2015年6月29日月曜日

有資格者のための開業ガイダンスin帯広

私達土地家屋調査士の資格試験合格したのに開業しない人達が結構な割合でいます。
これは土地家屋調査士に限らないのですが、何のために何年も頑張ったのでしょうか。
他の資格と違い、資格試験はプロとして開業する資格です。
それなのに開業しないのは何故でしょうか。

でも気持ちはとても良く分かります。
漠然と不安でしょうがないからです。
私自身の34年前も、まったく同じでした。

ではその漠然とした不安を具体的に分析し、解決方法を考えてみましょう。

そんな試験合格した有資格者の皆さんのために毎年仙台で続けてきたのが
「試験合格者のための開業ガイダンス」です。

ガイダンスを受けて開業に踏み切った会員も多くなりました。
もちろん後悔はさせていないはずです。

さて、今週北海道ブロック総会に東北ブロック会長としてお招き戴くことになっていますが、その前日に帯広の土地家屋調査士有志の皆さんと一緒に、この開業ガイダンスを急遽開催させて戴くことになりました。
北海道でもお役に立ちたいと思います。

突然の開催でしかも平日ですから参加は難しいと思いますが、土地家屋調査士の試験合格しているのに開業を迷っている人、または土地家屋調査士を目指しているのだけれどもこのまま合格を目指して良いのか不安になっている人がいらっしゃったらご参加ください。
今回のガイダンスに間に合わなくても、興味の有る方は下記までご連絡をください。
もちろん開業したけれど、将来が不安だという新人の土地家屋調査士も大歓迎です。

以下の要領で開催するつもりです。

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研修タイトル:「Sさん&Kさんのための開業ガイダンスin帯広」

日時:平成27年7月2日 15時30分頃から質問が終わるまで

場所:とかちプラザ http://www.city.obihiro.hokkaido.jp/tokachiplaza/tp_access.html

研修内容:

一度開業したのに退会したSさん、試験合格したのに開業していないKさん、
今回参加するこの2人の有資格者のために、東北でやっている開業ガイダンスをベースにお話しをする。
Sさんは何故退会をしたのか?
そして辞めたのに何故またこの研修会に参加するのか?
またKさんは何故開業しないのか?

そこを私が講師兼コーディネーターをしながら、帯広の先輩達を交えてディスカッションしながら、お二人それぞれの開業の可能性と方向性を考えてみる。
無理に開業させるつもりはない。向かない人には引導を渡すのも進路指導と考える。

これらの議論をしていく内に、今調査士の抱える問題や将来の方向性などが浮かび上がり、先輩達自身も議論する中で自らの考えが整理できる...かも知れない。


問い合わせ先:
渡部尚博(釧路会) mail : Watanabe-chousashi@lime.plala.or.jp







2015年6月28日日曜日

裁断機 Durodex 200DX

今までなかなか時間が無くて整理できなかった資料を、最近少しずつ整理始めています。
資料と言っても、まずは残すべき資料と、廃棄しても構わない資料があります。
廃棄するにしてもシュレッダー等で内容を読めなくすべきものと、そのまま廃棄できる資料があります。
その辺の判断と整理からです。

そして残すべき資料も原本で残しておかなければならないものと、電子データにすれば良いものがあります。
またその資料も今も今後も何かと活用しているものと、とりあえず残していて必要な時に検索して取り出せるようにするものに分けます。(これは本来分ける必要がないはずなのですが、アップするクラウドサービスを分ける必要があるからです。後述)

様々な書籍や文書を電子データにするには、まず製本を分解し、スキャンをします。
私は、スキャン後の電子データの形式をXDW(ドキュワークス)やePUB(電子書籍)を利用していた時期もありますが、今はすべてPDFにしています。あらゆる環境で閲覧が可能だからです。
このスキャンについてはScanSnapを使っているのですが、このスキャナーの話しは後日にしましょう。

その製本を分解するのに簡易な道具を使っていたのですが、時間がかかっておりました。
1回1冊程度をスキャンする程度だったので、それでも我慢していたのですが、今回抜本的に整理するために、厚い製本を分解するための裁断機として導入したのがDurodex 200DXです。一度使っただけで、もうこれ無しで以前の道具には戻れなくなりました。




以前から、いわゆる自炊(自分で書籍を分解しスキャンして電子書籍にすること)仲間の間で良い評判を聞いていましたが、私はやっと導入しました。
amazonで38880円(先月時点)でした。


感想はとても良いです。
もっと早く導入していれば良かったと思うくらいです。
一般的なコピー用紙200枚、18mm程度まで、本当に軽い力で裁断できます。


この名簿は厚さ8mmです。
一番最初に切ったものです。


レーザー光による裁断位置の確認機能があります。これも必要な機能です。


実際に切ってみると、この本の厚さは最大能力の半分以下なので「えっ、これで良いの?」と思うほど、あっけなく切れました。しかも切断面がきれいです。

調子に乗って、様々なものを切ってみました。


余程厚いものでなければ、問題ありません。


切り取った書籍の背の部分です。
この程度の厚さはなんの問題もありません。

電子データにする意味は保管スペースの問題だけではなく、OCRをかけることにより、すべての文書が全文検索できるようになることがとても大きいです。

この裁断機とても気に入りました。あとは刃のメンテナンスと、交換時期の問題があります。これは使ってみないと分かりませんが。

(以下念のため)
さて私は、以前から常に活用する必要のあるデータは、このブログで何度も書いているようEvernoteに入れておいています。様々なテキストデータや画像と一緒に関連資料を入れて活用しています。

ただしここで気をつけなければならないのは、Evernoteをハードディスクのバックアップ保存やストレージ専用として利用するのはサポート対象外となっていることです。これ私も最近知りました。

