2016年12月28日水曜日

この世界の片隅に


戦争を時代背景にした、広島を舞台にしたアニメーション映画と聞けば、
「はだしのゲン」や「火垂るの墓」を連想します。
そう思うと、とても辛くて、この映画から足が遠のいていました。

それでも評判が良いし、辛さとは別の映画だという話しも聞こえてきたので、だんだん観ようかなと思い、観ることに決めました。
と思いながらも、年末忙しいので延び延びになっていたのですが、先日レイトショーでやっと観ることができました。

観終わって呆然としました。
涙は出ませんでした。
そういう種類の映画でもなさそうです。
もちろん泣いている人もいましたけど。
帰り道、誰とも話しをしたくない気持ちになりました。

この映画に安易なコメントなどできません。

確かに、数日経ちましたので、このブログで私なりの分析もできそうです。
いかにも映画を観ています的な、気の利いたコメントも言えるかも知れません。
でも、コメントや分析をすればするほど、この映画の本質から離れそうです。

映画評論を職業にしている人の話こそ、先に聞かないでください。
彼らの評論は、すべてがそうかも知れないし、すべてが違うような気もします。

こんな体験は、映画ではとても珍しいです。
昔、コンサートで圧倒的な演奏を聴いて、呆然としたまま、誰とも何も話したくない気分で会場を後にした気分を思い出しました。

「コメントできないならブログなんか書くな」と言われそうですが、観ても良いと思っている人がいたらその人に「とにかく観てくれ」と言いたいだけのブログを今回初めて書きたいのです。

これは戦争映画ではないと思います。
彼女の生き方の環境に戦争もあったと感じています。
でも、それすらも、観た人それぞれの感じ方が違う映画のはずです。


できるだけ、誰かの解説は聞かず、読まずに、観てください。
だから、今回は「あらすじ」も書きません。

音響の工夫もあるので、できたら映画館で観た方が良いでしょう。
年明けに全国ロードショーが決まったようです。



2016年12月27日火曜日

段ボールのこ だんちゃん CANARY

年末ですね。
皆さん、大掃除していますか。

私ですか?
事務所はいつもきれいですから、特に大掃除なんてしなくても問題ありません。
(読んでいる人の半分は本気にするかな)

さて、段ボールの処理に困っていませんか。
段ボールって、大きさもまちまちですし、たたむにしても、縛ってまとめるにしても、思うようになりません。
そんな段ボールには段ボール用の小さなノコギリが便利です。
何種類か販売されていますが、私が使っているのは「段ボールのこ だんちゃん」(CANARY)です。




大きさは、幅50X厚み10X長さ225mm。
定価も380円(税別)です。

カッターと違い、ノコギリ状の刃が並んでいます。
これが驚くほど良く段ボールを切ります。



私はこの「だんちゃん」で、段ボールの大きさを大まかに揃えて縛ります。
段ボール用の刃物類を使ったことの無い人は、是非使ってみてください。
ビックリするほど、作業が変わります。

また、この「だんちゃん」は、上下に刃が付いているので梱包に利用されているPPバンドを簡単に切り、そのまま段ボールを開封する事も可能です。





一般的なカッターと違い刃先が丸くなっていることもお勧めの理由です。
段ボールを開けるときに「カッター禁止」と、よく書いてありますね。
あれはカッターで、中のものを傷つける可能性があるからです。
この「だんちゃん」は刃先が丸いので、ダンボール開梱時に中身を傷つける危険が軽減されます。


でも、今までカッターの刃で中身を傷つけたことはないけどね。

肝心の切れ味はとても良いです。
段ボールなら軽く、細かく切る事ができます。



こんな感じです。
ちょっとした加工も簡単です。
猫用のお家も簡単に作れそうです。

なお、私の「だんちゃん」は、ガムテープの粘着物で刃がかなり汚れていますが、粘着物がつきにくいフッ素コートのだんちゃんもあるようです。定価600円(税別)。

次回はフッ素コートのだんちゃんを買おうと思います。


ちなみに段ボールを処理するために、Amazonで「だんちゃん」を買うと、段ボールに入ってきます。

2016年12月26日月曜日

年内に帰ってきたお父さん

12月23日の河北新報のニュースです。


<宮城沖で見つかった遺体 震災不明者と判明>

 石巻海上保安署は22日、宮城県女川町の沖合で11月に見つかった遺体の身元が、東日本大震災で行方不明になった気仙沼市本吉町の漁業芳賀冨雄さん=当時(79)=と判明したと発表した。遺骨は同日、芳賀さんの次男に引き渡された。
 海保によると、11月15日、女川町の江島から東に約17.4キロの沖合(水深約170メートル)で操業していた漁船が底引き網に入っていた頭蓋骨を見つけ、海保に届けた。県警がDNA型鑑定で身元を特定した。
 芳賀さんは震災当時、港にあった漁具を確認しようと自宅を出た後、行方が分からなくなった。津波に巻き込まれたとみられる。
 県内の震災の行方不明者は1人減の1231人になった。

河北新報 2016年12月23日のニュース


日本中の支援により復興が進んでいる被災地ですが、このような現実もあります。
今年の3月にも以下のニュースがありました。


<震災5年>遺骨の身元判明 感無量の遺族

 宮城県の女川湾で1月20日に見つかった遺骨が、宮城県警のDNA鑑定の結果、東日本大震災で行方不明だった宮城県石巻市雄勝町上雄勝、薬剤師杉山寿恵さん=当時(37)=と判明した。遺族は8日、火葬を終えて「これで弔うことができる」と話し、震災から5年となる11日に納骨する。
 遺骨の一部は、漁網に引っかかっていたのを漁師に発見された。DNA鑑定で判明したのは今月3日で、寿恵さんの誕生日だった。母親の節子さん(73)=仙台市青葉区=は日付の一致に驚きつつ、「やっと帰ってきた。本当によかった」と目を潤ませた。
 寿恵さんは震災当時、石巻市立雄勝病院に勤務。病院ごと津波に襲われ、他の職員や入院患者らとともに流され、行方不明になっていた。
 石巻市の石巻斎場で営まれた火葬で、参列した家族らは寿恵さんが生前かわいがっていた愛犬コロの写真も一緒に入れ、弔った。
 節子さんは「娘は震災の日も元気で出勤した。しっかり者で頑張り屋だった。仏前に毎日、一日も早く見つかってくれることを祈ってきた」と言う。
 姉の志寿さん(47)は「5年もたつので諦めていた。震災前、妹と2人で東京ディズニーランドに旅行したのが、最初で最後の旅行だった」と振り返った。

河北新報 2016年3月6日のニュース



家族にとって、身内に行方不明の方がいることで、いつまでも心が納まりません。
残念ながら、生存の可能性を信じていた時期はとうに過ぎています。
でも、少なくても埋葬してあげたいという気持ちは、いつまでも残ります。
この間は震災は終わりません。

行方不明者は、今日の段階で、まだ1231人いらっしゃるのですね。
それでも、このように、これからも発見される可能性があります。
芳賀さんは年を越す前に帰ってきたのですね。

この件について、私は何もできないでしょう。
せめて、芳賀さんや杉山さんのご冥福をお祈りいたします。









2016年12月23日金曜日

紙用マッキー 裏うつりしないのです

早いもので、もう年末ですね。

皆さんは、来年の手帳の準備をしたり、来年のカレンダーに掛け替えたりしているでしょうか。
この作業は、来年への期待を込めながら、楽しいものですね。

カレンダーは予定を書き込めるタイプが、相変わらず人気ですね。
皆さんもカレンダーに予定等を書き込むタイプなら、ペンは何を使っていますか?

