2016年9月25日日曜日

ラサへの歩き方~祈りの2400km

いやぁ、すごい映画を観ました。



「ラサへの歩き方 祈りの2400km」

「五体投地」って知ってますか?
ウィキペディアによると、
「五体投地(ごたいとうち)とは、五体すなわち両手・両膝・額を地面に投げ伏して、仏や高僧などを礼拝することである。仏教において最も丁寧な礼拝方法の一つとされ、対象への絶対的な帰依を表す。(以下略)」と書いてあります。

この五体投地を繰り返しながら、チベットの小さな村人達が聖地ラサとその先のカイラス山に向かうのです。荷物を引きながら、夜は道ばたにテントを張って休みます。

お経を唱えながら合掌し、数歩歩いては五体投地するのです。これではなかなか進みません。
その道のりがなんと2400km。
ちょっと調べてみました。
新幹線なら、仙台ー東京間が350km、
新函館北斗駅から鹿児島中央駅が2400km弱です。
その距離を1年かけて巡礼するのです。
五体投地によりラサに向かう村人達は子供も妊婦も老人も含む11人で、その人達の1年の巡礼を描くロードムービーです。

途中、雪山もありますし、川のような水の流れが行く手を塞いでいる場所もあります。
妊婦に子が産まれたり、荷物を運んでいた車が事故に遭ったり、様々なことが起こります。村人達はそれらをすべて淡々と受け容れて、五体投地でラサに向かいます。

一見ドキュメンタリーに見えますが、出演者は全員実際の村人なので、ラサへ向かう五体投地やその表情も含めて皆本物だからでしょう。

とても過酷な旅に見えますが、皆嬉しそうな表情で進みます。
ラサへの巡礼は彼らにとって宗教的に憧れの旅なのです。

手に汗握るシーンはありません。
大怪獣も出ません。男女の入れ替わりもありません。全米も泣きません。
でもその旅を見始めると、もう目が離せなくなります。
そして何故か観終わってから、清々しい気持ちになりました。

全国でも上映されている映画館はほとんどありません。
DVDが発売されることがあるのでしょうか。
もし機会が有ったら、こういう映画も観て欲しいと思います。
そして観た方と、彼らの巡礼について語りたいと思います。



参考までに、予告編の動画のリンクを貼っておきます。
http://eiga.com/movie/84774/video/1/









2016年9月20日火曜日

君の名は。

この映画についてネタバレしないように書くのは、とても難しいですね。

そしてこの大人気、また元々の新海誠(監督)ファン層も大勢いて、何を書いても炎上しそうな気がします。


最初、この映画の予告を観て、

えっ、男の子と女の子が入れ替わる?
「転校生」の焼き直し?
なぜ今?
しかも新海監督が?

疑問だらけでした。

実際、映画を観ないと分かりませんでした。
予告編だけでは、この映画は絶対にわからないですね。
誤解していました。

へー、そんな展開だったの?
結構大きな話しになっています。

伏線もいろいろ張られ、それを物語が進む中で回収されていきます。
でも、何故その現象が必然なのか、何故その道具が使えるのか、何故その人はそう決断したのか、その世界は×××、など論理的に曖昧な部分(もしかすると論理的に誤り?)もあるとは思いました。
まあ、何回か観たら私が納得するかもしれないので、ここでは安易に書き込みはしないことにします。(炎上から逃げているなぁ)

その大きな物語に加えて、新海監督らしい叙情的な景色や心の物語も書き込まれているファンタジーなのだからと考えれば、曖昧に見える細かな設定など消し飛んでしまうような良い映画だと思います。
また、この伏線や設定が理解できない年齢層にとっても、それなりに楽しむことのできる映画になっています。

東日本大震災から5年以上経った今だから上映できるテーマも含まれていると思います。この件について、被災地の人間としてネタバレが可の場面では少しお話ししたいこともあります。いえ悪口ではありませんから。(炎上から更に逃げているなぁ)

ただし、観終わってすぐに感じた違和感があります。
ストーリーとしても悪くないけど、「秒速5センチメートル」の頃の新海さんなら、この結末にしたかな?ということです。

