2020年12月20日日曜日

教えてもらうことを2年間待っていたのですか

 土地家屋調査士事務所の開業・運営ガイダンスについて、なかなか集合形式のガイダンスができない中、お困りになって私に連絡をくれた方については個人ガイダンスで対応しています。

本日のブログでは、一昨日お電話でお話しした方で、ある程度の高年齢で合格した方の話を書きます。

彼は「土地家屋調査士試験に合格してから『ある土地家屋調査士法人』に2年間勉強に行った」とのことでした。

「その法人で2年間何をしていたか」と尋ねると「2年間測量の助手をしていた」とのことでした。ただポールを持っていただけのようでした。実際に今の段階で何もできないようです。

この方には複数の論点でアドバイスをしましたが、その中の1つの論点について書きます。


その法人に何を期待して行ったのか。そしてそれが得られたのか。それが得られないと気が付いて今何をしているのか。


「その法人ではCADの使い方も教えてもらえなかった」とのことでした。

比較的多くの人員を雇っている法人が、中途採用で高年齢の人に手取り足取り教えるだろうと思っているところで、世間を見ていないような気がします。

それで辞めたのか、辞めさせられたのか、そこはどちらであっても彼のニーズには合っていないでしょう。

いつもこのブログで書いているように、自分の力で生きていくのが独立開業なのに、世間に対して甘ったれすぎていると思います。

法人が求人するのは働く人が欲しいからで、誰かにノウハウを教えたいわけではありません。

比較的人数の多い法人への就職は、特に歯車のひとつになる確率が高いですね。雇用者側の視点に立てば、新人に新しいことを次々に教えるよりも、同じことをずっとさせている方が効率が良くて、リスクも少ないですから。

逆に個人事務所ならもう少し様々な業務に触れる機会があるのかも知れませんが、それも個人事務所の業務範囲と先生の能力と、先生との相性もあるし、当たり外れがありますね。

だから、事務所に入る前に、お互いの希望と考え方をしっかりと話し合う必要があります。

毎回書いていますが、勉強は基本独学です。その独学で方向性に迷うことがあるから師匠が欲しいだけです。

鈴木修事務所は、勤務時間内にもかなりしっかり教えています。それでも学ぶのはやはり個人です。力が付くのかはやはり自分自身の問題です。


世の中のあらゆる場面で、勉強を教わりたかったら本来お金を出すべきでしょう。

私は、どうしても長期で勤めることができない事情の方から実際に授業料をもらって、そのための時間を確保して個人指導をしたこともあります。

本来ノウハウを得るとはそういうものです。

それを補助者として給料をもらいながら「教えてもらえない」とか言っている段階で、個人業に対する覚悟と戦略がありません。会社員だった頃の甘えが出ているのでしょう。


土地家屋調査士試験に合格することと、土地家屋調査士で食べて行けるということには、とても大きな段差があります。

それはあらゆる業界でも見られることでしょう。弁護士でも医者でも試験取っただけではどうにもなりません。調理師免許取っても大繁盛のお店が保証されません。

資格試験の受験予備校にも多少の問題があるのかも知れませんが、本人に合格後の修行の要否と深さと計画が念頭にないのは困ったものです。ただどこかに在籍すればノウハウは身につくと考えていることだけでも、この業界で生きていくのは無理でしょう。

そんなに世間を見ていないのなら、開業してもお客様の心も掴めないでしょうね。


年明けの1月6日に筆記試験の合格者の発表があります。合格かなと思っている方は、この年末年始に何をすべきかもう一度考えて欲しいと願っています。

いずれガイダンスも開催します。

しかし、その前に本人がしっかり考えてください。自分のことですから。






2020年12月14日月曜日

東京ガイダンスの開催を迷っています

今年も残すところ半月、実質的には10日程度です。年を越さずに何をどこまでできるのか、仕訳が必要ですね。


令和2年は、コロナに振りまわされた年でした。何をするにも難しい年でした。

このコロナウィルスに対する、感情や対応は人それぞれです。

住んでいる地域や、その人や家族の持病などによっても違う感情があるでしょう。

ニュースを見ても、純粋科学的な感染病対策だけでなく、対策にイデオロギーの対立まで持ち込まれているように見えます。

だから公私ともに何を開催するにしても、各々個人の理論だけで物事は進めることはできません。


さて、11月19日に以下のブログを書きました。

「令和3年1月23日(土)に「土地家屋調査士事務所開業・運営ガイダンスin東京」はいかがでしょうか?」

http://fermatadiary.blogspot.com/2020/11/3123in.html


そして11月24日に以下のブログを追加しました。

「東京のガイダンスは少し様子を見ながら募集を続けます」

http://fermatadiary.blogspot.com/2020/11/blog-post_24.html


この「土地家屋調査士事務所開業・運営ガイダンス」は毎年各地で開催してきたものです。

試験合格者がこれから事務所を開業するという時点でのアドバイスだったり、事務所を開業してた新人が事務所運営を迷ったりしたときのアドバイスが、長年お役に立ってきました。毎年いただく礼状からその実感を得ています。

後輩へのアドバイスは、私のライフワークのひとつと思っていますが、今年は開催をためらっています。

本件は任意のガイダンスであり、自分で必要だと思った人だけが申し込むのだから、病気の予防も含めて本人が納得して申し込んでいると理解すれば良いだけとも思いますが、反面今の時節に社会的にそれが許されるのだろうかとも考えました。

実は受講申し込みの方も既に何人かいます。最初のブログをアップした直後に申し込みされた方も、また本日受講申し込みをされた方もいます。

この方々はコロナの状況でも開催されれば参加するという判断をされた人だと理解しています。事務所開業や経営について、それだけ迷いを抱えている人だと思います。

ですから、今のところ、その方たちのためにもできる限りのコロナ対策を考えて開催するつもりです。


しかし、ここ一週間ほどのニュースなどを見ていて、開催を躊躇する気持ちは当然に湧きます。

開催を中止して、今回受講希望の連絡をくださった方々に個別のガイダンスに替えようかとも迷い始めています。

私のガイダンスでは、対面講義の中で他の受講者の質疑も聞くことにより、本人が気づかない業界や経営の問題が理解できるメリットも大きいのです。だからマンツーマンではその大きなメリットがなくなるのです。

そうも言っていられないのでしょうか。


またこの状態が続けば、ZOOM等での1対多数のガイダンス開催も視野に入れなければならないのでしょうが、対面での研修とはその効果はまったく違うと思います。今後もZOOM等でも最大の効果が出るガイダンス方法も研究はしますが、今回の導入は見送りたいと考えています。

ということで、今のところは計画どおり対面の形式で開催したいと思っていますが、そのためには今年中に会場手配もしなければなりません。そしてその手配は人数がある程度把握できないと難しいのです。ですから、興味のある方には「迷っている」という連絡だけでも欲しいのです。あまり受講者が少なければ、今回だけは個別対応にさせて戴きます。


この件の開催については、今月末に結論を出します。

よろしくお願いいたします。