2022年10月31日月曜日

名古屋ガイダンスから「別業界からの参入ですが問題ないでしょうか?」

10月29日に、名古屋で「土地家屋調査士事務所開業・経営ガイダンス」を開催してきました。参加者8名でした。

全員の個別事情を伺いながら、それぞれに合わせた進路のアドバイスしてきました。個別事情に合わせていますから、質問が同じでも、当然答えが違うこともあります。


皆さんのご質問で多いもののひとつが「別業界からの参入ですが、問題ないでしょうか?」というものです。

土地家屋調査士の実務が分からないということでしょうが、そこは心配ありません。そこまでのハンディはありません。土地家屋調査士事務所の補助者であっても、土地家屋調査士事務所の経営をしていくノウハウはほとんど持っていません。

土地家屋調査士事務所の補助者であっても、やはりあらたに勉強しなければならない分野が多いのです。

また、別業界と言っても、土地家屋調査士を知った経緯を伺うと、結局土地家屋調査士と関連する業界だったから知ったということでもありました。

だから、その業界はある意味土地家屋調査士事務所に発注する可能性のある業界かも知れません。


今回も同じような趣旨で質問した方に以下のアドバイスをしました。

・あなたが外から複数の土地家屋調査士をみて、どの土地家屋調査士に業務依頼したいか、少なくても誰でも良いとは思わなかったでしょ。その視点を大事にしてください。その土地家屋調査士になれば良いだけです。これは、たった一人の先生だけを見ている補助者では気が付かない視点ですから。

・合格して今の職業を退職するときには円満退職を目指してください。今の職場から業務依頼が来る可能性を残しておきましょう。大事にしてください。そこからの依頼も無いのなら、他からも見込めませんから。


ガイダンスの話に戻りますが、

ガイダンス後に、自己責任での任意の懇親会を開催を提案したところ、ガイダンス参加者は全員参加希望でした(笑)

また「全員が納得するまで質問には答えます。それまでは帰りません」と言って付き合ったら、懇親会が終わったのが午前2時過ぎでした(笑)。

毎回赤字ですが、皆さん心から喜んでくれる手応えがあるのでやめられません。

次は11月26日(土)に東京でガイダンスを開催します。






2022年10月27日木曜日

ブログとガイダンスのアドバイスの違いについて

 先日のTさんから返信が来ました。

土地家屋調査士   鈴木 修 ブログ: 土地家屋調査士事務所の補助者として学ぶべきこと (fermatadiary.blogspot.com)

Tさん以外の方も、私のブログを読んで土地家屋調査士への進路を諦めている方がいたら、大変申し訳ないと思い、この内容もTさんを特定できない形で書かせていただきます。


<Tさんから返信>

いろいろ考えたのですが、専門家になるには最低でも10年、1万時間が必要などとよく言われていることを考えますと、やはり、もう時間がない、いまからでは年齢的に間に合わないという思いに至りました。

今後の仕事については、経験のある分野の中から考えていこうと思いますし、当然そうするべきでした。

ご迷惑をおかけすることとなり申し訳ありませんでした。

いろいろご準備いただいて、本当に申し訳ありませんが、ガイダンスについても欠席させていただきたく存じます。


<お返事させていただきました>

ご連絡ありがとうございます。お考えは理解しました。お考えを伺った上でのお願いですが、一度だけ私のガイダンスを聞いてください。

ブログは一般論です。

誰が読んでいるか分からないから、誰にでも通用することを書いています。

それに対してガイダンスは、その人個人に沿った進路アドバイスです。

その人の経歴、年齢、家族の状況、現在の収入、人脈等々、皆さん様々なバックボーンをもっています。それらを踏まえて、その人が土地家屋調査士として黒字経営をするにはどうすれば良いかをアドバイスしています。

決して精神論や根性論ではありません。合理的な理論です。


昨年私のガイダンスを聞いた方々で、今年の12月から来年の4月までに開業しようというグループがあります。他業種から来た60代までの様々な人達です。

この方々の中には意欲があっても補助者として雇ってもらえない方も複数います。そうであれば、ブログで書いた一般論と違うやり方もあると思います。ですからガイダンスでは全員各々に違うアドバイスをしています。

雇ってもらえない、または修行に行く時間や、子育てや家族の介護などで家を離れられないなどの状況もある人もいます。その人たちのために、その人に沿ったアドバイスをしています。60代の方には確かに時間の関係もあるので、補助者に行かず短期でスキルを身に付ける方法(鈴木修塾など)もアドバイスしています。


