2010年2月28日日曜日

中部ブロック新人研修で考えたこと

2月26日と27日は中部ブロック新人研修に参加致しました。
中部ブロックの新人研修には毎年講師としてお招きいただいておりますが、私個人としては、他の講師の講義を聴くのも楽しみで伺っています。特に新人研修は、新しく土地家屋調査士になられた会員が対象なので、その講義はタイトルの内容だけではなく、各講師の調査士人生のエッセンスが豊富に含まれていて大変勉強になります。

私は、新しい書籍を読む時も研修会に参加するときも、新しい「気づき」のメモがたった1行でも書き込めるなら、大きな意味が有ると考えています。そういう意味では、中部ブロック新人研修も毎年通っていますが、また今年もノートに数々の新しい書き込みができました。
一般的に、研修会のタイトルを見て「ほとんど知っているから」と言って参加しないのは勿体ないと思います。むしろ、ほとんど知っている分野で新たな「気づき」が得られる事はすごく大切な事だと思います。

各ブロックの新人研修は、新人以外の会員のためにもかなり役に立つ内容が含まれています。この新人研修の録画を、新人以外の会員が自主研修するために、実費配布等ができないものかと個人的に思いました。

大津波警報

大津波警報なんて初めて聞きました。

南三陸町で130cm、仙台港で100cm、石巻で80cmとのこと。この時間でもまだ避難なさっている会員の皆さんもいらっしゃるでしょうね。

三陸海岸など湾の形状が津波を増大させる可能性があります。津波は、まだ収まっていないとの報道ですので、生命が一番大切ですから完全に収まるまでお気をつけください。

事務所や自宅など被害の無い事をお祈り致します。また何か業務上のお困り事が生じたら、土地家屋調査士会事務局までご連絡ください。

2010年2月27日土曜日

減点法の社会

オリンピックも大詰め、昨日は女子フィギュアスケートが終わりました。私は中部ブロック新人研修の講師として名古屋にいるのですが、その間もとても気になっていました。

結果は浅田真央ちゃんが、惜しくも銀メダルでした。フリーで女子フィギュア初のトリプルアクセル2発ですよ。むちゃくちゃ凄いのにね。銀メダルは受け入れるとして、得点差がちょっと開きすぎと思いました。後半にエッジが氷に取られたりした2つの部分が減点だったのでしょう。女子初の大技の加点よりもミスの無い無難な演技が重視されたのでしょうか。

スケートの採点は加点と減点、そしてそれは人間がやること、いつも思うのですが、これがこのスポーツの宿命です。

私は学生時代音楽をやっていて、毎年コンクールに出ていました。あの世界も今年の採点者が誰であるかを事前に調べて、その人がどんな表現が好みかを頭に入れて望む必要が有ります。たとえ自分たちのやりたい音楽表現とは別でも、勝つ為にはそれも重要な事でした。
でも、やっている人間には少し割り切れない部分も有ったことを思い出しました。

さて、日本の社会の発想は基本的に減点法ですね。
何か面白い発想や提案は「この部分が○○に抵触するからダメだ」という評価で潰される事が多いです。でもそれだけでは、何もしない事が一番良いことになってしまいます。

すばらしい発想や行動は加点で評価できる社会が必要ですし「何かに抵触するならどうすれば解決できるか」の議論が重要です。
宮城県土地家屋調査士会も減点法の発想だけにならないようにしたいと思っています。

2010年2月25日木曜日

秋田会研修会

昨日(2月24日)は秋田会研修会に講師としてお伺いしました。大韓地籍公社をお迎えした後に急いで新幹線で移動しました。テーマは先日の宮城会と同じ「事務所運営と報酬額を今一度考える」でした。これは、どこでも困っているテーマですね。

秋田会の会長は赤塚富治さんと言います。赤塚さんも私も公嘱協会の理事をしていた時期が有りまして、その頃から可愛がって戴いてます。

秋田会の研修会は午前中から講義が3本立てでした。かなり濃い一日がかりの研修会にも関わらず、会員の出席者は全会員の2/3程でした。

宮城会の研修会出席率はもっと少ないですね。以前も書きましたが、なぜ出席率が低いのか、少なくとも会員の意識が低いとか温度差とかで片付けられないのです。他会はもっと出席率が高いのですから。

少し役員として反省をして、しっかり分析をして、出席しやすくまた出席したくなる研修会を企画しなければならないと本当に感じました。

今後とも皆さんの役に立つ研修会を企画しますので、研修についてご意見があれば土地家屋調査士会またはお近くの理事にお声を掛けてください。

2010年2月24日水曜日

大韓地籍公社来館

本日(2月24日)午前に、大韓地籍公社から3名と東北情報工科専門学校に在籍する大韓地籍公社の留学生が2名と総合情報デザイン科の宮城和吉先生と計6名の皆さんが、宮城県土地家屋調査士会にお見えになりました。

韓国はこれから全国地籍調査をするとのことで、日本の登記や地籍事情を視察したいとのことでした。

なぜ韓国から宮城会に来たのかということですが、この東北情報工科専門学校(昔の東北測量専門学校)には、長年宮城会の土地家屋調査士が講師に行っていたご縁があり、その留学生である大韓地籍公社の方々とも昔から繋がりが有るからです。現在は松岡広報部理事が講師に行っていますし、以前は鈴木業務部長も、また私も講師に行ったことがあります。

具体的には、日本の登記制度と地籍制度について質疑応答の形で説明し、法務局の14条地図作成作業についてスライドを使って説明致しました。

日本の説明をする際にお聞きする韓国の事情は、私たちにとっても新鮮でした。16日の私の講義でも韓国や台湾の登記に触れましたが、他の国の制度を学ぶことが自国の制度を深く理解する上で大変有効な手段の一つであると思っています。中でも、大戦前は同じ不動産登記法だったこの韓国と台湾の制度との比較は、特に重要だと思っています。

言葉は通じなくても地図に同じように反応している表情を見ていると、同業者の連帯感を感じました。

せっかく打ち解けてお話しできているので、本日は滑走前の女子フィギュアスケートの話題だけは出さないようにしました。

2010年2月23日火曜日

報酬をいただくこと

今月16日に「報酬についての研修会でお話しをさせていただきました。
明日は秋田会に「報酬についての研修会」に講師でお招きいただいております。
全国で今、報酬についての研修を必要としています。
会員皆で、報酬を見つめ直す時期にいているのでしょう。
ちなみに日調連も来年度中に報酬について研究をまとめるとのことでした。

さて、報酬をいただくとはどういう事でしょうか。
資格を持っているから当然に報酬をいただくのではなく、資格を通してお客様のお役に立てるから、その対価として報酬をいただけるのですよね。
資格試験に合格しただけで安心している会員はいないでしょうか。
資格を持っているだけでは駄目なんです。

私は、報酬を払ってくれる方を「依頼者」とか「申請人」とか言いません。「お客様」と言います。
NTTが民営化になったときに、「お客様」を「加入者」と呼んでいると話題になったものです。
私たちも昔から「先生」と呼ばれて勘違いしている業界のような気がしてなりません。
本質はサービス業と考えるべきなのでしょう。
では何をサービスするのか、またできるのか、時代時代でここのところを十分に考えなければなりません。

時代が変わり、それと共にお客様へのお役に立つ方法が変わってきました。
昨年までのノウハウでは、お役に立てる範囲がどんどん減ってきています。
報酬の検討は、時代に合った業務の検討を踏まえないと意味がないのですね。

平成22年2月22日は何の日?