離れて見るカレンダーに、細いボールペンなどで書いた文字は見えにくいので、少し太めのペンが欲しくなりますね。
定番のマッキー等を使う人もいるでしょう。



マッキーは文字の発色が鮮やかで、太めの文字ですから、視認性はとても良いです。
でも最大の欠点は裏うつりすることです。
油性インクが紙の裏側まで染みて裏側に出てしまうのです。

裏側から読むことがないカレンダー自体は問題はありませんが、書き込むときに下の机やテーブルに裏うつりすることがあります。

この発色ならノートでも使いたいことがあるのですが、ノートでは完全に裏に抜けます。

そんな方々にお勧めの新製品が「紙用マッキー」です。



ちょっと書いてみましょう。


一般的なコピー用紙に書いてみました。
正面から見ると、従来のマッキー(油性)の方が若干濃い色ですが、紙用マッキーも遜色はありません。


コピー用紙を裏返してみました。
従来のマッキー(油性)は紙の裏までインクが抜けていますが、紙用マッキーのインクは抜けていません。


 定番のノートであるキャンパスノート(コクヨ)にも書いてみました。


上からマッキー、紙用マッキー、万年筆、エナージェル(ぺんてるのゲルインク)



正面からの発色は、皆鮮やかです。
これらのペンは鮮やかな筆跡が好きで使っているものです。

ちなみにマッキーの極細は結構細いです。



裏返してみました。
どうですか。従来の油性インクのマッキーは裏うつりしていますが、紙用マッキーや万年筆は裏うつりしていません。
エナージェルが少し裏うつりしています。

紙を替えてみましょう。


法務局で使っている用紙です。表面にコーティングされていないので、裏に染みそうです。


裏返してみました。
さすがに、コピー用紙やキャンパスノートよりも、インクが抜けて裏うつりしていますが、紙用マッキーは裏うつりしていません。

これなら今までマッキーが使われていなかった場面にも使えそうです。
極細の紙用マッキーならノートに使うことができるでしょう。


カタログによると、太書き(5.6mm)細(1.4mm~1.7mm)極細の細(0.7mm~1.2mm)極細の極細(0.5mm)の4種類のバリエーションがあります。


実際に書いて、太さを比べてみました。
マッキー細書きは確かにエナージェルの1.0mm程度でした。
マッキー極細は0.5mmとのことですが、エナージェル0.5mmより少し太い気がします。
エナージェルの0.7mm程度でしょうか。
なお、紙用マッキーは極細を除いてインクがカートリッジ式だから安価に交換ができます。

色は、鮮やかな色で全15色あります。
紙の裏に抜けないので、ノートで鮮やかな色彩の表現が可能になります。

私?
女子中学生じゃないし、そこまでの鮮やかな色彩でノートは書いていないけどね。


ちなみに、私カレンダーに予定は書きません。
壁に貼って他人にも見られる可能性のあるカレンダーに、世界征服計画を書くわけにはいきませんから。





2016年12月18日日曜日

ローグ・ワン スター・ウォーズ・ストーリー

観ましたよ。初日に。

「ローグ・ワン スター・ウォーズ・ストーリー」

これ好きですね。



物語の舞台は、『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』の少し前。
銀河全体を脅かす帝国軍の究極の兵器<デス・スター>。無法者たちによる反乱軍の極秘チーム<ロ―グ・ワン>に加わった女戦士ジン・アーソは、様々な葛藤を抱えながら不可能なミッションに立ち向かう。
その運命のカギは、天才科学者であり、何年も行方不明になっている彼女の父に隠されていた・・・。(公式より


この映画のポスターには「もうひとつの、スター・ウォーズ。」と書いてあり、スター・ウォーズのシリーズ1~7に続く歴史(正史)のスピンオフ作品です。
スター・ウォーズの世界では、全銀河に広まる帝国軍の恐怖の独裁とそれに対向する反乱軍との戦いが描かれています。
舞台は全銀河だから当然宇宙のあちこちで無数の物語があるはずで、ルークやハンやレイア達だけでない物語を描くのだと理解してます。

ディズニーに版権が移って、シリーズの7から続きが始まっただけでなく、このスピン・オフも始まれば、これから無限にスター・ウォーズが楽しめそうです。
これはもう老後の楽しみの一つですね。

さて、実際にこの映画を観てみたら、スピン・オフとかサイドストーリーなどというより、完全に正史につながる物語でした。エピソード3.9くらいの物語です。

映画の中身としては、新しいキャラだけで物語を進めるために、どうしても人物紹介や設定で前半を使ってしまっています。そこは仕方ないところですが、それぞれが魅力的でした。

ジン
本作のヒロインですね。「博士と彼女のセオリー」のフェリシティ・ジョーンズです。先日観た「インフェルノ」にも出ていましたが、私はジンの役の方が良かったです。エピソード7のレイちゃんごめん、ジンの方が良いかも。

キャシアン
反乱軍の情報将校です。イケメン枠ですね。ジンと反対のクールな役どころです。

チアルート
フォースを信じる武術マスター。映画館を出るときに同じエレベーターにのった学生が、ずっと「ドニー・イェン、最高。ドニーイェン、ヤバイ」を言い続けていました。そのとおりだと思います。

ベイズ
チアルートとの友人、武器のエキスパートです。熱い思いを持った勇者の雰囲気が良いですね。このチームで友だち一人選べと言われたら彼かな。ああ、一人だけならジンか。

ボーディー
元帝国軍のパイロット。最後の方に個人的見せ場は少しあるけれど、もう少し出番があっても良かったかな。残念ながら次回は無いけど。

K2SO
元帝国軍の警備ドロイド。C3POのように話しができるドロイドですが、むしろチューバッカの役割もしていますね。だんだん人間に見えてくるんですよね。そしてドロイドに涙するとは。

