2019年6月17日月曜日

現場で質問するな

土地家屋調査士試験に合格して、新年度から土地家屋調査士事務所に勤めて、実務の勉強を始めた人も多いでしょう。
頑張って勉強して独立を目指し、立派な土地家屋調査士となって欲しいと思います。

さて、先日ある事務所の土地家屋調査士から以下のボヤキを聞きました。
「今度入った新人(補助者)は、早く独立するために勉強を焦ってるのだろうけど、現場でお客様がいる前で『この機械何ですか?』って聞くんだよ」

いつも言っているように、土地家屋調査士事務所は学校ではありません。
勉強中の新人であれ、事務所は給料を払って戦力として雇っているのです。
ですから、まずは一生懸命に働いてその事務所の役に立ち、それによりその事務所の先生や先輩の時間的余裕を作って、その余暇で勉強を教えてもらえると考えた方が良いです。

まして、お客様の前で先生に質問することは、ありえません。
お客様の立場から考えてみましょう。
「この土地家屋調査士事務所は素人を連れて来た」と不安に思うでしょう。
病院で手術室に入ってから、患者の前で助手が執刀医に『この機械何ですか?』って聞いているようなものですから。

新人のその発言は、結局お客様にとって不安感を持つ材料にしかならず、その土地家屋調査士事務所にとってマイナスにしかなりません。
誰を雇っているかがその事務所の信用にもつながるのです。
それくらいの気配りと判断ができなければ、その新人は独立しても真に信頼される事務所経営はできないでしょう。