平成22年2月22日午後2時に「境界ADRセンターやまがた」が設立されました。山形の皆さんはこの日付にこだわっていたようです。確かに覚え易い日です。
その設立記念式典に、舟山センター長と出席してきました。
全国で41番目のセンターです。

記念式典の前に記念講演が有りました。
講師は山形大学医学部総合医学教育センター准教授中西淑美先生で「ADRへの誘い〜相談との連携」という講演でした。中西先生の講義を受講するのは初めてだったのですが、論理的に明快で良い講義でした。機会があれば宮城の皆さんにも聞いていただきたいものだと思いました。

山形ではADRセンターを設立するのに準備委員を会員から募集して、会としては一切口出しをせずに、すべてを委員の皆さんに任せたとのことでした。
ここまで時間をかけたのは、ただ遅くなったからではなく、委員さん達が各地のADRセンターを視察に行ったり、各地に研修を受講に行ったりした上で、どのようなADRセンターが理想なのかをしっかり議論していたからだそうです。
きっと良いADRセンターになることでしょう。

2010年2月21日日曜日

大阪会市原一勲先生旭日双光章受賞祝賀会

本日(2月21日)は、大阪会の名誉会長市原一勲先生の旭日双光章受賞祝賀会に参加してきました。そして、はじめて大阪を日帰りしました。

市原先生には、先生が大阪会長をなさっていたときに、私を講師としてお招きいただき、親しくお話をしていただいたことが大変印象深く残っています。
その折に、穏やかな口調で、でも芯の通った会員指導されている様子を見て、感心しておりました。

市原先生は昭和50年から大阪会の理事をなさっていたそうで、それはそれは長い間土地家屋調査士のために頑張ってくださったのですね。横山大阪会長のご挨拶によると、やはり昔から市原先生は筋を通す方だったようで、会議もしっかり時間を取って議論を尽くしていらしたようです。

私は、日調連役員だった40歳頃から全国の会長さん達に可愛がってもらっていました。その内のお一人の市原先生の祝賀会なので、私は喜んで参加しました。市原先生のご人徳なのでしょう。本日は全国からたくさんの参加者が集まりました。

全国の大勢の先輩の皆さんとお会いするたびに、各々の調査士魂に触れることができます。様々な色の調査士魂を学び、私は多色使いができるようになるのか、それともすべての色が混ざって結局無色になるのか、とにかく勉強になります。

2010年2月20日土曜日

仙南支部総会

昨日(2月19日)は仙南支部総会でした。

仙南支部は「アラカン」の管野伸夫支部長はじめとした22名の支部です。
この仙南支部は、私が会長になる前から講師にお招きいただいたりして個人的にも馴染みのある支部です。
昨日も懇親会まで参加させていただきました。

平成22年度の研修計画は状況を見て、以下の研修会開催を検討するとのことでした。
1、オンライン申請研修
  今後の申請ソフトの変更に対応する為。
2、筆界特定研修
  宮城会鑑定委員会主催の出前研修。
3、業務周辺研修
この「状況を見て検討する」というのが支部の自由さで良いところですね。

仙南支部には、毎年の大河原の一目千本桜のお花見に、常任理事会メンバーをお招きいただいておりました。今年もまたお招きいただけるとのこと、今から楽しみにしております。

毎回申し上げておりますが、会長の重要な仕事の一つは、今の調査士にまつわる状況と、それに対して調査士会がどのように対応しようとしているのかを、会員の皆様にお伝えすることです。
単なる通知ではなく、理解と共感を持っていただけるようにお伝えの仕方も工夫しなければならないと思っています。そのためにも、たくさんの機会を作ろうと思っております。このブログもその一環です。
先日の研修会でもいろいろお話しできましたが、今月の各支部総会で直接お話しすることも重要なことだと思っておりました。
しかし、来週の仙台支部と気仙沼支部の総会には、私が会長になる前から決まっている中部ブロック新人研修の講師のお約束とバッティングしてしまい、支部総会に伺えません。大変申し訳有りません。各々三浦副会長と千葉副会長が出席致しますので宜しくお願い致します。
また機会を見つけてお伺いしたいと思っております。

2010年2月18日木曜日

古川支部総会

本日は古川支部総会にお伺いしました。
古川支部の支部長は山崎孝さんで、その会員は古川支局管内19人、築館支局管内7人の合計26人です。今週月曜日の2月15日に築館支局が古川支局に統合されたので、これからはこの分類は不要になりますね。
古川支部は、昨年度オンライン申請の手続きの研修会を2回開催しました。よって今年度はオンライン申請については、疑問について個別に対応するとのことでした。
懇親会まで楽しく参加させていただきました。宴会部長佐藤正男さんは、永遠に不滅ですね。

古川支部の来年度の事業計画は以下のとおりでした。
1、総務
 ①役員・委員合同協議会を開催する。
 ②法務局との事務打合会に参加する。
 ③本会事業及び研修会へより多くの支部会員が参加するよう
  促進する。
2、企画
  必要により会員研修会を開催する。
  本会鑑定委員会の企画による筆界特定の研修会の開催を
  検討する。
3、広報
 ①「表示登記の日」各会員事務所において無料登記相談所を
  開設する。
  上記開設に先立ち、支部内を地域割りの上新聞へのチラシ
  折込を行う。
 ②「法の日」司法書士会古川支部で実施する無料相談所開設を
  後援し、相談員を派遣する。
 ③土地家屋調査士制度啓発の為のよりよい広報手段を常に
  検討する。

特に1、③「本会事業及び研修会へより多くの支部会員が参加するよう促進する。」は本会会長としては嬉しい計画です。
実際にどうすればより多くの会員の皆さんが事業に参加するようになるのか、本会としても工夫しなければならないと思っていました。

・忙しい時期を避けた年間計画を立てる。
・地域的に遠方の方に配慮する。
・皆さんにより興味のある事業を計画する。
・支部と本会の共同開催による事業を計画する。

ネットによる研修も研究してみたいと思っていますが、まず来年度は各支部の都合が合えばこちらから支部に伺って行う研修を企画しています。本会と支部がしっかりと連絡や要望を通じ合うことで、少し事業を動かしていきたいと考えています。
今後とも宜しくお願い致します。

2010年2月17日水曜日

ツバメノート

文具が大好きなのは何度も書いていますが、
筆記具だけでなく、ノートが好きです。
特に大学ノートが好きです。

コクヨ等のノートはどこでも見かけ、手に入りやすいのでユーザーですが、私ツバメノートに関しては昔からのファンです。

ツバメノートの紙質が好きなんですね。
ツバメフールス紙と言いますが、白過ぎず自然な白で、方眼の色が思考を邪魔しない程度の薄さで、なおかつ方眼の印刷が万年筆のインクを弾かず、紙質の書き味が良いのです。
以前も書きましたが、流行っているロディア(RHODIA)については方眼が濃すぎます。
この紙は、ボールペンでも良いですが、シャープペンとの組合せもかなり良いと思います。

中性紙で一万年以上保存ができるとのことですが、私の文字と文の内容を残す価値はないので、この部分はかなりのオーバースペックですが・・。

また、この大学ノートというクラシカルな見かけが、かなりおしゃれに見えます。(私だけ?)

