2015年12月30日水曜日

リブート

今年も残すところあと1日。
皆さんはどんな年だったでしょうか。

私にとっては、今年長年務めた土地家屋調査士会の役員を退任しましたので、新しくやりたいことへの準備の年になりました。

来年何をするか、皆さん決めましたか。
「決めても仕方ない。なるようにしかならない」
そうおっしゃる方も多いでしょうね。

違うと思います。
あらゆる人に逆風もあります。
人生すべて決めたとおりになる人はいません。
それでも、なんらかの結果を残している人たちがいます。
もしも、来年の目標を決めておかなければ、実現の可能性はゼロです。

人間ひとりで生きているわけではありません。
仕事でお付き合いする人もいれば、家族や親戚もいます。
さまざまな環境の変化による経済状況の問題もあるでしょう。
大人が思いどおりに生きるということは、それらすべてから逃れて、好き勝手に生きるということではありません。

それらも背負いながら、能動的に来年を決めるのです。

さて、私のところに、「来年こそは開業したい」という相談がたくさん来ています。
そして、その相談の中には、開業できない理由が並べられていることが多々あります。

家族がいて、これからお金がかかるから。
開業資金が無いから。
今の会社は残業が多くて、勉強の時間が無いから。
etc.

今生きている人生を握ったまま、もっと別のものも握りたいと考えているのでしょう。

「現在の仕事をしながら、アルバイト的に開業できないだろうか」という相談もあります。
私はあまりお勧めしません。

まず、基本的に、測量会社などの関連業種に勤務することは、土地家屋調査士法違反になるおそれがあります。具体的には地元の土地家屋調査士会にご相談ください。

たとえ別の業種であっても、今の職業に対して失礼ですし、そもそもアルバイト的に始める土地家屋調査士には、実力もお客様も付くわけがありません。

もし、あなたがプロ野球選手になりたいとしたら、「家族サービスしなければならないので練習する時間はないし、怪我したら人生終わりだから、今の会社に勤めながらホームゲームのときだけ試合に出たい」って言うのですか。

覚悟がなさすぎます。

新しい自分になるのが、資格業開業です。
私達は、自分の実力で自分の未来を開こうとする職業に就くのです。

お金が無い、時間が無いのは、今現在のお金や時間の使い方を維持したいだけの話です。
何かを離さないと、新しい何かを握ることはできません。

リスクはあります。
独立とは、そういうものです。

でも、大会社勤務であっても、リスクがある時代です。
そして、そのリスクは、自分ではコントロールできません。
自分の未来のリスクを自分の努力でコントロールできるという世界の方が、安全かも知れません。
私はそう考えています。

しかし、独立に向き不向きはあります。
だから、私は甘い夢ばかりは語りません。
開業しないことが正しい人もいます。

でも、あなたは、今の人生を抜け出そうと思ったから、資格試験を受けたのでしょう。
それなら、今の人生を握ったまま一歩も踏み出せない自分を、再度分析してみてください。

個人事務所を開業するということは、もう過去の学歴も職歴も関係ないのです。
その人の実力だけの世界です。

私達の世界は、「昔、何ができたか」なんて、まったく意味を持ちません。
「今、何ができるか」だけです。
そんな世界です。
気持ち良いでしょう。

「営業ができないから仕事が無い」と言う人がいます。
ほとんどの人は、それ以前に「実力が無いから仕事が来ない」のです。

実力の付け方は教えます。
でも努力は必要です。

もうすぐ来年です。
新しい年に向かって、もう一度考えてみてください。

開業とは、人生リブート(再起動)なのですから。



(ご挨拶)

今年、長年務めた宮城県土地家屋調査士会の会長を、無事に退任いたしました。
あの震災の中でも、業界の代表として動くことができたのは、当時のブログ記事に対する皆様の励ましのおかげだと感謝しております。
任期中に書いていた会長ブログを、退任のタイミングでやめようと思いましたが、更なる皆様の励ましにより、この個人ブログとして継続することになりました。

立場は変わりましたが、人間が変わるわけでもなく、今後もできるだけ次世代の方々のお役に立てるような記事を意識しながらも、文具や映画などの私の趣味も併せて書いていきたいと思っています。

来年もよろしくお願い致します。

良い年をお迎えください。








2015年12月27日日曜日

二代目の事務所経営について

「土地家屋調査士開業ガイダンスin大阪」には、多くの方から参加申込みが届いています。
しかし、地域的に、日程的に、このガイダンスに参加できない人もいるでしょう。
また、参加者のすべての質問に答えるつもりですが、時間的な制約もあります。
ですから、参加する方にも参加できない方にも、少しでもお役に立ちたいと思い、このブログにも少しずつヒントを書いています。

今回も二代目の方からの事務所経営の相談が来ています。
この二代目の登録のタイミングについては以前にも書いたつもりです。
内容は重複する部分もありますが、今回は事務所経営についても、もう少し書きましょう。

まず、登録の時期です。
これは前回も書きましたように、すぐに登録してください。
会費を2人分払うのは、もったいないと思わないでください。
逆に時間がもったいないと思います。
二代目のあなたが、その事務所を継ぐつもりなら、本当に早く登録してください。

資格試験に合格しようが、登録しないうちは所詮補助者です。
登録してバッジを付けている者とは意識レベルが違ってきます。
すべての仕事に自分の職印を押すことが、どれだけ怖いことなのか身をもって知ります。
知れば、さらに勉強します。
親の職印を押しながら、何か困ったら親に相談するあなたとの違いは、とても大きいです。
あっという間に差が付くでしょう。

また、土地家屋調査士として登録するまでは、基本的に土地家屋調査士対象の研修会に参加できません。
あなたがどんなにベテランの補助者であっても、そのノウハウは登記や測量の「事務処理」でしかありません。登記事務の処理と「専門家としての知見」とはかなり違うものだと思います。
そして、常に最新の研修会に参加していないと、土地家屋調査士試験合格程度では時代に合わせた専門性など保つことができません。

更に、前回もお伝えしましたが、あなたは 早く登録して、お父さん以外の土地家屋調査士にたくさん会う必要があるということです。
それは、お父さんがどんなに素晴らしい土地家屋調査士であったとしてもです。
これからの土地家屋調査士は、専門性が多岐に分かれる時代です。
そして全国には、様々な土地家屋調査士がいます。
お父さんとは別の専門性を持って生きている土地家屋調査士もいるはずです。
もしかしたら、二代目のあなたの目指すべき土地家屋調査士像が、お父さんの他にもいるかもしれません。
それを確認するだけでも登録の意味があります。

さて、事務所経営の面からもお伝えしたいことがあります。

まず、事務所体制です。
今の事務所に補助者がいるとして、その方々はあなたの親に雇われて育てられた方々です。
もしかしたら、あなたと同じ年代かも知れませんね。
あなたに代が替わったとして、素直に従ってくれるでしょうか。
代替わりのタイミングで、事務所がバラバラになった例をたくさん見ています。
その補助者の方々と上手くやっていく自信があれば、問題はありません。
でも、もしかしたら、今のうちに登録して、自分の子飼いの補助者もつくっておいた方が良いかも知れません。

次に、事件受託の問題です。
お客様は誰に付いているか、ということを考えなければなりません。
親のお客様を、息子といえども必ずしも引き継ぐことができないのです。
お客様は事務所に来るのではなく、結局人に来るのです。
あなたの親が引退する直前に登録しても間に合いません。
早く登録して、あなた自身のお客様を作った方が良いでしょう。
また、あなたは、昭和の時代の親とは違うノウハウを身に付けなければなりません。
あなたは、新しい時代も土地家屋調査士をやっていかなければならないからです。

おそらく、新しいノウハウや新しい考え方は、登録してたくさんの土地家屋調査士に会わないと身につかないでしょう。

頑張ってください。



2015年12月24日木曜日

安全な地域で備蓄することでも被災地の支援になります

年末ですね。
雪が降らないし、なかなかそんな気分でもないのですが、今年も残すところ1週間です。大掃除や在庫整理・確認などをする時期でもありますね。

さて、今年は大掃除のついでに、防災用品の点検と非常食や備蓄用の水を確認しませんか。
防災用品の電池等は切れていませんか。
備蓄用食品の期限は切れていませんか。
東日本大震災からまもなく5年経ちます。
その当時買い求めたのなら、ほとんどの備蓄用の食品や水は期限切れだと思います。

首都直下型や東南海地震などについて心配されている地域だけでなく、まったく災害の可能性が無いと思われている地域にお住いの方々も、是非備蓄をして欲しいのです。

火山列島である日本には、絶対安全な地域はないということが理由のひとつです。
他の被災可能性の高い地域のために備蓄して欲しいということが、もうひとつ別の理由です。

災害時に、それらの備蓄した食品などを被災地に送って欲しいということではありません。
震災が起きた時には流通が分断されます。
皆さんの備蓄してある食品などを、災害直後の被災地に届けることができるまで、かなりの時間がかかります。
ですから、そういう提案ではありません。

何か災害が起きたら、できるだけ市場で流通している食品などを被災地にまわすために、被災地以外の土地の方々は、ご自分の備蓄食品などを消費して欲しいのです。

東日本大震災の際には、被害の少ない地域において買い占めが起こり、本当に食べ物も飲み水も無くて困っている被災地に、必要な物資がなかなか入ってこないことがありました。水道水が出る地域で、風評により水を買い占める行動が起きたのです。

ですから、あなたが平時に自分のために備蓄するだけでも、災害発生時に被災地の支援につながります。
あなたが1リットルの水を備蓄することが、被災者に水を1リットル送るのと同じ意味を持つからです。











2015年12月22日火曜日

土地家屋調査士事務所開業ガイダンスin大阪の会場決定

先日から予告させていただいた「土地家屋調査士事務所開業ガイダンスin大阪」の会場が決定しました。

もともと私個人の思いつきで始めたこのイベントですが、大阪青年土地家屋調査士会と兵庫県青年土地家屋調査士会が、このガイダンスを共催という形で協力してくださることになりました。
また、両青年土地家屋調査士会が、大阪と兵庫の今年の合格者に声をかけてくださるそうです。

少しでも多くの皆さんの不安や疑問に答える機会を作るために始めたことですから、参加者が増えることは、私としてたいへん嬉しく思っています。

さて、参加希望者ですが、私のブログで紹介しただけで、すでに当初の予定より多くなりそうです。
さらに、両青年土地家屋調査士会のご協力をいただくことになると、参加希望者がもっと増える可能性があります。
このままでは、仮押さえしていた会場での開催が難しくなりそうでした。

そんな折に、大阪土地家屋調査士会のおかげで、正式に大阪会の会館をお借りできることになりました。ありがたいことです。大阪会会館なら人数の余裕がでます。

よって、未定だった会場が決定となりましたので、以下のとおり詳細をお伝え致します。
なお、人数が多くなっても、個別の相談にはしっかり答えるつもりですから、ご安心ください。



日時 : 平成28年1月24日(日)
      午後1時00分~午後5時00分(予定)
           (終了は、すべての質問に答えるまで)

場所 :  大阪土地家屋調査士会館
      大阪市中央区北新町3番5号
      (大阪市営地下鉄 谷町線・中央線「谷町四丁目」駅④番出口徒歩5分)