これらの人物達(新ドロイドも含めて)がローグ・ワンというチームを作って戦うのです。
それぞれは最初それほど魅力的に見えないのですが、後半の展開に経て、どんどん魅力的になってきます。

あまりにも有名で熱狂的ファンも多い映画ですから、何を創っても賛否有るでしょう。
私の感想は「とても良かった」です。
お馴染みのメカ、お馴染みの数人(人?)のキャラクターが出るし、敵の要塞の内部は必ず深い吹き抜けがあるという構造や、クライマックスには必ず狭い橋の上でバトルがおきるなどのお約束まで、古くからのファンが喜ぶ仕掛けをしています。(あの構造って強度的にも導線的にも問題ないのかなって、いつも思うけど)
間違いなく正統なスターウォーズの物語であることをしっかりと示しています。
特に感心したのは、デス・スターが本当に凶悪な最終兵器に見えること、ダース・ベイダーが本当に怖くて強く見えることでした。
正史シリーズ7では、悪役がすべてしょぼい感じがしましたし、スター・デストロイヤーもデス・スターより大きいだけで、それほどの威圧感が感じられなかったことを思い出すと、今回のローグ・ワンはむしろ正しいスター・ウォーズだと思いました。

私の中では、正史7編の物語と比べても、トップレベルだったと思います。

この物語の先の答えは決まっています。
だれでも知っているエピソード4に続くのです。
エピソード4の冒頭では、デススターの設計図は既にレイア姫が入手しており、それをR2D2に託し、オビ=ワン・ケノービに渡そうとしていました。
だからその設計図はレイア姫に届くことが答えと誰でも知っています。
これはネタバレにはならないし、ラストでどんでん返しのような物語を創ることができないのです。
その制約の中で、監督はすばらしい映画を創りました。
興味のある方はできるだけエピソード4を観てから行った方が良いでしょう。
前回のエピソード7「フォースの覚醒」は、エピソード6からつながる物語でしたが、どうしても過去のエピソード6まで観ていないと楽しむことができないわけでもありませんでした。
実際に私と一緒に観たY君は、スターウォーズをまったく観たことがなくて、充分楽しいでいたようでしたから。
今回のローグ・ワンも、前作を観ていないとダメとまでは言いませんが、今回はなにしろエピソード4に直接つながる物語ですので、エピソード4を観てから行った方が良く理解できて、楽しめます。
シリーズを観ていなれば、全部観る必要はありません。まずはエピソード4だけでも観て欲しいと思います。
どうしても無理なら、ローグ・ワンを観てからでもエピソード4を観ましょう。

スター・ウォーズ、エピソード4のサブタイトルは「新たなる希望」です。
そして本作のキーワードは「希望は、死なない」です。
「死ぬもの」があって、「死なないもの」がある。
死なない「希望」とは。
本作を見て、エピソード4「新たなる希望」を再度確認しましょう。
そして、この映画に興味があるのなら、なるべく早く観てください。
これだけ有名な映画ですから、注意していてもまもなくネタバレが始まります。

観れば、誰でも楽しめるはずです。

科学的に考証して論評する映画ではありません。
この世界を受け容れて、楽しむ映画です。

フォースを感じれば良いだけです(笑)
May the Force be with us.










2016年12月14日水曜日

デルガードType-ER 受験生用シャープペンシルか


以前のブログで紹介したように、オレンズやデルガードは芯が折れないシャープペンシルとして登場しました。実際に良くできています。
シャープペンシルを使っていて一番のストレスは、芯が折れることです。
それをオレンズやデルガードは解決しました。

そして少し高級版の「デルガード Type-Lx」が出たので、私はこれをスタメンのペンケースに昇格させ、ものを考えるときのペンとして愛用しています。

さて、話しが変わりますが、シャープペンシルは一般的なボールペンなどに比べれば、一度書いたものを消すことができるという優位性を持っています。
もちろん、そのためには消しゴムで消すことになります。

では、その消しゴムをどうするのかという問題が発生します。
ペンケースに消しゴムを入れて、そこから取り出すということが正解なのでしょうが、それも面倒なので、ペンの尻に付いている消しゴムを使うことになります。

このペン尻の消しゴムに良いものがなかなかありません。
固くて良く消えないもの、ただ汚れてしまうモノさえあります。

また、ペン尻にキャップがありますが、消しゴムを使うためには、これを外して、どこかに置くという手間が必要で、文字を消しているうちにキャップが紛失することがあります。

利用するとストレスが生じるので、あのシャープペンシルのペン尻に付いている消しゴムは、本当に困ったときに、これしか手段がないときに我慢して使う位置づけでした。

この問題を解決するために、デルガードから新製品が出ました。
デルガードType-ERです。





これは、今までのデルガードの芯が折れない機能はもちろんのこと、消しゴムのストレスを無くす工夫がされています。

具体的には以下の機能が付加されています。
消しゴムの部分はキャップレスであり、逆さにするだけでペン尻から消しゴムが出ます。
そして、そのまま消しゴムがロックされるので、消していても消しゴムが引っ込むことはありませんん。ここが凄いです。
消し終わったら、またペン先を下にするだけで、消しゴムが引っ込みます。
結構良くできています。

消しゴムの材質も、まあまあ良いと思います。




消しゴムが出たところです。↑


この消しゴム部分の機構が良くできています。↑
中に重力で動きロックされるボールがあり、そのためにこの素早い消しゴムの動きが実現されたのですが、興味のある方はゆっくり調べてみてください。


デルガードType-ERは、替えの消しゴム2個付きで、定価700円(税別)です。
この値段なら、シャープペンシルを既に持っている人も買わない理由はありません。

6色のラインナップがあります。
私のイメージの白を選びました。(誰も言ってくれないけれど)


好き嫌いが分かれるのが、クリップがないことです。
機構上ペン軸が太くなるので、これ以上太くすることを避けたのだと思います。



上が前回紹介したType-Lx 、下がType-ER、若干太さが違います。


ペンポケットなどに挿して携帯したい人には残念です。
外で立ったままメモするためには、ポケットからさっと取り出す必要があり、クリップが欲しいところです。外にいるときこそ、芯が折れず、消しゴムが使いやすいこの機能が生かされると思うのですが。

クリップがないから転がり防止のための突起があります。
机の上で利用することを前提として企画されているのでしょう。
しかし、一般的には、机ならチャンとした消しゴムも脇にありそうなものだからタイプERのメリットが薄まる気がします。