このツバメノートにサイズのバリエーションができました。
Thinking Power Notebook シリーズと言います。
写真左上がA5サイズ、左下がA6サイズ、中下がA7サイズ、右下が名刺サイズ、右上がフリスクサイズです。すべて短辺(E型)糸綴じというのも気に入っています。ちなみにこのシリーズはすべてミシン目がついていて、メモをページ毎に切り取れます。

名刺サイズとフリスクサイズが面白いでしょ。
この名刺サイズは24枚の薄さなので、名刺入れに常備できます。
また、名刺サイズと言うことはクレジットカードサイズとほぼ同じと言うことですので、収納可能なカード入れも多数手に入るわけです。(切り取ったページが丁度クレジットカードサイズです。)
もちろん単独で持ち歩いても格好良いわけです。
私はこのサイズを多用しています。

フリスクサイズも何か凄いでしょ。
フリスクケースに貼り付けて常時持ち歩いて、歩きながらのメモができるというのが一番良い使い方でしょうか。記録としては名前と電話番号程度のメモが一番合うサイズかと思います。付箋も同じ用途に使えますが、このノートのメリットはバラバラにならないこと、付箋のメリットはメモを転記せずそのまま別のノートに張り込めることです。
私の一番の使い方は「ほーら、こんなに小さな大学ノートが有るんだよ」って、いつものように見せびらかすことでしょうか。

いいんです。私にとって文具は道具ではないんです。

宮城会研修「独禁法&報酬」

本日(2月16日)は宮城県土地家屋調査士会の研修会でした。
テーマは「独禁法&報酬」です。
平成15年以降、デリケートな問題も含んでいる「報酬」をテーマに選んでみました。県内遠くから参加いただいた方はお疲れさまでした。また他会からもたくさん参加いただいて感謝しています。

第1部は斉藤睦男弁護士による「独禁法について」でした。斉藤先生は当会の顧問弁護士で、ADRセンターでも大変お世話になっている方です。教え方も上手な方で、以前新人研修でも宮城開催の際に講師をお願いした先生です。
今回も、私たちの資料をしっかり読みこなされた上でレジェメ等のご準備をして戴き、大変感謝しています。独禁法の中で土地家屋調査士に関連する部分を丁寧に解説いただきました。皆さんもよく理解できたと思います。

第2部は私が講師をさせていただきました。テーマは「土地家屋調査士の報酬を今一度考える」でした。
他の会では何度か講師をしておりましたが、自分の地元での講師はやはり嫌ですね。何か家族に家庭教師しているような・・。最初で最後にしたいです。

さて、本日一番お伝えしたかったことは、以下のことです。

土地家屋調査士の報酬を考えるのには、
土地家屋調査士制度がどこから来てどこに行くのかを考えて、
そのときの土地家屋調査士の業務はどんなものになるのかを考えて、
その業務をするには土地家屋調査士はどんな能力が必要となるのかを考えて、
その際の土地家屋調査士の事務所はどう運営されるべきなのかを考えて、
はじめて土地家屋調査士の報酬を考えることにたどり着くと思うのです。

ただ単に分筆登記がいくらか?っていう議論ではないですね。
細かいことでは原価計算(固定費と変動費)損益分岐点、お客様への報酬説明の仕方、大きな部分では土地家屋調査士業に関する理念が大切なんでしょうね。

『40万円で赤字というあなた、それならいくらから黒字か言えますか?』
『この町で一番安い歯医者を紹介して欲しいって聞いたこと有りますか?』

報酬や経営についての研究は業務部でも続けますので、成果がまとまったら、また研修の機会を作りたいと考えています。本日参加できなかった方も是非ご参加ください。

2010年2月15日月曜日

もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら


高校野球、甲子園、女子マネージャー、
みなみちゃん

このキーワードだけで、心が騒ぐ世代が有りますよね。
そのキーワードが、いっぱい詰まっている本が出ました。
でも青春ラブコメ小説ではないのです。

「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」(岩崎夏海著)

これにはやられました。よく考えました。これでドラッカーの解説本ですよ。しかも青春小説としても成り立っているのが凄いですね。おじさん世代として買うのがちょっと恥ずかしい(でも嫌いじゃない)「萌え系のみなみちゃん」の絵が表紙になっています。

私も年間相当数の講義をしているので、どうすれば分かりやすく教えられるかということは工夫しているつもりです。いろいろな世界を比喩に使いながら土地家屋調査士を論じています。しかしこの本の発想は凄いです。とても敵わないですね。

主人公みなみちゃんが野球部の女子マネージャーになったんです。
野球部もマネージャーも分からない彼女が本屋に行って、勘違いして買っちゃった本が「マネジメント」だったという話です。
あのピーター・F・ドラッカーの企業経営について書かれた世界の大ベストセラー「マネジメント」ですから、この強引な筋立てにかなり笑えました。

でもみなみちゃんは、実際にこの本をバイブルに野球部のマネジメントをやっていくのです。
マネージャーの資質、組織の定義づけ(野球部は何をすべきか)、顧客は誰か(野球部の顧客とは)、マーケティング(なぜ野球部か)を分析し、実際に専門家、成長、準備、資産、正当性、イノベーション、社会、目標管理、人事、規模、市場、成果などを一生懸命考えて実践していくのです。
結果は小説ですから、ここでは触れません。もちろん違和感が無いわけではないのですが、最後まで読ませる書き手は凄いと思いました。
ちなみに私、毎週結構本を読んでいるので、すべて最後まで読んでいるわけではありません。

「餃子屋と高級フレンチでは、どちらが儲かるか?」(林 総著)という売れた本があります。実はこれは当ブログで紹介するか迷った本でした。これも無理矢理物語の形を取っていますが、物語としては筋立てがあまり上手でなく、もともと入門書として書いても良かったものだと思いました。このシリーズは3部作で、経理から経営、管理会計と進んでいくものです。もちろん悪くないですよ。ベストセラーですし。