講師 : 鈴木 修 と 土地家屋調査士の仲間たち

共催 : 大阪青年土地家屋調査士会・兵庫県青年土地家屋調査士会

申込方法 : mucha@rr.iij4u.or.jp(鈴木修 宛)に Eメールにて

   氏名、都道府県名、年齢、合格・開業の有無などのプロフィール、
   質問したいこと、相談したい内容などを、
   差し支えない範囲で記載してお申し込みください。

参加費 : 無 料
以上



大阪土地家屋調査士会
     〒540-0023 大阪市中央区北新町3番5号
     ※地下鉄谷町線・中央線「谷町四丁目」駅 4番出口より

2015年12月21日月曜日

スター・ウォーズ/フォースの覚醒


公式より
「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」

スター・ウォーズ・シリーズは、1977年の「エピソード4/新たなる希望」からスタートしました。
それに続く「エピソード5/帝国の逆襲」「エピソード6/ジェダイの帰還」までのルーク・スカイウォーカーを主人公とする三部作で一旦完結します。
そして、エピソード6公開から16年後の1999年、時代を遡り「エピソード1/ファントム・メナス」「エピソード2/クローンの攻撃」「エピソード3/シスの復讐」のアナキン・スカイウォーカーを主人公とする三部作が上映されました。

当初は、この後の世界を描くエピソード7・8・9という三部作を含めて全9作になるはずだったのですが、途中でジョージ・ルーカス監督が全6作で完結すると発表しました。ファンとしては新しいスター・ウォーズに会えなくなり、とても残念な思いをしました。

しかし、その後、ルーカス・フィルムがディズニーに買収されてから事情が変わりました。
「新たにエピソード7・8・9を作成する」と発表されたのです。全世界が歓喜しました。

私は、ここまですべてのシリーズをリアルタイムで観てきています。
おそらくこのままなら、シリーズ全9作を全部リアルタイムに楽しむことのできる幸せな世代になるのでしょう。

さて、その世界中が待ちに待ったスター・ウォーズ「エピソード7/フォースの覚醒」が12月18日に上映開始と決まったのです。
最初のエピソード4発表から38年、最後のエピソード3から10年、私はこの日を待ちきれずにおりました。

新作品に対して失礼のないように、この数ヶ月で過去作品を何度か観て、スター・ウォーズ・サーガの世界に浸り、内なるフォースを取り戻しておりました。
最近の私の研修会がダーク・サイド寄りと言われるのは、そのせいかもしれません。

さて、その大事な18日に、なんと京都会の研修会にお招きいただきました。
しかも18日と19日の2日連続です。
それって、スター・ウォーズ観られないじゃん。

研修会後に、京都会の山田会長に「よりによって研修会は何故今日なのか?」と、私の想いを込めて質問したところ、山田会長はスター・ウォーズ・シリーズを観たことがないとのこと。
私は「日本にそのような人がいたのか」と再認識し、研修後の懇親会の二次会として、一緒にスター・ウォーズを観ることになりました。(山田会長は昔からの友達です)



映画内容ですか。最高です。
冒頭のロールとファンファーレで、もう「キター!」と鳥肌ものでした。

スター・ウォーズについては、世界中にとてもとてもうるさいマニアが存在します。
ですから、この映画は制作する前から興行収入を保証され、その反面、何を製作しても彼らから叩かれそうな運命なのです。
しかし、今回は予想をはるかに上回る出来でした。
おそらく、これなら賞賛されこそすれ、叩かれることはないでしょう。

昔からのファンを喜ばせる数々の仕掛けに加えて、さらに新しくてわくわくする物語を紡いでいます。「初めて観る人は楽しめるのだろうか」と、実は観る前に心配していたのですが、初見の山田会長もかなり楽しんだとのことです。

エピソード7・8・9で活躍するであろう新しい登場人物も皆魅力的です。
良いですね、レイ。
2015年に観た映画で一番の女優です。(当社比)

ジョン・ウィリアムズの音楽も、有名な旧作の曲に頼りすぎず、新たな登場人物のテーマなど新作も冴え渡っています。
だからこそ、馴染みのテーマがライト・モティーフとして現れるとき、何かを示唆する効果が際立ちます。
最後の場面でのあのテーマなどは、本当に効果的でした。

いろいろ語りたいけれど、ネタバレになるのでここでは書きません。

さて、これから観る方のために書いておきます。

できるだけエピソード4・5・6を観てから、今作を観たほうがより楽しめます。
エピソード1・2・3までは観なくても大丈夫でしょう。
時間がない人は、エピソード6だけでも観ることをお勧めします。

ただし、この映画はたくさんの方が観ます。
その中には知ったかぶりで、ネットでネタバレを書く人も出てくるでしょう。
ですから、観る予定の人はできるだけ早めに観ましょう。

そういった意味で、どうしても時間が取れない人は、山田会長のようにまず観てしまっても良いと思います。それでも十分以上に楽しめるでしょう。
そして、その後にエピソード4・5・6を観て納得し、更にその後にもう一度エピソード7を観るのです。(笑)
大丈夫です。お金も時間も十分元を取ることができます。

山田会長、年明けに再度エピソード7をお付き合いしますよ。








2015年12月17日木曜日

「熟慮する」「計画中です」は現実逃避(再掲載)


土地家屋調査士事務所開業ガイダンスin大阪について、いろいろな問合せや相談が来ています。

当日しっかりとご事情を伺ってからお答えすべき相談もありますし、一般論としてこのブログでもヒントくらいお渡しできる相談もあると思っています。

とにかく、皆さんの一番の悩みは、開業リスクに対する迷いです。

お気持ちは分かります。
家族の人生もかかっていますから。

でも、どこかで決断しなければなりません。
いつも申し上げているように、私のスタンスは「どうしても開業を勧める」というものではありません。

補助者も経験したことが無く開業してしまった私の悩みと解決過程をベースに、皆さんの開業することへの不安を整理し、いくつかの選択肢をお渡しすることが、ガイダンスだと思っています。

だから私のガイダンスは、「開業しましょう」と背中を押す代わりに、人によっては「開業しない踏ん切りを付ける」ためのガイダンスになるかも知れません。

答えはどちらでも良いと思いますが、「人生は決めることが正解」なのです。
少なくても「人生ぐずぐずしていることが不正解」だと思っています。

試験合格して嬉しかったのでしょう。
だったら、何故そんなに苦しむのですか。
もっと自由に考えましょう。
引き籠もっていたら、答えは出ませんよ。

ちょっと前に書いたブログですが、ここに再掲載しますので、迷っている方はお読みください。


2015年7月29日

「熟慮する」「計画中です」は現実逃避
先日も帯広でお話しさせて戴いた開業ガイダンスですが、いつもお伝えしているように、そこでは、開業を無理に勧めてはいません。
皆さんの人生がかかっていますから。

私のやっていることは、皆さんが迷いに対して答えを出すことのサポートをすることです。
確かに独立開業は不安だらけでしょう。
気に入らないにしても上司の言うことを聞いていれば(聞くふりをしていれば)最低の保証があった世界から、すべて自分で考えて、責任が重く、収入に裏付けのない人生に踏み出す訳ですから。
その漠然とした不安を、具体的な課題に落とし、それにいくつかの可能性のある選択肢を提案することが、私の開業ガイダンスです。

いつも言っているように「やはり独立は止めて組織に留まる」のも立派な決断です。
実際、独立開業に向かない人もいると思います。
それでも、私は断定的なことは言いません。最終的にはご本人の人生です。
そこは当然本人が決断しなければなりません。

でもいつになったら
どんな答えが出たら
決断するのですか?

ネットばかり見ていても、ヒントはもらえるかも知れませんが、きっと結論は出ません。
外に出て具体的に動きましょう。
地元の土地家屋調査士会に相談しても良いと思います。
誰か相談に乗ってくれる先輩を紹介してくれると思います。

進むのも
退くのも
残りの人生のためにも
決めるのは早い方が良いと思います。

「熟慮する」や
「計画中です」は
結局、現実逃避だと思います。


*開業を決断した人が、仕事の見通しが無いのに多額のリースを組むことは、絶対に止めた方が良いです。固定費をいかに減らすかがポイントになります。
このあたりも先輩にご相談ください。
決断は勢いだけでもダメですから。






2015年12月16日水曜日

「正義」は決められるのか? トーマス・カスカート

いわゆる「トロッコ問題」です。

40年ほど前、フィリッパ・フットが考えた思考実験であり、それ以来、哲学、倫理、心理学等々さまざまな立場から考察され、派生問題もたくさん考え出されている問題です。

最近では、ハーバード白熱教室で、マイケル・サンデルがこの問題に触れていましたね。

線路を走っていたトロッコの制御が不能になった。
このままでは前方で作業中の5人が、猛スピードのトロッコに避ける間もなく轢き殺されてしまう。
この時、たまたまA氏は線路の分岐器のすぐ側にいた。
A氏がトロッコの進路を切り替えれば5人は確実に助かる。
しかし、その別路線でも別の作業員が1人で作業しており、5人の代わりに1人がトロッコに轢かれて確実に死ぬ。
A氏はトロッコを別路線に引き込むべきか?
なお、A氏は上述の手段以外では助けることができないものとする。

40年間、世界中で議論が続いている問題です。






「正義」は決められるのか? トーマス・カスカート

これを法廷劇に仕立てたのがこの本です。
思考実験を現実の事件にし、登場人物には固有名詞と人格が与えられます。

舞台は2015年、サンフランシスコ。
路面電車の進路を切り替えて5人の命を救った女性が、待避線にいた1人を殺した容疑で裁判にかけられるのです。
女性はオークランド在住のダフニ・ジョーンズ。
最初は、その5人の命を救った行為は評価されるが、待避線にいたチェスター・ファーリーの長女ソンドラが記者会見で有罪を望んだり、命を救われた5人のうちの1人サリー・カリアキディスが感謝を述べたりすると、さまざまな議論が湧き起こるのです。
検察、弁護士、大学教授、心理学者などさまざまな立場からの意見が交錯する中で、「世論の法廷」の陪審員たちはどんな結論を出すのでしょうか。

私は、昔からこのトロッコ問題の設定が、どこか現実離れして空々しい感じがしていました。
「上述の手段以外で助けることができないものとする」
うーん、あくまでも思考実験ですから仕方ないのでしょうが。

そのお馴染みのトロッコ問題に人格を与えただけで現実感が出て、確かに思考実験に深味が増します。

私が法律などの講師をさせて戴くときにも、ここまで具体的にやればもっと理解が深まることもあるなと再度気づかせられました。
本の趣旨とは違うけれど、私はその観点で買いました。


さて、この本の本筋としては、お馴染みの思考実験に上記のとおり人格が与えられ、裁判が進みます。
先に、新聞記事や警察資料により具体的事実が提示されます。
その後、陪審員への進行説明があります。
検察側は、「功利主義についての危険な罠」について述べ、有罪を主張します。
弁護側は、理屈以前に常識と直感から考えても無罪であると主張します。

法廷外でも、大学でクリティカル・シンキングの講座でこの事件が取り上げられたり、オンライン版心理学雑誌におけるチャットの見解が述べられたり、カトリック司教の意見が出たり、ラジオ討論が紹介されたり、大学教授の弁論があったりします。
その中で、とても巧みにイマヌエル・カントやトマス・アクィナス、ディヴィッド・ヒュームやニッコロ・マキャヴェッリなど著名な思想家達の理論を挟んで解説します。

5人を助けるために1人を殺すことが功利主義として正しいのなら、このケースにおいて、橋の上から1人の太った男をトロッコの前に落として暴走を止めることにより5人を助けることは、正義なのでしょうか。

さらに、5人の病人を助けるために、1人の健康な人から臓器を取り出して5人に移植することも(当然臓器を摘出された人は死亡します)、正義なのでしょうか。

さまざまな派生問題についても議論が続きます。

はたして「正義」とは何でしょうか?

