檀浦武先生が11月19日にご逝去なさいました。
ご葬儀は家族葬だったとのことでした。
和歌山会前副会長で「Q&A表示登記オンライン申請の実務」(日本加除出版)の共同執筆者の一人であり、宮城会にも研修会「グーグルアースと位置情報ビッグデータの活用」の講師で来て戴いた方です。
その際にはオープンデータの技術的な話だけでなく、一番大事で複雑なデータのライセンスの話など詳しく研究された知識を教えていただきました。
私は長年近畿ブロック協議会の新人研修会で講師を担当させて戴いておりますので、昔から檀浦さんとはお付き合いがありました。すみません、今日までは檀浦さんと呼ばせてください。
檀浦さんは自分の寿命を理解されていて、昨年夏に私に話してくださいました。
手術をしてベッドで長生きするより、抗がん剤を投与しながらでも外で生きるとおっしゃいました。
そして檀浦さんは、昨年9月5日と6日に仙台で開催されたGoogleの講座に1人で参加されていました。内容は直接的には土地家屋調査士の業務ではないので、土地家屋調査士で参加されている方は他にいませんでした。それを和歌山から抗がん剤を打ちながら飛行機で来たのです。
しかもその時の内容はGoogleの中でも最先端の内容です。5年後くらいに一般化するような内容です。
「絶対にその5年後には檀浦さんはこの世にいない」
それを檀浦さんは完全に理解しながらの参加でした。私は心から尊敬しました。
その晩は仙台で二人で食事をしました。お互いに病状を理解していますので、私は変な慰めもせずに、当日の研修についてお話をしながら楽しく食事をさせていただきました。
自分が死んだ後の技術まで、体調を整えながらも今学ぼうとできるものなのか。
私がそうであれば、同じように考えて、同じように行動できるのか。
分かりません。
しかし彼はそう生きました。
常に前を向いた素晴らしい人生だと思います。
私は檀浦さんの生きている内に彼の知識を広めたいと思いました。
そこで宮城県土地家屋調査士会の研修会講師にお招きしました。
勝手ながら少しでも彼の長く生きる目標にもなるかも知れないとも思いました。
宮城会で企画する時には、彼の病気については口に出しませんでした。
宮城会の責任者として、そして友人として、檀浦さんにお願いした条件はただ一つ。
「主治医に必ず了解を得ること」
彼は抗がん剤投与のスケジュールを調整して、本当に頑張って、そして喜んで来てくださいました。
そして宮城会会員のために、とてもとても貴重な講義をして戴きました。
ありがとうございました。
以下は、11月2日に檀浦さんがFacebookに書かれた言葉です。
ご冥福を心からお祈りいたします。
今日は2週間に1度行っている大学病院の診察日でした。この土日は体調が悪く珍しく寝込んでしまいました。今日の診察の結果、ただちに入院となりました。私は小腸ガンですが、肝臓と肺に転移しています。今日のCTの画像を見ると肝臓と肺に転移したガンが以前よりかなり大きくなっていました。黄疸の症状が出てきており、肺に水が溜まっているのも見つかりました。私の命はあと2か月程度かもしれません。私はみなさんに可愛がって頂き、私のやりたいことやらせていただきました。本当に素晴らしい人生を送らせていただきました。あと残された命を精一杯生きていこうと思います。