必ず発見できます。

仕事をしていて不安だったり、何が王道か分からなかったりしたら、この後輩のように、遠慮無く質問して下さい。私でも結構ですし、他の先輩でもよろしいと思います。この業界は面倒見が良い業界ですから。

2010年6月17日木曜日

高等学校「琉球・沖縄史」

沖縄の米軍基地をどうするのか。
これは与野党の参議員選の大きな論点と言う問題ではなく、日本人全員が本気で考えなければならないテーマのはずです。

他所の国の話しではないのです。
実際私は、ちょうど2年前に沖縄の公嘱協会の北部支所に講師でお招き戴き、まさに沖縄市にお伺いしました。その際に宜野湾市、名護市まで足を伸ばして、基地の存在を垣間みました。また、基地にまつわる産業の恩恵と、様々な不安、いろいろお聞きしました。

高等学校「琉球・沖縄史」新城俊昭著 東洋企画 1500円
これは沖縄の高校生のための教科書として書かれた本です。
私は、沖縄の皆さんの前で講師としてお話しするのに、沖縄のことが分からないと申し訳ないと思い、事前に読んだ本です。
著者の魂が籠ったかなりの力作です。古代から(近代ではなく)現在まで、大変読み応えがあります。
「教科書に個人の魂が籠って良いのか」なんてつまらない議論は不要です。だって私たちは教科書として読むわけじゃないのですから。

私たち東北に暮らしていると本当に沖縄を知りません。
私が学んだ社会の教科書でもほとんど記載が有りませんでした。
しかも、戦前戦後の近代史については、先生方のイデオロギーの問題も有るのでしょうか、大抵の学校で教えないで終わっています。
ですから、教科書のその僅かな記載もほとんど読んでいません。

この本を読んだ時に、自分が沖縄について何も知らないことが思い知らされました。

本当に沖縄以外の者が一度読むべき本だと思います。
最近基地移設問題の報道が多かったので、再度引っ張りだして読み始めました。

2010年6月16日水曜日

リングノートは一冊使っています


今日は「リングノート」の話です。

皆、このタイプのノートは昔から馴染んでいますよね。

改めて見ると、この「リングノート」は結構機能的ですよ。
私は文字通りの「雑記帳」として必ず「一冊使っています」。

私はA5版ノートを、常に数冊併用しています。
サイズはすべてA5版です。
(この「サイズについて」は、このブログでいずれ書きましょう。)

この「一冊使っています」というのは、その数冊の中には必ず「一冊リングノートが入っている」という意味です。

「リングノート」が他の「綴じノート」に優る点は、以下の点でしょうか。
  1. 目的のページを開いたまま鞄に入れることができる。
  2. 開いたときにフラットになる。
  3. 開いたときにコンパクトに開ける。
  4. 下敷きが要らないので、机が無くても書きやすい。
  5. お客さんの前でも折り返せば見開きの他のページを見られない。
  6. 書いたページを切り離せる。
これらの点が気に入って、私のラインナップからは、「リングノート」は外せないのです。
ちなみに好きなタイプは、写真のとおり、罫線でも白紙でもなく、ドットだけプリントされているタイプです。

上記いずれの利点も、外に持ち出して、さっと取り出し、お客さんと打合せ、場合によっては立ったまま現場メモするのに適している点です。

では、「なぜ他の数冊も「リングノート」にならないのか?」ですね。実は、「リングノート」に対して私が気になる一番のウィークポイントは以下の点です。
  1. 鞄の中でリング部分が邪魔になる。
私は、鞄になるべくいろいろなグッズを詰めて持ち歩きたいタイプです。
スマートな薄い鞄だけで人生歩きたいのですが、どうも私には無理なのです。

ですから私の持ち歩くものは、少しでも薄くて小さいものなのですが、その選ぶ理由は「たくさん持てるから」というスマートさからかけ離れた方向に行くのです。
(この部分も「イザという時に戦えるようにという探偵グッズに通じているのですが。)
せっかく薄くて小さいものを選んだら、それだけ持てばよいのに、どうもクールでスマートなイメージには遠い人生です。

私はこの理由だけで、他の数冊のノートは「綴じノート」を選び、鞄に詰め込むのです。


2010年6月15日火曜日

不動産の税金ハンドブック

「わかりやすい不動産の税金ハンドブック」平成22年度版
 実務出版 300円


不動産に関する税金についてコンパクトにまとめた冊子です。
以下のような不動産の各場面に関する税金を説明しています。
  • 不動産を購入するときにかかる税金
  • 不動産を所有しているときにかかる税金
  • 不動産を売却したときにかかる税金
  • 不動産の贈与を受けたときにかかる税金
  • 不動産を相続したときにかかる税金
  • 不動産を貸し付けたときにかかる税金
  • 不動産に係る各種税金の早見表・速算表