「正義」は数で決められるのでしょうか?
「正義」は当事者が誰かで決められるのでしょうか?
また、手段によって「正義」は変わって良いのでしょうか?


このブログを読んでいる皆さんは如何でしょうか?
ダフニさんは有罪ですか?

そして、あなたがそのトロッコの分岐器の側にいたのなら?






2015年12月13日日曜日

最初は簡単な建物登記から仕事を始めたいので

新人からの相談によくある内容です。

「最初は自信が無いので、建物に関する登記を中心に始めたい」
こんなご希望です。

新人だから簡単な仕事から着手したい気持ちはわかります。
また、建物に関する登記に特化して事務所経営ができれば、高価な測量機器を買う必要がありません。

気持ちは分かります。
でも、2つの意味で間違っていると思います。

まず1つ目です。
建物に関する登記は本当に簡単か?

確かに、土地に関する登記に比べれば、トラブルに巻き込まれる可能性はかなり少ないと思います。それでも建物に関する登記が簡単とは言えません。登記の方法によっては、訴訟に発展する隠れた難しい問題もあります。おそらくそれが見抜けない力量では、いずれお客様に迷惑をおかけすることになります。

また、訴訟リスクまでは無くても、現場に行けば建物以外の話題にもなります。
不動産利活用の話題も出るでしょう。建築についての話題も、近隣の地権者についての話題も、相続についての話題も、不動産税務についての話題もあると思います。
弁護士法違反や税理士法違反などをしなさいと言っているのではないのです。
土地家屋調査士に業務を依頼する方は、当然自分のことですから、結構勉強しているものです。
たとえ世間話であっても、その依頼者のレベルにも達していない人には登記を依頼する価値もないと判断されてしまうはずです。

現実的には、建物に関する登記だけに限りたくても、事前に土地の問題が整理できないと建物が建築できないということは多いですから、結局土地の問題に触ることも多いと思います。
勘違いしないでください。仕事ができるということは、書式や添付書類や図面の書き方を知っている程度ではないのです。

2つ目です。
新人は簡単な仕事から受託できるか?

会社員等の組織にいた頃は、簡単な仕事から与えられて、徐々に難しい仕事に移っていくような段階を踏んで成長したのだと思います。それに伴って昇級もしていたのでしょうね。
でも、専門家として依頼を受けて生きて行く場合の受託は、逆に難しい順になることも多いのです。

本当にリスクが無くて簡単な仕事があれば、先輩でもそんな仕事を受託したいと考えると思いませんか。それはそうでしょう。
だから、そんな仕事が有るとしても、新人にそんな仕事だけ廻ってくることはほぼ無いのです。

先輩も誰もやらない、または誰もやりたくない仕事。つまり面倒だったり、リスクがあったり、とにかく難しくて簡単には処理できそうもない仕事から受託することになると思ってください。

逆に、先輩が嫌がったその仕事を的確に処理できたら、それ以降そのお客様は絶対に裏切らないリピーターになります。

結局は、広範で深い能力を持つのが一番の営業なのです。

誰に何の仕事の依頼が来るかというのは、土地家屋調査士が決めることではないのです。
それは、お客様が決めるのです。
だから、新人だから建物に関する登記だけをやると決めても、敷地の相談や各種手続に対応できない人は結局切られます。

コネの無い私はとにかく勉強しました。実力を付けてきました。
そうやってお客様が増えてきました。

ちょっと考えてみましょう。
あなたが医者だとして、開業するときに
「最初は自信が無いので、風邪だけの診察を致します」
って病院を計画しますか?
誰もそんな病院行かないし、そもそも風邪を簡単な病気と断定しているだけで、その医者はダメですよね。

専門家に初心者マークは無いのです。
逆に有ると考えているのなら、その人は専門家ではないはずです。








2015年12月11日金曜日

クリエイティヴ・ツールとしての手書きの重要性

私達の世代でも手書きをしなくなって久しいという方が増えました。
また、デジタル・ネイティヴ世代は、最初からキーボード中心の生活なのでしょう。

私も仕事の中心はキーボードとマウスによります。
コンピュータが無ければ仕事が成立しません。絶対に困ります。

しかし、私にとっては、キーボードやマウスと同時に手書きも絶対に必要です。
私の中の大雑把な区分としては、既にある技術や考え方に手を加えたり発展させたりする作業にはキーボードとマウスが向いていて、無から新しいものを生み出す作業には手書きが向いていると感じています。
だから、誰もやっていない新しいプロジェクトを考えるときは、大きな真っ白な紙にグルグルと丸や四角を描くように、右脳と左脳を一緒に使って発想しています。

そんな用途の手書きには、具体的には罫線の無いノート、有ったとしても気にならない程度の薄い罫線のノートが向いています。そして、できるだけ大きなノートが良いと思っています。何かを発想するときは、罫線や紙面の大きさの制限が無い方が絶対に良いです。
紙面の制限が発想の制限になることがあるからです。

グルグルと自由に線を描く際には、様々な筆記具を使いたいので、インクが裏抜けしたり、滲んだり、繊維に引っ掛かったりしないような紙質が欲しいですね。
私の中では、以前ここで紹介したような大きなスケッチブックがお勧めです。
また、A2版の大きな図面用の白紙にペンで書き込むときの気持ち良さはたまりません。
いくらでも追記しながら発想が広がります。

では、そのときの筆記具は何が良いかというと、基本的に芯が折れるようなシャープペンや、インクが掠れたり、ぼた落ちしたりするボールペンは絶対に使いません。
そのペンのトラブルが気になって、発想が止まります。
一番使うのは太字の万年筆です。
色が欲しいときはサインペンの青や赤を使うことも多いです。
この用途には普段使っているペンが良いです。
そのペンを使っていることが気にならないほど使い込んだものが良いです。

デジタル・ネイティヴの世代の皆さん、コンピュータを使いこなすことが手書きで処理することよりも優れていると思っているでしょう。
用途によっては確かに優れている部分も有るでしょうが、そうでない部分も多いと私は思っていますよ。

何かを考えるとき、一度キーボードから離れて手書きで考えてみませんか。
おそらく発想が変わるはずです。
デジタルもアナログも、どちらのツールも使いこなすことができたら、もっと良いと思いますよ。

以前スケッチブックの使い方について書いたブログ記事を貼っておきます。

スケッチブックを最近使ったのはいつですか?


私の場合、スケッチブックは切れないように常にストックをしています。

今日の記事の趣旨とは少し違いますが、このブログ記事の前半部分は、また別の使い方の紹介です。プロジェクト全体を俯瞰する使い方の紹介ですが、この俯瞰の視点もコンピュータより大きな紙を使う方が便利だと思っています。





2015年12月9日水曜日

黄金のアデーレ

「黄金のアデーレ 名画の帰還」



友人が良かったと言ったので観に行きましたが、実はあまり期待しないで行きました。
「おそらくこんな感じの映画だろう」と事前に決めつけていましたが、良い意味で裏切られたと思います。確かにこの映画良かったです。

20世紀が終わる頃、ある裁判のニュースが世界を仰天させた。アメリカに暮らすマリア・アルトマン(82歳)が、オーストリア政府を訴えたのだ。
“オーストリアのモナリザ”と称えられ、国の美術館に飾られてきたクリムトの名画〈黄金のアデーレ〉を、「私に返してほしい」という驚きの要求だった。
伯母・アデーレの肖像画は、第二次世界大戦中、ナチスに略奪されたもので、正当な持ち主である自分のもとに返して欲しいというのが、彼女の主張だった。
共に立ち上がったのは、駆け出し弁護士のランディ。
対するオーストリア政府は、真っ向から反論。
大切なものすべてを奪われ、祖国を捨てたマリアが、クリムトの名画よりも本当に取り戻したかったものとは──?(公式HPより)

実話です。クリムトの名画を取り戻すまでを描いています。
実話だから取り戻すのが前提で、そこはネタバレとまでは言えないと思いますが、途中の展開を考えると副題の「名画の帰還」はやめて欲しかったと思います。
とにかくこの映画に限らず映画の邦題はひどいのが多いです。

私、クリムトの絵はあまり好きではありませんでした。
この「アデーレ・ブロッホ=バウアーの肖像Ⅰ」は、小さな写真で見たことは有りますが、金箔の中の生気の無い人物、そんな印象でした。
黄金趣味にも生気の無い人物にもどちらにも興味が無く、それが揃っている絵だと思ったのですから、実はよく見もしませんでした。
しかし、今回小さな写真ではなく映画館の大きなスクリーンでじっくり絵を見たので、この絵を再認識しました。

ごめんなさい、クリムト様。
とても美しかったです。
食わず嫌いでした。

さて、映画に戻りますが、こちらも食わず嫌いで終わるところでした。
「実話だから捻りようもなく、盛り上がりも少なく、せいぜい奪還するところがクライマックスなのだろう」程度の認識で映画を観に行きました。

主人公マリア・アルトマンと駆け出し弁護士ランドル・シェーンベルクの二人で、オーストリア政府を訴えるのです。ナチスに強奪された伯母の肖像画は、今やオーストリアの宝となっています。そう簡単に返却される訳がありません。

ここで引き込まれます。
「盛り上がりが少ない」なんて、とんでもありませんでした。

ほぼ絶望的な見通しの法廷劇と、ある場面で自分のルーツを感じて変わる弁護士ランディの成長物語と、回想のナチスからの歴史的逃走劇と、これらがすべて実話であり、この映画の魅力になっています。
この現在のシーンと過去のシーンが、とても自然で効果的に交錯します。
そしてこの過去のシーンが、絵を取り戻すマリアの動機に繋がります。

この映画ではマリアが名画を取り戻すまでを描いています。
しかし、マリアが取り戻したかったのは、実は有名で高価な名画そのものではなく、ナチスにより奪われたユダヤ民族の誇りであり、一族の幸せであり、そしてマリア本人がそこに存在した事実であったのだと思います。

マリアをヘレン・ミレンがとても魅力的に演じています。
「お前が言うな」と言われそうですが、この映画お勧めです。

そして、クリムトに詫びながらも、再度クリムトの作品を見たいと思いました。








2015年12月8日火曜日

開業ガイダンスin大阪の準備経過報告

土地家屋調査士事務所開業ガイダンスin大阪について、経過報告を致します。

形式は合格者のための開業ガイダンスですが、様々な状況の方がガイダンスに参加を希望されています。
現在のところ、今年の合格者だけではなくて、土地家屋調査士試験を受験中の方や、以前に合格して開業を何年もずっと迷っていた方、既に開業して方針をもう一度確認したい方や、調査士法人から独立したい方などが参加申し込みされています。

