2019年5月29日水曜日

ファイルに入れたまま書き込める カキコ KAKIKO

業務上、長年大量の資料を処理しています。
資料は入手時からできるだけデータで入手できるようにし、処理もできるだけ電子的に行うようにしています。
業務歴38年は、データベース構築の歴史でもあります。今では、複数の有料クラウドサービスと契約して、全国どこでも業務ができようにしています。メインの業務はEvernoteを最大利用していることも、過去のブログで何度か書いております。

さて、そうは言っても、私の専門業務のすべてが電子的にできるわけではありません。
資料に書き込んだり創作したりすることは、iPad proとApple pencilで同じことができそうでも、業務上やはり紙でなければならない部分も多々あります。
外では特に紙資料に直接書き込みたいことも多いです。
今までは、クリアファイルに入れた資料を、取り出して書き込んでまた入れての作業も多かったです。

最近見つけたのがこのファイルです。
「カキコ」キングジム製品です。

先日のブログで「マグフラップ」を紹介したときに「A3版はないのか」という問合せを戴きました。
マグフラップのA3版は今のところ無いようですが、ある意味、このカキコが代替になる場面もあると思います。

開いてみましょうか。
普通のクリアファイルに見えますね。


表紙を開くと資料や名刺を挟む構造になっています。



名刺を入れてみましょうか。
こんな感じです。
ここまではよくあるクリアファイルと同じですね。

では普通のクリアファイルと何が違うかというと、紙を保管する構造が袋ではないのです。透明なので分かりにくいと思いますが、敢えて照明が映り込むように写真を撮っています。
上下にフラップが付いていますが分かるでしょうか。
その上下のフラップに紙を挟むのです。



上下を挟むだけですから、A4版だけでなく、A3版の紙も挟むことができます。



こんな感じです。
上下を挟むだけですから、紙のほとんどの部分は覆われていないので、そのまま書き込みができます。




 この書き込むができるところが、クリアファイルとは異なる部分です。

お客様のところにA4版もしくはA3版の資料等を持参して、書き込みながら打合せをするときなどが一番便利です。
もちろん永久保存版のためのファイルではないのですが、利用して業務が完了したら、資料を書き込みごとscanしてEvernoteに送りますので、私には問題ありません。

この製品は20ポケットと40ポケットの2種があります。

私は昔オーケストラや吹奏楽団に所属していました。
当時は、楽譜に指揮者の指示等を書き込むというニーズがとても多かったのです。
その頃は、譜面台の上のクリアファイルに入れた楽譜を取り出して書き込んでまた入れてを繰り返しておりました。あのときにこのファイルがあれば便利だったでしょうね。




2019年5月20日月曜日

マグフラップ キングジム

今日は、久々に文具の話題です。
文具のネタはかなり溜まっているのですが、文具は買ったもの自慢だけでは意味がないと思っています。
自分が、ビジネスの現場で本当に使い込んで、実感を持ってからでないと、私は紹介できないと思っています。
だから、このブログでその使い方が伝わらないと意味がないので、文章だけでなく写真も必要だし、できれば動画も必要とも思ったりするので、ちょっと書くのに時間がかかります。
といいながら、文具のリクエストが多いので、今日は文具の話を書くことにします。

今日はクリップボードの話です。
「マグフラップ」というクリップボードです。


色は4種類ありますが、私が選んだのはきれいな青です。


横から見たところです。
マグフラップは、アイディア溢れる文具を開発し続けるあのキングジムさんから出た製品です。ちなみに昨年の日本文具大賞を受賞しました。

私はかなり気に入っていますよ。

従来のクリップボードのクリップは、下の写真のように紙の上真ん中だけを止めるタイプがほとんどだったと思います。


これだと紙の左右が折れたり、外れやすくなったりします。

マグフラップは、下の写真の様にボードの上部の左右端まで続くクリップが付いていて、紙全部を挟みますので、紙をしっかりホールドし、なおかつ紙を破損から保護します。



またボードの下部にもマグネットフリップが付いています。
これで紙の上だけでなく、紙の下もしっかりとホールドします。



下の写真は、上下のクリップで紙を閉じたところです。



こうなるとボードの上下で紙をしっかりとホールドしますので、少々の風の中では紙がめくれたりしません。とっても良いです。
ちなみに下部のマグネットフリップは使わないとき、または紙の下まで文字があって邪魔になるときは、後ろ側に回して固定できます。

下の写真はボードの下部のマグネットフリップを背面に回して紙の下の部分をフリーにしたところです。分かりにくいかもしれませんが、上の写真と下の写真を比べて戴くと分かると思います。



このフリップボードで特に気に入っているのが、実は背面のもう一つのマグネットフリップです。以下の写真の裏面にある大きめのフリップです。



下の写真は、横から見たところです。紙をめくったときに、裏に廻した紙をマグネットフリップでホールドするのです。


下の写真は、めくった紙を裏面のマグネットフリップに挟んだところです。



今まで、めくった紙をボードを持った手の指で押さえたりしながら、結構不自由だったのに、何故この機構に今まで誰も気が付かなかったのでしょうか。

これは現場などで一度使ったら、従来のクリップボードにはもう戻れません。


クリップボードを使う機会のあるすべての人に勧めたい文具です。



2019年5月13日月曜日

土地家屋調査士事務所で勉強すること

先日試験合格者からの相談の中に、以下の希望を聞きました。

「実務経験が無いので土地家屋調査士事務所で勉強したい。すでに事務所は決まっている。半年ほど学んで独立したい」

あまりにも世の中を知らない発言だと思ったので、以下の助言をしました。


・事務所に入るということは、給料をもらって働くということです。その事務所の役に立つということです。何かを誰かに教えて欲しいだけなら、給料をもらうどころか授業料を払うべきものです。そこを勘違いしてはいけません。だから仕事をしっかりして、その上で教えてもらうという覚悟がなければなりません。