以下はEvernoteのユーザーガイドラインです。
本来の使用法に合致しない、ハードディスクのバックアップ保存などには、Evernote を利用しないこと。 Evernote は、仕事効率化・生産性向上の為に設計・構成されており、いくつかの具体的な使用方法を想定しています。想定している具体的な使用方法は例えば、ノートの作成、Web ページのクリップ保存、画像の撮影および保存、タスク管理、共同作業やメッセージ交換、そして文書の共有など、現代社会での働き方の中核を成す行為や活動です(そしてこれらを、「本来の使用法」と呼びます)。Evernote は、クラウド型のバックアップ、ファイルの自動同期システム、またはストレージ専用のサービスとしては設計されていません(これらを「サポート対象外の使用法」と呼びます)。サポート対象外の使用法の例としては、ハードディスクの自動バックアップ、メディアライブラリの格納、メールやファイルの自動保存、または大量のファイルの保管のみを目的とした使用などが含まれます。これらの用途に本サービスを利用された場合には、ユーザ本人および他のユーザが体験する Evernote のサービス品質が著しく低下する可能性があります。ユーザが体験する Evernote のサービス品質は、みなさまが「本来の使用法」に従って Evernote を利用してくださることに依存しています。

Evernoteは最近プレミアム会員の容量制限を撤廃しました。ですから皆で容量制限無しでバックアップを始めたらサーバーが大変なことになるからでしょう。ですからクラウドにバックアップするだけなら別のサービスを選ぶことになります。
この点は気をつけましょう。



2015年6月25日木曜日

ステッドラー・トリプラスボール STAEDTLER triplus ball F

私達長年プロとして製図をしてきた者としてステッドラーは信頼のブランドだと思います。そのステッドラーが発売している油性ボールペンが、トリプラスボール(STAEDTLER triplus ball F)です。




丸みを帯びた三角柱の形状で、とても美しいボディです。
透明のポリカーボネート製キャップ、エラストマ-の長いペン軸、シルバーのペン軸尻も美しいと思います。そしてこの長さが美しいと思います。



この三角柱形状のペンは握ってみれば分かりますが、指の間に安定して収まります。典型的な円柱形状のペンよりも、3本の指にペンがあたる部分の面積が広くなるからです。
そしてこのペン軸を覆うエラストマーが指に吸い付くような手触りがあります。
あのApple Watch sports のバンドと同じ手触りです。


この長い軸ですが、実は中のリフィルも長くてインクも多めに入っています。



1番上がトリプラスボールです。リフィルも長いですね。
2番目がパイロットの帳簿用ボールペン。
1番下がジェットストリームのノックタイプです。ノックタイプだから当然に短いのですが、それにしても短いですね。インクがすぐなくなるはずです。


さて肝心の書き心地です。
これが良いんです。最近トレンドの粘性の低いサラサラ油性インクです。




ジェットストリームと比べてみました。
私の感覚ですと、ジェットストリームの方が、少しだけ紙の上の滑りが良いと思います。
ただし、滑りやすい表面を持った紙の場合、滑りすぎるペンを持て余すことがあります。
紙によってはこのトリプラスボールの方が良いこともあるでしょう。
トリプラスボールはボール径が0.7mmと書いてありましたが、ジェットストリームの0.5mmと変わらないように見えます。

色合いは、ジェットストリームより各色少しずつ薄い発色のインクです。
ここは好みの問題でしょうね。



濡らしてみました。



一時間後の状態です。
どちらかと言えばジェットストリームの方が滲んでいるようですが、どちらもほぼ問題ありません。
さすがに油性インクです。これが水性に対するアドバンテージです。
水性の滑らかさを油性で実現した近年の油性インクは賞賛されるべき技術だと思います。


ちなみにこのステッドラーのトリプラスボールは、定価一本250円(税別)です。
この値段でこの美しいボディとこのクオリティを入手できるなら、十分買うべき文具と思います。






2015年6月23日火曜日

セッション

話題の映画「セッション」観ました。


アンドリュー・ニーマンは、偉大なジャズ・ドラマーになるという野心を抱いて、全米トップのシェイファー音楽院に入学した。友達も不要、音楽だけを考えていた。ある日有名なフレッチャー教授の目に留まり、彼のバンドに移籍するように言われる。ミュージシャンとして成功を約束されたも同然と喜ぶ。人生に自信が出てきて前から気になっていたニコルにデートを申し込む。しかしバンドに参加してみると、そこにはプレイヤーを恐怖で支配するフレッチャーのレッスンが待っていた。テンポがずれていることで椅子を投げられ、罵声を浴びせられ、ビンタでリズムを矯正され、ショックを受ける。悔しくて、裂けた手の肉に次々に絆創膏を貼りながらもドラムの練習を続ける。
更にフレッチャーはアンドリューを追い詰める。
フレッチャーの鬼気迫るレッスンにニーマンはついていけるのか。アンドリューとニコルの関係はどうなるのか。そしてアンドリューはドラマーとして成功できるのか。


私はできるだけ先入観を持たないように映画前に情報を入れないようにして行きます。ただし、たまに映画館に行くので、その際にどうしても予告編は観ることになります。その予告編を観て「セッション」は勝手にこんな感じの映画だろうと考えていました。
つまり、
スポ根もので、鬼コーチに鍛えられ次第に強くなっていく主人公、最後にお互いにわかり合える...そんな展開で想像して観に行きました。

確かに大きな意味では間違っていないのだけど、詳細はまったく違っていて、ストーリーはすべて事前の想像を超えていました。良くも悪くも驚きと違和感はあります。

終始緊張感の映画でした。
あのフレッチャーの完璧を求める指導、狂気さえ感じさせます。
私もアマチュアながら20年程楽器を吹いて来た時期があり、観ている間、完全にあのレッスンを受けている気分になりました。
でもこのレッスン、少し分かる気がします。あれは極端だとしても、あんな感じの指導は有ります。
音楽の練習や指導は良くも悪くも体育会系の要素は多いですから。
もちろん、今の「ボクって誉められて伸びるタイプなんです〜」という世代には信じられない指導でしょうけどね。

