6月に福岡で開催するガイダンスに参加予定のYさんとお電話でお話ししました。
ガイダンスでは皆さんの個別の質問を受け付けております。6月のガイダンスまで待てない質問があればそれも電話等でお答えしています。
その中で、ぜひ皆さんにも共有しておきたい、大切なアドバイスがありましたので、ここでお伝えします。
Yさんは現在50代後半で、他業種で働きながら土地家屋調査士試験に挑戦されています。
将来を見据え、”一日でも早く業界に飛び込み、実務に慣れたい”という強い思いから、事務所への転職を真剣に検討されていました。
私は普段から、「独立開業を目指すのであれば一度は事務所に勤めて実務を学ぶべきだ」と伝えています。
なぜなら、試験勉強と実務に必要な知識の範囲と深さの間には想像以上の乖離があり、試験に合格できる知識だけでは現場の業務に対応できないからです。
そう聞くと、多くの方が「では、少しでも早く事務所に入った方がいいのでは」と考えます。
しかし、私はこれを一律に勧めることはしません。
土地家屋調査士として成功するためには、”資格試験の合格”と”実務・経営能力”の両方が必要であり、どちらを先に身につけるべきかは、その人の状況や環境によって変わるからです。
もしあなたが20代で、この道に迷いなく飛び込む覚悟があるなら、早くから修行に出るのは大いに意味があります。
しかし、Yさんのように異業種で安定した立場にある方は、少し立ち止まって考える必要があります。
今のYさんにとって、最優先すべきことは、まず試験に合格することです。
どれほど実務能力を磨いても、資格がなければスタートラインにすら立てません。
そして、ここが最も重要な点ですが、補助者は職業という点です。学校ではありません。
土地家屋調査士事務所で補助者として学べるのはあくまで実務であって、受験勉強の内容ではありません。
異業種から飛び込み、慣れない補助者の仕事を覚えるだけでも大きな負荷がかかります。
そのストレスを抱えながら帰宅後に受験勉強を続けるのは、今の仕事を続けながら勉強時間を確保するよりも、はるかに難易度が高いと考えられます。
もちろん、これも人によると思います。新しい環境でモチベーションが大幅に上がって受験に臨むことができるという人もいるかもしれません。あくまでも一般論です。
私は、初期段階では”実務の習得と受験勉強は完全に切り離して挑戦した方が合理的だ”と思っています。
試験に受かるための知識は、実務の現場ではなく、受験予備校などで集中的に学ぶ方が圧倒的に効率的です。
だからこそ、Yさんには「今の環境で最大限に時間を捻出し、まずは今年、さっさと合格してください。実務を学ぶのは、それからで十分間に合います」とお伝えしました。
年齢を理由に採用を断られるのではないかという不安もよく耳にしますが、これについては以前のブログで書いた通り、考え方次第でどうにでもなります。どのような事務所を築きたいのかというビジョンを明確にし、その戦略に合致する場所で実務を学べばいいのです。
いつもお話ししているように「10年他人より遅く始めたら、その分長生きすれば良いだけ」ですから。
もし、自分に合う事務所が見つからない場合や、現在の仕事を辞める前に修行を始めたい場合は、「鈴木修塾」で学ぶという選択肢もあります。
塾では受講者一人ひとりに丁寧にヒアリングを行い、その人に合った事務所像と、そこへ到達するための努力の方向性を提示できます。
6月のガイダンスでYさんと直接お会いしお話を伺えば、さらに深い回答ができると思います。
それまでの間、どうか受験勉強を一歩でも前に進めてください。
あなたの挑戦を、私は全力で応援しています。