 まして、補助者募集をしている事務所は、忙しいから働く補助者を求めているのであり、受講者を求めているのではありません。また大きな事務所の場合、歯車の一つになるだけかも知れません。本当にその事務所が総合的に教えてくれると約束したのですか。単一作業だけ担当しても総合的な実力が付くとは思えません。

・その事務所の先生がしっかり教えてくれると約束したとしても、実務経験が無い方を半年で、しかも仕事の合間に教えて一人前の土地家屋調査士として独立させるということは、まず無理でしょう。あなたがどんなに優秀でも、私なら半年で教える自信は有りません。

 毎日休まずに半年間勉強して、毎日新しいことを1項目マスターできたとしても、半年なら182項目しか学べません。土地家屋調査士の業務はそんなに浅いものでは有りません。ちなみに私は38年間今でも毎日勉強を続けていますよ。

・逆の立場の雇う方からこの件を考えてみましょう。働いてもらうにしても、よほどの単純作業でない限り、業務の準備をして指示を伝えるのに結構な時間を取られるものです。その間に自分でやった方が早くて正確なものに決まっています。また一人雇えば、その人の分の机やコンピュータ、測量機器、自動車等々の設備等も増やす必要があるでしょう。

 では何故雇うのでしょうか。長く雇えば、その後にこれらの初期投資が回収できると思っているからです。だから雇う方から考えても、スポット的な単純作業以外では半年間の短期雇用は有り得ないのです。

・あなたはこれから働く事務所が決まっているとのことですが、その事務所の土地家屋調査士の先生に、半年後の独立計画の了解を得ていますか?双方理解が無いと半年後にトラブルになる可能性がありますよ。その事務所の先生は、地元の土地家屋調査士の先輩になる方です。円満退職しておかないと何かと困ることがあると思いますよ。

この補助者雇用に限らず、本当に大切なことを曖昧なままにして、他人と物事を始める人が多いですね。嫌なことや大事なことの話し合いを避けて、お互いに自分に都合の良いことだけ考えているのでは、先が見えています。
これくらいの話し合いや交渉ができなくては、将来あなたが独立して事務所経営することはとても難しいでしょう。


後日談)
彼は雇用してくれる土地家屋調査士とこの点をしっかりと話し合って勤め始めたそうです。良かったです。応援しています。





2019年5月6日月曜日

自分の仕事

元号が令和になり、日本国民がまた新たな時代に向かうという気分になりました。
この気分のリセットだけでも、改元は前向きに生きる切っ掛けになります。

この連休中も土地家屋調査士をめざす人や土地家屋調査士になった人から相談や報告を戴きました。皆、前向きだからこそ、悩むわけです。当然応援しますよ。

Nさんも開業する前から相談を受けていた方ですが、開業後も何度か連絡を取っていた方です。
この連休中にNさんから以下の相談が来ました。
参考になる方もいるでしょうから、令和最初の相談回答の一部を紹介します。

<Nさんからのメールの抜粋>
只今、お陰様で開業3年目です。
忙しくさせて頂いております。しかし休みなく仕事をしている割には貯金額が微々たるものです。
仕事の内訳は以下です。

①自分の名で受けた仕事・・・・・・50%
②先輩の下請け、お手伝い仕事・・・50%

真の独立といえるには①を100%に近い形でやることだと考えています。
②につきましては、まったく仕事がない時には助かるのですが、現状は自分の仕事を後回しにして行うこともあります。しかし、ご縁や繋がりも大切とも思う面もあります。

ただこのまま②が50%のまま土地家屋調査士としてやっていっても、豊かになれない気がしています。
最近、考えていますのは、以下です。

・②をほぼ0%にする。(正直、仕事や収入が減る不安がありますが、、、)
・空いた時間で将来①に繋がるための時間を過ごす。
(以下略)


以下電話で回答しました。

Nさんはまったく地縁も無いところで開業しましたね。
そこで3年目なのに自分の名で受けた仕事が50%も有ることは大したものです。
その上で先輩からのお手伝いの声がかかるだけでも地域に認められたのですから、その分も誉めたいと思います。
だから焦る必要はありません。
また業界の先輩のお手伝いは、単なるアルバイトではありません。
お金をもらいながら、先輩の様々なノウハウに触れることができる貴重な機会です。
そんなことをさせて戴けるのは新人のうちだけですよ。
②を自分から0%にするのは、とてももったいないと思います。
(先輩にもよるけれどw)
私の事務所にも過去何人もお手伝いに来ていました。
お手伝いを通じて、様々なノウハウを教えてきました。
残念なことは、自分に少し仕事を受託しただけで来なくなる新人がいることです。
深いノウハウを伝えるには、もう少し成長を待たなければならないので、これからだったのにと思っているからです。

Nさんの一番の問題点は「現状は自分の仕事を後回しにして行うこともあります」という考え方です。どんなアルバイトでも、お金をもらう限り全部「自分の仕事」なのです。
そんな考え方なら、自分の名で来た仕事でも、仕事に優劣を付けることになるでしょう。

Nさんはまだまだ若いので、休み無くても頑張る時期です。
「今貯めるべきは、貯金ではなく実力です」
三流の土地家屋調査士で終わりたくないでしょ。
①も②も自分の仕事として全力で向かってください。
それを続けていれば、いずれ、Nさんの望むような形になると思います。

応援しています。
また仙台に来てください。