できるだけ多くの方のお役に立ちたいと考えていますので、間口を広く考えております。
事務所開業について何かご相談がある方は遠慮なくお問い合わせください。
もちろん、参加することや相談内容については秘密を守ります。

参加者は近畿地方の方だけでなく、東は愛知や岐阜から、西は大分や佐賀まで、遠い地域からも参加申し込みされています。

さて本日、参加者のお一人から「飛行機や宿の予約をしなければならないので、日時と場所をそろそろ教えてください」というお問い合わせをいただきました。
そろそろ決めなければなりませんね。
実は、参加者の人数が確定していないので、まだ会場が決まらないのですが、おそらく以下の内容で決まると思います。

日時:
平成28年1月24日(日)午後1時00分~午後5時00分
お仕事や交通機関の都合でどうしても遅刻や早退する方でも参加は構いません。
ご遠慮は不要です。できるだけ対応いたします。
もちろん、他の方の相談内容も参考になるはずですから、できるだけ最初から最後まで出席されることをお勧めします。

場所:
未定です。
実は、梅田駅のすぐそばに仮予約している会場が有るのですが、思ったより人数が増えそうで、変更しなければならないかもしれません。
ただいま大阪青調会のみなさんに相談しています。
遠くからいらっしゃる方のためにも、大阪市内の便利な場所にしたいと考えていますので、ホテル予約は市内どこでも問題無いと思います。
決まり次第報告させていただきますので少々お待ちください。

参加費:無料です。





2015年12月6日日曜日

「開業は失敗する」と言われたSさんへ

Sさん
先輩から「あなたの開業は失敗する」って言われたのですか。
それはショックでしょうね。
不安になりますね。
開業の予定だったのに、二の足を踏むことでしょうね。

いろいろ迷ったり悩んだりする気持ちは分かります。
でもね、Sさんの将来に関する方向は誰も決めてくれません。
自分で決断しなければなりません。

自分で個人事務所を開業するのだから、リスクがあるに決まっています。
個人で開業することは「絶対に大丈夫」なんて仕事ではありません。
そこが嫌なら「仕事ができる補助者」として給料をもらっていた方が良いでしょう。
これを自分で決めることができなければ、やはり独立開業は止めた方が良いでしょう。

でも、Sさんはそれを私に伝えて、私に何を求めているのですか?
「先輩はそう言っているけれど、あなたは絶対大丈夫だよ」って言葉ですか?

「開業は失敗する」と言っているその先輩が、逆に「あなたの開業は成功する」と言ってくれたら満足ですか。仮に「成功」と言ったとしても、その先輩は最後まで責任を持ってはくれませんよ。
私だって、Sさんの人生に対して責任があるから「絶対」とまでは言えません。

でも、私はいつも「仕事ができるようになったら大丈夫」と言っています。
もちろん「仕事ができる」ということは、各々定義が違うかも知れませんね。
お客様のためという観点で「仕事ができる」ということは、単に「登記法を知っている」とか「測量ができる」とかのレベルではないですから。その部分だけなら補助者もできます。
そこは私の研修を聞いたことのあるSさんなら分かるでしょう。
その上で、Sさんは「一通りの業務はこなせる自信はあります」って言ってますよね。
それでも迷っているのですか?

各事務所は各々の哲学とノウハウで経営されています。
Sさんの先輩は存じ上げませんが、先輩と私はまったく違うタイプかも知れません。
その先輩は、もしかしたら私の開業にあたっても、私に向かって「失敗する」と断言したかも知れません。

誰に何を言われても、それはヒントにはなっても結論ではないはずです。
私の事務所は潰れていません。成功かどうか分かりませんが、少なくても失敗はしていません。
すべては自分で判断しなければなりません。
それも個人事務所開業の必要能力であり適性なのです。
この能力は先天的な部分もあるでしょうが、意識を持っていれば後からでも身につくものだと思っています。

自分の事務所を開業し、経営判断をしていくということは、そういうことなのです。



2015年12月4日金曜日

ミニサイズ修正テープ4.2m ミドリ

今年はスパイ映画の当たり年です。
スパイ映画を観に行くのは私のミッションですから、「忙しいのでインポッシブル」とは言えず、何とかやり繰りしながらも映画をクリアして行くわけです。
「007 スペクター」も始まりましたね。
今週末に行きたいですね。

さて、そのスパイ映画ですが、目立っちゃいけないスパイの割には、007を筆頭に、最高にカッコ良い車と誰もが振り返るほどの美人を連れて、ニュースにならないはずが無いほどの大爆発を伴う派手なアクションをします。

毎回「スパイって何?」と勘違いしそうな設定です。
まあ本当に勘違いして「大きくなったらスパイになる」と決意した少年を私は知っていますが。

その少年の心に一番残っているのが、車よりも女性よりも、数々のスパイグッズの方でした。
小さくて、驚くような機能を持っていて、それがとても美しいのです。

それ以来、持ち歩くものは、小さいもの、そして機能美を備えたものが好きになりました。

さて、このブログでは、携帯するための小さなハサミやノリ、ボールペン、付箋etc.、小さくてカッコ良い文具を紹介してきました。

本日は小さな「修正テープ」、ミドリカンパニーの製品です。





商品名も「ミニサイズ修正テープ4.2m」です。

こんなに小さいのに5mm幅で4.2mの長さが有ります。




小さいから持ちにくいと言うことはありません。
裏側にテープがたるんだときのための小窓も用意されています。




使ってみましょう。




私のミッションがばれないように



消してみましょう。
こんな感じ...




テープの出方が大きいものと比べて少しスムーズさに欠けるような気がします。
何回か試してみました。

1回の手の動きできれいに貼るのは難しかったです。
これは使い方の慣れの問題かも知れません。
紙面に当てる角度と強さ、最後に垂直に起こして離すあたりがコツのようです。



無事に修正できました。
これで私のミッションはバレません。

使い勝手は大きな修正テープとは違い、少し使いにくいかも知れません。
でも、上記のとおり慣れの問題で解決できるでしょう。

そしてこの小ささですから持ち歩きのために悩む必要は無く、ペンケースや鞄のどこにでも入るでしょう。鞄に入れたなら、むしろ「どこに行った?」と捜すくらい小さいですから。

とにかく常に持ち歩きしていれば、きっと活躍する場面はあります。
実売300円を切っていますので、持っていても損は無いと思います。



以前のブログでも紹介した数々と大きさを比べてみました。

とにかくスパイにとって「小ささは正義」ですから。






2015年12月2日水曜日

あなたの将来を匿名の落書きで決めるのですか

土地家屋調査士の事務所開業ガイダンスを通じて、このところ合格者の方々と事務所開業のお話をしています。

お話をしていてとても気になるのは、すべての情報をネット検索のみで得ている方が多いことです。
ネット検索は、現代社会で情報を得る手段としてとても重要なツールです。
しかし、ご存じのとおり、その内容は玉石混淆です。
どの書き込みを信じるのか、誰を信じるのか、そこがとても重要です。
それをご自分で判断しなければなりません。
もちろん私のこのブログも鵜呑みにしないほうが良いかもしれません(笑)

さて、あなたは青雲の志をもって受験したのでしょう。
何年か受験勉強して合格したのに、合格してから躊躇するなら、あなたの受験人生は何だったのでしょうか。

もちろん「合格したからには開業しなさい」なんて乱暴なことは言いません。
性格的に向かない人もいますから。

開業とは個人で矢面に立つことですから、リスクが伴うものです。
「大企業に勤めていてもリスクが有る時代」という慰めもあるかも知れませんが、やはり個人業は勤め人とは全然違う次元のリスクを持っています。
そのリスクに付き合いながらそれを楽しむことができるのなら、逆に「自分の人生を自分で決めることの嬉しさ」も感じることができる世界とも言えます。
つまり「すべて自分で決断しなければならない」は「すべて自分で決断して良い」世界です。気持ち良いのです。

だから、その世界に向かおうと意欲のある人なら、ネット検索で一喜一憂していないで別の行動もして欲しいのです。

匿名掲示板は、いわゆるトイレの落書きと同じです。
もちろん全部嘘とは言いません。
確かにその中には本音も有るでしょう。
それでも内容はかなりひどいと思います。

以前も書きましたが、その掲示板の中で「 Orz もうだめぽ」なんて書いてある匿名書き込みを見て、あなたも一緒に落ち込むのですか。
あなたの将来をその匿名の落書きで決めるのですか。
あなたは、日本に住んでいる誰かが「だめぽ」と書いた記事を見たら、海外に移住しますか。

その人は確かにドロップアウトしているのかもしれません。
そういう人もいるでしょう。どの業界にもいろいろな人がいます。
だから、もっとポジティブに動いている人の話も聞いて欲しいのです。

あなたがプロ野球選手になりたいと思ったら、自由契約になってボヤいている人の話だけ聞いても仕方ないでしょう。プロ野球選手を目指すというのなら、選手として成功している人の話にこそ耳を傾けるべきでしょう。
だって、あなたはプロ野球選手として活躍することを目指すのだから。

ネット検索だけしていないで、なるべく多くの土地家屋調査士の話を聞いてください。
先輩たちはどんな努力をしてそのリスクを回避してきたか。

誰に聞いて良いかわからなければ、まずはこのブログで紹介している土地家屋調査士開業ガイダンスに来てください。
ガイダンスにどうしても参加できないのなら、別に私にご相談ください。
あなたの地域の先輩を紹介しますから。



2015年12月1日火曜日

補助者になれば実力が付くのですか?

