2018年9月30日日曜日

自分で経験を作ること 長崎会新人研修にて

私の新人研修会でいつも「経験を作ること」を説明しています。

新人に向かって「どうですか?測量は慣れましたか?」と聞きます。
そうすると「いえ、私は土地の登記の仕事が少なくて、まだ測量に自信がありません」と言う受講者がいます。
私は「あなたはお客様で練習しようと思っていたのですか?」と言います。

与えられる経験値を待っているだけなら、年功序列の世界で生きれば良いのです。
私たち専門資格者は自分で掴みに行かなければなりません。
実は、私たち土地家屋調査士だけでなく、司法書士も行政書士も弁護士も税理士も、とにかく仕事を受けてから調べる人が多いです。
お客様に対してとても失礼な話です。

あらゆる仕事は、業務能力が有るから看板をあげるのです。
注文戴いてからレシピを探す料理人は有り得ないでしょう。
陰で数知れないほどの調理の練習をしてから、その料理をメニューに入れるはずです。

新人は看板をあげてしまったのなら、ひたすら練習しなければなりません。
土地家屋調査士という看板をあげた瞬間に、土地家屋調査士のすべてのメニューを掲示したことになります。
だから私は毎日公園を測量していました。
同じ公園だから、毎日課題を変えて測量していました。
そして毎日図面を画いて、登記手続のシミュレーションをしていました。

以前、巨大掲示板で「鈴木は仕事もせずに毎日測量練習しているなんて、どんなお坊ちゃまなんだ」と書かれたことがあります。
匿名掲示板でぼやいている人に反論する気はありませんが、お坊ちゃまなら練習もしませんよ。当時は午後から午前3時頃までアルバイトして収入を得ていました。
大事な資格を安売りしたくなかったので、他のアルバイトで収入を得ていました。
若いのだから睡眠不足程度では死にません。少なくても私はそうでした。
早く一人前になりたかったのです。

こんな内容を、先日の長崎会新人研修会でもお話ししました。
すると、その中の受講生の一人から以下のようなメールを戴きました。

「私は、土地家屋調査士の試験勉強期間から鈴木先生のブログをちょくちょく読ませていただいていました。公園の測量の話、どの本を読み進めていけば良いのかという話は、わずかながらでも実行しています。
今回鈴木先生の講義を聞き、公園の測量の話は経験を自分で作って積み上げるための一例だったのかと初めて気付かされました。
私は、研修会の終了後すぐに知人の山を測量の練習場にしようと考え、その事を頼みに行きました。午前中は、山の中でどこに杭を打ってどういう測量をしてみようかと考えながら歩き回りました。午後から杭を持っていき実際に打っていこうと思います。」

とても嬉しいメールでした。
彼のように経験は自分で作ることができるのです。
理解しても動かない人がいる中で、彼はすぐに動きました。
彼は良い土地家屋調査士になるでしょう。

不動産登記手続でも筆界特定手続でも同じです。
受託など無くても、自分でいくらでも経験を作ることができます。

「仕事が来ないから経験できない。経験できないから仕事ができない。」のではありません。
当たり前の話です。
「仕事ができないから仕事が来ない」のです。







2018年9月23日日曜日

ほめることは難しいですか?

日本国民、総評論家時代です。

誰かや何かをほめることは難しいですか?
けなすことや批判することはいくらでも浮かびますか?

道を歩いていて、人や風景に微笑むことと、怒りたくなることと、どちらが多いですか?

今日は楽しいこととムカつくことのどちらが多かったですか?


誰かや何かをけなすことで、
自分が偉くなったり、楽しくなったりしますか?

減点法の視点を持って世の中を歩くって、
辛くないですか?

それなら外出も嫌いになりませんか?






楽しいことや嬉しいこと、素敵なことを探して歩くと決めたら、結構ほめたいことにも出会うと思います。

減点法ではなく加点法の視点でものを見てみましょう。
悪いところを探すのではなく、良いところを探すようになります。
そうなれば、散歩も人生も楽しくなると思いますよ。




いかん、いかん、減点法の視点を持った人を批判しているかな。




2018年9月6日木曜日

北海道で震度7

6日午前3時8分ごろ、北海道南西部の胆振(いぶり)地方を震源とする地震があり、安平町で震度6強の揺れを観測した。震源の深さは約40キロ。マグニチュード(M)は6.7と推定される。札幌市内など道内全域の約295万戸で停電が発生している。
震央付近を中心に入手できていない震度情報もあるが、気象庁は同庁が作成した推計震度分布上では安平町と千歳市の一部で「震度7を推定している」と明らかにした。大規模な土砂崩れが起きた厚真町の一部地区も推定で震度6強という。(日本経済新聞から)


北海道で被災された皆さん、とても心配です。
この時点で被害の全容が把握できていないようですが、実際にお亡くなりになった方もいらっしゃるようです。

大きな地震のたびに、毎回申し上げておりますが、数日間は大きな余震もあるはずです。
今回の震度6強より大きな余震が無いとも言えません。
また今後の余震が小さいとしても「私の家は最初の震度6強でも問題なかったので、より小さい余震なら問題ないはず」と決めつけないでください。
建物も擁壁も塀も見かけは問題ないかも知れないけれど、もしかしたら最初の地震で内部構造が弱ってしまったかも知れません。倒れる寸前で止まっているのかも知れません。
だから次の弱い地震で倒壊する可能性はゼロではありません。
実際に東日本大震災でも、そのようなケースがありました。

被災地の皆さんは、できるだけ、自分たちの身を守ることを最優先に考えてください。
仕事も勉強も、あとで取り戻すことができます。
無理して友だち全員に「大丈夫だ」と連絡しなくても良いです。
SNSでも「心配だ」と書き込んだ人全員に返信しなくて良いです。
被災地以外の人達は、誰かがわかればその情報を共有しますから。

今回はすぐにインフラは回復するはずです。
電気はまもなく復帰するでしょう。水や食料も少し我慢していれば供給されるでしょう。
だから無理に動かなくて良いです。
震災時にヒーローにならなくて良いのです。

「地震は9月6日3時8分に発生したのではなく、9月6日3時8分から始まった」と思って、しばらく気をつけてください。

他の地域の人は、少なくても今日はできるだけ電話を控えて、緊急の電話のために電波を空けましょう。
SNS等で冷静に情報を収集し、連絡を取りましょう。

私は地震の専門家でもありません。
しかし東日本大震災の被災地にいた人間として、経験をお伝えしたいのです。
こころから心配しています。

日本気象協会

2018年9月6日18:15追記
以下の記事が発信されました。思った以上に電気の回復が遅いかも知れません。
電気が遅いと様々なことができません。くれぐれもお気を付けてください。

「北海道電力の真弓明彦社長は『全道の電力の復旧には1週間以上かかる。市民に迷惑をかけ申し訳ない。全ての電源が落ちるリスクは低いと考えていた』などと話した。計画停電も検討している。」

2018年9月16日 タイトル修正
その後の調査で最大震度が「6強」から「7」に訂正されたので。
「7」を超える震度はありません。
震度だけで被災は測れませんが、それにしても大変な地震でした。

2018年10月7日8:25追記
一昨日10月5日 8時58分ごろに震源地 胆振地方中東部で最大震度5弱の地震があったとのこと。6日午前0時までに計288回の余震が続いています。
東日本大震災の際にも1ヶ月後に大きな余震が来ました。
終わっていないんだと思って、気を緩めないでください。