ペンから消しゴムに持ち替える時間も惜しい受験生を一番のターゲットにしたのでしょうね。
そして受験生ならペンケースを持っていますね。
ただし、大きな範囲を消すのなら、大きなより性能の良い消しゴムに持ち替えた方が、逆に時間の短縮になるでしょう。そのあたりの合理性も受験生なら持つべきですね。


おそらく、世間の評価を待って、タイプERにも高級版が出るでしょう。
そのときにはクリップも付けて欲しいと望みます。
高級版なら若干の太軸も、かえってメリットになると思います。
受験生だけでなく、外で立ったままメモするビジネスマンには結構ニーズが有ると思うのです。
ZEBRAさんよろしくお願いします。








2016年12月4日日曜日

好きなのに残念なペン HI-TEC-C COLETO

私が手帳に書き込むためのペンとして普段使いしているのはHI-TEC-C COLETOです。



このブログでも何度か登場しています。

多機能ペンと消しゴムリフィル

多機能ペンのリフィルの選択

このペンは多色で水性で細いリフィルがあるので、手帳用として使いやすいのです。
私は長い間使用しているペンです。

他にも長年愛用しているペンは何本かありますが、その中にはもう30年以上使っているペンもあります。
だから「このHI-TEC-C COLETOは何年使っているの?」ということになるのですが、実は今のペンは1年程度のものです。

何故かというと、このペンは、壊れやすいのです。
使い方が乱暴だっておっしゃるかも知れませんが、そんなことは無いと思います。
何故なら他の日本製のペンではこんなことはほぼ起こっていないからです。

たとえば、こんなところです。




写真では分かりにくいかもしれません。
ペン刺しのクリップが根元から折れました。
持ち歩きたいけれど、ポケット等に挿すことができません。
ペンケースに入れるしかありません。

たとえばこんなところも残念です。


この写真は、グリップ部分のラバーです。
すべてのモデルにラバーがあるわけではありませんが、ラバーがあるタイプは滑り止めや持ちやすさで、悪くないと思っていました。
使っているうちに上の写真のようにラバーが剥がれてきました。
そんなにペンにとって過酷な握り方をしているとは思えないのですが。

まあ、それなら上下を取り替えて、一本は持ち歩き用で一本はペンケースに入れれば良いと以下のようなペンにして使っていました。





そうしたら、まもなく
持ち歩き用のペンのペン尻のキャップが壊れました。
(上の写真は壊れた後ですが)





上のシルバーのペンは、ペン刺しのクリップが壊れました。
下のブラックのペンは、ペン尻の蓋の部分が壊れました。





どちらも完全なペンではありません。

実はこれだけではなく、過去に壊れて捨てたために写真が残っていないモノもあります。
ペン軸の尻蓋につながる部分で、インクリフィルを分けてスライドする細いボディの部分も折れたことがあります。




この多色水性ペンのターゲットは私達オジサンではなく、女子中学生や女子高校生なのかも知れません。
だから、できるだけ安価で、細いペン軸にすることを目指しているのだと思います。
パイロットはその制約の中では頑張っていると思います。
そして、このインクリフィルの多種展開はありがたいと思っています。

ただ基本壊れやすければ、グッズとして成り立たないとも思います。
私は過去に4本買ってきました。
でも、今持っているもので完全なモノがないので、また買いに行くつもりです。
それだけ気に入っていますし、残念です。

パイロットの方がこのブログを読んでいるのなら、このラインは仕方ないとして、若干高価でも構わないから金属製の少し丈夫なものも加えて欲しいと願います。

このブログを読んでいる方、このペンは決してダメなペンではありません。
このブログでダメな文具は紹介していません。
ダメじゃないから残念だと思うだけです。
私も今後も使い続けるペンの一つであることは間違いありません。
念のため。










2016年12月2日金曜日

訃報ー青野正昭先生ご逝去

会長ブログから個人のブログに移行してからは、宮城県土地家屋調査士会会員の訃報をお知らせすることは控えておりましたが、この方の訃報は皆さんにお伝えしたいと思います。

青野正昭先生(仙台支部)が本日ご逝去なされたそうです。

<通夜>

日時:平成28年12月6日(火)午後5時~

場所:仙台宮城野斎場 清月記
    仙台市宮城野区高砂1-4-5
    TEL:022-258-5777 FAX:022-782-5778

<葬儀>

日時:平成28年12月7日(水)午後1時~

場所:仙台宮城野斎場 清月記
    仙台市宮城野区高砂1-4-5
    TEL:022-258-5777 FAX:022-782-5778

<喪 主> 青野和信様



青野先生は宮城会会長や東北ブロック会長、日本土地家屋調査士会連合会副会長を歴任された方です。全国にも知己が多いでしょう。

若い会員は知らないかも知れませんが、広い眼で世間を見て、会員を指導されていた方です。
私も役員の駆け出しの頃に、直接指導を受けました。

たとえば「研修会の看板についてのエピソード」を覚えています。

研修会会場内に「宮城県土地家屋調査士会 ○○研修会」という看板を準備していたら、「これは道路から見える外に置け」と青野先生から指示を受けました。
青野先生がおっしゃるのは次のとおりです。
「会員はここで研修会を開催することは分かっている」「だから、会員のために看板は不要だ」
「土地家屋調査士以外に、土地家屋調査士はこのような内容の研修もしているのだ、とアピールすることが大事だ」

私が30代の頃でした。
とても感心したことを覚えています。

とても惜しい人を亡くしました。
なかなかゆっくりとお話ができなかったのですが、まだまだ教えて欲しいことがありました。
残念です。
ご冥福をお祈りいたします。








2016年12月1日木曜日

補助者の辞め方

土地家屋調査士をめざして補助者をやっている方から相談が来ました。
今修行している事務所を辞めたいそうです。

辞めたい理由はいろいろあるようです。
その理由を聴いた範囲では「ちょっと違うな」と思う内容でもありましたので、本人には説明しましたが、本日はそこには触れません。
今回は、その理由が私にも共感できるものである前提でお話しします。

一番重要なことは、補助者は自分の地元の土地家屋調査士事務所に勤めていることが多いですね。
もし自分が土地家屋調査士になるとすれば、地元で開業するのでしょう。
そのときは、今お世話になっている事務所の先生は同業者としてお付き合いする方であることを理解しているでしょうか。

このブログでいつも書いているように、業務によっては土地家屋調査士同士の連携が必要なことも有るのです。
地元にいる限り、その先生とまったく付き合わないではいられないと思います。