ここのところ土地家屋調査士事務所開業ガイダンスin大阪に参加される方と、メールや電話でお話を始めています。
当日だけではすべてをお伝えするのが難しいと思い、当日までに少し問題を整理してガイダンスに臨んで戴きたいと考えたからです。

その中で複数の方が書いていたことですが、「補助者になったり測量の手伝いをしたりしているけれど、なかなか実力は付かない」との相談がありました。

何事も同じですが、明確な目的意識を持たずに漫然とその環境にいて、時が過ぎるのを待っていても、必ずしも実力が付く訳ではありません。

実際に目的意識を持たなければ、研修会を受講していても実力が付かないでしょうね。

さて、補助者でも測量助手のアルバイトでも、それは仕事です。
あなたに報酬を支払いながら、そこの土地家屋調査士は勉強を教えてくれると約束したのでしょうか。

甘ったれないでください。
あなたを雇用した土地家屋調査士は、あなたのお父さんではありません。

進学の頃には、親や先生が指針を与えてくれたかも知れません。
就職の時には、学校や親戚が指針を与えてくれたかも知れません。
社員だった頃には、上司が指針を与えてくれたかも知れません。

そして、まじめに言うとおりにしていれば、少なくてもそこで生きていくための能力は与えてもらっていたのでしょう。

でも、これからは全部自分で決断して、全部に対する責任を持ちながら実行しなければならないのです。
それが独立というものです。

「そこにまじめに所属していたら自然に実力が付く」と考えている程度なら、独立はやめた方が良いです。

どうしても独立して事務所を開業したかったら、自分でテーマと期限を決めましょう。
そして、勉強させてもらえる事務所があるのなら、そこの先生と相談すべきです。

「5月までに基準点測量を身に付けたい」
「年度中に1人で筆界特定申請ができるようになりたい」
等々

期限も決めずにテーマも持たずに、行動してはいけません。
あなたは、たった1人の事務所であっても社長になるのです。
自覚をもって行動し、能動的に実力を付けましょう。


2015年11月30日月曜日

定年の無い仕事なのだから

先日お知らせした「土地家屋調査士開業ガイダンスin大阪」ですが、開催地の大阪から遠い地域の参加希望者も多く、改めて企画して良かったと思っています。
交通費をかけて大阪まで集まって戴く方々に、必ずお役に立てるよう準備致します。

またお手伝いしてくださると申し出てくださった土地家屋調査士の仲間が、参加希望者よりも多くて恐縮しています。

その申込みのメールに、皆さん、現在悩んでいることや当日質問したいことなどを書いてくださっています。その中で、メールでも回答可能な内容には、少しずつお答えしたりヒントを差し上げたりを始めています。

さて、今回の参加希望者の中に「私は歳だから」と少し遠慮がちに書かれている方が複数いらっしゃいます。
お気持ちは理解できます。
特に今まで会社等で働いていたとすれば、尚更定年等で年齢を意識せざるを得なかったでしょう。

年齢は関係ありません。
なにしろ定年が無い仕事です。
他人より「10年遅かったら10年長生きすれば良い」だけです。
なんの問題もありません。
健康に気をつけて自己管理すれば良いだけです。

もちろん「私は歳だから」と言うことが「新しいことを学ぶことができない」という言い訳を始めているのなら、開業は止めた方が良いでしょう。
年齢が関係ないということは、逆に年功序列も無いからです。

何ができて何ができないのか。
そのできない分野をお客様のお役に立つために学ぶ気力が有るのか。
それだけの問題です。
これは年齢も男女の性別も関係有りません。

学ぶことは難しいかという疑問があるでしょう。
それは即席で身につくような簡単なものでは無いでしょう。
だって専門家と呼ばれる人達の専門分野なのですから。

大丈夫です。
全部一人で学ぶ訳では有りません。
そのための土地家屋調査士会が有りますから。
そのための仲間もいますから。




2015年11月28日土曜日

コードネーム U.N.C.L.E.

先日観てきましたよ。 「コードネーム U.N.C.L.E.」


60年代後半の大ヒットテレビドラマ「0011ナポレオン・ソロ」のリメイク版映画です。
舞台もあの60年代。何故60年代か、東西冷戦中だからです。
そんな中、旧ナチスの残党と国際犯罪組織によるテロ計画が発覚します。
世界の脅威となる核兵器の大量生産を目論んでいたのです。
それを食い止めるために、冷戦中の敵同士のはずのCIAのナンバーワン・エージェント「ナポレオン・ソロ」とKGBナンバーワン工作員「イリヤ・クリヤキン」が手を組みます。(CIAやMI6はエージェント、KGBは工作員って感じ)
失踪した核爆弾製造の鍵を握る科学者を、その娘(当然美人)と一緒に探すミッションです。
このバックボーンも性格もまったく異なり最初は敵対して実際に戦った二人が、コンビを組み、ミッションをこなしながら、次第にお互いを認めていくという、いわゆるバディムービーです。

それにしても「旧ナチスの残党」ってのは、以前のようにあからさまに旧ソ連などを敵にする訳にもいかない現代では、あらゆる映画で使いやすい便利な設定ですね。

結論、悪くないです。
旧作の持つコメディ感もスタイリッシュ感も十分あります。
面白いと思います。
ソロとイリヤのエージェントの対比もしっかりあります。

ナポレオン・ソロには「マン・オブ・スティール」でスーパーマンだったヘンリー・カヴィルを抜擢しました。今回のスタイリッシュなスーツが似合いますね。
またイリヤ・クリヤキンには「ローン・レンジャー」のアーミー・ハマーです。
さすがにどちらも格好良いですよ。

ヒロイン、アリシア・ヴィキャンデルも可愛いし、エリザベス・デビッキも良い感じで悪女を演じていました。

監督はあの「シャーロック・ホームズ」のガイ・リッチー。
確かにいかにもガイ・リッチーだなって演出やコマ割り、種明し的ショート回顧が多いです。
実は私はそれがあまり好きではなかったのですが、この映画ならそれがスタイリッシュに見えるかも知れません。好きになったわけではないですが、嫌いでもなくなりました。

ただ個人的にはどうしても受け入れられなかったのがイリヤ・クリヤキンです。
アーミー・ハマーが嫌いという訳ではないのです。
どうしても昔のイリヤ、つまりデビット・マッカラムと比較してしまいます。
イリヤはあのようなマッチョではなく、むしろロバート・ボーンのナポレオン・ソロに対して繊細なイリヤのイメージがあり、それがあのシリーズにおけるイリヤ人気だったはずです。

なにしろ最初は「0011ナポレオン・ソロ」で始まったのに、途中で出た脇役イリヤが大人気となり、いつの間にかバディムービーになっていたという程のイリヤ人気ですから。
私は子供の頃ですが、すでにバディになってからのドラマを観ました。2人が主人公なのに何故タイトルが片方のソロだけの名前だけなのかずっと疑問だったことを覚えています。

おそらく監督は「ワザと」キャラクターを変えたのでしょうね。
後で自分のシリーズにするためにも、過去の作品に引き摺られないように判断したと思われます。
ガイ・リッチー監督は私の大好きな「シャーロック・ホームズ」もあんなシリーズにしてしまった人ですから。(シャーロック・ホームズは「私にとっては」残念シリーズになっています)

問題点は、単に私の個人的な回顧を振り切るかどうかであって、映画としては面白いです。
まあ今となっては、そこは気にせずに新しいこのシリーズを楽しむしかないのでしょう。
旧作品を知らない人には、なんの問題も無く楽しめると思います。

同じくミッション:インポッシブルも007もそこを割り切らないと楽しめませんしね。
トム・クルーズ版ミッション:インポッシブルも第一作でジム・フェルプスをあんなことにしちゃったのは、過去のシリーズからの決別の為ですよね。

このU.N.C.L.E.もシリーズになるようです。今回の結末はU.N.C.L.E.の誕生秘話になっていて、ヒュー・グラントがあの役になるのですね。

映画全体としてオシャレですし、残虐シーンもないし、過激なラブシーンもないし、誰と観ても問題なく楽しめると思います。

今年はスパイ映画の当たり年ですね。
ミッション:インポッシブル
キングスマン
真打007の先行上映も始まったようです。

子供の頃MI6を目指していた私としてはブログを書いている場合ではありませんね。









2015年11月27日金曜日

受験勉強中の気分転換として他の勉強をする

昨日のブログで私が土地家屋調査士試験を受けていた頃の話を少し書きました。

私の土地家屋調査士までの合格履歴について書きました。
その中に簿記が入っていましたね。

「他の勉強は分かる。何故簿記だったのか。税理士を目指すつもりだったのか?」
という質問を戴きました。

確かに私の大学の専門は生物学ですから、法律も経済もすべて等距離に遠いのです。
だから資格なら何を目指しても同じでした。
でも私の中では税理士は無かったです。
じゃあ何故簿記だったか。

一つの理由は、いずれ開業するのなら初歩の簿記程度は理解しておくべきだろうと考えたからです。

もう一つの理由が「気分転換のため」に勉強したということです。
これが本日私がお伝えしたいことです。
この気分転換の勉強法については以前にも書いたことがありました。

時間が無いというあなたに(続き)

受験勉強は辛いものです。
だから合格後の自分を明確にイメージしなければ、なかなか自分を追い込むことは難しいでしょう。
それでも集中して勉強することを、何時間も続けてできるものではありません。
かと言って「無理しないで」とか言いながら長期計画を立てると、もっともっと長期になります。
受験計画は様々な意味合いで最短合格の計画を立てるべきです。

だから気分転換をしながらも一気に勉強をすべきなのです。
その気分転換ですが、たとえばスポーツなんか良いですよね。
机に齧り付いているのだから、身体を動かすのは健康に良いと誰でも推奨するでしょう。

でも私は、それは避けました。
一度机から離れると、身体も頭もなかなか戻りませんから。

私がお勧めする気分転換は、机を離れずに別の科目の勉強をするというものです。
だから行政書士の法律の勉強の合間に毛色の違う簿記を入れたのです。
いずれ学ぶべきものなら、このタイミングでやろうと思ったのです。

簿記では気分転換にならないと言う人は、その人に応じた気分転換科目を入れれば良いでしょう。
たとえば私の場合、その後試験を受けた土地区画整理士の勉強をする際には、気分転換用科目としてアマチュア無線と英会話を並行して勉強しました。

このように、勉強することが自分で楽しいものを入れましょう。
何も気分転換科目まで資格勉強にこだわる必要はありません。
ただ楽しすぎるものや夢中になりそうなものは、気分転換では無くなりますので、お気を付けください。

机を離れなければ身体に悪いっておっしゃるかも知れませんが、ストレッチくらいはしますよ。科目を変えるときにトイレとストレッチの15分ほどのブレイクを入れました。
むしろ強迫観念を持ちながら10年続けて受験勉強するよりは、一気に勉強してしまって合格後にスポーツを始めた方が身体にずっと良いと思いますよ。

私は行政書士合格後に、12月から5月までは測量士補を、2月から8月までは土地家屋調査士を勉強しました。
どの科目でも勉強開始直後から飽きることはありません。
逆に最初から飽きるのなら、その勉強は向いていないから止めた方が良いかも知れません。
12月から1月の2ヶ月間で集中して測量の勉強をしました。2ヶ月集中すると結構形になります。
その頃から、私の場合、気分転換が必要になります。
2月から土地家屋調査士の資格の受験予備校に通い始めましたので、段々科目の比重を変えていきました。

2月から5月の間は、意識しなくても理科系と文科系の科目を同時に勉強するという気分転換を兼ねた良い勉強になったと考えています。

時間が無いから、その受験勉強だけ集中するという気持ちは良く分かります。
でもほんの少しで良いから、気分転換にまったく違う好きな科目を入れてみることも、試してみてください。もっと集中度合いが上がるかも知れません。

そして、どうしても勉強をしたくないという気分の時に、別の勉強で気分転換ができれば、それはそれで気分が前向きになります。
これがモチベーションを維持できる秘訣です。

やる気が無いときでも、ドロップアウトした気分にならないって良いですよ。




2015年11月26日木曜日

土地家屋調査士試験受験者にお尋ねします

土地家屋調査士試験受験者にお尋ねします。
「資格試験合格したら、すぐに何をしますか?」

パーティを開く?
いやいやそんな事じゃなくて(笑)


土地家屋調査士資格試験について様々な勉強方法があるでしょうが、私の考えを少し書いてみます。
私は3月に卒業後、6月に日商簿記3級、10月に行政書士、翌年5月に測量士補、8月に土地家屋調査士に合格しました。土地家屋調査士の試験勉強時間は実質半年です。
すみません、ちょっと自慢しちゃいました。ごめんなさい。
ただ、これらの事実によって、これから書くことに説得力を持たせたかったからです。

もちろん当時合格直後の私は、不動産登記法を初めとする法律について深い理解なんて出来ていません。もちろん測量機器も見たことがありませんでした。
でも試験は勝負です。勝てば良いのです。
勝たなければ何も発言できません。
どちらにしても合格して開業してからは猛勉強しなければならないのですから。

勝つためにどうすれば良いか徹底的に考えれば、ジャイアントキリングの方法もゼロではありません。逆を言えば、ここを真剣に考えずに、他人の書いた予想問題集を読んでいるうちは無理かも知れません。

スポーツの世界でも実力が有ってもなかなか勝てない人がいます。
逆に「なんであいつが勝っちゃったんだ?」と思われる人もいます。
はい、私は後者です。

野村監督の「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」という名言があります。(ちなみにこの言葉は野村監督の創作ではありません。松浦静山の剣談の言葉ですね)
私は「不思議の勝ち」そう思われていたかも知れません。

それでも私自身にとっては不思議ではなかったのです。
まあ受験当日は、自分で合格確率は60%と思っていましたが、合格したとしても自分では不思議ではありませんでした。

物事の勝負には、すべて勝ち方があるのです。
ちなみに私の人生に「記念受験」などと言う時間浪費は絶対にありません。
ピッチに出たら、必ず勝たなければなりません。
勝つ方法を必死で考え、実行するだけです。

そんなこんなで受験生に勉強方法の相談を受けることがあります。
その方法の詳細は、さすがにこの狭いスペースと一般論しか書くことができない性格のここでは無理ですが、出し惜しみするつもりもありません。
時間のあるときは個人的相談も受けていますし、何らかの機会に説明させていただきます。

さて、受験生に相談された時に、いつも確認することがあります。

「あなたは、合格したらどうしますか?