税金は政策により毎年のように変更があります。
必要なときにネットで調べれば良いだけなのですが、冊子の値段が安いので毎年買っています。だってコピーやプリントするより安いですし。
また私の統一ノートサイズであるA5版の大きさですし、薄い本(72ページありますが薄い紙を使用)であるところも気に入ってます。

2010年6月14日月曜日

訪ねてみたい地図測量史跡


「訪ねてみたい地図測量史跡」 山岡光治著 古今書院

山岡光治さんは国土地理院に在職中から、地図に関する様々な活動をなされ、それに伴い大量の興味深い文章をあちこちに執筆なされています。
山岡さんは、私が以前からお会いしたい人の一人です。

この本は測量や地図にまつわる全国の史跡を、写真と地図を豊富に入れて紹介したガイドブックのような体裁になっています。

測量原点などの標石から、測量や地図に関係する人物の史跡など、全国隈無く調べた楽しい本です。「我々のような職業なら」一気に読んでしまいたくなると思います。

私の研修会でも良く境界標の写真をスライドでご覧戴くことが有りますが、研修会の為に写真を撮っているのではなく、気がついたら撮り溜めていたという感じです。

一緒にされたら不本意でしょうが、おそらく山岡さんも興味があって次々に調べて行って、それを書籍にまとめられたのでしょう。
しかしそのまとめ方が素晴らしい。
1箇所を1~2ページで紹介していますが、これをまとめるには多くの時間を費やして背景やを調べたでしょうね。巻末の参考図書や協力機関の一覧を見るだけでご苦労が分かります。

さて、この本で取り上げられた史跡などは以下のような箇所で、全部で116箇所あります。

 ・北海道・東北編:
   間宮林蔵像、北方資料室、最上徳内記念館、ほか24
・関東編:
   伊能忠敬像、間宮林蔵生家、地図と測量の科学館、ほか17
・東京編:
   玉川兄弟像、経緯度・水準原点、伊能忠敬ほかの墓、ほか24
・中部・近畿編:
   松浦武四郎記念館、行基の墓、神戸市立博物館、ほか27
・中国~沖縄編:
   地球33番地、シーボルト記念館、ハル石、ほか14
・海外編:
   日露国境標石(サハリン)、ほか

宮城県からは以下の4箇所が紹介されています。
  1. 木村信卿の墓 石巻市門脇
  2. 林子平の墓 仙台市青葉区
  3. 東北大理学部自然史標本館(旧陸軍参謀本部所蔵外邦図所蔵) 仙台市青葉区
  4. 日本一低い山(日和山) 仙台市宮城野区
本当に行きたくなります。
全国一つ一つゆっくり訪ねてみたいと思いました。

引退しないと難しいかな。

2010年6月13日日曜日

気仙沼支部で出前研修会

昨日は気仙沼支部に研修会でお伺い致しました。
テーマは「筆界特定」です。
筆界特定申請の代理人となるための研修会でした。
我妻委員長はじめ講師を務めて戴いた境界鑑定委員会の蘇武委員、千葉委員ありがとうございました。またサポートに駆けつけてくださった小川副委員長、山岸委員お疲れ様でした。

各支部にお伺いして、研修会を開催させていただくという今年度の計画ですが、気仙沼支部が最初の支部でした。

筆界特定制度などのこういった新しい制度の業務では「なかなか仕事が無い。」とも聞きますが、「学んでいないから目の前の仕事に気がつかない。」と言う側面もあります。
「仕事が来てから調べる。」という姿勢では、「業務処理に間に合うか間に合わないか。」ではなく、そもそも仕事は来ません。

「とりあえず聞いてください。」ということで、お伺いしましたところ、お休みの日にもかかわらず気仙沼支部会員16名中14名の参加がありました。感謝します。
質疑も活発に行われ、充実した研修会だったと思いました。

その中で「筆界特定に携わることは地域地権者の争いに参加して行くことで、地域のコミュニティ全員を知っている中で業務をしている土地家屋調査士にとって、なかなか入りづらい業務である。」という趣旨の意見が出ました。

確かにそういった懸念もあると思います。
なるべく土地家屋調査士の日常業務の中で処理できれば争いも無く一番良いことです。
でも不幸にも争いになることがあります。

「国が決めてくれるならお互い納得する。」という方向に争いを持って行ければ、対立構造でない中で筆界特定制度を利用できるかも知れません。狭い地域でどの地権者からも信頼されている気仙沼支部の土地家屋調査士の立場なら有り得ます。