新海監督がメジャーになって、大衆に迎合したとまでは言いません。
この結末は、私自身も含め観客全員が望んでいた結末です。
だから当然に不満ではありません。
しかし、私はこの結末でない方が物語として良かったと思うのです。
あの「誰そ彼どき」からの余韻のまま、「秒速」のような終わり方でも良かったのではないでしょうか。

本当にこれが監督自身ベストと思ったエンディングなのか、メジャーになった(なってしまった)故の方向性なのか、少し考えてしまいました。

重ねて言いますが、不満ではありません。
むしろ、好きな映画です。
もう一度観たい映画に入っています。

気になっている人は、是非観た方が良いとお勧めします。
その上で、ネタバレが構わない人がいれば、いろいろお話ししましょう。

観たことのない方の為の蛇足ですが、
新海監督の映画の特徴として、背景がリアルでとても美しいことがあげられます。
実景をどこまできれいに描けるかというアプローチによる圧倒的な美しさを見ることができます。

今回の背景は特に美しいですね。
これから観る人は特に光の変化に着目して欲しいです。
今回はメジャー作品なので、物量を投じて画を作っていますから。
この背景だけ観るためにお金を払っても良いと思います。
だから新海監督にはメジャーな世界に居続けて欲しいという想いもあります。



あっそうか、幸か不幸かこのブログはコメント欄が無いから炎上はしないのか。




2016年9月17日土曜日

「SMART FIT ACTACT スリットポーチ」を「ゴミ入れ」に

今日紹介する文具はこれです。

これは文具かと疑問の方もいるかも知れません。
でも、文具店で売っているし、私の文具ジャンルは広いので、このブログでは当然文具です。



リヒトの「SMART FIT ACTACT スリットポーチ」です。
大きさは77mm × 23mm × 112mm、シリコンでできています。
ボールチェーンがついていて、それでバッグの取っ手などにぶら下げることができます。

普段はマグネットで閉じている口の左右を押すと、口が開く仕組みです。


普段はこんな感じで閉まっています。



左右を押すと、こんな感じで口が開きます。
さっと口が開いて、手を離すと自然に口が閉まります。




イヤホンやケーブルなどを入れても良いでしょう。


また、のど飴など(アメチャン)おやつを入れても良いでしょう。


目薬や飲み薬を入れても良いでしょう。


ペンケースに入れにくいこんな文具もこのケースなら問題ありませんね。

シリコン製だから、これ以外にも鍵などの金属製のものを入れても、バッグの中の他のものに傷が付きません。


シリコン製ということで有りそうで無かった存在だと思います。
色が4色(レッド・イエローグリーン・ネイビー・ブラック)ありますので、複数持って用途別に使い分けても良いでしょう。


「ゴミ入れ」に使うという選択肢もお勧めです。

紙の切れ端や、ティッシュや、ガムや飴の包み紙など、移動中にもゴミが出ますね。
どこかに捨てるところがない場合、皆さん、そんなゴミをどうしていますか?
とりあえず、バッグやポケットの適当な場所に入れておきましたが、どうも収まりが悪いなと思っておりました。

これなら丁度良いゴミ入れだと思いませんか。
汚れてもシリコン製なので水や中性洗剤で洗うことができますし。





2016年9月11日日曜日

名もない花たちの《笙と語り》のチャリティー・コンサート

「名もない花たちの《笙と語り》のチャリティー・コンサート」 に、行ってきました。


今回のプログラムは、雲走範子さんの語り『雨月物語』より「菊花の約」と、笙YUUさんの笙の雅楽曲のコラボでした。
「菊花の約」は季節柄ピッタリの話しです。
また雨月物語の世界観と笙の曲はさすがに合っていました。

その後は笙YUUさんによる笙の演奏でした。
様々なジャンルの曲の演奏がありました。
17音しかないのでアレンジに工夫が必要だということでしたが、パイプオルガンのような複雑な和音を出すことのできる笙の可能性の広がりを感じました。