こんな音楽指導は、実はもう少しレベルの低い段階の指導だと思います。
あれはテクニックやフィジカルを鍛えていくだけの練習で、曲としては形になるでしょうが、音楽そのものを作ることにはなっていないだろうし、少なくてもこの映画の設定であるジャズのトップバンドのやるべき練習ではないと思います。

ただし、そんなことを言ってはすべての映画はつまらなくなります。ここを否定したらこの映画は成り立たなくなりますので。

さて、この映画で大抵のことは目をつぶって観るとしても、どうしても納得できない部分が終盤にありました。
ネタバレしないようにギリギリで書いてみます。

あのフレッチャー教授の鬼気迫るレッスンは良くも悪くも音楽の追究だったはず。
そしてフレッチャー教授は皆が認める著名音楽家です。
たとえ理由が何であれ、本番のステージであの様な形で曲を壊すことをするでしょうか。
この部分は、どうしても私には受け入れられないストーリーでした。

それでもJ・K・シモンズ(フレッチャー教授)の鬼気迫る演技で一気に持って行かれます。そしてラストのマイルズ・テラー(アンドリュー・ニーマン)の素晴らしいドラムシーンがすべてを開放します。

もうすぐ上映が終わりそうですが、興味があったらDVDではなく映画館のドルビーサウンドで、このラストのドラムを聴いてみてください。
このドラムを聴くだけで、映画鑑賞料を払う価値があると思います。







2015年6月21日日曜日

銀座伊東屋新本店が私の上京に合わせてグランドオープン

1904年(明治37)開業、111年の伝統の老舗「伊東屋」
レッドクリップで有名なビルまるごと文具の専門店です。
ビルまるごと文具店だから、私にとっての最高のテーマパークです。
ディズニーランドどころではありません。
出張の合間に、年に数回訪問しています。

その伊東屋がビルを建て替えてグランドオープンしました。
それも私の東京出張の日にわざわざ合わせて。
それなら行かなければなりませんね。
と言うことで、日調連総会の帰りに立ち寄ってみました。




今度は12階建です。レッドクリップは健在でした。
1階から8階までが通常店舗で全部文具です。
嬉しいですね。
これくらい大きい店だから売り場に余裕があります。
売れ筋を揃える大型店の性格とセレクトショップの性格を併せた店舗になっています。
日本で流通している大抵の文具は知っているはずですが、伊東屋で初めて本物を見ることがあります。リニューアルしたので今回も楽しみでした。



7階には、紙の専門商社竹尾とのコラボによる紙の専門フロアがオープンしていました。
様々な紙質と様々な色の紙がディスプレイされています。
最高です。「紙フェチ」の私にはたまらない世界です。
ペーパー・コンシェルジュがいて、相談できるそうです。
ペーパー・コンシェルジュって職業があるんですね。
大きくなったらペーパーコンシェルジュに成りたいと思いました。



これ、ブラックボードの地球儀です。
書いたり消したりできるのでしょうから、自分で地図を書き込んだりするのでしょう。
家族や職場の仲間へのメッセージボードとして使ってもオシャレかも知れませんね。
世界征服をする際に、進捗を一つ一つ書き込むのも一興かと思います。
こんな商品は、他の店にはなかなか置いていませんね。


これ凄いですよ。マイクロ・ラゲッジ。
乗れるスーツケース。
この写真の向こう側に見える折りたたみできるボード部分に乗れちゃうのです。
キックボードのマイクロ・モビリティ社とスーツケースのサムソナイト社の共同開発。荷物を持ち運ぶ際に一緒に自分まで移動できてしまうという画期的なキックボード付きスーツケースです。
かなり触手が伸びたのですが、乗っている自分の姿を想像して今回は自粛。(帰ってから少し後悔)


11階に何故かFARMがあります。
銀座で地産地消だそうです。
水耕栽培の野菜で、12階のCAFEで提供しているとのこと。
まあ12階では珈琲しか注文しなかったけれどね。

さて4階では、オリジナルのノートを購入することができます。
好きな表紙と中紙の組み合わせを選び、簡易製本もしくはリングノートを作ってくれます。中紙は罫線や色等様々なバリエーションがあり、その中から60枚の中紙を選び、簡易製本かリングを選び、素材の違いもある表紙を選びノートを指定します。
5分程で完成します。


とりあえず、表紙は表裏とも薄い光沢入りの白いリングノートを選びました。


中紙は全部方眼で、色違いの3種類を20枚ずつにしました。
この方眼は正確な直線ではなく味のある方眼です。

マイクロ・ラゲッジに後ろ髪を引かれながらも、今回は現実的にこの900円のノートで満足しました。




2015年6月19日金曜日

日調連総会選挙の結果について

先日のブログ「日調連総会と正副会長選挙について」を総会の当日朝に書きました。
結果が出てから書くと何らかの誤解をされると困るからでした。

さてその結果はどうだったでしょうか。
まだ知らない方もいるかも知れませんね。

<会長>
林   千年(岐阜会)

<副会長>   
岡田潤一郎(愛媛会)
加賀谷朋彦(栃木会)
菅原 唯夫(岩手会)
海野 敦郎(神奈川会)


以上のとおりの結果でした。
選挙ですので、勝敗がありました。
いろいろ思うところが有る方もいるでしょう。
ただし、ここは我々の代表を選んだのですから、今後はノーサイドで全国一丸となって応援したいと思います。

さて、私が6年前に宮城会会長に就任した総会後の懇親会でこんな趣旨の挨拶を致しました。懇親会出席会員の中で覚えている方もいると思います。


「本日は会長に選んで戴いてありがとうございます。

さて、確かに私は手を上げました。でも、選んじゃったのは皆さんです(笑)。

私は、任期2年間、手を上げた責任で全力で頑張る義務があります。

皆さんも、2年間、選んだ責任で全力で応援する義務があります。

そして、2年間応援しても、私がダメだと思ったら、次の総会で全力で下ろす権利も義務もあります。

そんな本気の宮城会にしたいと考えています。」


思い出すと凄いですね。
居直りですね(笑)