また、国土調査地域で筆界未定になった箇所などは、今日対立していなくても、地図訂正手続きでは解決が困難な部分も有るでしょう。これも筆界特定制度の利用が効果的かも知れません。

事例によっては、裁判でなく筆界特定制度だからこそ可能なこともあるでしょう。
今年度は、筆界特定制度と私たちのADR「みやぎ境界紛争解決支援センター」との連携の打合せが始まります。これにより、また境界紛争解決の様々な可能性が広がるかも知れません。

宮城会としても研究は続けますし、その成果はその度にお伝えします。

これからお伺いする支部の皆さんとも、しっかりとお話をさせて戴きたいと考えています。よろしくお願い致します。



写真は研修が終わってホッとした気仙沼支部の皆さんです。



2010年6月11日金曜日

東北ブロック理事会

今日は東北ブロック理事会が開催されました。

東北ブロックの構成員は以前も書きましたように、東北ブロックの各会会長と東北ブロック選出日調連理事2名、それと事務局長の9名です。

一度皆さんを紹介しましょうか。

会  長 柴山 武(福島会会長)
副会長 赤塚富治(秋田会会長)
副会長 小林要蔵(青森会会長)
理  事 相田治孝(山形会会長)
理  事 菅原唯夫(岩手会会長)
理  事 鈴木  修(宮城会会長)
日調連理事 小林昭雄(青森会)
日調連理事 岩渕正和(宮城会)
事務局長 永山和之(福島会副会長)

こんなメンバーで定期的にやっています。

ちなみに他のブロックと比べて予算の規模がかなり少ないので、いろいろな事業は工夫して効果的に開催する必要があります。

今日のメインの議題は、7月9日開催の東北ブロック総会の詳細打合せでした。東北ブロックの昨年度の会務と事業の報告と決算、及び今年度の事業計画と予算です。

他には様々な情報交換です。この情報交換は、会長として大変役に立ちます。理事会の議題ではないけれど、下記のような話題が有りました。

全国の法14条地図作成の落札状況
何故か東北地方は一律安価な状況のようです。

調査士制度60周年記念全国一斉無料相談会の開催
10月9日とアナウンスが有りましたが、法務局とのタイアップの関係で、日程がまだ動く可能性もあるようです。

国の出先機関の自治体移行の動き
先日からお知らせしているあの件の情報交換です。
本来は別の出先機関が対象なので、最終的には登記所が自治体に行くわけはないと思うのですが、でも意味のわからない方々で議論されているので、困った議論になる可能性も否定できない部分もあります。注目する必要があると確認しました。

オンライン申請認証局の在り方について
日調連のオンライン申請認証局については、維持するだけでかなりの大金が必要です。実際に今後もこのままでよいのか、費用は適正なのか、認証について他に方法はないのか、いろいろな意見が出ました。今後の議論を煮詰め、場合によっては建議する必要がありそうです。

理事会だけでは語り尽くせないので、その後の懇親会(全員出席)で、いつも重要な議論ができています。もちろん自腹です。念のため。

2010年6月10日木曜日

今日の仙台法務局

今日の仙台法務局です。

この時期は、鉄骨が次々に組み上がり、建物の概要が徐々に見え始め、工事の進捗が一番分かりやすく、見てて楽しいですね。





今見えている一番高い部分は、
8階部分でしょうか。





そう言えば、この建物が何階建てになるのか、私、把握していませんでした。
明日、聞いてみましょう。

えっ、「最近『今日の仙台法務局』ネタが多くないか?」って・・・。

ばれてますか。
ネタがないときはこれが一番なんです。

支部出前研修

鳩山首相が辞任しました。
日本の浮動票が、彼を首相に推して、その浮動票が同じ彼を首相から転落させたのでしょうか。国の政治にまったく関心がないのでしょうか。

菅首相になった途端に、支持率19%が62%に急上昇って、どんな国民でしょうか。
別に民主党が良い悪いとコメントしているわけではありません。
政党が変わった訳ではないのに、この支持率の変化について、日本国民の意識に呆れているのです。

でもこの人達は、まだ投票に行くだけ良いのかも知れません。
私たち宮城会や日調連にも関心が無い会員がいます。
もっと自分たちの生活に直結することなのに。

昔は誰が役員をやろうとも、日の丸護送船団に乗っていれば、とりあえず大過なく過ぎたものです。
でも今は気が抜けません。
役員の行動もしっかり見て戴かなければなりません。

総会や研修会に欠席する会員は、土地家屋調査士の未来について本当に心配が無いのでしょうか。会務を私達に任せて心配無いのでしょうか。
それとも、何かご意見が有るのでしょうか。

