2024年9月24日火曜日

災害対策の非常食について ローリングストック

今年は神奈川県土地家屋調査士会と三重県土地家屋調査士会にお招きいただき、「震災と土地家屋調査士」というテーマでお話をする機会をいただきました。

業界の専門的な話も少ししますが、一番お伝えしたいことは、今後大地震などが起きたとしても、その中で皆さん全員が生き残って欲しいということです。我々の持つ専門性で復興のお役に立つにしても、皆で生き残ってはじめてできることだからです。

このブログでも常に専門性を薄めて、生き残ることについて書いてきましたし、これからも書き続けるつもりです。


さて、東日本大震災では、あらゆる物流が止まりました。

最初の数日は、飲み物も食べ物も本当に無くて困りました。

電気も市ガスも止まりましたので、冷蔵庫内の食料も食べられなくなったり、調理が必要な素材もそのままでは使いづらくなったりしました。

全国からの支援が廻ってきて、食事もできるようになったのは被災後4〜5日程度だったでしょうか。


そこで非常食や水を備蓄しておきましょうということになります。

その備蓄すべき非常食ですが、私は「いかにも非常食」でなくて良いとお伝えしています。

冷蔵庫に入れなくても品質を保つもので、火を使わなくても食べられるもので、普段食べているものが一番良いです。

3年保管できるという非常食でなくても、冷蔵庫に入れずに1週間、できれば10日間程度保つものを、食べるタイミングで次のものが補充できているという普通のローテーションにより備蓄食品とするという考え方で良いと思います。

災害時は、衣食住すべてが不自由になり、ストレスがかかります。
そう考えると、食べ物だけでも普段から食べ慣れているものを食べることができれば、ストレスを減らすことができるでしょう。

我が家では、飲み水も5年保存水などを買わずに普通の水を箱で買って、普段から次々に消費して残り1箱になると2箱追加購入することにしています。
ちなみに、非常時は持ち歩くことも想定して、2Lのペットボトルなどではなく500ml程度のペットボトルを買っておくべきだと思います。


ところで、東日本大震災で数十年ぶりにカンパンの支援をいただきました。

昔のイメージと違って、今のカンパンはとても美味しいものでした。これなら非常時でなくても、普段のお菓子としても良いかなと思いました。


とここまで書いたら、友人から「それは、ローリングストック(循環備蓄)と言うのだ」と教えてもらいました。

東日本大震災当時は聞いていなかったけれど、そんな言葉があるのですね。知らなかったのは私だけ?知っていても知らなくても、皆で実践しましょうね。

言いたいことは同じです。ちなみにローリングストックを検索したら、「宮城生協イベント広場」に以下のメリットが書いてありました。


◆ローリングストックをおすすめする理由

1.ふだん食べているものだから

 →災害時でも、食べ慣れたものや好きなものが食べられ、ストレス軽減や体調維持に役立ちます。

2.食べたら買い足すから

 →常に新しいもので備えられるため、いざという時に期限切れの心配がありません。

3.日常的に買い足すから

 →買い足すためのチェックをする時に、災害のことを、改めて考えることができます。

4.いつも一定量の食品が家にあるから

 →大きな災害時だけでなく、体調が悪いときや雨風が強いときにも、無理に買い物に行かずに済みます。


災害時のくらしに備えるために~「ローリングストック」してみませんか?│みやぎ生協イベントひろば (miyagi.coop)






2024年9月22日日曜日

円満退職をすべきです

鈴木修塾やガイダンスで相談を受けることが多い内容のひとつが、「現在の仕事をやめるタイミングについて」です。

まぁ、その人のスキルであったり、職場環境であったりと、その質問に対する正解はけっして1つでは無いのですが、常にお伝えしているのは、どういうタイミングであれ、またどういう理由であれ、「退職するときは絶対に円満退職をすべきだ」ということです。

「絶対に」が難しい職場ならば「表面的に」でも努力すべきです。


皆さんが開業すると、どこから仕事が来るのでしょうか?