でも前から感じていました。
私達は趣味のクラブ活動のお世話役を選んでいるのではありません。
一生の生活をかけている所属業界のトップを選んでいるのです。
護送船団方式はとっくに過去のものになっています。
「船頭が誰であってもまっすぐ船が進む時代」では無くなっています。

会長と会員の関係はもっともっと本気のものだと思っています。


今回の日調連の選挙も、「誰が勝ったか」ではなく、これで「土地家屋調査士業界が勝てるようになったのか」が問われるのです。

とりあえず全国が一丸となって、2年間全力で応援しましょう。
そして選ばれた役員は全力で頑張って欲しいと願っています。
2年後、会員が別の義務を行使しなくて済むように。



















2015年6月16日火曜日

日調連総会と正副会長選挙について

私達の制度を語る代表が日本土地家屋調査士会連合会の会長や副会長、そして理事です。その大事な役割がいつ誰によって決められるのでしょうか。
土地家屋調査士の皆さん、ご存じですか。

選挙に関心が無く、決まってから首相や知事や市長に文句を言っても仕方ありません。同じく私達の制度、私達の事務所に直結する日本土地家屋調査士会連合会の動きに関心を持たない会員が多いのは、本当に問題だと思っています。

さて日付が変わって今日6月16日になりました。
今日と明日に開催される連合会の総会で会長、副会長が決まります。

会長は2人立候補しています。副会長は4人定員のところ5人立候補しています。
どちらも選挙になります。
連合会のHPに各候補者の所信表明が掲載されています。
皆さんは読んだでしょうか。
誰の所信表明に納得しましたか。
その内容に疑問は持たなかったでしょうか。

選挙は直接選挙では無く、代議員制で間接選挙になっています。
各会の会員数により、各会に代議員数が割り当てられています。

ですから各会会員の皆さんの代表で票を入れるのが代議員です。
皆さんの代議員は誰に投票するのでしょうか。
そしてその人に投票するのは何故でしょうか。
ご存じですか。

聞いて良いんですよ。
聞く権利と答える義務がありますから。
代議員制とはその人個人の好みで投票するのではなく、皆さんの総意で投票するのですから。

その答えが「自分のブロックから立候補しているから」程度の答えなら、次はその代議員を辞めさせてください。もうブロック対抗戦のような選挙をしている間は、私達の未来はありません。昔はそれでも何とかなった時代もあります。でもそれはもう有りません。

候補者の所信表明を読んでいるだけなら、理解できないこともあるでしょう。
できたら一般会員が見ることができるところで公開討論会でもやって欲しいと思います。
候補者は嫌がると思いますが、その能力がない候補者なら他の業界との議論もできないでしょう。

連合会の理事の選出も各ブロック推薦で決まります。
どのような推薦過程を経ているのか、各ブロックで異なるようです。
意識を持ってください。
私は何年もこのような昭和の選挙のような改選方法ではダメだと訴えてきました。やっと前回の全国会長会議では、ほぼ会長全員の要望として連合会に提出しています。
連合会は検討すると約束しました。
しかし、方法が変わっても会員の意識が変わらなければ意味が有りません。

よろしければ今年1月29日のブログ「「役員をやれる人」って誰?」も読んでみてください。

今日の総会が良い会議になり、選出された役員が良い未来を語ってくれることを願っています。








2015年6月14日日曜日

楽章間の拍手について〜ライプツィヒ弦楽四重奏団演奏会にて

東日本大震災以来、被災地のために現地に来て演奏をしようとする演奏家は、先日紹介したイヴリー・ギトリスなど、本当にたくさんいます。多くの演奏会が開催されました。ありがたいことです。

ライプツィヒ弦楽四重奏団も毎年被災地で復興支援音楽会を開催してくれています。
先週も仙台で演奏会が開かれました。



ライプツィヒ弦楽四重奏団は、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団の首席奏者たちが結成した弦楽四重奏団であり、現在のメンバーは以下のとおりです。
シュテファン・アルツベルガー、ティルマン・ビュニング、イーヴォ・バウアー、マティアス・モースドルフです。今回は第一ヴァイオリンのシュテファン・アルツベルガーが来日できず、コンラド・ムックに変更になりましたが、さすがに素晴らしい演奏で、美しい響きでした。良い演奏会だったと思います。

この演奏会で、一曲目のモーツアルト17番「狩」の第一楽章直後に拍手が起こりました。そして第二、第三楽章の後にも拍手が起こりました。
次の楽章に入ろうとしている彼らはイライラしているようでした。チェロのモースドルフは、手を振って拍手を止めようとまでしました。

楽章間の拍手は演奏会ではよくある問題です。
そしてこの話題、書くと嫌われたり批判されたりしそうな話題です。
しかし、これからクラシック音楽を楽しむ後輩の為にもあえて書きます。

基本的に楽章の間には拍手をしないのが基本です。
礼儀ではありません。基本と思っています。
楽章と楽章の間はそのまま音楽の一部です。
前の楽章の余韻を感じるように間をおいてゆっくりと次の楽章に入ったり、ほぼ間を空けずにすぐに次の楽章に入ったり、この間も音楽の一部です。ですからそこを拍手で止められたら、極端に言えば、音楽にならなくなります。

オペラのアリアなどはその度に拍手が起きます。
それは良いでしょう。そのようにできています。
でも交響曲や今回の弦楽四重奏曲などの楽章間はそれとは違います。

プロの音楽家の中でもそこを寛容に語る人もいます。
ルールを知らないのに拍手が自然と出たのだから、聴衆は感動したはずです。ですから、拍手をもらって悪い気はしないでしょうし、ヨーロッパでも楽章間の拍手はよく有る話と聞きます。
でもそれが音楽家の本当に心からの発言なのでしょうか。それともプロとして諦めての発言なのでしょうか。