そこで「参加できないのなら、こちらから伺います。」という意味も込めて、今年は各支部に出前研修を企画しました。直接は「筆界特定の代理人としての研修」をしますが、私も少し制度についてのお話しをしたいと思っています。

最初は気仙沼支部です。今週末に伺います。
調査士会に対する要望でも質問でも結構です。
研修会の際に、しっかりお話ししましょう。
支部総会にお伺いできなかった支部なので、私自身楽しみにしております。

2010年6月9日水曜日

日調連総会と代議員

前ブログで申し上げましたとおり日調連総会と代議員に関して少し説明します。

日調連の総会は、会計年度終了後3ヶ月以内という規程になっており、毎年この6月に開催されます。(連合会会則17条)
土地家屋調査士の会員は全国18000人程度、その全員が一堂に会して総会をすることは現実的ではないので、間接議決権を持つ代議員が選ばれます。
その代議員と各会会長と日調連役員が総会の構成員となります。(同16条)

この代議員は各会から選出されるのですが、その数はそれぞれの単位会の所属会員数によって決まります。4月1日現在の会員数が300人以下の土地家屋調査士会は代議員1名とし、300人を越える調査士会では、最初の1人と150人ごとに1人を加えた人数が代議員の数となります。(同第19条1項)

つまり会員数が500人であれば、
 最初の300人・・・・・・・・・・1人
 300人を越えて150人まで・・・1人
 それを越える会員数(50人)・・・1人
合計3人の代議員となります。

宮城会は最近会員数が300名を切りましたので、宮城会の代議員は1名、1票となります。
これに会長の私の1票が加わり、2票。
他に宮城代表という票ではないですが、宮城会から選出の岩渕日調連理事にも1票があります。

このような仕組みですから、日調連総会において、会員数の少ない宮城会や東北ブロックの各会の意見は、単純な多数決では通りません。何かを伝えるときは、しっかりとした理論を組み立てて、説得力を持った発言をしなければなりませんね。

2010年6月8日火曜日

6月常任理事会と第2回理事会

本日は午前は常任理事会で、午後は理事会という、一日会議の日でした。
理事の皆さんには、昨日の研修会と2日続けて、ご自分の業務が進まないので申し訳なく思っています。

さて、本日の理事会の議題は以下のとおりでした。
  1. 平成22年度会務執行及び事業計画の件
  2. 日調連定時総会代議員の選任及び出席者について
  3. 東北ブロック協議会第55回定時総会の件
  4. その他
1.の「平成22年度会務執行及び事業計画」については、先日の総会でご承認戴いた会務執行方針とその事業計画を具体的に、どの時期にどのように進めていくかを各部に議論して戴きました。
事業計画は会員の皆さんとお約束したマニュフェストです。
当然に守らなければなりません。
今年は行事が多くなりそうなので、年間計画等の段取りは早めにして、できることは前倒しで執行していきたいと考えています。

2.日調連の総会の代議員を誰にするかを決めました。
日調連の総会における代議員については次のブログで説明しましょう。

3.東北ブロック協議会の定時総会への出席者と、翌日の弁論大会の発表者を決めました。
弁論大会と言うのは今回初めて開催されるものです。どんな弁論が出るのか楽しみにしています。

4.事務局職員の待遇について一部改善しました。

会議出席の斎藤仙台支部長からの恒例差し入れ手作りスイーツシリーズですが、本日のスイーツはショートケーキでした。基本だからこそ難しいショートケーキです。斎藤支部長からは「本来は生クリームの方が良かったのだが、今日はホイップクリームだった。」との謙遜のコメントを添えて差入して戴きました。もちろん、美味しく戴きましたよ。

2010年6月7日月曜日

土地家屋調査士の倫理研修

本日は日調連専務理事瀬口潤二先生による研修会を開催しました。
「倫理規程と懲戒事例」に関する研修会でした。
皆さん多数参加いただきありがとうございました。
また「ブログを見て参加したいと思った。」と言って、参加してくださった他会の皆さんもご参加ありがとうございました。

研修会は土地家屋調査士法第25条で参加の努力義務があります。でも義務で参加されるのではなく、「調査士でいるために本当に役に立つから参加する。」と言っていただける研修会を企画しているつもりです。今後も注目していてください。
また研修会は皆さんのものです。今後も研修会について、リクエストやご意見があれば、遠慮無くお知らせください。

さて、私は研修会で一番大切にしていることは、「表面に現れた政策や規則などの詳細を学ぶ前に、なぜその規則ができたのか、それはどんな背景で、何を狙ってできたのか。」をしっかり学ぶことです。