だから、どうしても辞めたいのなら、自分が修行させてもらっていた事務所から、きれいに辞めることに気を配ってください。
いわゆる円満退社です。

あなたがどう思おうと、修行させて戴いたことは間違いないのです。
あなたは、辞めたいと思うほど一人前になったのでしょう。
感謝を込めて、辞める相談をしましょう。

また、これから補助者になろうと考えている方にアドバイスです。
いずれ独立する前提で補助者になりたいのなら、最初から期限を決めて雇ってもらったらいかがでしょうか。
たとえば「2年間お願いします」というようにすれば良いでしょう。
期限が来て辞めるなら、まったく角は立たないでしょう。
お互いに良かったら、更新すれば良いことですし。







2016年11月24日木曜日

嬉しい土地家屋調査士事務所開業報告

こんな報告が来ました。

「Sと申します。
今年の1月24日に鈴木先生のガイダンスを受講させていただいた者です。
本日、○○会において、登録証書の交付を受け、土地家屋調査士となりましたので、ご報告いたします。
今現在、顧客はゼロですが、近傍の先輩調査士の方々が現場作業の手元の仕事をくださり、多忙な日々を送っております。
測量機械無しでの開業を計画しておりましたが、懇意にしております先生からお借りする事ができました。
周りの調査士の先生方に恵まれ、支えて頂いているおかげで、スムーズな発進が出来ております。
半年後、一年後と、どんどん自分の仕事を増やしていけるよう、どこにでも顔を出し、自分のワールドを広げていきたいと考えております。
ありがとうございました。
また、報告いたします。」


嬉しい報告です。

Sさんは、今年の大阪で開催した「土地家屋調査士事務所開業ガイダンスin大阪」に参加された方です。
Sさんは、試験に合格していて、補助者歴長い方ですから、ひととおりの仕事はできるのでしょう。
でも、以前目指していた独立開業を考えなくなっていました。
何故でしょうか。

以前、Sさんから、こんなメールをいただきました。
Sさんは、この後開業ガイダンスに参加されたのです。

「私は、○○事務所にて、補助者をしております。
平成○年からですので、補助者暦は15年ほどになります。
調査士試験は平成○年に合格しております。

平成○年(補助者になった)当時は、独立開業を夢見ておりましたが、平成○年に合格した時には、独立開業への強い気持ちは無くなっておりました。
その後は開業の事は考える事もなく日々を過ごしましたが、ここ2~3年、○○歳という節目の年齢が近づくにつれ、ふたたび開業への気持ちが高まってきていました。
ここ最近は、「このままではイカン。」と、心のなかでつぶやく日々を過ごしておりました。

そのような状況の中、今回のガイダンスのお話を頂き、鈴木会長のブログを拝見しました。
深く感銘を受けました。
「そのリスクに付き合いながらそれを楽しむことができるのなら、逆に「自分の人生を自分で決めることの嬉しさ」も感じることができる世界とも言えます。」
いちばん胸に突き刺ささったフレーズです。

おかげさまで、目が覚めました。
リスクを恐れ、踏み出す事から逃げていました。」


このブログのフレーズとは、2015年12月2日「あなたの将来を匿名の落書きで決めるのですか」の中に書いたものです。

私は常に、ガイダンスもブログも他人の人生に深く関わっていることの責任を感じています。
これは「ガイダンスは無料だから」というような言い訳ができないことは覚悟してやっています。

仕事や人生は必ずリスクがあります。
このリスクと付き合えるかどうかは、本人の問題です。
おそらく、本人もやってみないと分からないかもしれません。
他人ならなお分かりませんから、無理に背中を押すことはしません。
「やりたいなら、こういう方法がある」と教えるだけです。

もちろん私は、勝手に土地家屋調査士界の研修部長や広報部長をしているからには(笑)、一度でも土地家屋調査士を目指してくれる方には、土地家屋調査士として満足した人生を過ごして欲しいと願っています。

だから、このような報告をいただくととても嬉しいです。


私のガイダンスでは、「業界の先輩や仲間は商売敵ではない」と言っています。

仕事の見込みが無くても、最初は先輩の仕事を手伝うという選択肢があるのです。
彼の報告を読めば、よく分かるでしょう。
勝手なビジネスモデルを考えてグズグズしていないで、もっと広い世間に目を向けて欲しいと思います。

いずれまた、どこかで開業ガイダンスを開催します。











2016年11月22日火曜日

11.22 福島県沖地震

今朝、午前5時56分ごろ、福島県沖を震源とするマグニチュード7.4、最大震度5弱の地震が有りました。
最大震度こそ5弱ですが、マグニチュード7.4は阪神淡路大震災7.3を少し上回るものです。

また、今回は久しぶりに広い範囲に津波警報が発信されました。
警報では津波の最大の高さは3メートルと言われました。
東日本大震災で土地が沈降しているエリアには、僅かな津波でも大きな被害になります。
この点は忘れてはいけません。

幸いにも早朝だったので、大半の方がニュースを見ていたこともあり、大きな被害が出なかったと聞いています。


毎回書いていることなので恐縮ですが、ここで再度申し上げたいことが2点あります。

まず、1点目。

考えたくないでしょうが、本震はこれからかも知れません。
私達は東日本大震災でも熊本地震でも、このことは経験しています。
今後何も無ければラッキーというだけです。

まずは、準備をしましょう。
食料や水、ガソリン、電池は充分でしょうか。
非常食や保存食の賞味期限を確認しましょう。
風呂水を溜めておきましょう。
できるだけガソリンは満タンに近い量に給油しておきましょう。
3日間停電しても何とかなる電池などを確認しておきましょう。
明かりだけでなく、暖房や携帯電話のバッテリーも問題になります。

持病の薬を定期的に飲む必要の有る方は、ある程度の期間の薬も必要でしょう。
また、住まいの内外の危険物は無いかのチェックや避難経路の確認も家族で話し合っておきましょう。

次に2点目。

今回の津波対応で、避難所等の段取りや手配などご苦労された方も多いでしょう。
そして問題が無かったので、その努力がほとんど無駄になったかも知れません。

あの東日本大震災で大きな被害を受けた住民でさえ、もう喉元を過ぎた意識なのかも知れません。「どうせ・・」などの声を聞きました。

地震等の災害に遭ったときには「大袈裟」「無駄骨」という言葉は禁句です。

自然災害に対して、斜に構えて見切っているように格好つけることが、一番格好悪いと思っています。
毎回、やれることのベストを尽くすことが、家族や社会や自然に対する責任だと思います。

正しい情報と正しい判断、正しい行動をお願いします。



Yahoo!地震情報 より




2016年11月21日月曜日

シーモアさんと、大人のための人生入門





シーモア・バーンスタイン
89歳
ピアノ教師
一流のピアニストとして活躍しながらも50歳で突然現役を引退
その後をピアノ教師として生きてきて、今なお現役

その彼の生涯を描いているドキュメンタリー映画です。
彼の波乱の人生を見て、彼の言葉を聞き、タイトルのとおり「大人のための人生入門」になるのです。

監督はイーサン・ホークです。
イーサンは、映画監督であり、俳優であり、作家であり、このブログで紹介した映画では「6歳のボクが大人になるまで」「ビフォア・サンライズ」や「ビフォア・サンセット」に出ていました。