それに対して、今回紹介した「もし高校野球の女子マネージャーが・・・」は、小説としても書けています。みなみちゃんを応援しながらも、ドラッカーの言いたいことも大掴みで分かっちゃった良書と思います。

私はドラッカーを先に読んでいますが、この本読んでからドラッカーというのも有りだと思います。

2010年2月14日日曜日

登米支部総会

2月12日は登米支部総会でした。以前副会長の頃会長代理でお伺いした事が有りますが、会長としては初めての参加でした。

登米支部は10人の構成員で宮城会で一番会員の少ない支部です。
しかし、会員の意識は大変高く、オンライン申請の研修会は全員出席で、ほぼ全員がオンラインによる登記申請をしているとのことでした。

支部長は千葉一夫さんです。千葉さんは土地家屋調査士入会は私と同期の方です。ちなみに登米支部所属の千葉三郎副会長も私の同期ですね。頼りにしています。

登米支部の新年度の事業計画ですが、以下のとおりでした。
1、広報活動について
(1)登米市窓口封筒継続
   例年どおりだそうです。
(2)表示登記の日無料相談
   4月3日に開催するとのことでした。
2、研修について
(1)税務研修
   税法の改正が有った場合に開催するようです。
(2)オンライン申請の問題点について
   実際にオンライン申請している登米支部だからこそ、
   検討すべき問題点に絞った研修会をするとのことでした。
(3)筆界特定について
   宮城会提案の鑑定委員会の研究成果としての研修会を
   開催戴けるとのことでした。
   これはご要望が有る支部への出前研修です。
(4)その他
   会員の要望により随時行なうとのことでした。

総会が終わってから,様々な案件で議論ができました。登米支部会員の意識が高いからでしょう。懇親会まで前向きな議論が続きました。

会員数が少ないので年間予算も478,031円です。この予算の中でも積極的な支部運営をなさっている登米支部は素晴らしいと感じました。

2010年2月12日金曜日

宮城青調会ー東京会会報寄稿文

私は宮城青調会で育ちました。宮城青調会は高橋眞先生が中心になり設立されたものです。私もこの青調会には大変思い入れがあります。大変良い組織と思っていますので、全国の新人のためにも大変役に立つと思い、ここ数年全国に広めたいと行動をしていました。
以下は昨年東京会会報に載せていただいた宮城青調会の紹介の抜粋です。

(前略)
宮城は「青調会の発祥の地」らしいのです。青調会とは青年土地家屋調査士会の略で、最近全国各地で設立されています。東京会でも平成14年に設立されましたね。 宮城青調会は今年36年目です。(2008年時点)知っている限りの情報では、全国で一番古い歴史を持っているようです。 そこで宮城青調会の紹介を書かせてもらうことにします。
 まず青調会の意義ですが、青年の志を持って集まった会員の相互の情報交換と研鑽の場です。これは、あくまでも任意団体です。 (中略)
 宮城青調会は、単位会としての宮城会とは対立関係ではなく、相互補完的な役割を担ってます。なにしろ宮城の歴代会長と協会理事長は、ほぼ宮城青調会出身です。うまく役割を分けています。
 青調会は任意団体なので、この点で、強制会である宮城会ではやりにくいある意味偏った研修ができるというメリットを持ちます。 単位会の研修のレベルが平均の上程度を狙っているとしたら、青調会は誰も知らない最先端の研修も今年の新入会員のためだけの基本的な研修もやれます。 また、一業者に肩入れして研修を開催することも問題有りませんし、新人の業務上の愚痴や不安を聞いてあげるだけの集まりも持てます。
ちなみに私のいた頃の青調会の活動を紹介しましょう。

1. 弁護士を育てようプロジェクト
当時は筆界と所有権界との正確な理解をしている弁護士がきわめて少なく、境界紛争で相談する弁護士もいませんでした。それでは我々がこの分野で頼りになる弁護士を育てようという大それたプロジェクトです。 具体的には、一人の有望な若手弁護士を選び、我々の研修図書を次々に提供し勉強してもらう。青調会の忘年会等には無料で招待する。年に一回は青調会で法律分野の研修を無料で講義してもらう。最終的には調査士と筆界を理解した顧問弁護士になってもらう、といったものです。

2. 請求書作成コンペ
お互いの請求書の書き方を紹介し合う研修会を開催しました。報酬額のカルテルをするつもりは全くなく、報酬額の高い安いは議論しません。 調査士は、報酬額の内訳詳細を説明する義務があるのに、説明が下手な会員が多すぎます。このお客様に対する報酬額についての説明が下手なために結果的にダンピングになってしまう会員を救うためで、具体的には請求書の項目の書き方などの研究でした。

3. 現場ランチマップ
調査士が現場近くで外食をするときのガイドマップをつくるというプロジェクトです。ミシュランなどの基準とは違い、作業着や長靴等で入れ、駐車場完備であり、安くておいしく腹一杯に食べられる食堂をお互いに紹介するマップを作りました。みんな何軒はネタを持っているはずなので、出し合い、新入会員でも他人の役に立てる情報を発信できるという実感を持ってもらうためのプロジェクトでもありました。

4. お下がり友の会
販売業者の口車に乗って新しい機器を次々買うのは新入会員では大変厳しいこと。「トータルステーションを買い換えるけど、誰か古いもの下取らない?」「不要なプロッタ有りませんか?」といった情報交換をする場を設けました。

5. 東北ヤングサミット
昔は隣の会の会員と会ってご挨拶できるのは常任理事以上、ブロックを超えてとなると、副会長以上でした。何かを背負ってから話をするより、立場のないうちに語り合いたいという単純な発想で、10数年前仙台で飲み会を開催しました。当時の参加者は、今では東北ブロック各会の重鎮になられ、頼もしい仲間になっています。一応、昼間は県境の報酬額や技術基準の違い等を議論しました。

6. 各会会報ダイジェスト
宮城会事務局には各会からの会報が送られています。ほとんどの会員がそれを見ていないのは、大変もったいないことだと考えます。会報にはその会の工夫した有益な記事も沢山あるはずです。そこでそれらの会報からこれはという記事をダイジェストにして、半年に一度コピーを配りました。

7. 共同購入
高価な機器を購入するのに青調会で交渉して、人数をまとめるからと言って、安価で購入しました。販売業者は事務所訪問をしようとしても調査士がほとんど留守ということで効率が悪い営業を解消できるメリットがあります。会員は、安く買えるだけでなく、同じ機器を持つことで、使い方の裏技等を教え合うというメリットも生じます。