ベースが理解できれば、詳細は学ばなくても想像ができますし、自分のものになります。
これは調査士の資格試験の際でも同じ事ですよね。
今日は瀬口先生にその点をしっかり教えていただけるようにお願いいたしました。
その背景の日調連の動きを詳細に教えていただきました。

倫理なんて聞くと、昔の道徳の時間を連想しませんか。
何故こんなもの必要なんだって思いましたか?
でも日調連は、この混迷の時代、勝ち抜く武器として「倫理規程」を作ったんだとのお話しでしたね。
国の政策の変化の中で、国土調査をはじめとして、「倫理」を掲げる土地家屋調査士の重要生がクローズアップしてきたようです。

もう一度、そんな眼で、本日の研修資料を読んでみて下さい。

法務局・地方法務局を国の機関として維持することについて

前ブログの「登記所はどこに行くのか その2」に書いた国の出先機関原則廃止プロジェクトチーム」の中間報告に関して、日調連が書いた意見書がありますので、それを紹介します。

1.法務局・地方法務局を国の機関として維持することについて

登記事務は、国民の権利義務や社会経済活動に重要な役割を果たすものであり、今後とも国家が主体的に担う事務として、全国50カ所に適正に配置されている法務局・地方法務局を、現状のとおり国の機関として維持されることを要望いたします。 


1-1 不動産登記制度は、国民の貴重な財産である不動産に関する権利の保全及び取引の安全のため明治初期の制度創設以来今日まで国家の最重要施策の一つとして国家が主体的に運用してきたものであります。

(*旧不動産登記法は明治19年、我が国の法律第1号として制定された)

1-2 登記原因の発生から申請・審査・登記記録への記載を経て公開に至る諸手続き過程に於いては、不動産登記法のみならず、夥しい数に上る各種法令への精通が求められ、登記官が行う独任官としての判断の結果については審査請求や国家賠償の対象となる等、重い責任を負うものであります。

1-3 そういった法適用の実際に鑑みるとき、当該制度は国家が主体的に運用するべき制度であるところ、仮に各地域でそれぞれの自治体の独自施策として運用されることになれば、当該事務を担当する職員の研修を通じた均一な業務の確保を通じて実現される権利の保全、取引の安全に資すること等を通じた経済活動の円滑さの確保の面で危惧せざるをえません。

1-4 また、昭和63年以来進められてきた登記事務のコンピュータ化施策は今や全国の登記所であまねく完全実施されておりますが、更に、平成17年以来進められている登記申請のオンライン化に於いてはシステムとしては全国で対応できることとなりその利用も促進されています。

他方、オンラインによる登記事務の維持には、全国単位で必要とされるセキュリティの確保対応策をはじめ、これらシステムの維持には今後とも多くの費用が必要となること等を勘案するとき、各地域が独自に運用することによる脆弱化を強く懸念するところであります。

1-5 登記所の統廃合により、仮に近傍に登記所がない地域であっても、登記記録の入手が必要であれば、その際にこそ、これら高度にコンピューター化・オンライン化のプラス面を最大限に活用できることであることは自明であり、自治体等が不動産の異動に係る資料等を一時に大量に必要とする場合でも、行政機関内で特別の開示請求・取得のルートを構築すれば、不便等は解消されると考えております。

1-6 また、表示に関する登記に於いては、地目の認定、登記面積の確定や土地境界の認定、不動産登記法が定める地図の作成・維持は所有者等の権利の及ぶ範囲を特定し、固定資産税等の地方税のみならず不動産の取得・所有・使用・処分の各場面で幅広く適用される国税の対象としても重要である等、国家や自治体の財政基盤の基礎資料となること、高度情報化社会においてますますその重要性が認識され、地理空間情報の基盤データとなること、国土の適正な利活用における諸施策の基盤資料として活用される等、不動産が存する地域の利害等を越えた存在でもあります。

1-7 諸外国においても、登記は、司法の一部、あるいは国が直接関与する事務と位置付けられ、国が直轄で事務を行っていると仄聞しております。

わが国においても、登記事務は国が主体的に担う事務として、法令に精通した登記官による厳格な審査と迅速な事務処理の両面が確保されることで、不動産の流通や、不動産を担保とする金融活動が安心・安全に行われていると認識しています。

1-8 現在、地域主権戦略会議等において検討されている「国の出先機関の原則廃止」に係る論議では、独立して審査にあたる登記官の権限、あるいは、幅広い専門的知識で従事する登記部門の職員の執務実態さらには、専門知識の基礎となる判例・先例を含む法令等の研修・習得状況、さらには、不動産の現地調査の前提となる測量技術に関する技能養成などの仕組み、更にはオンラインシステム等についての視点が欠落された議論ではないかと危惧しているところであります。