「そんな面倒なことを書くと、クラシックの演奏会に初心者が行かなくなるかも」という人もいるかも知れません。
私はそうは思いません。
あらゆるジャンルにこのような心得はあるはずです。
サッカーを観に行くとき、大相撲を観に行くとき、ラーメン屋に行くにもルールのある店があるでしょう。
行くのなら、そこの文化やルールを尊重すべきです。
誰かが、そのジャンルの楽しみを伝えて、そしてほんの少しだけのルールを事前に教えれば良いだけです。できれば最初は連れて行ってあげれば良いですね。
初心者は周りの人の空気を読んで一緒に行動すれば、それだけで十分楽しめるはずです。

ただし逆に作法を知っているのかも知れないけれど、終わった瞬間ブラボーを叫び続ける空気読まない人や、楽章間のわざとらしい咳払い、アンコールの際のおきまりの手拍手などは逆に興ざめだとも感じています。

今回の演奏会では休憩の後で「次のシューマン弦楽四重奏曲第3番は全部で30分程の曲です。全部終わってから拍手をお願いします」とアナウンスが入りました。
珍しいことでしたが、会場に笑いが起こり、それだけで解決しました。
私はクラシックコンサートの冒頭に「携帯の電源を切るように」とか「会場内の飲食をしないように」などのアナウンスと一緒に、このようなアナウンスをしても構わないと思います。

もちろん、このコンサートは良かったですよ。
そこだけは再度強調しておきます。





2015年6月12日金曜日

時間が無いというあなたに(続き)

前回のブログ「時間が無いというあなたに」を書いてから、いろいろ感想を戴いています。皆さんも時間管理はご苦労されているんだろうなって感じました。

コメントに返事も兼ねて、もう少し書きます。
まず皆さんの感想の中で一番多かったコメントが「ぼーっとする時間」についてでした。
皆さん、ぼーっとする時間の重要性を感じています。
私もとても重要だと思っています。
そして自分で認識しなければならないのは、「ぼーっとする時間」を大切だと意識している人達は私も含めて間違いなく忙しい人です。

ライフスタイルは人それぞれです。
だから「こうしましょう」と提案するつもりはありません。
「やりたいことが有るのに時間が無い」と嘆いている後輩の為に、それならこんな方法もありますよと書いてみました。

時間を作る工夫は、まだ有ると思います。
意識して「ぼーっとする時間」を造り、納得して「頭を空に」しましょう。


半日に何回かの、しかも「何となく過ぎ去った時間」で、本当にリフレッシュできるでしょうか。私は15分をコントロールして、より「ぼーっとする時間」を造る方法を提案しています。

「気分転換なら「ぼーっとする時間」が一番だよ」っておっしゃるでしょう。「そんなに集中ばかりしていたら、かえって頭が回らなくなる」とおっしゃる方も多いでしょう。
「精神的に張り詰めた生活をしているから、緊張から緩和への切り替えが必要だよ」ともおっしゃるでしょうね。
私も同意します。

ただし、その時間さえ取れないから困っている人達がいる訳で、そういう人に向けて別の提案をしています。

私が比較的時間の無い中で勉強していた頃の私のノウハウを書いてみます。
資格のために法律の勉強をしていた頃の話しです。
気分転換にスポーツなどで外出したら戻って来たくなくなります。
私は机に座ったままで気分転換になる方法を採用していました。

例えば、法律の気分転換に英会話などのまったく違う分野の勉強をするのです。
黙っている勉強と声を出す勉強と、義務の匂いがする勉強と望んでやる勉強と、まったく違う分野の勉強なら確実に気分転換になります。

効率よく学んでノルマを終えてから、気分転換程度ではなく、しっかりスポーツに行けば良いでしょう。
気分転換の位置づけでは、スポーツすることに罪悪感がつきまといますから。


時間を気にする人にとって比較的共通の敵はテレビであることが多いようです。
流しっぱなしでテレビを見ていて「何も面白くなかったけれど、もうこんな時間か」ってこと多くありませんか。
私は流しっぱなしでテレビを見ることは、今は無くなりました。
生で見るとすればニュースぐらいで、それ以外はすべて録画を見ています。それも情報番組なら1.5~2倍速ぐらいで。

流しっぱなしで見ていることで、良い番組との思わぬ出会いもあるでしょう。
でも時間が無いと嘆いている人なら、その偶然のメリットよりもディメリットの方が大きいと思います。

私は夜のつまらないバラエティ番組を見て後悔するくらいならと思い、時間をやり繰りして映画館でレイトショーに行きます。
もちろん映画がバラエティ番組より高尚だなんて言いません。
ただ映画は能動的な動きをしないと見ることができないものです。
映画の内容がやはりつまらないものだったとしても、少なくても時間の使い方は納得した上のものです。


この話題、もう少し書きます。


写真は単なるイメージです。今日もドヤしている訳ではありません。




2015年6月11日木曜日

時間が無いというあなたに

先日土地家屋調査士の新人に会いました。
彼の調査士人生にとって、とても大切なことがあるけれど、それに割く時間が無くてなかなかできないということでした。

おそらく時間が無いのではなくて、漠然と「とても大切なこと」と思っているだけで、本当に「人生にとって大切だ」という切迫感が無いのでしょう。
切迫感があるほど大切なら、時間は捻出できるはずです。

たとえばまったく仕事も無い人なら時間が有り余っているのでしょうか。
そんなこと無いと思います。
それでも、やはり「時間が無い」と思うでしょうね。
さすがに世間に「時間が無い」とは言いづらいと思いますが。

そうなんです。
今の時代、世の中にはやってみたいことがたくさん有って、今の日本ではやればやれる可能性が有るから、世間的に時間が有りそうに見える人でも「時間が無い」と言うのです。
だからやることの取捨選択をして、自分で思っていない無駄な時間の使い方をしないように工夫したいものです。

とくに私達のような自営業者は、自らの時間コントロールがとても大切です。
時間にルーズでも怒る上司がいないからです。
逆にどうしても公私の区切りが難しいものです。
だから365日24時間の中で時間を考えれば良いのです。