かと言って、合格者全員を無理やり土地家屋調査士にしたいとは思っていません。その方の性格や環境などにより、向かない人もいると思っていますから。それもガイダンスでしっかり話し合ってから本人が判断して欲しいと思っています。

今回ガイダンスに参加される方々の中にも、Tさんよりも年上の方もいらっしゃいます。

やはり土地家屋調査士事務所になかなか雇ってもらえない方で、その相談を受けています。その方には事務所を探す方法と、雇われないなら別の方法で土地家屋調査士として黒字経営ができることをアドバイスするつもりです。


Tさんは、この試験に合格するまでには自他共に認める努力があったと思います。その努力の日々に対して、もう少しだけ可能性を考えてみませんか。

誤解はされていないと思いますが、このガイダンスは元々赤字です。商売でやっている訳ではありません。そして皆さんが土地家屋調査士になろうがなるまいが、私に利害関係が生じることはありません。

私が気に入っている土地家屋調査士という資格をめざした皆さんが、その人なりの形で幸せになって欲しいと思って長年開催しています。


よろしければ、もう一度ガイダンスに参加をご検討ください。そして、できれば参加した皆さん同士のお話も参考になると思うので、懇親会までの参加をご検討ください。

Tさんが土地家屋調査士という職業を検討する上で、少しでもお役に立てることができれば嬉しいです。





2022年10月25日火曜日

土地家屋調査士事務所の補助者として学ぶべきこと

名古屋のガイダンスも今週末になりました。質問もたくさん来ていますが、以下はよくある質問です。

ガイダンスでは質問者のTさんには個人的事情にも沿って丁寧に説明するつもりですが、総論だけはここでお答えします。


 <Tさんの質問>

実務経験がほとんどありません。開業前に隣接市の事務所に修行のお願いをしようと思っておりますが、期間はどの程度が適当でしょうか。事務所の都合が第一ですので断られるかもしれませんが、個人的には1~3か月のイメージを持っています。

<答え>

土地家屋調査士事務所で何を学ぶかを整理しましょう。

Tさんは実務経験がほとんど無いと言うことですが、本当にそのとおりであれば1~3か月間では短すぎます。実務についてはほとんど学べないでしょう。

Tさんはこれから学ぼうと思っている土地家屋調査士の実務がどのようなものか分かっていないのでしょうね。試験合格と実務ではかなりのギャップがあります。申請書の書式の知識で答えられる業務はまず無いです。


視点を変えましょう。

仮にTさんの考えているとおりだとしたら、雇う方のことを考えたことがありますか。

実務を教えていると1~3か月でいなくなるのでしょう。そんな人を手元に置くのは、普通の感覚なら無給でも嫌でしょうね。それでも欲しいという事務所があったら、それは教える気がない事務所だからでしょう。


では、何年修行したら一人前になるのでしょうか。

「人によります」という言い方で逃げる方法もありますが、私はこういう言い方をします。

「何年勤めるにしても、実務を1から10まですべて教えてもらおうと考えることは無理です」「良い事務所に勤めたとしても事務所以外の自習が必要です」


それなら、全部自分で勉強すれば良いのでしょうか。

いいえ、それも違います。

Tさんは学ぶべき実務が何かを理解していません。だから自習ができません。

せいぜい「測量技術を習得しなきゃ」程度のことしか思い浮かばないでしょう。

やはり補助者になって、土地家屋調査士の第一線ではどこまでの知識と技術が必要かを確認して、現在の自分とのギャップを測りに行くべきです。

ここが土地家屋調査士事務所の補助者として一番学ぶべきところだと思います。

その上で残りは自分で学べると思えば、そこまでが補助者の修行期限かも知れません。


まずは雇ってもらえる事務所を探しましょう。できるだけ相性の良さそうな先生を探して。

私のブログ内で「補助者」で検索をしてみてください。この補助者修行については過去に結構説明しています。

また、ガイダンスでお目にかかった際に、Tさんの個人的なご希望を伺って、近隣の土地家屋調査士事務所を紹介できるかも知れません。


また、どうしても見つからない場合は、「鈴木修塾」で短期修行する方法もあります。個別にご相談ください。


















2022年10月21日金曜日

CLIPNOTE 私はヘビーユーザーです

私のブログで紹介する文具は、新製品の紹介ではありません。

仕事で文具を日常的に利用してきて、これなら皆さんにも便利に使えるだろうと、自分で納得できた物を初めて紹介しています。

今日の紹介する文具は、コクヨのCLIPNOTEです。

ちょっとした紙資料の束をまとめるのに何を使うか、オフィスビジネスをやっている私達のこれは長年の課題でもあります。

このところ、気に入って何かと利用しているのが、このCLIPNOTEです。

ちょうど1年前に新発売になり、それ以来1年間使い続けています。



紙の束をまとめるには、背表紙側の左右のクリップを開いて紙を綴じ込みます。
紙に穴を空けずに綴じ込むことができることが利点です。


最大25枚程度ですから、ちょっとした紙資料を綴じるのにはとても重宝です。

この商品が発売される前には、A4紙製ファイルが私の事務所の定番でした。

今でも資料の枚数が多いものや利用方法が異なるものについては紙製ファイルがメインですが、もともと枚数が少なくて、いずれ他のファイルに保管するまでアクティブに持ち歩くものについては、このCLIPNOTEが定番になりました。