1-9 また、平成18年に施行された改正不動産登記法により新設された筆界特定制度は土地の境界が不明である場合、所有者等の申請に基づき法務局または地方法務局に置かれた筆界特定登記官が弁護士や土地家屋調査士といった専門家(筆界調査委員)の意見を参考に土地の筆界を特定する制度でありますが、司法制度改革の中で議論されてきた裁判外紛争解決制度(ADR)の一種でもあり、まさしく準司法制度でもあります。

この筆界特定制度や法務省が進めている地図混乱地域における不動産登記法第14条の定める登記所備付地図の整備に就きましても、法務局・地方法務局が国家機関として主体的に実施していることへの信頼の上に成り立っているものでもあります。

1-10 以上に鑑みて、仮に法務局・地方法務局を地方自治体に移管するとされる政策が採られるとすると、適切な事務の遂行が確保されるための坦当職員の養成と極めて専門性の高い事務であるが故の特定の職員の恒常的な配置、コンピューターシステムについてはセキュリティの確保を含め、その維持管理に係る費用等、市町村が負担すべき事務経費の増大は避けられず、登記事務処理の適切・迅速さの確保の面に於いても危惧するものであり、それによって招来される混乱等、社会的損失は計り知れないものになるのではないかと懸念するところであります。

1-11 日本土地家屋調査士会連合会は、今後とも、国の責任において、登記事務の更なる効率化と国民への利便が図られるとともに、登記の信頼性が確保され、不動産に係る権利の保全や経済活動が、安全で、安心して行えるため、登記事務は、従来通り、法務局・地方法務局が国の機関として事務する体制を維持されるよう、強く要望いたします。

2010年6月6日日曜日

7日は「倫理と懲戒事例」研修会

既にお知らせしていますように、明日は「倫理と懲戒事例」の研修会です。
会員の皆さんの業務に直結する研修です。
理解不足や誤解の為に業務停止などにならないように、しっかりと研修を受けてください。
研修通知の内容を、念のため下記のとおり再度お知らせします。


「土地家屋調査士倫理規程の解説」
〜競争社会における土地家屋調査士の倫理について〜

日時 :平成22年6月7日(月)午後1時30分~4時30分
場所: 宮城教育会館(フォレストホール)

講師:日本土地家屋調査士会連合会 専務理事 瀬口潤二氏

登記所はどこに行くのか その2

5月23日のブログで「登記所はどこに行くのか」を書きました。

先日も書きましたように、これは地方分権の流れから来る考えです。
いわゆる出先機関の事業仕訳ですね。

全国知事会に置かれた「国の出先機関原則廃止プロジェクトチーム」の中間報告では、法務局・地方法務局についても、国の出先機関であるから原則廃止の対象とされました。
登記事務を地方自治体に移管すべき事務と考えられています。

前回の地方分権改革推進委員会の第2次勧告においては、法務局は国の機関として残すことになっていたのですけれどね。
もっとも、プロジェクトチームの名前が、最初から「原則廃止PT」ですからね。
ここのPTの原則として、「広域性」、「専門性」、「事業規模」、「全国統一性」等は 国が事務を実施すべき理由としない、と言っているのですから、ほぼ全部が当てはまります。

でも、実際本当に登記所が地方自治体に移管されることになったら、当の自治体が困惑するでしょうし、国民のためにも登記制度がどうなるのか大変心配です。

「広域性」、「専門性」、「事業規模」、「全国統一性」等は 国が事務を実施すべき理由としない、って本当に正しいんでしょうか。
権利の客体を特定する表題については、かなり高度な専門的判断も必要ですし、先日も書きましたが、自治体の国土調査の検査状況を見ていると、筆界特定は自治体の致命傷になる可能性が懸念されます。

資金やマンパワーの問題でも対応できる自治体はそう無いでしょう。
登記官を国家公務員から地方公務員にすれば良いという意見も有るようですが、登記は今年だけのものでは有りません。今後各自治体が、人材教育をどこまで継続できるのか、登記行政は国家の基本ですから、当然に全国一律の登記行政が行われなければなりません。おそらく難しいでしょうね。
国も自治体も国民も、誰も望まない政策でしょう。

