2015年12月30日水曜日

リブート

今年も残すところあと1日。
皆さんはどんな年だったでしょうか。

私にとっては、今年長年務めた土地家屋調査士会の役員を退任しましたので、新しくやりたいことへの準備の年になりました。

来年何をするか、皆さん決めましたか。
「決めても仕方ない。なるようにしかならない」
そうおっしゃる方も多いでしょうね。

違うと思います。
あらゆる人に逆風もあります。
人生すべて決めたとおりになる人はいません。
それでも、なんらかの結果を残している人たちがいます。
もしも、来年の目標を決めておかなければ、実現の可能性はゼロです。

人間ひとりで生きているわけではありません。
仕事でお付き合いする人もいれば、家族や親戚もいます。
さまざまな環境の変化による経済状況の問題もあるでしょう。
大人が思いどおりに生きるということは、それらすべてから逃れて、好き勝手に生きるということではありません。

それらも背負いながら、能動的に来年を決めるのです。

さて、私のところに、「来年こそは開業したい」という相談がたくさん来ています。
そして、その相談の中には、開業できない理由が並べられていることが多々あります。

家族がいて、これからお金がかかるから。
開業資金が無いから。
今の会社は残業が多くて、勉強の時間が無いから。
etc.

今生きている人生を握ったまま、もっと別のものも握りたいと考えているのでしょう。

「現在の仕事をしながら、アルバイト的に開業できないだろうか」という相談もあります。
私はあまりお勧めしません。

まず、基本的に、測量会社などの関連業種に勤務することは、土地家屋調査士法違反になるおそれがあります。具体的には地元の土地家屋調査士会にご相談ください。

たとえ別の業種であっても、今の職業に対して失礼ですし、そもそもアルバイト的に始める土地家屋調査士には、実力もお客様も付くわけがありません。

もし、あなたがプロ野球選手になりたいとしたら、「家族サービスしなければならないので練習する時間はないし、怪我したら人生終わりだから、今の会社に勤めながらホームゲームのときだけ試合に出たい」って言うのですか。

覚悟がなさすぎます。

新しい自分になるのが、資格業開業です。
私達は、自分の実力で自分の未来を開こうとする職業に就くのです。

お金が無い、時間が無いのは、今現在のお金や時間の使い方を維持したいだけの話です。
何かを離さないと、新しい何かを握ることはできません。

リスクはあります。
独立とは、そういうものです。

でも、大会社勤務であっても、リスクがある時代です。
そして、そのリスクは、自分ではコントロールできません。
自分の未来のリスクを自分の努力でコントロールできるという世界の方が、安全かも知れません。
私はそう考えています。

しかし、独立に向き不向きはあります。
だから、私は甘い夢ばかりは語りません。
開業しないことが正しい人もいます。

でも、あなたは、今の人生を抜け出そうと思ったから、資格試験を受けたのでしょう。
それなら、今の人生を握ったまま一歩も踏み出せない自分を、再度分析してみてください。

個人事務所を開業するということは、もう過去の学歴も職歴も関係ないのです。
その人の実力だけの世界です。

私達の世界は、「昔、何ができたか」なんて、まったく意味を持ちません。
「今、何ができるか」だけです。
そんな世界です。
気持ち良いでしょう。

「営業ができないから仕事が無い」と言う人がいます。
ほとんどの人は、それ以前に「実力が無いから仕事が来ない」のです。

実力の付け方は教えます。
でも努力は必要です。

もうすぐ来年です。
新しい年に向かって、もう一度考えてみてください。

開業とは、人生リブート(再起動)なのですから。



(ご挨拶)

今年、長年務めた宮城県土地家屋調査士会の会長を、無事に退任いたしました。
あの震災の中でも、業界の代表として動くことができたのは、当時のブログ記事に対する皆様の励ましのおかげだと感謝しております。
任期中に書いていた会長ブログを、退任のタイミングでやめようと思いましたが、更なる皆様の励ましにより、この個人ブログとして継続することになりました。

立場は変わりましたが、人間が変わるわけでもなく、今後もできるだけ次世代の方々のお役に立てるような記事を意識しながらも、文具や映画などの私の趣味も併せて書いていきたいと思っています。

来年もよろしくお願い致します。

良い年をお迎えください。