中央、向かって左が、笙YUU(しょう・ゆう)さん
向かって右が、雲走範子(くもそう・のりこ)さん 




場所は上杉の喫茶店、「純喫茶星港夜(シンガポールナイト)」でした。
珈琲が美味しかったので、別の機会にも行ってみようと思います。









「名もない花たちの会」は、東日本大震災からの復興を支援するとともに障害者の社会参加を促すために2011年3月に立ち上がった会です。

代表の山下剛さんは、私の古くからの友人です。

彼らの思いは、以下の文章にこめられています。

「私たち一人一人は非力な〈名もない花〉にすぎないが、それでも被災者のために何かせずにはいられない。」この思いを共有する者たちがジャンルを越えて一つになり、このチャリティー・コンサート実現の運びとなりました。私たちは、演奏会を通して聴衆に義援金への協力を呼びかけることに致しました。収益金は全額を宮城県を通じて被災地復興に役立てていただきます。」



一発勝負の大きなイベントの企画も難しいけれど、小さなイベントをぶれずに継続していくことも、とても難しいことと思います。
続けていることは障害者の皆さんによる東日本大震災からの復興支援です。派手なことはできません。大きな会場を借りるのも難しいでしょう。
今回も参加者は30人程度でしょうか。お店の中は一杯で椅子が不足するような状態でしたが、それでもこの会を継続するなら、更なる集客が必要でしょう。


彼らを支援することも、障害者の支援になり、間接的に復興支援になります。

次回は10月8日です。
会場は仙台市福祉プラザ2階ふれあいホールです。
定員は302名です。








2016年9月4日日曜日

土地家屋調査士の顧客先と中心分野について

土地家屋調査士試験合格を目指している受験生から開業の相談がありました。
以下は、いくつかいただいた質問の中の一部です。

顧客先と中心分野について、以下のように考えています。
・顧客先は、主に士業(税理士、司法書士)。人脈より。
・中心分野は、主に土地。だが、少しは建物も!

土地家屋調査士だけではなく、あらゆる資格試験を目指す人にとって、開業後の事件受託の有無が最大の心配事でしょう。
その中でこのような質問がでることは、自然の流れだと思います。
この方は測量の経験があるとのことですので、土地の測量はイメージできるけれど、建物はまったく経験がないので、中心分野は土地と考えたのでしょう。
そして、たまたま税理士と司法書士に知り合いがいるのでしょう。

こんな趣旨でお答えしました。


受験しながらも気になるのでしょうね。
でも、今は土地家屋調査士試験に集中してください。
まずは合格して開業しないと、これらの問題は解決しませんから。

まず顧客先の話をしましょう。
まだ土地家屋調査士の世界に出てもいないで、顧客先の話しは難しいです。
今たまたま知り合いに税理士や司法書士がいるとしても、その税理士や司法書士の方々は、別の土地家屋調査士と仕事をしているはずです。
あなたが合格して開業したら、今付き合っている土地家屋調査士をやめて、あなたに変えると約束してくれたのですか。
あなたが合格したとしても、まだ専門家として実力が伴っていないうちに、あなたと仕事で付き合うのは、相手にもリスクがあるのですよ。
その税理士や司法書士が何らかの切っ掛けになるかもしれませんが、あなたの顧客先になるかは疑問です。
あなただけではありません。誰にでも顧客先の約束なんてありません。
合格していない人と約束する人などいません。
「開業したら君に頼むよ」というセリフもよく聞きますが、社交辞令に踊らされてはいけません。この社交辞令のために、方向性を誤った事務所の話をよく聞きますよ。
実力を付ければ、必ず顧客ができます。


次に中心分野の話しです。
まだ合格もしていないのだから、中心分野を決めることも難しいです。
まだ早いというより、「今から未来の可能性を狭めてどうするのか」と思います。
「中心分野は全部です」というつもりで勉強してください。
わからない分野を外して今できそうな分野だけを「中心」とするのは、専門家としてどうかと思います。
「理科が不得意だから私は文化系です」というレベルの会話はやめましょう。
本来土地家屋調査士は全部できなければなりません。
全部できてその上に「得意分野がある」と言うべきです。
また今「中心分野」や「得意分野」だと思っている分野があっても、専門家に要求されるものは時代によって次々と変わってきます。
だから、未だ見えて来ないどんな分野にでも対応するつもりでないと、専門家として長く生き残ることはできないと思います。

まずは心配しないで合格してください。
その後、また開業について相談してください。
プロとして得意分野を増やす勉強の仕方を教えますから。



測量もね、土地を法的に調査判断するための一要素なんだよ。
だから測量だけできても土地家屋調査士の業務はできないんだよ。