しかし、それでもこのような政策は全体を包括して、ある意味乱暴に方針を決定することが多く、各論になってからみんなで困ることも大変多いですね。

私たちは、この点は注目しなければならないし、機会を捉えて、それも早急に意見を言わなければならないと思います。

納得できる時間外労働

今日(5日土曜日)もまだ仕事をしています。
明日(6日日曜日)も現地調査です。
会議などに取られた時間を取り戻すには、土日や夜にどうしてもしわ寄せが行きます。

日調連役員だった頃は、一年365日中、休んだのは3日(正月1日とお盆中2日)だけという年も有りました。やはり、会務も、自分の土地家屋調査士業務も、全部本気でやろうとすれば、どこかで時間を捻出するしかありません。

弱音を吐いたり、同情してもらうつもりで書いているのではないのです。「納得できてますよ。」と言いたいのです。

おそらく、サラリーマンが同じ状態なら、気が狂う状態でしょうね。でも新人研修でも、いつも言ってますが、それは誰かに命じられた残業ではないのです。
個人事務所を開業したからには「理不尽な残業は無い」ですよ。全部自分で決めたことですものね。これは皆さんも同じですよね。嫌な仕事を受託したとしても、反省はしても納得はできますね。
ですから絶対時間は少ないけれど、精神的にストレスは少ないです。

絶対時間が少なければ、公私混同で良いから時間を捻出する必要が有ります。
こんな生活を30年近くしているのですから、むしろ楽しんでいます。
書籍を読んだり映画を観たりする時間は、隙間時間です。
今日は仕事の間に「ベガルタとグランパスの試合」を観て来ました。その2、3時間分が夜にしわ寄せが来ますが、覚悟すれば観られるのです。これは個人経営の良い点です。

また「ながら作業」を工夫しています。
何と何を組み合わせれば、お互いの作業の効率を落とさないか、これを考えれば、24時間を有効に使えます。典型的なものは頭を使う作業と単純作業などですね。例えば車で行くか電車で行くかを迷ったら、「電車を使えば本が読める。」「車ならオーディオブックが聞ける。」などを判断をします。
また、文具を趣味にしていると、仕事中嬉しかったりします。(変ですか?)

こんなことを書いているうちに、今日じゃなく明日(6日)になりました。
スキアボーネが、今ローランギャロスで優勝しました。
私も今晩もう少し頑張ろうかな。

2010年6月4日金曜日

iPad

やはり買いました。iPadです。
「もう買ったんだろう。」って、何人かからメールを戴きました。
確かに、私はこのような情報端末には直ぐに飛びつきます。

iPhoneの時と同じで、初日に買いました。
もちろん並ばないですよ。忙しいですから。
並ばなくても入手する方法はあります。(これも傾向と対策です。)

考えてみると、昔から身の回りの資料を持ち歩きたいという想いで、ずいぶん情報機器メーカーに支払ってきましたね。
(飲みに行くことを考えたら安いモノだと言いながら、飲みに行く回数は会長になって確実に増えてますが・・。)

個人事業主は、お客様から何か聞かれたらすぐに答えなければなりません。「上司に聞いてきます。」なんて言えませんものね。また尋ねられた事件を忘れていて「それ何ですか?」とも聞けません。
また絶対的に時間が無いので、「移動中に何ができるか」も昔からのテーマでした。
結局私は、昔から今に至るまで、書籍と資料の詰まった書庫と自分の机のすべてを持ち歩きたいという強迫観念に襲われておりました。

その為に、初めての手持ちコンピュータであるNECのラップトップコンピュータを買ったこともありました。
これは7kgもあり、電源コードを持ち歩かなければならないモノでした。あまりに重くラップトップではなくラップクラッシュと個人的に呼んでおりました。

その後のNECや東芝のノート型(ブック型と言ったりもした)を買って、どこでも仕事できると喜んだりしました。よく考えるとどこでも仕事できるなんて嬉しくないですよね。

ノートコンピュータもどんどん薄くなり、そのたびにお付き合いし、歴代のPDAにも結構小遣いを巻き上げられました。
ネットに繋げ、どこからでも各種資料にアクセスできる・・・実際嬉しくないけれど、でも逃げられないなら、さっさと終わらせる必要はあるから。

iPadは、各種業務資料や膨大な会務資料も外で参照できます。
手頃なディスプレイとネットが有るので、クラウドを上手く使えばメモリが大容量でなくても使えそうです。

ただしiPadは何でもできるコンピュータではありません。多機能な携帯電話のディスプレイが大きくなったらこんなに便利だね、と割り切る必要があると思います。
コンピュータ・ユーザー側からの発想だと、「何故これができないのだ」といらいらするかも知れません。
何でもできると思わずに、「できることだけやる分には最高のインターフェース」だと思います。

これで私のiPhoneは不要になりました。通話には使っていませんでしたから、二年縛りが終わったら解約します。

・・・でも今月新型iPhoneが発表に・・・(以下略)