時間コントロールはいろいろなノウハウがあるけれど、まずは自分の時間の使い方の再検討をお勧めします。
「1日のうちに自由になる時間は1時間も無い」と言うその新人に勧めたのが「15分ごとに区切った24時間の日記を1週間書いてみましょう」というものです。
おそらく書きたくても思い出せない15分がたくさん有ると思います。
たとえば14時から14時30分まで打合せがあって、14時45分に帰って、15時に時間指定された電話をかけたとします。さて14時45分から15時まで何をしていたか思い出せますか。
その15分を思い出せるような生活をするようにお勧めしました。
1日のうちに散らばっている15分を4つ見つけて1箇所に集めると1時間が捻出できます。

これ、やってみると分かります。
おそらく1日から2時間程度の時間を捻出できる可能性があるでしょう。

「無駄な時間が人生にとって重要なんだ。息抜きの無い生活は病気になる」という意見もあるでしょう。私は息抜きを否定しているのではないのです。私も息抜きは必要と思っています。
「この15分は、外から帰ったから気分転換にお茶を飲んで落ち着くために使う」と決めて過ごすなら当然良いのです。結局何してたか思い出せない15分とは意味が違います。
「意図的にぼーっとする」のは良いけれど、「結果的にぼーっとして」時間が過ぎないようにしたいという事だけです。

時間については2012年5月10日の会長ブログ「細切れの時間を集める」でも、同じテーマで書いています。
時間コントロールは自分の中でも大きなテーマですから。


写真は単なるイメージです。決してドヤしている訳ではありません。




2015年6月9日火曜日

勉強するときの喫茶店は

「仙台で、本を読む時あるいは勉強をする時は、どこの喫茶店がおすすめですか?」という質問を戴きました。

この質問難しいです。
「自家焙煎の深煎りの珈琲ならどの喫茶店がお勧めですか?」
「ケーキも美味しい喫茶店は?」
などの質問なら、それなりに答えることができるでしょうが、これは難しいです。

勉強や読書するときの喫茶店ですか。
その人の性格や勉強の内容によるでしょうね。
そもそも喫茶店が良いのか、図書館ではだめなのか。
静かなところが良いのか、テーブルはどれだけのスペースがいるのか、どれくらいの時間居座るつもりなのか、煙草は必要なのか、禁煙限定なのか。

私の個人的な勉強や読書や執筆は、やはり喫茶店が良いです。
静かなところで集中したいという人と私は違います。
私、静かすぎるのはダメです。静かだと気が散ります。おかしいですか?
また静かなところは他のお客さんに気を遣います。

事務所や自宅でもダメです。
事務所で、たくさんの仕事や文具(玩具とも言う)などが見えるところでは集中できません。

テーブルは広い方が良いように思えますが、広いと余計なものまで並べたくなるので、小さなテーブルで本またはコンピュータとノートが一冊置いて、集中できる広さが良いですね。
ですから、私にとってのベストはスタバ(スターバックス・カフェ)です。
あの店の客はザワザワしていて他人のことはまったく気にしていません。
何気なく聞こえる隣の席での会話なんか、もの凄い話しを平気でしていることもありますから。
他の店では嫌われるコンピュータを取り出してキーボードを叩いても問題ないし。
そもそもコンピュータ前提の電源がある席もあるし。


混んでいても、帰らなければならないプレッシャーは受けないし。
ブレンドコーヒーなら当日おかわり108円だから、2杯目を頼めば堂々と長居できるでしょ。
おかわりは当日なら別の店でも可能なので、90分程勉強してから気分を変えるために別の店まで歩いて、108円出してまた90分など続けることも良くあります。

終日禁煙も私は嬉しいです。
ドトールは分煙なんですが、分煙って結構煙が流れてくるんですよね。
あれが気にならないとしたら、あそこの分煙は喫煙者の設計だと思っています。

えっ「自家焙煎の深煎りの珈琲ならどの喫茶店がお勧めですか?」も聞くの?
これは教えません。自分一人で楽しみます。



2015年6月8日月曜日

夢を売る男 百田尚樹

夢を売る男 百田尚樹 著 を読みました。



今や「表現を受けたい人」よりも「表現を発したい人」の方が多いという世の中。
そうこの本の著者百田尚樹は言います。
そして多くの人には書物を出版したい欲望があるとも言います。

この本には、そのような出版を夢見る人々が出てきます。
自分にはスティーブ・ジョブズと同様の才能と未来があると根拠のない自信をもつフリーター、他のママ友とは違うという自慢の教育論を発表したい主婦、自分の波乱に満ちた生涯をまとめた自伝を書きたい団塊世代の元私大教授など。この人物造形が秀逸です。

そんな本を出したい人たちを食い物にするビジネスが、この本の丸栄出版のジョイントプレス。ジョイントプレスとは、自費出版とは違い、出版社と筆者が資金を出しあって出版する事業と説明しています。
この本では、上手いことを言って著者をその気にさせて結局著者だけに大金を出させることで成り立つビジネスで、出版社側として本は印刷するが最初から売るつもりは無いというビジネスです。

この詐欺まがいのビジネスの中心にいる丸栄出版の編集者が牛河原勘治であり、本書の主人公です。嫌なビジネスをしている中心人物なのですが、とても魅力的な人物です。彼のお客になる著者達へのトークは実に見事で、その説得力に引き込まれます。
「著者は本を出版するという夢を買っているのだ」というのが彼の信念で、少なくてもこの本では、騙されたはずの著者達は被害者として自覚が無く、最後まで夢を見続けています。誰も傷ついていません。
牛河原は後輩に、出版業界と著者の関係やその裏側を説明しながら、ビジネスを説明します。読んでいて、このビジネスもそれほど悪くないのかもと、牛河原に私も騙されます。

丸栄出版の事業を真似した競合出版社が現れたとき、牛河原の対応に彼の信念が見られます。ほぼ同じに見えるビジネスですが、やって良いこと悪いことの線引きを牛河原は後輩に説明します。おやおや私、またしても騙されそうです。
最後まで詐欺ビジネスで終わる本かと思っていると、最後にちょっと良いエピソードで締めています。もう牛河原のファンになりました。