たとえば12月に合格発表があったら、どういう行動をとりますか?

個人事務所開業ですか?修行するところを捜しますか?

それは何故ですか?

現在の職場はいつ辞めますか?

家族とは話し合っていますか?

それであなたの人生や生活にどのような未来が待っているのですか?」

こんな感じのことを伺います。

「えっ?」と驚く人がいます。
まったくイメージできていないようです。

「できたら合格したいなぁ」

その程度の気持ちでは、合格は無理です。
専門資格の受験は趣味の講座ではありません。

漠然としていると「どうしても合格しなければならない」という切迫感が無くなるのです。逆に合格者は誰しも何らかの切迫感があります。

まずは合格後の自分をイメージしましょう。
「合格したらこの生活から抜け出せるのだ」
というイメージを持ちましょう。
その具体的イメージを持つだけでも合格はかなり近くなります。

開業がどんなものか不安な人は、急いで合格しなければならないというモチベーションが低くなりますね。

若干趣旨は違いますが、イメージをつかむために、
「土地家屋調査士事務所開業ガイダンスin大阪」にご参加戴いても結構ですよ。

ちなみに東北で開催のガイダンスは、受験者の方はご遠慮願っています。

また、申し込みを戴くときは、ご自分の名前だけでなく、都道府県、合格者なのか、受験者なのか、開業後の方なのか、何をお聞きになりたいのか、などのメッセージをお願いします。
すでにお申し込みの方でもお名前だけの方もいらっしゃいます。
それでは何を準備して良いか分かりません。少しでもお役に立ちたいからです。
当然秘密は守りますので。





2015年11月25日水曜日

鉛筆の蛍光マーカー クツワ

どうも私のブログの中では、文具のジャンルが一番評判が良いようです。
まあ、確かに土地家屋調査士に対する説教みたいな内容ばかりなら読みたくないもんね。

ということで、今日は文具の話です。
ラインマーカーです。

自分でも最近まで気がついていなかったのですが、私、文具の中でも付箋とラインマーカーが結構好きだったのですね。
ノートやペンは常に自分でも意識していましたが、ラインマーカー好きとはブログを書き始めなければ気がつかなかったかも知れません。

付箋とラインマーカーは、本やノートを調べている際のチェック用途に利用することが多いので、私がいかに勉強しているか分かるでしょ(笑)

ラインマーカーは該当部分に蛍光インクをのせることにより、他の部分から明らかに浮き出て見えるようにして、次回見る時にすぐに見つけやすいようにするものです。
それにより一瞬でその本の重点事項を把握できるようになりますね。

高校や大学受験の頃は赤鉛筆と青鉛筆が真ん中でくっついて一本になっているヤツ(商品名はそのまま「赤青鉛筆」)でマークしていました。
そんな頃マーカーに初めて出会いました。
使ったときの蛍光の発色が鮮烈で、はまりました。

ただ、従来商品の一番の欠点はインクが紙に染みて裏抜けしてしまうことです。
裏の関係ない部分のマークが、表側に抜けてマークされると、かえって分かりにくくなりますね。
しかし、当時はそんなものだと諦めていました。

それを解決したのが、以前ご紹介した
STAEDTLERのテキストサーファーゲル と BICのブライトライナーテープです。
特にテキストサーファーゲルは気に入っています。

ちなみに過去ブログを見てみるとマーカーだけで結構記事を書いていましたね。

まず、あのフリクションシリーズのマーカー pilot・フリクションマーカー があります。
勉強していると以前のマークしたところを変えたい、消したいと思うことが多いです。
その可能性があるのならフリクションマーカーは良いです。

またラインマーカーでドヤ顔したいなら、これでしょう。
ペリカンのスケルトン万年筆で蛍光インクを使うのです。
これは嬉しいです。

蛍光色がキツすぎる場合はマイルドライナーがお勧めです。
これらの色はかなり気に入っています。

他にもこんなラインマーカーを紹介しましたね。

こんなことをゆっくり書いていると今日の本題に行きませんね。
本題に戻します。

さて、今日の文具はクツワ株式会社の「鉛筆の蛍光マーカー」という商品です。



鉛筆型のラインマーカーで、キャップ兼用の鉛筆削りがセットになっているものです。




キャップと色鉛筆部分です。





こんな感じでキャップになります。




キャップの反対側が鉛筆削りになっています。




 削ってみると鉛筆の軸ももちろん芯も柔らかいので、きれいに削ることができます。

さて肝心のラインマーカーとしての印象です。





ちょっと使ってみました。
結論として「良くも悪くも鉛筆」でした。

まず思ったより蛍光色が不足していました。
私が勝手に期待が膨らんでいたからでしょう。
他の液状やゲル状のインクと比べたらということですから、頑張っていることは間違い有りません。
鉛筆型の芯にどこまで蛍光色を入れられるかという問題があり、考えてみればこれが限界かも知れません。

もちろん鉛筆型の良かったこととして、インクが液状ではないので取扱が楽ということ。
一番の利点はマーカーで文字を書くことができること、
裏抜けしないこと、インク切れの問題が無いこと、などでしょうか。

蛍光発色が少ないのならば、以前の赤青鉛筆でも良いのかも知れませんが、この製品、鉛筆削りが付いていて定価220円(税別)でしたので、費用対効果を考えれば、まあ悪くないと思います。

カラーは「ピンク」「イエロー」「オレンジ」「グリーン」の全4色だそうです。
今回はピンクだけ試したのですが、他の色ならもう少し違う印象だったかも知れません。

ちなみにステッドラーにもまったく同じ4色展開で競合する蛍光色鉛筆がありまして、こちらの定価は鉛筆削り無しで200円です。
残念ながらこちらの方は使っていないのでコメントはできません。
使う機会が有ったらまた報告しますが、やはりニーズがあるのでしょうね。




2015年11月23日月曜日

檀浦武先生講義レジュメ 宮城会研修会2015/1/30

先日このブログで追悼文をアップした故檀浦先生の功績を偲んで、本年宮城県土地家屋調査士会で開催された研修会における檀浦先生の講義レジュメを紹介いたします。

もちろん講義の中心はコンピュータによるデモンストレーションでしたから、これだけでは檀浦先生の講義はほとんど伝わらないかと思いますが、何を大事になさっていたかの一端は理解できると思います。

当時、檀浦さんに相談した研修会の企画は、以下のようなものでした。
檀浦さんはすぐに理解して、見事に講義を構築してくださいました。

まず
「土地家屋調査士のオープンマップに対する敷居を低くすること」
そして
「研修を聞いた後で触ってみようという気にさせること」
が今回のメインの目的でした。

今回は
(我々の業界ならおそらく触ったことがあるだろう)「グーグルアースを素材として利用すること」
そして
「他のGISソフトにも少しだけ触れること」
「なぜ土地家屋調査士がオープンマップを理解したほうが良いのかを『強迫観念抜きに』説明すること」
「技術論だけに流れずに著作権等にしっかり言及すること」
(法務省傘下の資格者がライセンス違反では話になりませんから)

以下が当日の研修レジュメです。
全国に檀浦さんを知っていただければ嬉しいです。











2015年11月22日日曜日

訃報-檀浦武先生ご逝去

檀浦武先生が11月19日にご逝去なさいました。
ご葬儀は家族葬だったとのことでした。


和歌山会前副会長で「Q&A表示登記オンライン申請の実務」(日本加除出版)の共同執筆者の一人であり、宮城会にも研修会「グーグルアースと位置情報ビッグデータの活用」の講師で来て戴いた方です。
その際にはオープンデータの技術的な話だけでなく、一番大事で複雑なデータのライセンスの話など詳しく研究された知識を教えていただきました。

私は長年近畿ブロック協議会の新人研修会で講師を担当させて戴いておりますので、昔から檀浦さんとはお付き合いがありました。すみません、今日までは檀浦さんと呼ばせてください。

檀浦さんは自分の寿命を理解されていて、昨年夏に私に話してくださいました。
手術をしてベッドで長生きするより、抗がん剤を投与しながらでも外で生きるとおっしゃいました。
そして檀浦さんは、昨年9月5日と6日に仙台で開催されたGoogleの講座に1人で参加されていました。内容は直接的には土地家屋調査士の業務ではないので、土地家屋調査士で参加されている方は他にいませんでした。それを和歌山から抗がん剤を打ちながら飛行機で来たのです。
しかもその時の内容はGoogleの中でも最先端の内容です。5年後くらいに一般化するような内容です。
「絶対にその5年後には檀浦さんはこの世にいない」
それを檀浦さんは完全に理解しながらの参加でした。私は心から尊敬しました。
その晩は仙台で二人で食事をしました。お互いに病状を理解していますので、私は変な慰めもせずに、当日の研修についてお話をしながら楽しく食事をさせていただきました。

自分が死んだ後の技術まで、体調を整えながらも今学ぼうとできるものなのか。
私がそうであれば、同じように考えて、同じように行動できるのか。
分かりません。
しかし彼はそう生きました。
常に前を向いた素晴らしい人生だと思います。

私は檀浦さんの生きている内に彼の知識を広めたいと思いました。
そこで宮城県土地家屋調査士会の研修会講師にお招きしました。
勝手ながら少しでも彼の長く生きる目標にもなるかも知れないとも思いました。
宮城会で企画する時には、彼の病気については口に出しませんでした。
宮城会の責任者として、そして友人として、檀浦さんにお願いした条件はただ一つ。
「主治医に必ず了解を得ること」
彼は抗がん剤投与のスケジュールを調整して、本当に頑張って、そして喜んで来てくださいました。
そして宮城会会員のために、とてもとても貴重な講義をして戴きました。
ありがとうございました。




以下は、11月2日に檀浦さんがFacebookに書かれた言葉です。
ご冥福を心からお祈りいたします。

今日は2週間に1度行っている大学病院の診察日でした。この土日は体調が悪く珍しく寝込んでしまいました。今日の診察の結果、ただちに入院となりました。私は小腸ガンですが、肝臓と肺に転移しています。今日のCTの画像を見ると肝臓と肺に転移したガンが以前よりかなり大きくなっていました。黄疸の症状が出てきており、肺に水が溜まっているのも見つかりました。私の命はあと2か月程度かもしれません。私はみなさんに可愛がって頂き、私のやりたいことやらせていただきました。本当に素晴らしい人生を送らせていただきました。あと残された命を精一杯生きていこうと思います。





2015年11月21日土曜日

土地家屋調査士事務所開業ガイダンスin大阪 開催決定!