ちなみに、このような情報グッズ(手帳等の文具も含む)購入を、私の奥さんは「道楽」だと諦めております。
また友人達は、私のことを「人柱」とか「モルモット」とか呼んでいます。

2010年6月3日木曜日

訃報 笠原稔 会員

古川支部の笠原稔会員がご逝去なされましたので、お知らせします。
ご冥福をお祈りいたします。

お通夜
日時 平成22年6月5日(土) 午後7時~
場所 栗原市若柳字南提通20-10
わか柳葬祭会館

告別式
日時 平成22年6月6日(日) 午前10時30分~
場所 栗原市若柳字南提通20-10
わか柳葬祭会館

喪主 笠原公男 様

2010年6月2日水曜日

怒っている隣接者の心

境界確認の際に一番嫌なのは、隣接者が怒っているときですよね。
新人の頃は本当に困りました。

でも隣接者が怒っているときは、まとまる可能性も高いのです。
なぜなら、その人は境界紛争解決に向けて、強い何らかの主張をしているわけですから。
自分の主張を押しつけるかも知れないけれど、何らかの「法的安定」を求めているわけです。
ですからその人に、「土地家屋調査士は、公平な立場で、その解決のお手伝いをするのだ。」ということが理解していただければ、むしろ話が早い可能性があります。

じゃあ、どちらも解決を望んでいるのに、なぜ喧嘩するのでしょうか。
どちらも自分が悪くないと思いこんでいることが多いからです。

私の経験からすると、意図的に境界を侵害したり、境界標を動かす人は、ほとんどいないと思います。
自分の持っている境界に関する資料(書証、物証、人証のいずれであっても)を信じて生活をしているところに、突然隣接者から「境界侵害だ」と言われて、喧嘩になるのです。

皆さんが、いつも経験するように、各々の資料は整合しないことが多いですね。それらが境界争いの原因となることが有ります。
でもそれらの資料は、法務局や役所に有る資料ですから、公的な資料であるわけです。公的な資料が各々整合しないことが有るなんて、一般の市民は分かりません。ですから、本人は善良な市民なのに、ある日突然泥棒呼ばわりをされるのですから、大変怒るわけです。

財産権の問題のハズなのに、その地価の10倍も高い裁判費用を支払って喧嘩していることを、私も見ています。このようなことを、境界問題に携わる人は、皆、深く認識しなければなりません。

「なぜ相手はここを境界と信じたのか」
この点をお互いに理解し合って、必ずしも隣地所有者は悪人ではないことを理解し合えば、必ず次の展開があります。

ちなみに上で述べた怒りの隣接者と区別する必要がある方は、「隣が嫌いで困らせようとしている人」です。この人は、別に解決を望んでいません。この場合は、お客様の目的に沿って、筆界特定等の別の方法を使うことになるでしょう。

2010年6月1日火曜日

登米物語


「登米物語」 芳賀明夫著 500円
ハガエンタープライズ発行

第1章 とよまの昔話
第2章 登米の歴史
第3章 登米の観光案内

登米郡 登米町(とめぐん とよままち)
全国難字難訓地名辞典に載っていた地名です。今は登米市ですが。
その登米について、登米出身の芳賀明夫氏が書いた94ページの立派な本です。

第1章の昔話も、画家の大澤和泉氏による入魂の挿絵があり、第2章も登米の古からの歴史と、それに伴って連綿と続く豊かな文化がしっかり書かれ、単なる観光小冊子とは趣が異なります。
この本は、登米について深い愛情が有り、誇りが有り、情熱が無いと書けない内容と思います。
今度登米を訪れるときは、この本を持参して行きたいと思います。

まあ登米に関しては、宮城県土地家屋調査士会の千葉三郎副会長も、かなりうるさいと思いますが。


この本は一番町の金港堂書店で買いました。
金港堂書店にはこのような地元の書籍が多いですね。
この書店の地元文化をサポートするこの姿勢は大変貴重な事だと思います。

私は書籍の60%はamazonで買っています。
KindleやiPad等の電子書籍を巡る状況によっては、その中の有る程度の割合も、電子書籍で読書することに比重が移るかも知れません。

それでも私、毎月一度は半日掛けて書店のすべての書棚を見に行ってます。

amazon等のネット書店は、小ロット出版の本でも全国から取り寄せられるメリットが有りますが、それは書名等が分かっている場合で、本屋をぶらっと見に行かないと、このような本との出会いは有りません。

ですから、このようなリアル書店も残ってもらわなければなりません。
それに比べて、売れ筋の書籍だけ並べている書店はamazonで代替できます。
ネット社会で生き残るヒントもここにあるかも知れません。