個人情報を隠すために右のCLIPNOTEは逆さに入れてインデックスを隠していますが、並ぶととても見やすいです。

また、左側の紙製のファイルは厚さを比べるために入れたファイルです。

このCLIPNOTEの短所をあえて言うとすれば、①綴じ込む紙の量が25枚で限界であること②1冊の希望小売価格が605円(税込)と少し高いことでしょうか。

その2点においては誰にでも勧められるかというと不明ですが、用途に合えばとても良い製品だと思います。

少なくとも私にとっては利用価値が高く、オフィスビジネスの良きパートナーとなっている商品です。

この1年間、少しずつ買い足して使用してきたのですが、もう100冊は超えています。



背の部分のラベルはテプラの6mm幅のテープが丁度良いのです。こんな感じで利用しています。(このファイルは日付も入れたかったので12mm幅のテープを折っています)

もちろん、プラスチック製品なので、テプラのテープを剥がせば、何度でも使えます。


「コピー用紙で作る新しいノート」という売りのようですが、特殊用紙を挟んだり、裏紙を挟んだり、確かにノートとしても利用できます。

A4版のカレンダーやノートなどを挟めば、自分専用の手帳も創ることができるでしょう。











2022年10月17日月曜日

土地家屋調査士筆記試験を受験された方に

 昨日10月16日(日)は、令和4年度の土地家屋調査士試験(筆記)の日でした。

受験された方は本当にお疲れ様でした。

今年度の出願者数は、昨年度に比して、増減率で14.1%増の5,400人とのことでした。土地家屋調査士の業務としての将来性について、私達のお話ししていることが少しずつ伝わってきているのかもしれないと嬉しく思っておりました。

今年の試験は、「択一は比較的取り組みやすかった、そのかわり土地の書式が手強かった」との報告を受けています。

択一については自己採点がしやすいのですが、書式の自己採点には不安が残りますね。合格発表の令和5年1月11日まで、今年の受験生はモヤモヤした気持ちのままで年を越すことになるかも知れません。

でも終わったことですから、そこを気にしても仕方ありません。過去は変えられないので。

まずは一週間程度ゆっくり休んでください。

そして一週間後に未来に向かって動き始めましょう。

昨年も申し上げましたが、ペースを落としても良いですから、1週間以上は勉強を休まないでください。試験のための一夜漬けのように積み重ねた知識は休むとすぐに蒸発します。

合格かどうか不安だということは、合格ラインの前後だからでしょう。それなら万が一のときにも今勉強を止めなければ来年は余裕で合格できます。

もちろん、今回合格したと確信した方には、次にはプロとして本当の実力をつけてもらわなければなりません。大丈夫です。実力があれば必ずこの資格で生きていけます。

どちらにしても、モヤモヤしているのなら、以下の私のガイダンスを聞いてみませんか。

ネットの匿名の解説ではなく、長年新人の面倒を見てきた現役の土地家屋調査士が面談の上で説明します。

皆さんの個々の状況に合わせた開業までの道筋と業界の未来もお示しできると思います。

また今回の試験結果が不安だった方でも歓迎します。

おそらく「合格してから何をすればどんな世界が待っているか」が具体的に見えれば、万が一の結果であっても、来年の合格に近づくでしょう。

未来を漠然としか描けずに受ける試験というのは、学校の試験同様にやらされ感の強い受験となってしまう危険性が大きいと思います。

「この試験に合格したら自分の未来は具体的にこうなる」ということを確信できたら、次回は絶対に合格するでしょう。


「土地家屋調査士事務所開業・経営ガイダンスin名古屋」

日時:令和4年10月29日(土) 13:30~16:30

場所:愛知県青年会館 5階会議室


「土地家屋調査士事務所開業・経営ガイダンスin東京」

日時:令和4年11月26日(土) 13:30~16:30

場所:曳舟文化センター 会議室


以下共通

会費:3,000円

・振込先については直接連絡しますので、事前振込をお願いします

受講対象者: どなたでも 

受験中やこれから受験しようか迷っている方でも歓迎します。


問合せ及び参加希望連絡先

 鈴木修メールアドレス  mucha@rr.iij4u.or.jp

*申込みメールを受信したら必ず返信いたします。

以前に、参加申込みメールが迷惑メールフォルダに入ってしまって、ご連絡に気が付かず、失礼した方が数人いました。数日待って返信がなければ申し訳ありませんが、一度お電話ください。鈴木修事務所:022-215-1655