8. 調査士法人、合同事務所シミュレーション
調査士の仲間は、調査士法人等の事務所形態に興味あがっても、イメージだけで語ることが多いようです。また、合同事務所でも酒を飲んだときだけ、「お前とやろうか」程度の話ししかしていないようです。会社合併でも、数々の試算表を前に協議を重ねるのに、まったく数字等は考えていないことが多いのです。 そこで少人数グループに分けてシミュレーションをみんなでやりました。 事務所をどこにどの規模で、今いる補助者をどうするか、顧客はどうなるか、実際に受託した事件を誰がどう処理するか、経費と収入を誰が決定するか、とにかくたくさん課題が見つかります。

  こんな感じで工夫次第で、強制会である単位会や支部ではやりにくい企画が可能です。もちろん、その後の懇親会の場が、もっと勉強になるのですが。
土地家屋調査士の新人達は、「社会は何もしてくれない。会社は何も教えてくれない。だから自分の力で生きていく。」って考えて調査士になったはずなのに、調査士になった途端に、「調査士会は何もしてくれない。日調連は何も教えてくれない。」って・・。 絶対おかしいですね。自分たちに必要な情報は自分たちで取得すればよいのです。そしてそれを単位会や支部に還元すれば良いのです。 私は宮城会や日調連の役員をさせていただいた時期がありますが、いつもこの青調会の自分で創る感覚は忘れないようにしていました。宮城青調会で育ったお陰と思っています。今、宮城会の役員は、この青調会の感覚をベースに会務を行っています。

現在、全国にこういった青調会の設立が進んでいることは、時代の変革に対応しようという仲間の意欲を感じます。変な全国組織を作るのが目的ではなく、自然体の情報交換ができる会ができ、単位会同士も肩肘張らず、お付き合いができると良いですね。 その東京会の仲間の輪に宮城会も入っていれば大変嬉しく思います。
最後に、私の新入会員の頃からの信念です。これが青調会の原動力と思っています。

Q:自分の未来を占う一番良い方法は? A:自分で未来を創ること。

2010年2月11日木曜日

土地家屋調査士の業務と制度第2版


日調連叢書「土地家屋調査士の業務と制度 第2版」については、先日宮城県土地家屋調査士会よりご案内させていただきましたが、大阪会からも斡旋依頼が来ましたので、再度このブログで紹介させていただきます。

平成16年に大阪会で出版した書籍の改訂版です。第2版は日調連研究所が引き継ぎました。この数年の各種法律の大改正を受けた改訂です。

力作だと思います。
現時点では唯一無二の書籍です。
第2部については論説ですから別のご意見もあるでしょうが、まず土地家屋調査士なら一度読んでいただきたい本です。読んだ上で議論しましょう。


第Ⅰ部 土地家屋調査士法逐条解説
第1章 総則〈村田 博史〉
第2章 土地家屋調査士試験〈東川 始比古・村田 博史〉
第3章 登録〈東川 始比古・村田 博史〉
第4章 土地家屋調査士の義務〈今西 康人〉
第5章 土地家屋調査士法人〈清原 泰司〉
第6章 懲戒〈佐藤 鉄男〉
第7章 土地家屋調査士会〈安本 典夫〉
第8章 日本土地家屋調査士会連合会〈安本 典夫〉
第9章 公共嘱託登記土地家屋調査士協会〈清原 泰司〉
第10章 雑則〈村田 博史〉
第11章 罰則〈村田 博史〉

第Ⅱ部 土地家屋調査士の業務と制度に関する論説
第1章 土地家屋調査士制度の意義〈村田 博史〉
第2章 土地家屋調査士の倫理〈加藤 新太郎〉
第3章 筆界特定制度と筆界(境界)確定訴訟〈梅津 和宏〉
第4章 平成の地籍整備〈鮫島 信行〉
第5章 土地家屋調査士とADR〈和田 仁孝〉
第6章 強制加入制団体と調査士会のあり方〈安本 典夫〉
第7章 業務に関する委託契約の性質と内容〈今西 康人〉
第8章 今後の公共嘱託登記土地家屋調査士協会のあり方〈七戸克彦〉
第9章 平成16年の不動産登記法改正後の表示に関する登記〈小宮山 秀史〉
第10章 街区基準点の整備と活用及び登記基準点の仕組みの成立並びにその意義〈大瀧 茂〉
第11章 近時の法改正と土地家屋調査士〈松岡 直武〉

商売敵なのになぜ仲良くするのですか?

昨日宮城会に入会を検討しているという方が、宮城県土地家屋調査士会館にいらっしゃいました。開業にあたっていろいろ聞きたい事があるという事なので、私がお会いしてお答えをしました。

開業の資金や事務所の準備、事務所の場所による仕事の質の違い、仕事の受託の見込み、営業の考え方、報酬の考え方などの質問に答えました。

その中で一番印象深かったのは、「調査士は商売敵だから、パイを奪い合う相手であり、何故仲良くするのか分からない」という考え方でした。
もっともそういう考え方なのに、調査士会に質問してくるのもどうなんだろって思いましたが。(笑)

登記申請手続きの代理が、我々のパイの全てだと思っているなら、それは小さくなるに決まっています。未曾有の不況で登記業務は減少しています。それにあらゆる手続き業務は簡素化に向かうはずですし、オンライン申請の時代なのですから。
試験合格しただけなら、土地家屋調査士の仕事は登記申請しかイメージ無いのでしょうね。それは無理も無いかもしれません。古いタイプの調査士としか会っていないのかもしれません。

そんな中では、もちろん商売敵である事を全否定はしません。当然その側面もあります。
でもね、その小さくなっていくパイを足を引っ張り合いながら奪い合うよりも、皆の力を合わせてパイを広げる事を考えるべきだと思うのです。
今、我々が持っているノウハウを生かせる新たな業務分野が広がっています。皆で協力し合い、その新たな分野を早く確立する事が重要です。一人だけでジタバタしてもその分野のノウハウを習得するのは大変難しいと思います。

既存分野の狭い世界の中だけでも、いろいろ考えることができます。
境界立会した隣接者にも土地家屋調査士は付いている事が多いです。商売敵でなく仲間なら、地籍情報について協力し合うことで、正確で無駄な労力をかけない業務ができます。間違いなくお客様の為にも良い事でしょう。
仲間と一緒に測量機器を共同購入する事も考えられます。
仲間と一緒に大きな仕事を共同受託もできるでしょう。
新人の間、補助者を雇えないならお互いに協力し合う事もできるでしょう。
自主研修するにしても一人よりは仲間とする方が効率が良いでしょう。

宮城会だけでなく土地家屋調査士の世界は、昔から面倒見が良い業界だと思います。
もし開業に迷っている方がこのブログを見ているなら、遠慮なく宮城会にご連絡をください。
別に宮城会以外で開業したいと思っている方でも結構です。なんらかのアドバイスができると思います。
何と言っても、商売敵ではなく仲間なのですから。

