2026年5月25日月曜日

今の年収を守りたいあなたへ--調査士の世界で歩き始める前に

会社員としての今の年収を、土地家屋調査士になってもすぐに確保したい。

そう願う気持ちは、とてもよくわかります。

生活がありますし、家族がいる方ならなおさら、収入の不安は大きな問題です。


だからこそ、まず一度立ち止まって考えてみてほしいのです。

あなたは会社員として、これまでどれくらい努力してきたでしょうか。

10年、20年、、、その年月の中で、仕事の流れを覚え、周囲から信頼され、任される仕事が増え、ようやく今の給料にたどり着いたのだと思います。


その20年分の積み重ねの結果と同様の年収を、新しい業界に入った「1年目から」同じように得たい。

その気持ちはよくわかりますが、現実としてはなかなか難しいのです。


たった一度の試験合格が20年分の努力を不要にするなどというような、そんな都合の良い試験はありません。

今までの業界で培ったノウハウは一度リセットされ、土地家屋調査士の世界では一年生としてのスタートになります。


もし本気で「1年目から今の年収を確保したい」と思うのなら、他の土地家屋調査士が20年かけて積み上げたものを、あなたは今年1年で追いかけてそこに到達する覚悟が必要になります。

これは脅しではなく、ただの事実です。


もちろん、重要な論点を整理してお伝えし、あなたが正しいトレーニングを積むことで、20年を4分の1程度に短縮する方法なら、鈴木修塾でお教えできると思います。

ただし、、、さすがに1年では届きません。


ここまで読んで、少し気持ちが重くなったかもしれません。

でも、どうか安心してください。


土地家屋調査士の世界は“実力の世界”です。

年功序列ではありません。

努力した分だけ、確実に前へ進めます。

そして、そのスピードは人によって本当に違います。


他の人と同じように20年待つ必要はありません。

あなたが本気で取り組めば、あなたのペースで、あなたのスピードで、確実に道は開けていきます。

その手応えこそが、専門家としてのやり甲斐になるはずです。


そして、この仕事には定年がありません。

健康に気を付けて長く働ける──それだけで、積み重ねた努力がしっかりと実を結びます。


どうでしょう。

やってみませんか。


私は、あなたをそそのかすつもりはありません。

ただし、迷ってばかりいるのだけは良くないと思います。

現実やご自分の性格を踏まえて、しっかり考え、何らかの選択をすべきです。


あなたがどんな選択をしても、その選択があなた自身の未来を良くするための一歩であることに変わりはありません。

もしその選択の先が土地家屋調査士への道なら、私はあなたの歩幅に合わせて、応援を続けることができます。





2026年5月20日水曜日

一番もったいないのは“動けなかった3年間”ではありませんか

 6月14日(日)に福岡の博多駅東で開催する「土地家屋調査士事務所 開業及び経営ガイダンス in 福岡」に向けて、事前にこんなご相談をいただきました。

実は、これは毎年とても多いご相談のひとつです。


「私は別業種の会社員として働いています。

土地家屋調査士試験に長い年月をかけて合格し、思い切って3年前に登録しました。

土日だけでも知り合いの先生のところで仕事を学び、うまくやれそうだと確信できたら会社を辞めて、土地家屋調査士として人生をやり直そうと思っていました。

でも、現実は甘くありませんでした。

最初のうちは月1回ほど、地元の友人の事務所を手伝っていましたが、それも続きませんでした。

気づけば、実務書やネット記事を読むだけの日々。

『自分はいったい何をしているんだろう』と情けなくなります。

実務経験もなく、何もできません。

退会しようかとも思いましたが、ここまでの努力を思うと踏ん切りがつかず、悩んでいます。」


まず、この相談者さんに伝えたいこと

この方は決して怠けていたわけではありません。

「どうにか前に進みたい」という気持ちがあるからこそ、3年間も悩み続けているのです。

その葛藤は、私にも痛いほど分かります。


ただ、いくつか“つまずきポイント”があるのも事実です。


1. 土日だけの手伝いで一人前になれるか?