昨日、仙台で開催される「土地家屋調査士合格者の為の開業ガイダンス」に参加できない人のために、
「大阪で開催しましょうか?」
「ご希望があればやってみますよ」
という内容をブログに上げたところ、半日経過で既に複数の参加希望のご連絡を戴いております。

やはり開催する意味が有りますね。
ということで、開催は決定します。
同じ職業を志した後輩の人生の迷いを晴らす手伝いができるなら、喜んでやらせて戴きます。

中には関西地方ではなく、九州や中部地方からの参加希望もありました。
交通費をかけてわざわざ来て戴く価値のあるガイダンスにしたいと考えています。

またご連絡を確認していると必ずしも試験合格者だけでは無いので、タイトルは「土地家屋調査士試験合格者の為の開業ガイダンス」ではなく、「土地家屋調査士事務所開業ガイダンス」とさせて戴きます。

人数や相談内容がある程度分かってから、会場等詳細を決定しますが、このブログで詳細は発表して参ります。

ということで、参加を迷っている方も、「今迷っている」だけでも早めに連絡戴くと、会場の予約の都合が良いので、ご連絡お願い致します。

今日現在の詳細は以下のとおりですが、
「土地家屋調査士事務所開業ガイダンスin大阪」の開催は決定致します。

ちなみに仙台で開催されるガイダンスの方は、東北ブロック協議会主催の公式事業ですので、組織として正式文書が出てからご紹介致します。





土地家屋調査士事務所開業ガイダンスin大阪

日時:平成28年1月24日(日) 午後
 午後早めから夕方までのイメージでしょうか。
 参加者皆さんのご事情があるでしょうから遅刻早退も可としますけれど。 
 いつもは「質問が終わるまで」と言っておりますが、その日は仙台に帰りたいので、夕方には終わると思います。
 まあ、人数やニーズによっては泊りも検討しますが。
場所:未定(大阪市内)
 人数によって考えます。ニーズによってはプロジェクターも使うかも知れませんし。
 私の都合や皆さんの集合の都合から考えて大阪市内で決めたいと思います。
参加料:無料
参加対象者:
 土地家屋調査士試験合格したけれど開業できるのかなと迷っている方
 土地家屋調査士を目指そうと思ったけれど、この資格の先行きは大丈夫かなと迷っている方
 事務所開業しちゃって後悔している方(このニーズ結構有りそうです)
 もちろん関西地方の方に限定しているわけではありません。

 既に中部の方九州の方からも参加希望を戴いております。

問合せ及び参加希望連絡先
鈴木修メールアドレス  mucha@rr.iij4u.or.jp

「今、参加迷っている」も含めてできるだけ早めにご連絡ください。
「当日の突然の参加は絶対ダメ」とまでは言いませんが、事前に適正な会場を押さえたいのです。ですから早く参加表明をして欲しいのです。

予想される質問(過去の質問から)
・開業資金はどれくらい必要か
・これからの調査士事務所の設備は何がどこまで必要か
・自宅を事務所にして問題が無いか
・調査士法人に勤めたいが
・補助者として勤めたいが
・測量会社に勤めたまま登録して良いか
・土地家屋調査士の2代目だが登録の時期はどう考えるか
・開業しても仕事があるのか
・会社の頃の生活水準は維持できるか
・営業はどう考えれば良いか
・報酬はどう考えれば良いか
・他の資格を勉強しているが
・土地家屋調査士の業務と大震災の影響は
・実務経験がまったくないが
・全国の土地家屋調査士事務所の規模は
・土地家屋調査士の今後の展望は
・開業準備は何から始めれば良いか
etc.





2015年11月20日金曜日

関西方面の試験合格者の皆さんに開業ガイダンスしましょうか?

昨日19日は土地家屋調査士試験口述試験の日でした。
受験された方はお疲れ様でした。

さて、先日もこのブログでお知らせしたように来年1月16日に仙台にて「土地家屋調査士試験合格者のための開業ガイダンス」を開催します。

これは東北ブロックの合格者に案内を出して、開業で迷っている方それぞれに対して、私達なりの答えを差し上げるという企画です。

私自身が開業前後に様々なことで迷いました。
あのときの私にこんなアドバイスが欲しかったということを後輩達に伝えたいと思いました。
私が個人でやっていた企画が、宮城会の行事になり、東北ブロックの行事になりました。
もちろん東北以外の方や既に開業されている方もお聴きになりたい方は歓迎しております。
詳細はまたお知らせします。

さて今日はその開業ガイダンスについて、関西方面の土地家屋調査士試験合格者の皆さんにお尋ねしたいことがあります。

毎年全国各地の合格者から、開業ガイダンスに参加したいのだけれども、なかなか日程が合わないとか、仙台は遠くてどうしても宿泊するので難しいとかいうご連絡を戴きます。
確かにそのとおりだと思います。
今回も既にそのようなご連絡を戴いている方がいます。

そこでご提案ですが、

来年1月24日午後、大阪で開業ガイダンスをしましょうか?

私は別の用事で大阪に入っていますので、その日なら可能です。

以下のような悩みや質問をぶつけてみたいとおっしゃる方がいたら、私まで直接メールを頂戴したいのです。
基本的に参加者が1人でも悩みに答えられるなら時間をとりますし、人数が多ければ、それによって会場を考えます。

こんな感じでしょうか。

日時:平成28年1月24日(日) 午後
 (いつもは「質問が終わるまで」と言っておりますが、その日は仙台に帰らなければなりませんので、夕方には終わると思います)
場所:人数によって考えます。大阪市内です。
参加料:無料
参加対象者:
 土地家屋調査士試験合格したけれど開業できるのかなと迷っている方
 土地家屋調査士を目指そうと思ったけれど、この資格の先行きは大丈夫って迷っている方
 事務所開業しちゃって後悔している方
 もちろん関西地方の方に限定しているわけではありません。
問合せ及び参加希望連絡先
鈴木修メールアドレス  mucha@rr.iij4u.or.jp

参加迷っているも含めてできるだけ早めにご連絡ください。
会場や私の飛行機の予約の都合もありますので。
連絡がなければ早めに開催中止を決定します。

過去の質問から
・開業資金はどれくらい必要か
・調査士法人に勤めたいが
・補助者として勤めたいが
・測量会社に勤めたまま登録して良いか
・土地家屋調査士の2代目だが登録の時期はどう考えるか
・開業しても仕事があるのか
・会社の頃の生活水準は維持できるか
・営業はどう考えれば良いか
・報酬はどう考えれば良いか
・他の資格を勉強しているが
・土地家屋調査士の業務と大震災の影響は
・実務経験がまったくないが
・全国の土地家屋調査士事務所の規模は
・土地家屋調査士の今後の展望は
・開業準備は何から始めれば良いか
etc.





2015年11月19日木曜日

救急車を見たら

街中で救急車を見ることが多いです。
救急搬送は増えているのでしょうか。
私も昔、乗せて戴いたことが有ります m(_ _)m

さて仙台市内も結構渋滞していますので、救急車もなかなか前に進むことが難しいことがあります。
その1分1秒が中にいる患者の生命に関わるものです。
救急車の職員、中の同乗している家族、そして患者本人、皆この1分1秒をどんな想いで感じていることでしょう。

確かに周りの車は一時停止などで協力しています。
でももう少し協力できそうです。
これは道路交通法違反になるかならないかの問題ではありません。

救急車を見たら「あの中に私の大事な人がいる」と思ってみましょう。
自分の親でも子でも夫でも妻でも恋人でも親友でも。
皆がそう思えたら、救急車の周りの車や人の行動はもう少し変わるかも知れません。





2015年11月18日水曜日

研修会配布資料を考える

このブログ、研修会講師ネタをもう少し書かせてください。

研修会には「研修レジュメ」と言われる配布物がつきものです。
基本的に「レジュメ」と「研修資料」は意味が違うものですが、依頼者も混同されていることが多いようです。
「レジュメ」とは講義の要約であり「研修資料」とは要約とは限りません。
まあここは無理に定義付けするまでもないと思うので、「レジュメです」と言いながら、決して要約ではない研修資料をお渡ししています。

実は私の講義では、「事前予告」と「当日の講義」と「研修資料(レジュメ)」は全部別の役割を考えています。

依頼者の組織の通常の研修予告のやり方があるはずですから、私が事前予告をさせて戴けることは難しいのですが、可能な場合は文章で「問い掛け」をさせて戴きます。
それが難しければサブタイトルに思いを込めます。

新人研修
「この資格業を続けて良いか、迷っていますか?」
報酬研修
「この業務で30万円で赤字と言うあなた、それならいくらから赤字か言えますか?」
区画整理研修
「換地処分前に仮換地を売ることと保留地を売ることの法的違いは分かりますか?」
震災研修
「もし大地震が起きたらどういう行動をするのか、家族と約束事がありますか?」

たとえばこんな感じです。
何か書かれれば、当日までに少しでも問題意識を持って講義に参加して戴く可能性が高くなるはずです。この僅かでも問題意識を持って研修に出席していただくと、当日の研修効果はまったく違います。

当日の講義については、絶対に講師とスライドに集中して欲しいのです。
それなりの準備と計画によって講義を作っていますので。
だから配布した資料は当日使いません。
資料は後日私の研修を思い出すためのものと位置づけています。

その配布資料に何を書くかが難しいですね。
先日書いたようにスライドの縮小印刷を渡すことはありません。
先が分かる講義は、後で見ても良いと思って絶対に集中しなくなります。

資料は講義を思い出すためのキーワードがあれば良くて、書きすぎるとまた安心して講義を聴かないかもしれません。
何をどの程度書くか、この度合いが難しいです。

実際良くまとまった研修資料は、後で読めば全部分かると思って、結局棚に入れて勉強しなくなります。
私の場合、項目とキーワードだけを書いておきます。
手抜きの言い訳?