2010年2月9日火曜日

年明けから年度末は忙しいですね

2月3月はとにかく行事が多くて困っちゃいますね。
特に役員変更の有った年の冬は本当に忙しいのです。

5月に各県土地家屋調査士会の総会がありまして、2年に一度役員が替わるのはご存知のとおりです。宮城会はいつも5月中旬に総会があるので、新役員は実質5月末にスタートします。

それを受けて6月に日調連の総会が有るのですが、こちらも2年に一度役員が替わります。
日調連は6月末又は7月頭に初めての理事会を開きますが、そこで初めて役員が顔合わせをして、実際に動き始めるのです。日調連は各単位会と違い、毎回役員の半数が入れ替わりますので、本当に顔合わせなんです。
ですから日調連が実際に企画したことが外に見え始めるのが、どうしても例年10月頃からで、そこから年度末まで行事が集中するのです。年明けの今頃、日調連から毎日のように大量に来る文書は読むだけで大変です。

もちろん1ヶ月早くスタートする各土地家屋調査士会も同じような事情で、この年明けは役員全員が走り回っている状態です。年度の事業のバランスがどうしても悪くなりがちなんですよね。

もっと早くスタートすれば良いと思うのですが、日調連も各土地家屋調査士会も4月1日から総会までの間は次期役員の執行予算なで、交代するかもしれない前役員が使いすぎるわけにもいかず、通常の会の維持のための出金だけになることが多いのです。役員交代の無い年度でも、総会の通っていない予算を勝手に使うわけにもいかないのは当然です。

そんなこともあり、会長として宮城会の役員さん達にできるだけ負担をかけないように考えているのですが、それでも忙しくてどうにもなりません。
役員さんだけでなく会員の皆さんにとっても、年度末に向けて自分の仕事が忙しくなっているところに加えて、会の行事が増えるのはどうにも困りますよね。

それに加えて、宮城会の特殊事情として何故か支部の決算が12月になっているので、総会は2月に集中してますね。本店と支店が決算期が違う会社のようなもので、何故こんな事になっているのか何人かの先輩にお聞きしたのですが、よく分からないのです。他会は本会と同じ3月決算なので総会は5月が多いと聞いています。

日調連がらみの各種担当者会同、土地家屋調査士特別研修、ブロック新人研修等、すべてこの季節です。
特別研修は、もう少し違う季節なら、会員の皆さんも受講し易いかもしれませんね。

また新人研修については、関東ブロックでは秋に開催していますし、近畿ブロックでは来年は4月に開催しようかという話も出ていました。東北ブロックも、新人研修の開催日を移動させる手も有るかもしれませんね。その方が新人も参加し易いかもしれません。

もちろん日調連や東北ブロックのご都合もあるのですけれど、すべての行事やしきたりは決まっていて動かせないものとして考えずに、会員の皆さんが良くなるのなら年間行事の時期やあり方も再考する価値が有ると思っています。
また皆さんのご意見をお聞きしたいと考えています。

2010年2月8日月曜日

2月常任理事会

先日行った採用面接により、新たな事務局職員が決まりました。
しばらくは経理を中心に仕事を覚えていただく事になっています。
今日から出勤していますが、しばらくは皆さんの顔と名前を覚えるだけでも大変だと思いますので、宜しくお願い致します。

さて、本日(2月8日)は常任理事会が開催されました。
いつものように報告事項2時間で協議事項1時間程度という時間割でした。
会議は報告事項がとても大切と思っています。

報告事項は「読めば判るので」と言って省略する会議も良く見ますが、私は反対です。
読めば判る事は確かに報告しなくても良いと思いますが、報告事項とは終わったことを羅列するのではなく、何故そうなったのか、背景にはどんな要素が有ったのか、判断で困った部分はどこか等々、それらを共有することが報告事項の目的だと思っています。

報告事項を背景からしっかり説明して、理事間の考え方が共有できれば、協議事項は自ずと答えが決まります。とにかく同じような案件が上程されても、常に結論が「ぶれ」なくなります。
最終的には、この感覚を会員の皆さんとも共有したいと思っています。

協議事項で本日決まったものは、文書によるご連絡ができるものばかりですので、後日お送りいたします。

さて、恒例の斎藤仙台支部長の本日の手作りスイーツは、「シュークリーム」でした。
このブログでの作品の紹介は斎藤支部長のプレッシャーになっているようですが、構わず紹介し続ければ来月も何か有ることでしょう。楽しみです。

2010年2月7日日曜日

いきなりはじめる浄土真宗

私土地家屋調査士を開業したときは、補助者もした事が無い素人だったのですが、実は学校の専門も法律でも測量でも無いのです。大学の専門は理学部生物学科でした。まあレンズは覗いていたのですが、望遠鏡ではなく顕微鏡でした。

何をしたかったかというと、生命哲学を勉強したかったのです。
高校生の生意気なときに「人間は何故生きているんだろう?」と思っちゃったんです。
それで生命哲学を学ぶのに生物学科に行くというのも勘違いだったのでしょうが、当時は机上の学問ではなく生命の原点の本物に触れなければならないと本気で思って勉強していました。
その頃宗教哲学も読みまくったのですが、今になって思うとさっぱり理解できていませんでした。当然そんなレベルなので、一応生物の教員免許は持っていますが、就職はまったく違う分野を選んだのですよ。

さて、内田樹の研究室というHPがあります。
私の楽しみにしているページの一つです。
内田樹(たつる)先生は、現在神戸女学院大学文学部総合文化学科教授です。専門はフランス現代思想ですが、著書は多くの分野にわたり興味深い本がたくさんあります。
この先生の本を読んでいて、私は哲学にしがみついたり、大学に残らなくて良かったなと思っています。でも土地家屋調査士になったのが正解かどうかはまだ不明ですが。(笑)

その内田先生のHPの中にインターネット持仏堂という部屋があり、釈徹宗という浄土真宗の僧侶がお堂を開いているという設定です。現在は、この部屋(お堂)に釈住職はお留守ですが、過去ログが残っていますので是非読んでみてください。素人の素朴で根源的な質問内容が凄く良く、それに対する答えが本当に丁寧で素晴らしいのです。

このインターネット持仏堂から出たこの本が「いきなりはじめる浄土真宗」なんですが、これも良いんです。上記HPに興味を持った人にはお勧めです。この内田先生が宗教上の疑問を投げかけ、これに交換書簡により釈住職が答える形式をとっています。
縁、因果、自由と宿命、仏教、死、悟り、日本人の宗教性 etc.