イーサン自身が人生に行き詰まりを感じていたときに、シーモアに出会い、彼の演奏と人柄に魅了され、人生のヒントをもらい、これを映画にしようと決意しました。

「音楽の教師が生徒にできる最善のことは、生徒を鼓舞し、感情的な反応を引き出させること。音楽のためばかりではない。人生のあらゆる場面で、重要なことだから」

映画の中のシーモアの言葉ですが、彼の鼓舞は穏やかな品のある語り口で行われます。
ピアニストとして成功した経験、朝鮮戦争従軍中に演奏で慰問してまわったが結局音楽で生命は救えなかったという辛い思い、演奏会に関する様々な思い、それらを経験してきた彼の言葉は示唆に富み、その言葉に触れた人は、何らかの鼓舞をされるでしょう。

「音楽はいっさいの妥協を許さず、言い訳やごまかしも受け付けない。そして、中途半端な努力も。音楽は我々を映す鏡と言える。音楽は我々に完璧を目指す力が備わっていると教えてくれる」

映画の終盤では、シーモアがこの映画のために33年ぶりにコンサートを開きます。そのコンサートのためにピアノを選ぶところも描かれていて、シーモアの音楽に向かう思いが垣間見えます。
とても美しい調べを聴きながら、音楽を通して人生を学ぶことになります。

「音楽に対する最初の反応は、知的な分析なしに起こる。たとえば才能豊かな子供は、音楽の構造的なことや背景を知らずとも、音楽をとても深く理解できる。こうした無知さには、大人も学ぶことがある」

シーモアの友人や生徒達との交流も描かれ、直接シーモアを知っている彼らがシーモアの人柄を語ります。
そして、映画の終盤では、監督のイーサン自身がシーモアと真摯に語り合います。
そのシーモアの言葉と音楽から、イーサンと私達観客は、まさに人生入門するのです。

「人生には衝突も喜びも、調和も不協和音もある。
それが人生だ。避けて通れない。
同じことが音楽にも言える。不協和音もハーモニーも解決もある。
解決の素晴らしさを知るには、不協和音がなくてはならない。
不協和音がなかったらどうか? 和解の意味を知ることもない」

全国的にも上映館は少ないようです。
仙台ではフォーラム仙台で今週中上映しています。
機会が有れば観ても良い映画だと思います。





2016年11月15日火曜日

資格試験に何年もかかっている方に

土地家屋調査士筆記試験の合格者発表が11月9日にありました。
全国で悲喜こもごもあったと思います。
仙台法務局管轄(東北)で28名でした。

発表直後に嬉しいご連絡をいただきました。

「1月24日の大阪のガイダンス、ありがとうございます。
その時に参加させていただいた、Nと申します。
私の個人的なことで、またメールで失礼かともおもいましたが、
やっと、おかげさまで、土地家屋調査士の筆記試験に合格することができました。
まだ、口述がのこっているのですが。。。
大阪のガイダンスで実際に鈴木先生やほかの先生のお話をきかせていただけたおかげと感じます。本当にありがとうございます。」

Nさんは、「土地家屋調査士事務所開業ガイダンスin大阪」でお目にかかった方です。
私の開業ガイダンスは、土地家屋調査士試験合格者を対象に事務所を開業するためのノウハウをお伝えする企画でしたが、受験生も開業者も悩みの有る方は全部受け容れました。

Nさんも過去5年受験されていたようでしたので、試験合格についても少々アドバイスさせていただきました。その中で一般的な部分について書いてみます。

基本的に、この試験勉強は5年かからないはずです。
この試験にかかわらず、日本のあらゆる国家試験勉強はそこまでかからないはずです。
確かに10年かかって合格した人もいます。
でも、その人は10年目に本気になっただけだと思うのです。

資格試験を何年も勉強している人に対してお尋ねします。

他の方が何年もかかっているから、1年目や2年目で合格できなくても当たり前だと考えていませんか?
それが間違いですよ。
合格率数%でしょ。
だから、あなたが見ている周りの人の大半は落ちているのです。その人達を標準にしても仕方ありません。

合格率数%の難しい試験だから時間がかかって当たり前と思っていませんか?
それも違います。
ちゃんと集中して勉強している人が数%と考えるべきで、集中すれば1年で合格レベルまでは到達します。

試験勉強は辛いのだから1回で終わらせましょう。


一番大切なことを教えます。

「合格したらあなたの人生がどう変わるのですか?」

会社をすぐ辞めるのですか?
事務所はどこに開くのですか?
どこかに勤めて修行するのですか?
修行するとすれば、どんなところで何年ですか?

これが明確に答えられないのなら、資格試験はカルチャースクールと同じことになります。
試験合格は人生を変えるために勝ち取ることです。
その具体的イメージからくる集中と気迫が合格の秘訣です。

受験生のためにもどこかでまた「ガイダンス」をしましょうか?
リクエストがあれば、行きますよ。


さて、Nさんをはじめとする筆記試験合格者の皆さん、口述試験はほぼ合格するとしても、病気や遅刻の落とし穴もあります。
気は抜かないでください。

病気や遅刻は不運ではありません。
プロになれば、約束した日に行かないと決済できないなどお客様に多大なご迷惑をお掛けすることもあり、たとえ病気でも言い訳にはなりません。
だから、プロは自分をコントロールをしなければなりません。

まずは、口述試験めざして、体調コントロールを考えてください。
またNさんの報告を楽しみにしています。






2016年11月10日木曜日

秒速142センチメートル〜さくらさくえんぴつ

11月9日は土地家屋調査士筆記試験合格発表の日でした。
合格した人はおめでとうございます。
口述試験に向けてもう一度気を引き締めてください。
そして合格したのなら是非開業を目指してください。
このブログは皆さんの開業を応援します。


さて、合格発表といえば「桜咲く」ですが、その「桜咲く」をそのままモチーフにした鉛筆がサンスター文具から発表されました。


これです。
その名も「さくらさくえんぴつ」です。
パッケージがそのまま合格祈願の贈り物になるようにリボン付きデザインになっています。


鮮やかなピンク色の「河津桜」と淡いピンク色の「ソメイヨシノ」の2種類が発売されました。写真は「ソメイヨシノ」です。



これ断面が桜の形をしています。
テンション上がりませんか......って私だけ?