一度でも本を書こうかと思った人、本までは書かなくてもブログを書いている人は是非読んでみてください。牛河原の言葉では日本語を書ける人なら全員だと言っていますから、皆さん読んでみてください。読んでズキッとします。そして無類に面白いです。

私は読んでみて「とんでもない本が出た」と思いました。
私も6年弱このブログを書いていて、先日会長ブログを終えたはずなのに、まだブログを続けています。
そして書籍出版を過去2冊出し、毎年加除式の書籍の原稿を書いてもいます。何と3冊目の本も書いていますし。
私はこれらは後輩のため書いたと自分で信じていたけれど、本当は自分で書きたかっただけなのか、何か表現したかっただけなのか。
私ごときの駄文が、これ以上何か世間に発して良いのだろうか、牛河原のセリフにはいろいろ考えさせられました。

いや、考えただけです。
だって、この書評をまだブログで表現していますし。





2015年6月4日木曜日

トップダウンと ボトムアップと デファクトスタンダード

私は自分のことを比較的保守的な人間だと思っています。
ただし、以前から書いているように、私の考える保守はその場にしがみついて動かないことではありません。
世の中は急速に変化をしています。だからただ留まろうと思うだけでは流されてしまいます。言い換えれば「座して死を待つ」ことになると考えています。時代の流れを敏感に察知して、その流れに沿って、またはその流れを越えて精一杯動き続けるからこそ、その位置を保持できると信じています。
ですから皆で動かなければなりません。そう信じて会長を務めてきました。

でも組織にはいろいろな人がいます。
皆で揃って動くことは、なかなか難しいことです。
そんな組織を動かす方法として3つの方法があると思っています。そして私はそれぞれを実行してきました。

トップダウン(Top-down)

組織のトップから法律や規則等により伝達、指示、指導することにより、組織の構成員を動かしていく方法です。規則等を使うので、変化の効果は早く出るけれど、それだけでは必ず落ちこぼれや反発者が出ます。構成員の末端の部分まで気遣いをしながら浸透させる努力が必要です。


ボトムアップ(Bottom-up)

トップダウンで声が届かない層まで動かすために、むしろ組織の下層に着目して、その下層にいる構成員を指導してその意識を変えて、それらの構成員が伸びていくことにより組織全体を変化させる方法です。
組織全体の変化は意識の変わった構成員が成長することを待たなければならず、また組織の方向性が曲がったりすると、この構成員達が伸びる前に潰される虞もあります。ボトムアップは組織が正常に伸びている前提ですので、組織全体に目を配らなければなりません。


デファクトスタンダード(De Factoーstandard)

規則や教育でも、まったく動かない人達がいる場合、ある程度の人数で業務などの「事実上の標準」を作ってしまうことです。
例えば「測量は公共座標で」「調査報告書は書きましょう」「納品はこうしましょう」等々を指導しても、「その手間賃は誰からもらうんだ?」と言い始める人が必ずいます。お客様の為でもなく、業界の将来の為でもなく、今自分が面倒なだけで発言する人です。
でも周りのグループで明らかに違う成果を納品始めれば、それが業界の事実上の標準となり、お客様が(市場が)そのような成果を求めるようになります。
規則には従わない人も市場には従うようになります。
これは意外と効果が出ます。


これらの3つの方法は、単独で動かすのではなく、3つを組み合わせた相乗効果が有効です。
私にとってトップダウンは、昔は日調連理事として、近年は宮城会会長としてやってきたことです。
ボトムアップは、個人でライフワークのようにやってきた新人教育などです。
そして、宮城青調会で意識的にやってきたのが、デファクトスタンダードを作ることでした。
私達の当時の測量図(いわゆる確定図)は周りの人達より手間をかけて描き込んだ図面でした。今でこそ当たり前に普及した境界確定図ですが、CADの無い頃でしたからとても面倒でした。おそらく規則でこのような図面を描きなさいと決めても、それだけでは普及は無理だったでしょう。しかし、情報量が多くてきれいな図面はお客様が選びます。お客様が求めるようになれば、結局皆描き始めます。
これがデファクトスタンダードにより、宮城の図面水準を上げた効果です。


保守とは動かないことではなく、むしろ積極的にアンテナを張って考えて動くことです。
土地家屋調査士がどんな世の中になっても土地家屋調査士でいるために、皆でもう一度考えて動いてみましょう。





2015年6月3日水曜日

伊達な地図づくり in 宮城が開催されました

開催側も慣れてきて、昨年よりもパワーアップされたイベントでした。



昨年に引き続き、看板娘のさっちゃんと、彼女を守るおじさん達が会場入り口で待っています。
このお土産紙袋には、とても美味しいお米が入っています。
「身内の調査士にはあげない!」と言うことだったので、変装して入れば良かったと思いました。



GNSSやトータルステーションなどの測量機器の展示もしています。
お子さん達が望遠鏡を覗いたりフォーカスを合わせたりして、大変喜んでくれました。
「大きくなったら土地家屋調査士になりたい」
きっと、心に誓ったと思います。




宮城県土地家屋調査士会で一番の写真家である菅原会員です。
連合会の写真展にも入賞される方です。
高そうなカメラを抱えているところを、私の携帯カメラで撮影したものです。

その後ろでは「土地境界」の無料相談会を開催されていました。
他にも仙台法務局職員による「人権」の相談や、司法書士と土地家屋調査士による「相続」などの困りごと相談コーナーも開催されていました。




昨年に引き続き落語もアトラクションに入れています。
今年は柳家甚語楼師匠にお願いしました。
「牛ほめ」などの演目でお客様には好評でした。




今年は更にパワーアップしたジオラマです。
ビルも一般住宅も農地もあります。
様々な土地の場面での境界標の入り方を説明しています。
若手理事の手作りです。
電車も走っています。
気合いが入っています。
おそらく当初の目的を見失っているような気がします。