たまに忘れた頃に、続編の「はじめたばかりの浄土真宗」と一緒に読んだりしています。私にはその度に新たな気づきがあります。


釈徹宗
1961年生まれ。龍谷大学大学院文学研究科真宗学専攻博士過程単位取得。大阪府立大学大学院人間文化学研究科比較文化専攻博士過程修了。学術博士。専攻・比較宗教学、現在、龍谷大学、相愛大学講師。浄土真宗本願寺派如来寺住職。主著に『親鸞の思想構造』(法蔵館、2002年)。

2010年2月6日土曜日

塩竈支部総会

昨日(2月5日)は塩竈支部総会にお伺い致しました。
会長に就任して8ヶ月になりましたが、塩竈支部総会が初めての支部総会への参加でした。

塩竈支部は、末永支部長を中心によくまとまった20人の支部です。
今年ちょうど仙台支部から独立して30年の記念の年ですね。
来年度の事業計画としては、
  1. 境界確認の実務の研修をする
  2. 支部会員の情報共有を考える
  3. 先輩に実務経験を聞く機会を作る
などが上程され、無事に承認されました。
特に3番目の先輩の実務経験をお聞きすることは大変意義のある事と思います。
塩竈支部の先輩の話しをお聞きする機会があれば、私も個人的に是非参加したいと思います。

さて、会務の一番重要な仕事は、会員の皆さんとの情報と考え方を共有することと思っています。「理解と共感」です。
どうも今まで、一般会員から見ると、役員を会員との対立構造で捉えられていたのかもしれません。役員は特別な会員ではなく、皆さんの中から出たお世話役のはずです。
なるべく機会を捉えて支部にお伺いし、いろいろなお話しをしたいと考えています。

そういう意味では今月すべての支部総会に伺うつもりでしたが、先日報告しましたように支部総会日程が決まる前にお約束の入った公務がありますので、気仙沼支部と石巻支部と仙台支部の総会に出席できません。
申し訳ありませんが来年は伺えるように日程を調整したいと思いますので宜しくお願い致します。

追記)末永支部長の名前を修正しました。ワープロの変換ミスを気づかずに、名前を間違えるなんて大変失礼を致しました。(4月6日)

テレフォン人生相談対応その後

1月26日のブログ「法務局が地図を作る事は無い?」で、ニッポン放送の「テレフォン人生相談」というラジオ番組について書きました。不適正な内容で、全国で現在作業中の地図作成業務に悪影響が有る可能性もあると思い、日調連と仙台法務局に報告した件です。

本日(2月5日)日調連の瀬口専務から電話を戴き、その後の経緯の説明を受けました。
ニッポン放送に抗議を申し込んで、2月8日(来週月曜日)に訂正の放送があるそうです。
なお、本日法務省職員と一緒にニッポン放送を訪問して、法務局による地図作成の説明と土地家屋調査士制度についてしっかり説明したとの事でした。

各土地家屋調査士会に経過報告の文書が発送されましたが、土日を挟むので会員に直接届くのは時間がかかるので、とりあえずこのブログに載せておいてくれと言われました。

以下経過報告の内容です。

                        平成22年2月5日

各土地家屋調査士会長殿

        日本土地家屋調査士会連合会 専務理事 瀬口潤二

ニッポン放送「テレフォン人生相談」における事実誤認の放送への対応経過について(中間でのお知らせ)

平成 22 年 1 月 25 日(月)に放送されたニッポン放送のテレフォン人生相談 における「母名義の土地の一部が市の歩道になっていた。」とする相談への 中川潤弁護士の回答内容には事実誤認があり、登記所備付地図作成作業に関 係する者にとって、同事業又は土地家屋調査士業務の遂行上影響が多大である旨、宮城県土地家屋調査士会鈴木修会長から情報提供等を受けました。

本件の録音内容を確認の上、法務省へ情報提供すると同時に、ニッポン放送 に電話連絡し、回答内容に事実誤認があることを伝え、じかに会って意見交 換をしたいとして、交渉を続けてきました。2 月 1 日から断続的にニッポン放 送の担当者と連絡を取り合う中で、2 月 8 日(月)に、訂正の放送を行うこと が決定したとの報告を受けています。

本日午後に、法務省職員とともにニッポン放送を訪ね、登記所備付地図作成 作業や土地家屋調査士制度に関するパンフレットを示す中で、関根副会長、当職、小林社会事業部長の 3名で説明し、事実誤認部分について、正しく理解いただくとともに、別紙書面を手交の上、登記所備付地図作成作業に関する国民への周知をお願いしたところですので、お知らせします。

参考(録音)

http://zoome.jp/game-tv/diary/626/




                      平成2225

ニッポン放送「テレフォン人生相談」担当者殿

    日本土地家屋調査士会連合会 専務理事 瀬口潤二

ニッポン放送「テレフォン人生相談」における事実誤認について


テレフォン人生相談の録音(2010-01-25) 10/01/25(月) 19:16

テレフォン人生相談の録音(2010-01-25) コメント(0) 母名義の土地の一部が市の歩道になってた。


平成 22 1 25 日(月)の放送されたテレフォン人生相談「母名義の土地の一部が市の歩道になっていた。」における、中川潤弁護士の回答内容に は事実誤認があり、登記所備付地図作成作業に関係する者にとって、事業又は事務の遂行上影響がありますので、事実誤認部分の修正をいただくとともに、登記所備付地図作成作業に関する国民への周知をお願いいたします。


【事実誤認】

法務局が地図を作っていることは、聞いたことがない。そんな便利な制度があるわけがない。

両隣りの土地は市のものになっているが、母名義の土地が市の道路になっているが、市が間違って無断で使用しているとの決めつけ。


【感想】

本件は、土地に関する登記について全く知識のない者が、土地問題の相談に応えている誤った典型的な例である。弁護士の聴き方でかえって、相談者を混乱させている。

「不明朗なこと」という発言は、法務局の地図作成作業に携わっている者 に対し、「法務局を騙るインチキ業者」がやってきたかのような印象を与 えた。

放送を聴いた者は、あたかも「振り込めサギ」師が法務局を名のり登場 するので気をつけなさいと受け止めることになる可能性が高い。

法務局が行う登記所備付地図作成作業は、特に権利関係が複雑で、公図と現地に大きなずれがあるなど、地籍調査事業では対応が困難な地区において実施されているものである。

同作業においては、相談者のような疑問に対し、現地と公図が異なっていることを聴きながら納得を得たうえで事業が進められており、関係者との信頼関係を築いていく中で進められているところから、このような「法務局を騙るインチキ業者」というレッテルが張られることは、この作業の妨げになる。

正しいご理解のもとに、登記所備付地図作成作業への協力を全国にわたって周知願いたい。

2010年2月4日木曜日

ADR認証申請に関するヒアリング調査

本会のみやぎ境界紛争解決支援センター(ADRセンター)は、11月20日のブログでお知らせしましたように、11月18日にADR法に基づく認証」を申請しております。
手続きの中で書類審査が終わり、本日(2月4日)は、認証申請に関するヒアリング調査を実施するために、法務省司法法制部より担当係官がお二人、ADRセンターにお見えになりました。