そして、なかなか嬉しいのは、この鉛筆を削るとその削りかすが桜の花びらの形になることです。


どうですか。
これは受験生へのギフトに喜ばれますよ。
定価が394円(税別)です。
これは「咲くよ(394)」のごろ合わせとのこと。

そうそう、桜の花びらと言えば、先日ブログで書いた「秒速5センチメートル」が思い出されますよね。
秒速5センチメートルは桜の花びらが舞い散る速度です。
では、こちらの花びらは秒速何センチメートルなんだろうと思い、測ってみました。

高さが1.83mのところから5回放してみました。(無風室内)
1.39秒
1.29秒
1.22秒
1.31秒
1.25秒
maxとminを除いた3回で平均して
秒速142センチメートル...

うーん、速すぎる(笑)




2016年11月7日月曜日

秒速5センチメートル

先日「君の名は。」について書いたときに、以下の様な書き方をしました。

『しかし、私はこの結末でない方が物語として良かったと思うのです。
あの「誰そ彼どき」からの余韻のまま、「秒速」のような終わり方でも良かったのではないでしょうか。』

この「秒速」とは、同じ新海誠監督の「秒速5センチメートル」(2007年)のことです。
ある程度の割合の方はご存じかと思って書いたのですが、私の周りの人が意外とこの映画を観ていないことが分かりました。(まあ、おじさん達は観ないか)

そこで「「君の名は。」を気に入ったのなら、この映画を一度観てください」という気持ちで紹介します。



「秒速5センチメートル」は、新海誠氏の作品の中で私が一番好きな作品です。
何度も観ています。

一人の少年「遠野貴樹」を軸にした三作の連作アニメーションです。

秒速5センチメートルとは、桜の花びらが舞い散る速度のこと。

『桜花抄』
中学生になった貴樹が、小学校の同級生で転校して文通を続けている篠原明里に会いに行く。電車で向かうが、大雪で止まり、明里との約束の時刻を大幅に超えていく。明里は待っているのだろうか。

『コスモナウト』
種子島の高校生になった貴樹を慕う後輩の澄田花苗からの視点で描く。優しいのにどこか遠くを見ている貴樹。貴樹は時々誰かに携帯のメールを打っている。誰に打っているのだろうか。

『秒速5センチメートル』
社会人になった貴樹。理紗とも付き合うが、いまだに魂は彷徨っている。
貴樹は会社も辞め、何かを捜して街を彷徨う。


過去の感情を整理できないまま人に触れ、人を傷つけ、そして自分も傷ついている貴樹。
山崎まさよしの"One more time, One more chance"が流れる中、映画終盤で貴樹が街を彷徨うシーンがとてもせつないです。

誰にも覚えがあるような感情ですが、そのままトラウマになるのか、いつ立ち直るのか、皆通った道かも知れません。


この「秒速5センチメートル」はピンと来ないと言う人と、心を鷲掴みにされ泣けてたまらないと言う人がいます。

この映画のストーリーだけ話しを聞いても、おそらく泣けません。
ストーリーだけなら大した話しではないと思います。
ただし、映像と音楽と総合力で観客の情感に訴えてきます。

そのときに泣けるのは、この貴樹と明里や花苗や理紗の物語に泣けるのではなく、この映画を観る人自身の過去の物語が甦り、そのときの想いが甦るからでしょう。

過去は忘れることができなくても、整理をすることは必要です。
その過去を思い出に整理できるまでの期間は、人それぞれでしょう。
また、長い期間をかけて無理やり整理できたつもりにしている人もいるでしょう。
この過去を思い出にする作業は、心にとってどれだけの辛くて負担なのか、誰にでも覚えがあることだと思います。

この映画を観た人が、貴樹のように過去を整理できずにいる人や、過去を整理できたフリをして生きている人の場合は、否応なしにその感情を突きつけられる辛い映画なのかも知れません。
もう観たくないというかもしれません。

過去を整理して思い出にできている大半の人が観れば、その当時の感情が蘇ってきて、辛すぎない範囲であの頃の切なさを思い出し、心が揺さぶられ泣けるのかもしれません。

逆に、自分の過去を思い出にする辛さがまったく無かった人なら、この物語を見てもピンと来ないでしょう。


貴樹の彷徨については、「君の名は。」でも似たようなシーンを見ますが、そのエンディングの描き方が違います。そこを前回の「君の名は。」のブログに書いたのです。

「君の名は。」と同様に新海誠氏の映像の美しさは素晴らしいです。

「君の名は。」の大ヒットのお陰で、この「秒速5センチメートル」が、今、仙台チネ・ラヴィータでも上映中です。
長い期間上映しないと思いますが、「君の名は。」を気に入った人なら時間を捻出して是非観て欲しいと思います。





2016年11月2日水曜日

「ほぼ日手帳」と「仮止めのり」

さて、この季節、文具店や書店には来年の手帳がたくさん並んでいます。
鈴木の手帳は何を使っているのかと何度も聞かれることがあります。
実は、私の手帳は1冊ではありません。
複数の手帳を並行して使っています。

手帳に何を求めるか、これが皆さん違うようです。
単なるスケジュール管理なら、スマホでもできるでしょう。
この話しは別立てで書きます。

私の手帳の中で「作業用」は「ほぼ日手帳カズンavec」を使っています。
1日1ページのA5版レイアウトです。
私の手帳の中には、この1日1ページの手帳が昔から必ず入っています。

その手帳に、その日に使いそうな資料などを予め貼り付けます。

「todo」にコンサートに行くことを書いていても、直前で肝心のチケットの現物を捜したり、予約表や行き先の地図を検索することがあります。

私の身のまわりのデータは、ほぼすべてEvernoteに入っています。その情報をどこにいても取り出せるようにしています。
しかし、コンサートチケットなど、紙の現物が必要なモノ(最近は電子チケットも増えましたが)もありますし、必要なモノがデータだとしても、ネットに接続して検索しているよりも手帳を開いた方がはるかに早いこともあります。

todoという情報は何らかの紙資料と連動することが多いようです。
だから、それらを私はできるだけ「ほぼ日手帳」の該当ページに張り込んでおります。



たとえば、上の写真の様に貼ります。
来年の研修会の時間割ですが、縮小して貼っています。
小さな字でも小説を読むわけでは無いので、問題ありません。



その日行動する場所が決まっていたら、上の写真の様に地図を縮小して貼っておきます。
もちろん当日行動は、この地図を見て動くのではなくカーナビで行きます。
これは事前に当日の行動のイメージを持つためです。




