「土地家屋調査士事務所の開業資金はいくらかかるのか」
これは私の鈴木修塾の中で本当によく聞かれる質問ですが、答えはひと言で言えば 「その人による」 です。
SNSでは「500万円」「700万円」といった数字が飛び交っています。
もちろん、それが“間違い”だとは言いません。
ただ、それはあくまでその人の感覚であって、全員に当てはまるわけではありません。
若くて修行の時間をしっかり取れる方(ただし、これから家族にお金がかかる方)と、定年前後で早く結果を出さなければいけない方(ただし、子育ては終わっている方)では、土地家屋調査士という新しい職業に向き合う姿勢も、必要な準備もまったく違います。
今までの経歴やスキルや年齢によって、狙うべき業務の方向性も違えば、必要な利益も違う。
そして、どこまでリスクを取れるかも人それぞれです。
だからこそ、自己分析をしなければ事務所の経営方針は決まりません。
経営方針が決まらなければ、かけるべき経費も決まりません。
それなのに、誰が書いたか分からないSNSの情報を鵜呑みにして、一律に開業を考えるのは本当に危険です。
私は、どなたでもそんなにお金をかけなくても十分開業できると指導しています。
実際に私の指導した人は、開業資金として数十万円で始めて、今もそこそこの収入を得ながら開業十数年になっています。
ここで、実際にあった新人の話を紹介します。
試験に合格したことで、親御さんが700万円を出資してくれることになった方がいました。
そして、そのほぼ全額で当時最先端のトータルステーションやその他の設備を買うと言うのです。
私は心配になり、「独立して仕事のあてはあるのか、お金が有るというなら生活費に残しておいた方が良い」とお話ししました。
すると彼は「持っていないと仕事が来ない」と答えました。
そんなはずはないのですが、結局私の話は聞かず、合格と出資の勢いのまま購入してしまいました。
順調にいけばよかったのですが、2年後、
「2回しか使っていないトータルステーションがあるのですが、誰か買ってくれませんか」
という話が回ってきました。
その方は今、調査士をやっていません。
もしかすると、こういう方がSNSで「調査士は食えない」とぼやいているのかもしれません。
調査士の資格自体は悪くありません。
むしろ、相当将来性があります。
私の周りを見れば、満足に近い状態で仕事をしている方が多いです。
一番の問題は、個人事務所であっても、それは「経営」であるということ。
ここを理解していない方が本当に多いのです。
「真面目にやっていれば給料が入る」
これはサラリーマンの考え方です。
土地家屋調査士として真面目に研鑽を重ね、真面目に業務をこなすだけではなく、
真面目に“経営”もしなければいけないのです。
せめて最低限の経営や経理の勉強はしてほしいと強く思います。
実際、土地家屋調査士という資格は、他の資格業の中でも相当将来性があると私は考えています。もちろん、ちゃんと勉強すれば、ですが。
明日から、鈴木修塾の”事務所開業・経営・運営”の講義が始まります
今回の受講者も、実にさまざまな経歴を持っています。
私は、土地家屋調査士を目指したすべての方に幸せになってほしいと思っています。
そのためには、当然全員に同じ教育をするわけにはいきません。
だからこそ、少人数の合宿形式で、一人ひとりに合わせた方向性と課題を提示しています。
今回も、それぞれに違う未来図を描いてもらえるよう、全力で向き合っていきます。
