2022年10月25日火曜日

土地家屋調査士事務所の補助者として学ぶべきこと

名古屋のガイダンスも今週末になりました。質問もたくさん来ていますが、以下はよくある質問です。

ガイダンスでは質問者のTさんには個人的事情にも沿って丁寧に説明するつもりですが、総論だけはここでお答えします。


 <Tさんの質問>

実務経験がほとんどありません。開業前に隣接市の事務所に修行のお願いをしようと思っておりますが、期間はどの程度が適当でしょうか。事務所の都合が第一ですので断られるかもしれませんが、個人的には1~3か月のイメージを持っています。

<答え>

土地家屋調査士事務所で何を学ぶかを整理しましょう。

Tさんは実務経験がほとんど無いと言うことですが、本当にそのとおりであれば1~3か月間では短すぎます。実務についてはほとんど学べないでしょう。

Tさんはこれから学ぼうと思っている土地家屋調査士の実務がどのようなものか分かっていないのでしょうね。試験合格と実務ではかなりのギャップがあります。申請書の書式の知識で答えられる業務はまず無いです。


視点を変えましょう。

仮にTさんの考えているとおりだとしたら、雇う方のことを考えたことがありますか。

実務を教えていると1~3か月でいなくなるのでしょう。そんな人を手元に置くのは、普通の感覚なら無給でも嫌でしょうね。それでも欲しいという事務所があったら、それは教える気がない事務所だからでしょう。


では、何年修行したら一人前になるのでしょうか。

「人によります」という言い方で逃げる方法もありますが、私はこういう言い方をします。

「何年勤めるにしても、実務を1から10まですべて教えてもらおうと考えることは無理です」「良い事務所に勤めたとしても事務所以外の自習が必要です」


それなら、全部自分で勉強すれば良いのでしょうか。

いいえ、それも違います。

Tさんは学ぶべき実務が何かを理解していません。だから自習ができません。

せいぜい「測量技術を習得しなきゃ」程度のことしか思い浮かばないでしょう。

やはり補助者になって、土地家屋調査士の第一線ではどこまでの知識と技術が必要かを確認して、現在の自分とのギャップを測りに行くべきです。

ここが土地家屋調査士事務所の補助者として一番学ぶべきところだと思います。

その上で残りは自分で学べると思えば、そこまでが補助者の修行期限かも知れません。


まずは雇ってもらえる事務所を探しましょう。できるだけ相性の良さそうな先生を探して。

私のブログ内で「補助者」で検索をしてみてください。この補助者修行については過去に結構説明しています。

また、ガイダンスでお目にかかった際に、Tさんの個人的なご希望を伺って、近隣の土地家屋調査士事務所を紹介できるかも知れません。


また、どうしても見つからない場合は、「鈴木修塾」で短期修行する方法もあります。個別にご相談ください。