参加連絡方法

・件名に「名古屋ガイダンス参加希望」または「東京ガイダンス参加希望」をつけてください。

・お名前

・所属(予定)会

・こちらから連絡してよいメールアドレス、電話番号

・お聞きになりたいこと、具体的質問や相談など

 すべて答えますから、時間配分のためにも事前にお知らせください

 また秘密は守りますので、今の勤務先のことなど何でも相談ください。

*「参加迷っている」だけでも、できるだけ早めにご連絡ください。

 会議室の定員に制限があるからです。

その他(コロナウィルス対策など)

 ウィルス対策については、主催者としてできる範囲で工夫はします。

 受講者も自己責任で参加していただく点を理解して欲しいと思います。

 当日に体温を確認することとマスクを着用のことをお約束ください。

 もう無いとは思いますが、緊急事態宣言等の状況に応じては、中止や延期も有り得ることもご理解ください。






2022年10月10日月曜日

土地家屋調査士筆記試験まで一週間

 土地家屋調査士試験の受験生の皆さん、お疲れ様です。

筆記試験まであと一週間ですね。

最後の追い込みが大事ですが、体調管理も気をつけてください。一年に一回の試験当日に欠席になるのは不本意でしょう。そこまで行かなくても体調が優れないと集中力に影響します。

これからプロになれば病欠も許されない場合もあります。とにかくが大体調管理が大事です。

勉強も一週間あれば相当できると思います。体調管理しながらも悔いの無いように頑張って欲しいと思っています。


さて、昨年も書きましたが、試験は勉強の延長ではなくて、勝負です。勝ち負けの世界です。一番大事なことは負け癖をつけないことです。

今年合格するレベルの方は必ず勝つために最後まで頑張ってください。

以下は、来年合格のために今年試しに受験する方へのアドバイスです。

今年の試験で、絶対に負け癖をつけない勝負をして欲しいのです。

「今年は試しだから当然合格はしない」と理解して受験するのでしょうが、勝負の仕方を考えて欲しいのです。覚悟の上とはいえ、中途半端に受験して結果として落ちた場合は、負け癖がつきます。これが結構厄介です。負けても平気になります。

「先輩も何年も負けているから、自分も負けて当たり前」という「負け癖」が付いたら、もう勝てなくなります。

ではどうするかですが、今回は自分のテーマを持って受験されたら良いと思います。

もしあなたが、来年も土地家屋調査士試験を受ける覚悟なら、あと1週間は全体的な勉強をやめて、何かに絞って勝負をしてみたらいかがでしょう。例えば「不動産登記法の択一問題だけは合格する」などと決めるのです。

もちろん、結果は合格レベルではないでしょう。でもそれは最初からわかっているから、ショックは受けないでしょう。「民法は不合格だったが、不動産登記法択一は合格している」となれば、そこまで落ち込みません。なにしろ今回勝負に出た不動産登記法択一では勝っているのですから。

この1科目だけでも良いから「勝った」という「成功体験」が重要なのです。その成功体験が、次の年の勝負の自信になります。

今年の合格不合格で一喜一憂するのではなく、科目や書式など、1科目ずつ勝負をかけるのです。全科目を平均的に上げていくのではなく、1科目ずつ合格していくことを目指すのです。何かで合格できれば、来年は勉強の比重を変えれば良いだけです。

スポーツでも勝負事ではとても当たり前のことなのですが、これができない人が多いです。毎年「勝手に落ち込んで負けのループに入り込んでいる人」がとても多いです。試験は知識の勝負だけでなく、メンタルコントロールの勝負でもあるのです。


頑張ってください。

試験が終わったら、私が「開業ガイダンス」や「経営ガイダンス」等で相談にのります。

今年合格できなくても、ご遠慮なくご参加ください。ガイダンスで合格後の具体的な方向が見えたらモチベーションもあがり、来年は絶対に勝てると思います。



「土地家屋調査士事務所開業・経営ガイダンス」

名古屋会場

日時:令和4年10月29日(土) 13:30~16:30

場所:愛知県青年会館 会議室


東京会場

日時:令和4年11月26日(土) 13:30~16:30

場所:曳舟文化センター 会議室