規則では読み取れない細かい部分を、ヒアリングして、調停室などの施設もご覧になりたいとのことでした。
さすがにお見えになった担当官はよく勉強なさっていて、そのお話しの中で、規則の条文の作り込みの仕方について大変参考になりました。
宮城会としては、何を聞かれても心配ないくらいしっかりとしたADRを運営していたつもりですが、本日のヒアリングで「もし会長が不勉強で変な答えをしたために認証がおりなかったら、これまでの多くの皆さんの努力を無駄にしてしまう。」との大きなプレッシャーも個人的にはありました。
副会長の頃は感じなかったのですが、会長になるといろいろプレッシャーはあるものです。
何点か誤植についてご指導を戴きましたが、特に問題は無かったようですので、おそらく年度内には認証が戴けると思います。

みやぎ境界紛争解決支援センターは今まで認証が無くても、国民の皆様に充分お役に立ててきました。
それでは何故認証を申請したのかということですが、国民の皆様のより安心感を持っていただくために判断したのです。
ADR法に基づく認証とは、言ってみればホテルで言う「まる適マーク」のようなものです。国民の皆様の安心感のために申請しました。
実際に申請してみて感じるのは、やはり申請の手続きを通じて、厳しい眼で自らの規則を見直し、調停手続きの流れを見直す機会ができ、大変良い改善ができたことです。
11月20日のブログにも書きましたように、自らの組織の手順やあり方を確認するための「ISO」を申請することのような効果が得られたような気がします。

現在、法務局の筆界特定制度と共通の窓口や役割の分担等の協議を始めています。
併せてADRセンターで認証がとれたら、なお一層努力して、国民の皆様の境界トラブル解決のお役に立てるようになると信じております。

2010年2月3日水曜日

調査士会館敷地持分買い取りについて

皆さんご存じと思いますが、現在の宮城県土地家屋調査士会会館は平成元年に竣工したものです。伊藤正勝会長の代で完成しました。費用の捻出などご苦労が有ったと思われますが、当時の先輩方の英断で立派な会館が利用できるようになりました。

現在の会館が建つ前には「司調会館」と言う木造2階建ての会館があり、宮城県司法書士会と共同で利用していました。司法書士会は他所に会館を建て、土地家屋調査士会は元の場所に会館を建てたのです。

現在も会館の敷地の所有権は、その当時の名残で持分1/2を司法書士会が持っています。そして完工から10年後には、調査士会が司法書士会からその持分を買い取りするための話し合いを持つ約束がなされています。


この持分に対して、これまで調査士会は地代を支払って来たわけですが、いつまでも借地ではいけないとの考えで、また当時からの協定もあり、過去何度か土地家屋調査士会が持分を取得するための話し合いをもちました。ただしこれまで司法書士会と土地家屋調査士会が、お互いの合意できる条件までの話し合いがつかず、従来のまま借地として地代を払っている状態です。

司法書士会も調査士会も役員が替わったこともあり、再度打合せをしたいと昨年10月に申し入れましたところ、年が明けてやっと本日(2月3日)第1回のご挨拶ができました。

先輩方から当時の状況もお聞きしています。この売買において、土地家屋調査士会として実際に主張し無ければならない要素も沢山あると聞いています。
ただし、それらの細かい条件の主張も大切ですが、答えを出すことも大切だと思っています。その方が両会の会員さんにとっても、利益であると考えています。いわゆるwin-winです。
司法書士会も総会に諮ることができる内容でなければこの話は合意できませんので。
お互いに総会で会員の皆さんにしっかり御納得いただける具体的資料を確認し有って、この話し合いを成就させたいと考えています。

とにかく両会会員に取ってこのままで良いはずがないので、少し話し合いを継続してみます。

2010年2月2日火曜日

貴乃花親方相撲協会理事当選

貴乃花親方が日本相撲協会の理事に当選しました。

日本中で話題ですが、このニュースで、相撲協会がいかに閉鎖的なのかがこのところの報道で改めてよくわかりましたね。部屋毎に締め付けているだけでなく、投票の際、誰が誰に入れたかのチェックまでされていたとのこと、呆れるばかりです。
この数年続いた不祥事に、断固たる態度が取れない理事会を何とかしないと、相撲人気が終わってしまいます。昔からの相撲ファンの私でしたが、最近は相撲を見る気がしなくなっていました。身内をかばっているだけの組織は、逆に自分を守ることが出来なくなります。

貴乃花親方は、尊敬するお父さんの初代貴ノ花の時代、国民皆が夢中になった時代の大相撲を再現したいのでしょう。当時の子供は皆相撲を見ていて、休み時間には教室の後ろで相撲をしていたんですがね。
貴乃花親方は、相撲協会を改革する為には外野でものを言っても何も届かないと思い、理事に立候補したのでしょうね。
それにしても一門を離離脱しても理事に立候補したことは、大変な情熱と覚悟が必要だったと思います。
情熱が有っても覚悟が無い人が多いです。
また、貴乃花親方に投票した親方達もまた、一門の締め付けの中でかなりの覚悟が必要でした。これらの動きが、きっと大相撲を良くするでしょう。

さて、我が連合会役員の選挙も、一門(ブロック)で投票行動が決まっていた時代が有ったようです。まさか今は無いと思いますが、他所の組織のことは笑えません。
土地家屋調査士会でも言えるのですが、改革したいと思って一年に一度の総会で発言したくらいでは何も変わらないのです。やはり理事になって毎回の理事会で発言するからこそ、少しずつ世界は変えられます。更に会長に立候補すれば、改革はもう少し早く実現します。

皆さんもご意見があれば、遠慮なく理事に手を挙げてください。
よろしければ会長にも手を挙げてください。
少なくとも宮城会は相撲協会のような閉鎖社会ではありません。
自分の所属している組織を他人任せにしないで、皆で役割分担しながら未来を作りましょう。

2010年2月1日月曜日

事務局職員採用面接

本日は、新規事務局職員の採用のため一日かけて面接を行いました。

12月17日のブログ「来期の事務局体制」でも会員の皆様にご説明しましたように、宮城県土地家屋調査士会の4月以降の事務局体制は2人でやっていただく事になっています。
よろしければ、再度この日のブログをご覧ください。

体調のため退職された藤野職員の代わりに、事務局職員として働いていただく方を新たに採用するため、書類選考で残った方々を面接しました。

この時節ですから募集すればたくさんの応募があるのでありがたいのですが、たった一人の採用者以外の方を落とすのは大変申し訳ない思いで面接に臨みました。

今日面接した方々は、皆しっかりしていて10年前なら皆さんどこかの正職員に就いていたはずの方々です。だからこそ、事前に採用基準をしっかり確認し合い、失礼の無いよう正副会長と総務部長、財務部長で面接をしたのです。
なにしろこれから、私たち役員の任期の何倍もの年数、定年まで事務局職員をやっていただくわけですから、一時の役員の好き嫌いで雇うわけにいかないからです。

正式に採用が決まったら皆さんに紹介しますが、慣れない事をやってもらいますので、しばらくの間ご理解とご協力を宜しくお願い致します。