新人が、最初から潤沢な業務を受託するということは相当難しいことだと思います。

どんなに丁寧に開業の準備をしていても、やはり実践を踏まえた先輩たちとは実力差があります。

それを越えてまで新人に業務を依頼するという理由づけは、難しいと思います。


では、実際に他所から見て、業務処理に危なっかしいかもしれないと思われる新人に業務を紹介してくれる人は皆無でしょうか。

います。

それは、やはり友人知人親戚です。

その中でも一番可能性がある人たちは、現在の職場の仲間たちかもしれません。

今、あなたの仕事ぶりが周囲から認められていれば、周りの友人たちは、あなたが独立した後も、あなたを応援しようと思うでしょう。

そして、応援してくれるたくさんの仲間がいる土地家屋調査士を見て、新人でも育てたいと思う人も出てくるでしょう。


また、別の側面として、もしあなたが地域の土地家屋調査士事務所の補助者なら、なおさら今の職場を出る際は喧嘩別れしないで済むような配慮をした方が良いです。

土地家屋調査士業界はとても狭い業界でもあります。

今後、地域の先輩と会う機会は、総会や研修会などたくさんあります。


また近年はセカンドオピニオンのような業務、つまり他の土地家屋調査士の業務を再調査したいとか、境界立ち会い時に隣接土地所有者から立ち会いに同席を求められたりするような業務が増えてきました。

皆さん大人ですから、そんな場面でも意地悪されることはないでしょうが、お互いに気まずい思いはしないで済む方がいいです。


それにしても、今、目の前にいる人たちと、たとえそれが上辺だけの関係性だとしても、上手く付き合って、円満退職できる能力がないと、今後お客様から相談を受けて、信頼関係を築き、業務を受託するということも難しいかもしれません。

「どうせこの職場は辞めるから」ではなく、「立つ鳥跡を濁さず」を常に心にとめて頑張れば、きっと周りが応援してくれるでしょう。


ここを意識してみてください。応援しています。





2024年9月13日金曜日

「あとは測量とCADさえできれば」と言う調査士試験合格者の皆さんへ

試験合格者の皆さんからよく聞くのが「土地家屋調査士試験に合格したので、あとは測量とCADさえできれば開業できる」という考え方です。

不動産登記法などの法律の試験に合格したので、法律関係はもう大丈夫と考えてしまう。しかし、測量機械は触ったことがない。もちろん測量CADなども見たことがない。だから、その二つが大きな壁だと考えて「あとは測量とCADさえできれば」という気持ちになるのでしょう。

気持ちは良く分かります。私も合格時はそうでした。

でも、実は逆です。

測量機械もいろいろ種類がありますが、基本的には機械ですからそれぞれマニュアルがあります。測量方法もその手順にはマニュアルがあります。もちろん測量CADもアプリですからマニュアルがあります。

これらは、それぞれのマニュアルを端折らずに丁寧に学ぶ気がしっかりあれば、独学でも身に付けることができます。もちろん補助者になれば、もっと効率は良いと思いますが。

ところが逆に、皆さんがもうできている、もう大丈夫だと思っている法律部分は、資格試験合格レベルでは広さも深さもかなり不足しているのが現実です。

独立開業した際に、試験問題のような典型的な依頼が来ることは少ないと思います。土地でも建物でも、周辺の法律や各種手続きなどを各方面から検討した上で、最適な手続きを提案することも多いのです。

そして、この部分は独学が難しい分野です。

というのは、どこまでの広さとどこまでの深さがはたして必要なのかを把握するためには、土地家屋調査士の実際の仕事を見て理解しないと難しい点が多いのです。そしてその広さと深さを目の当たりにしたとしても、それらを身に付けるためには、どこから学び始めれば良いか、独学ならその目安そのものが分からないだろうと思います。

私がガイダンスなどで「環境が許せばできるだけ補助者になることをお勧めします」と繰り返し伝えているのは、こういう観点からも言えることだからです。

補助者修行を、時間や収入のロスと考える人がいますが、ここからの長い土地家屋調査士人生を考えれば、私はトータルで効率よく学べる方法だと考えています。

応援しています。頑張ってください。





2024年9月8日日曜日

10月10日の鈴木修塾(土地業務)は開催します。

 8月23日に皆さんに相談させていただきました鈴木修塾(土地業務)開催について、結論を報告していませんでしたね。

この件は、参加希望者が増えましたので開催することに決定しました。

またこの塾は、既に事前のLINE研修が始まっていますので、今回はこれで締め切らせていただきます。

実は先月末に網膜剥離になりまして入院しておりましたので、ブログではこの報告が遅れました。眼科なので完治後、後を引きませんのでご安心ください。

それにしても、入院中も受講生と頻繁につながり、課題をニュアンスと共に伝えることができるということは、便利な時代になったと思いました。


なお、来年の鈴木修塾の各講座の開催はいたしますが、予定日は未定です。

おそらく今年の開催に準じて計画するつもりですが、今回の「土地業務を年内に開催してください」というような希望者がいらっしゃるのなら、できるだけお役に立てるように、その方々の都合を優先して計画いたしますので、お気軽にご相談ください。

また鈴木修塾(事務所開業・経営)なら、フィールドワークはありませんので、全国開催は可能です。何人か集まるのならご相談できます。