当日の支払うべき割賦や請求書などがあれば、そのページに仮止めします。

コンサートチケットも、当日のページに貼っておきます。
無くしませんし、忘れません。

その日が終わったら剥がしたり、移動したりするものは「ふせん」のように跡を残さずに剥がすことのできる糊(のり)を使います。

私の手帳やノートに様々な資料が張り込んであることを最近お会いする方にお話しすると、この「仮止めのり」の存在を知らなかったとおっしゃる方が多いようです。




写真は「仮止めSTICK」(フエキ)ですが、他にも「スコッチ はってはがせるスティックのり」(スリーエムJ)などもあります。

スティック状ののりで、とても使い勝手が良いです。
ちょっとしたレイアウトの検討だとかのためにも、私の事務所では欠かせません。


また、逆にしっかり貼りたいときは、手帳に「テープのり」で貼ります。
糊の水分で伸縮することが無いからです。




未来のページには行動のための貼り込みをし、過去のページには記録のための貼り込みをしています。

上の写真で、右側のふせんで一部隠しているモノは、名刺の縮小コピーです。
もちろん、いただいた名刺はEvernoteとEightで管理していますが、会ったその日のページに貼っていると時系列的な記憶の連鎖に役に立ちます。

縮小した写真や縮小した測量図を貼ることもあります。

左下にあるモノはレターパックの控えです。
相手に届いたらまったく不要の紙になるですが、皆さん、一時的に置いておく場所って決まっていますか?
私はここに貼っています。



そうそう、映画の半券なども捨てようか迷いませんか?
私は、捨てずにここに貼っています。

これも時系列的な記憶の呼び覚ましに役に立ちます。











2016年10月29日土曜日

勤め人ならリスクはないのですか

土地家屋調査士合格者の開業相談を受けることが多いです。
私は土地家屋調査士会の会長だったときでさえも、簡単に開業を勧めたりはしませんでした。
事務所を開業するには「覚悟」が必要だからです。

土地家屋調査士は、このブログで何度も書いているように、この資格のみで十分経営をやっていく事ができる資格です。
しかし、試験に合格しただけで満足している人には無理です。
試験合格しただけの医者に手術してもらいたいと思う患者がいないことと同じです。
土地家屋調査士も他の専門家と同じで努力の継続が必要です。
土地家屋調査士である間、専門家として努力を続ける「覚悟」があればやっていく事ができるでしょう。

合格者のお話を聴いていると「個人事務所はリスクがある」という言葉が何度も出てきます。
そりゃあそうでしょう。
自分の力だけで生きていくのですから。

でも、それならその人達にお伺いしたいです。
「勤め人ならリスクはないのですか?」

今の時代、個人ほどでなくても、勤め人でもリスクはたくさん有ります。
役員の不祥事で勤めている会社が傾き、その影響で下っ端の自分が辞めなければならないリスクが勤め人にあるのなら、良くも悪くも全部自分のせいという個人事務所のリスクの方が人生納得できませんか?

リスクの有無が問題なのではありません。
想定できるリスクをコントロールする覚悟の有無が問題なのです。









2016年10月20日木曜日

カクノ kaküno について書くの

『鈴木先生。おはようございます。
先日、パイロットの「カクノ」という万年筆を入門用に購入しました。
定価1000円とのことでしたが、ディスカウントストアで650円で入手しました。
書き心地もインクの微妙な濃淡も万年筆!って感じです^^
どうでもいい報告ですいませんでした。
しかし、文房具を手に入れてその喜びをワーイ!って共感してもらえる人が
そんなにいないので、ついメッセしてしまいました!失礼しました!』


九州のTMさんからの嬉しい報告です。

私も子供の頃から文具好きでしたが、自分で他の人に比べて特に好きだという自覚はありませんでした。
新しい文具に心がときめいたりしたのですが、他の人はそれほどでもなさそうで、とてもつまらない思いがしていました。
高級な万年筆などについては古くから全国に愛好者の情報交換がありましたが、「一般的な文具が趣味です」なんていう人の市民権は、つい最近のものではないでしょうか。

だから、TMさんの喜びと誰かに伝えたい気持ちはとても良く分かります。

さて、カクノkakuno(正確にはuはウムラウトü)ですが、私も持っています。
そういえば、カクノについては、このブログで書いていなかったと思いましたので、ちょっとだけ紹介をします。

カクノは定価1000円ですし、TMさんのおっしゃるように実売はもう少し安く、気軽に買うことができます。
カクノは、確かにパイロットでは万年筆の入門の位置づけのようで、中に入っている説明書も子供向けに書いています。
しかし、入門用万年筆と言っても、侮れないペンで、とても人気の有るものです。
入門用だからチープなのではなく、入門用だから初心者に心配りをした作りになっているということです。

私も、はるかに高価な値段の万年筆も持っていながら、私のペン入れの中にこの万年筆も外せません。



こんな形状です。キャップはオレンジ、ピンク、レッド、ライトグリーン、ブルー、グレー、ソフトピンク、ソフトブルー、ソフトバイオレット、ソフトイエローが有ります。

ちなみに、キャップは私のテーマカラー(いつ決まったんだ?)のオレンジを選んでいますが、インク色に合わせて何本か欲しいですね。



キャップを取ったところです。

このカクノですが、子供を含む初心者に対する前述の心配りによる様々な工夫がなされています。

ペン先を見てみましょう。
光って分かりにくい写真ですが、ペン先に笑顔のマークが刻まれています。
パイロットの説明書には
「ペン先には、書くのが楽しくなるえがおのマークが。書くときはマークを上にして。」と書かれています。
笑顔マークを上にすると、ペン先が自然に正しい位置に来ます。子供には良い説明方法なのでしょう。
グリップが三角形です。三角形の軸はステッドラーのペンなどにも見られる工夫ですが、実際に円筒形より持ちやすいです。子供の手にもフィットすることでしょう。




キャップの先には少しくぼみがあります。
キャップを明けるために引っ張るときに滑らないように、少しのくぼみを付けたようです。
またキャップの端には突起があります。転がり防止だと思いますが、軸もキャップも六角形なので、これが無くても転がりにくいペンです。
六角形は鉛筆と同じで違和感も少ないでしょう。

また特殊合金製のペン先は硬めです。
万年筆を使い込んでくると柔らかいペン先を求めていくものですが、ボールペンや鉛筆に馴染んだ方々からすると、やはり最初の万年筆は硬めのペン先が一番馴染むでしょう。
そういう意味でもこの硬さの調整も初心者に配慮したものだと思います。

この万年筆は買いですよ。
当然コンバーターも使えるので、様々な色の瓶のインクも使えます。
万年筆を持っている方でも、カクノは安いので普段の万年筆と違う色を楽しむために1本買っても良いと思います。

ちなみに私はBrownを入れています。