2025年9月15日月曜日

業務に関する勉強の質と量について

業界の新人の質問に答えていると、安直に答えを欲しがることが多いです。

背景の理論から理解せずにその答えだけを聞いて終わるのなら、今の目先の業務は完了しても、次にまた似たような業務を受託した際には、再度同じような質問をしてくるのだろうなと思ってしまいます。

もちろん、私に質問したら、答えだけでは帰しませんが。


1つの業務案件を多角的に見て、全部検討しておくことは絶対に大事な勉強です。

毎回業務が単純な書式どおりに、依頼されるわけが無いからです。

またその業務が定型な業務に見えたとしても、そもそもその定型な処理をするという不動産登記手続き側のアプローチだけで良いのかという論点の検討も必要でしょう。

だから最初は「質」とか言う前に「量」を意識して、大量のそして多方面からの勉強を頑張るべきです。

新人は「受託量が少ないから経験の量は無理」と言わなくて良いのです。

確かに新人には受託量が少ないのですが、新しい経験を待つのではなく、1件の業務でも「もしこの資料が無かったら」、「相続人の一人が反対していたら」、「現地と資料の整合が微妙だったら」などと想定してみることで、経験は自分でいくらでも作ることができます。


「人より多くを検討したことのある経験値」が、業務受託時の自信につながり、安心感につながります。そして、そこまで行ったあたりから徐々に「質」も見えてきます。


もちろん、最後は絶対に「質」なんです。

でも「量」をやっていない人は「質」は見えないし、語れないと思うのです。


10年前に書いたブログです。似たようなことを書いていました。

ご参考までに。


https://fermatadiary.blogspot.com/2015/07/blog-post_14.html