どちらにしても、後から見る気がしない研修資料ということは、資料の問題ではなくて当日の講義がダメだったということは間違いないでしょう。











2015年11月15日日曜日

開業するかどうかを決断する方法

おはようございます。○○県△市のSと申します。
突然メール致しまして申し訳ありません。
土地家屋調査士の登録を近々考えている者です。

試験は2008年に合格しました。
(略)
資格を生かさなければ勿体ないという思い等、他にも様々な思いもありまして開業しようかどうか悩み現在に至っております。
(略)
先生にアドバイスを一言頂ければ幸いに存じます。


試験合格者や新人のためのガイダンスを長年やってきていると、たまにこのような開業のご相談をいただくことがあります。
開業の相談とは、その方とその方の家族の一生に関わることです。
いつも覚悟を持って相談を受けています。

ただし、このようなメールの相談にメールでお答えするのはとても難しいのです。
その方の背景をお聞きしないと何も答えられません。
例えばその方の年齢、家族構成、経歴、調査士としての実務能力、当面の仕事の受託可能性、開業予定地等々お聞きしないと、的確なアドバイスができません。
開業は一般論ではないのです。

そこで電話しました。
結局30分ほど話しをしました。

当然ここで詳細は書きませんが、その中で他の方にも参考になるかもしれないことを書いてみます。

1)迷ったら「やる」と決めてシミュレーションをしてみる
大抵物事を迷っている人は、「やる」か「止める」かについて、感情的にフラフラしているからです。気持ちはわかります。でもそれならいつまで経っても解決しません。
また将来を理詰めで考えられなくては、開業してからも苦労するでしょう。
私のやり方は、迷ったら「やる」と一度決めてシミュレーションをします。
「止める」のはいつでもできるからです。
そして「やる」つまり「開業する」なら何が問題かを一生懸命に考えるのです。
「やる」場合の問題をすべて上げてみるのです。

開業資金なのか、それならいくら必要なのか。
開業場所なのか、都会と田舎ではそれぞれメリット・ディメリットはどこにあるのか。
能力不足なのか、それではどれだけの能力が必要なのか。
家族の理解なのか、それなら何を納得させれば理解に変わるのか。
現在の職業の退職問題なのか、本当に辞められないのか。

それらを全部上げて、その問題をすべて解決できれば、開業できるわけです。
またどれかの問題が解決できそうもなければ、ぐずぐず考えていないで「止める」べきです。だって解決できないのだから。

2)試験合格したのに開業しないのは勿体無いとは限らない
よく試験に合格したので開業しないのは勿体無いと考える方がいます。
まったく間違っていると思います。
資格試験合格は「開業の理由」ではありません。
「開業の条件のひとつ」でしかありません。
資格試験はせいぜい数年間の勉強でしょう。
開業したら一生の問題です。
人生のたった数年のことに捉われて、その後の何十年の人生の可能性を決めるなら、それも勿体無いかもしれないのです。


Sさんには、もっと個人的なことも含めてお話ししました。

他にも迷っている人は多いでしょう。
一人で悩んでいても仕方ありません。
地元の先輩や土地家屋調査士会に相談しても良いでしょう。

また東北ブロックの開業ガイダンスに参加されても良いでしょう。
東北以外の方も参加できます。

ちなみに楽天トラベルで調べてみました。
関西方面から参加するとして。

1月16日~17日、1泊2日
大阪伊丹空港~仙台空港
往復とビジネスホテル1泊で、本日現在35,000円前後でした。
ガイダンス(無料)に出て、希望者懇親会(実費)と翌日の観光?お土産?を入れて5〜6万円程度かもしれません。

参加も開業も無理には勧めませんけど。












2015年11月12日木曜日

映画にまつわるXについて 西川美和

忙しくてまとまった時間が取りにくいとき、そんな時にじっくり読書は難しいですね。

そんな時は、短編集やエッセイ集などの精々数十ページで完結する内容の書籍を選びます。
ランチの待ち時間とか、ちょっとした移動中の隙間時間に読むことができます。
短編集やエッセイの場合はあまり選ばずに買います。
書店でなんか感性に合いそうだと思うと、とにかく買ってきます。
そして合わないと思った場合はすぐに止めます。
なにしろこのジャンルの本は、ちょっと読んだだけで、この本を買ったのが正解かどうか判断できますので。

それに比べて長編はそうはいきません。
きっとこれから面白くなるはずだと思いながら、長い時間をかけて読み進み、結局つまらない本だったと言うことがあります。

読書は途中で止めても平気です。
本代が勿体無いとは思いません。時間が勿体ないのです。

今回読んだのはこの本、

西川美和 「映画にまつわるXについて」
特に期待せずに失礼ながら移動中の暇つぶしのつもりで手に取りました。

この本の帯、すごいですよ。
「立ち読みして下さい。」
「買うことになりますから。」
いやぁ、思うツボでした。
立ち読みして買っちゃいました。

エッセイは作家その人が出ます。
半分は途中で止めるものが多いです。
この本は最後まで興味持って読むことができました。


西川美和さんは作家であり映画監督でもある人です。
その西川さんは、監督として個人として映画に向き合って考えてきたことを雑誌、新聞、ウェブなどに寄稿してきましたが、その7年分のエッセイを収録した本です。
直木賞など各賞候補になった彼女ですが、私、彼女の文章は初めて読みました。

オーディションで人を選んだときの話
松たか子と一緒に重機の免許を取りに行った話
映画のワンカットのために使った動物の話
夢で見たプロットを映画「ゆれる」にするまでの話
その映画の際の香川照之の話(香川照之すごい)
父親が作ってくれたカチンコの話
等々35編

良いですね。
感性が好きです。
言葉選びが好きです。
文体が好きです。
そして生き方がとても好きです。

実際人生や仕事に真摯に立ち向かっているからこそ迷い、そして迷ったからこそ書くことのできる内容で、だからこそ全く未知の世界に触れる読者にも説得力があるのでしょう。
そして最後まで興味深く読むことができました。

映画でも書籍でも、今後意識して彼女の作品に触れていきたいと思います。

皆さんも興味を持ったなら、本屋で立ち読みだけでもしてみてください。
買うことになりますから。(笑)




2015年11月10日火曜日

土地家屋調査士試験合格者のための開業ガイダンスを開催します

本日11月10日、土地家屋調査士の筆記試験合格者の発表がありました。

合格者の皆さん、おめでとうございます。

全国で434名でした。
大きな山を超えましたね。
長い間の努力が報われたと思います。

正式にはこれからの口述試験を通過しないといけないのですが、まあそこは心配ないでしょう。
さて、これからその資格をどう生かすか、そこが問題になりますね。

合格者の皆さんは、ネットでも様々な検索をなさっているかも知れません。
その中の一つにこのブログが見つかったかも知れませんね。
ネットですから様々な玉石混交の書き込みがあるでしょう。
「もうだめぽ」などというネガティブな書き込みや、「開業に1000万円かかる」などの書き込みを読んでがっかりすることもあるでしょうね。
そして何を信じれば良いか分からなくなるでしょうね。

ちなみに開業費用は、考え方にもよりますが、そんなにかかりません。
1000万円が必須なら先輩たちは開業できませんでした。

大丈夫です。
不安な気持ちはわかります。
でも皆さんは土地家屋調査士になるために試験に臨んだのではないですか。
それなら「実名で」土地家屋調査士について「ポジティブに」語っている人達の書き込みを、まずは読んでみましょう。

そして、毎年このブログでも紹介していますが、土地家屋調査士会の東北ブロック協議会は来年も「土地家屋調査士試験合格者のための開業ガイダンス」を開催しますので、これに参加してみませんか。
土地家屋調査士会が主催で、第一線の先輩たちが参加して、開業のノウハウを教えます。
当然無料です。
平成28年1月16日(土)午後に宮城県土地家屋調査士会館で開催する予定です。

皆さんの人生がかかってるのですから、こちらも本気でお応えするつもりです。

ガイダンスの詳細は東北の合格者には直接連絡させていただくと思いますが、時期が来ればこのブログでもお知らせいたします。
また他の管轄所属の合格者でも興味があれば大歓迎いたしますので、このブログをチェクしておいてください。

また前回のご案内は以下のブログが参考になると思います。

昨年11月19日ブログ






2015年11月8日日曜日

専門能力と講義能力

私は長年様々な分野の講師をやってきました。
またそれ以上に様々な分野の講義を聞いてきました。

自分が常に気にしているからかもしれませんが、講義を聴いているときには、講義内容だけでなく、その講師の伝え方がとても気になります。
そんな勝手な思いで、ここのところ研修会の講師側の話を書いてきました。

2015年10月29日ブログ「研修会で盛り込み過ぎは禁物と考えています」
2015年11月03日ブログ「研修会におけるスライドの使い方」

今回は講師の専門能力と講義能力のことを書きたいと思います。
専門能力があるはずなのに何も伝わらない講師がいます。
講義が始まったらすぐに眠くなる講義があります。
最初から伝える気があるのか疑問に思ってしまう方すらいます。

プレゼン能力の問題とでも言うべきかもしれませんが、それ以前のものでしょう。
志の問題なのかも知れません。
研修会を聴いていると、この講義はおそらく相手のためではなく、結局講師自身のための研修会なのかなと思う人がいます。
受講者に如何に分かりやすく伝えるために心を砕くのではなく、「結局この分野は俺が第一人者だろ」「俺ってすごいだろ」って言うためにやっているのかと思える研修会が結構多いです。

講義を聞き終えて「ちょっと興味は持つけれど、そんなに難しいなら私には無理だ」と思う受講者がいたら、その研修会はまったく意味がないどころか、害になります。

講師は当然にその専門分野の能力があります。だから講師の依頼を受けるのでしょう。
ちょっと疑問もあるのですが、そこは論じません。

そうだとしても講師なら、専門分野を知っているだけではダメなのです。
分からない人に伝える方法の研究もしなければなりません。
大学生の頃、偉い教授と聞いていたけれど教え方が下手という先生は多くいました。
大学の教授たちは確かに研究者です。
しかし教壇に立つことでも給料をもらっています。
だから、その部分もプロじゃなければなりません。
私たち実務家が講義をするときも同じだと思っています。

講師にプレゼン能力を求めるということに、違うとおっしゃる方も多いでしょう。
プレゼンというと相手に媚びるような何らかちゃらちゃらしたイメージなのでしょうか。
それなら、おそらく誤解されているのだと思います。
私はとてもとても大事なことだと思っています。

もちろん本当の意味で媚びた講義をする人がいるとすれば、それはそれで講師自身のためでしょうが。

ではどうすれば良いのでしょうか。
当たり前の話ですが、主役は受講者であり、講師は受講者への奉仕者であると理解することです。
講師は偉そうだったり、講師に招かれただけではしゃいだりしないで、まずはクールに講義を組み立てて欲しいと思います。

まずは受講者の現状の能力とニーズを正確に把握していますか。
受講者が忙しい時間を割いてまで、何を求めてこの研修会を受講するのか、再度考えてみてください。
分野にもよるでしょうが、基本的に受講者が過去同じ分野の研修を受けたことがあるか、それはどんな内容の研修だったか、把握してから講義していますか。

2010年6月25日ブログ「過去3年分の会報を読んでから行け」

その上で「与えられた時間内に、今回は何を求められていて、実際に何を伝えることができるのか」そこをプランニングしなければなりません。
可能なら主催担当者と、この研修計画を何度か打ち合わせをすべきです。
受講者が分からないのは、受講者の能力ではなく講師の能力のせいです。

その上で、一年間かかって教える教師は当然として、たった一度だけの研修会の講師であっても、受講者の人生に関わっているという自覚を持って欲しいと思います。


うーん、
結局自分のハードルを上げただけかも