星埜由尚氏の講演「伊能忠敬の奥羽測量と伊能地図」に合わせて、伊能図の展示説明です。初めて伊能図を見たお客様がその正確性に感嘆なさっていました。




仙台法務局の復興事業「登記所地図の修正作業」についての展示です。
大規模被災地において、地図にどれだけの移動やゆがみが出たのか、そしてそれをどのように修正しているかの説明です。もちろん宮城の土地家屋調査士が力を合わせて作業をしている事業です。



木村浩二氏の講演「城下町仙台と城下絵図」も好評でした。
私達の住んでいる仙台の昔の地図と現在を重ねながらの解説です。
聴講していたら、城下絵図を持ってブラタモリ仙台版をやりたくなりました。


他にも「見て、歩いてキョリ当てゲーム」が開催されました。
お子さん達も楽しめる「歩測」のゲームです。

充実したイベントだったと思います。
来年も楽しみです。




2015年6月2日火曜日

オーヴォ シルク・ド・ソレイユ

全国で大評判の「オーヴォ」行ってきました。
仙台公演は全国ツアーので最後とのこと。


2010年の「コルテオ」も感激しましたが、今回も期待以上の素晴らしさでした。
シルク・ド・ソレイユは、1984年に誕生したカナダの大道芸から始まった小さなサーカスでした。今や世界を魅了する5000名のスタッフを抱える集団になりました。

シルク・ド・ソレイユのショーは、サーカスを単なる個々の肉体パフォーマンスから芸術に昇華させた素晴らしいものです。
サーカス全体を一つのストーリーに仕上げ、美しさにこだわった最高のパフォーマンスと
生演奏、照明、舞台美術、衣装、振付すべてに最高水準のこだわりを見せてくれます。
どれも素晴らしいのですが、特に音楽が素晴らしかったことが印象に残りました。

「オーヴォ」は卵のこと。
今回は、草木の下の生き物たちの世界。
様々な虫たちに扮した素晴らしいパフォーマンスが繰り広げられます。

さなぎから蝶へ羽化する演目「バタフライ」の息を呑む美しさ。
見事な一糸乱れぬ集団演技の演目「アンツ」の正確さ。
空中ブランコを芸術に高めた演目「フライング・アクト」の緊張感。
蜘蛛の巣の中で蜘蛛が踊る演目「ウェブ」の妖艶さ。
壁のセットを効果的に使ったトランポリン演目「ウォール」のスピード感。
などなど。

生の肉体のパフォーマンスの美しさに見とれ、間の狂言回しに笑い、スリルとスピードに感動した2時間でした。

6月7日までとのこと。
もう時間は有りませんが、機会があったら見て欲しいです。
本当に老若男女誰にでも楽しい舞台です。

サーカスの世界は勝ち組と負け組に分かれました。
自分が既に持っている技術だけにこだわって世界の潮流を見失ったサーカス団は消えていきます。
どこかの業界にも見て考えて欲しいと思いました。



2015年6月1日月曜日

個人ブログとして再開します

お陰様で5月22日の総会で3期6年の会長を無事に退任させて戴き、同時に6年弱書いておりました「宮城県土地家屋調査士会の会長ブログ」を終えました。

本日久しぶりに、この会長ブログを始めた2010年の9月30日のブログを読んでみました。




「ブログ開設しました」
土地家屋調査士を開業して28年、また今年の5月の総会で宮城県土地家屋調査士会の会長に就任して 4ヶ月が過ぎました。

私が、土地家屋調査士として制度や業務について何を悩んできて今何を考えているいるのか、宮城県土地家屋調査士会の会務を、何を考えて執行しているかについて、会員の皆さんにお伝えしたくてこのブログを始めました。

会長になってみて、意外と会員の皆さんにいろいろな考えをお伝えする場面が少ないことに気がつきました。
どうも決まったことだけ通知文を発行するというのは、その決まった背景がわかりづらく、方向性が不明ということになりがちです。
成果がすぐに出ないかも知れないけれど、この方向で頑張っているということをお伝えすることが 大切だと思っています。

これらのことは調査士会のホームページ内で書くことも考えたのですが、会務報告だけでなく、プライベートな活動を通して日々感じたこともお知らせしたいと考えていますので、このブログというスタイルを取らせて戴こうかと考えました。

基本的に宮城県土地家屋調査士会会員の皆さん向けのブログのつもりですが、宮城会会員以外の方が閲覧できないような設定まではしておりません。

お伝えしたいことが有ったときに更新するというブログになると思いますので、気長にお付き合いください。





確かにこんな思いで会長ブログを始めました。
当時のブログは今より少し短めだったのですね。

宮城会会長を退任して、このブログをどうしようかと考えておりましたところ、「ブログは続けるように」とのご連絡をたくさん頂戴致しました。
とてもありがたいことです。
誰かが読んでくれるなら、そしてちょっとだけ誰かの役に立てると言うのなら、その人達のために書き続けようかと思いました。

そこで新しいブログの形式を考えてみました。
どちらにしても会長の立場を離れて個人の立場で書くのですから、文具専門ブログとか、土地家屋調査士の後輩達へのメッセージ専門ブログ等の複数のブログにして、それぞれキャラを変える方法も考えてみました。そして、この1週間、意図的に個人ブログを意識して、いくつか書いてみましたが、どうも自分でしっくりしません。
おそらく今までの形式に私の感覚が慣れてしまったのかも知れません。

以前会長ブログを書き始めたのは、上記のように会長としてメッセージを発信したかったからです。そういう意味では間違いなく公的なブログのつもりでした。
しかし書いていた内容は、結局私個人のキャラで全部正直に書いてきたものです。

ですから私自身が変わる訳ではないので、結局このブログは「会長ブログ」のタイトルだけ変えて、URLもブログ形式もそのまま継続することにしました。
文具、書籍、映画、スポーツなどの記事は最初から個人の立場です。
土地家屋調査士制度についても個人の立場で書いても意見が変わるはずはありません。ただ今までのテイストと変わるのか、それとも変わりないのか、自分でもそのニュアンスは分かりません。

結局何も代わり映えしないブログになりそうですが、今後ともよろしくお願い致します。