正直に言えば、かなり難しいです。

もちろん、土日に何を学ぶか、それを平日の夜にどれだけ補うかによって違いますが、週に数時間だけでは「測量のポールを持つ」程度で終わってしまいがちです。

それは、あなたの能力の問題ではなく、時間の使い方と戦略の立て方の問題です。


2. “うまくやれそうなら辞める”という前提の危うさ

相談文の中で一番気になったのはここです。

うまくやれそうなら会社を辞める

うまくやれなければ土地家屋調査士は辞める

でも、今はどちらも辞めていない。

つまり、どちらにも踏み切れないまま3年が過ぎてしまった。

これは「もったいない」という気持ちが強いからですよね。


・会社を辞めるのはもったいない

・調査士を辞めるのももったいない

・だから動けない


でも、本当にもったいないのは――

この3年間の“宙ぶらりんの時間”ではないでしょうか。


3. 人生は「いつかそのうち」では動かない

土地家屋調査士に限らず、どんな仕事も

「うまくいきそうになったら本気を出す」

というスタイルでは前に進みません。

本気を出した人にだけ、道が開けていきます。


ただし、会社を辞めるかどうかは慎重でいいと思います。

辞めていないということは、まだ戻る道も残っているということです。

それは悪いことではありません。

(測量会社などの業界が近い会社に勤めながら土地家屋調査士登録することには微妙な問題があることは過去のブログでお伝えしていますので別議論です)


では、どうすればいいのか?

このメールだけでは、あなたが本当に何を望んでいるのか、どちらの道が幸せなのかは分かりません。

だからこそ、6月のガイダンスで直接お会いした時に、あなたの気持ち、今の状況、ご家族の気持ち、これまでの努力、そしてこれからのあなたの人生について、じっくりお話を聞かせてください。

そのうえで、あなたにとって最善の方向性と具体的な行動プランを一緒に作りましょう。


その結果、あなたがどんな答えを出そうとも、私はその選択を全力で応援します。




2026年5月11日月曜日

土地家屋調査士事務所で”学ぶこと”と”学ぶもの”

6月に福岡で開催するガイダンスに参加予定のYさんとお電話でお話ししました。
ガイダンスでは皆さんの個別の質問を受け付けております。6月のガイダンスまで待てない質問があればそれも電話等でお答えしています。

その中で、ぜひ皆さんにも共有しておきたい、大切なアドバイスがありましたので、ここでお伝えします。

Yさんは現在50代後半で、他業種で働きながら土地家屋調査士試験に挑戦されています。

将来を見据え、”一日でも早く業界に飛び込み、実務に慣れたい”という強い思いから、事務所への転職を真剣に検討されていました。

私は普段から、「独立開業を目指すのであれば一度は事務所に勤めて実務を学ぶべきだ」と伝えています。

なぜなら、試験勉強と実務に必要な知識の範囲と深さの間には想像以上の乖離があり、試験に合格できる知識だけでは現場の業務に対応できないからです。


そう聞くと、多くの方が「では、少しでも早く事務所に入った方がいいのでは」と考えます。

しかし、私はこれを一律に勧めることはしません。

土地家屋調査士として成功するためには、”資格試験の合格”と”実務・経営能力”の両方が必要であり、どちらを先に身につけるべきかは、その人の状況や環境によって変わるからです。

もしあなたが20代で、この道に迷いなく飛び込む覚悟があるなら、早くから修行に出るのは大いに意味があります。

しかし、Yさんのように異業種で安定した立場にある方は、少し立ち止まって考える必要があります。

今のYさんにとって、最優先すべきことは、まず試験に合格することです。

どれほど実務能力を磨いても、資格がなければスタートラインにすら立てません。

そして、ここが最も重要な点ですが、補助者は職業という点です。学校ではありません。
土地家屋調査士事務所で補助者として学べるのはあくまで実務であって、受験勉強の内容ではありません。

異業種から飛び込み、慣れない補助者の仕事を覚えるだけでも大きな負荷がかかります。

そのストレスを抱えながら帰宅後に受験勉強を続けるのは、今の仕事を続けながら勉強時間を確保するよりも、はるかに難易度が高いと考えられます。

もちろん、これも人によると思います。新しい環境でモチベーションが大幅に上がって受験に臨むことができるという人もいるかもしれません。あくまでも一般論です。


私は、初期段階では”実務の習得と受験勉強は完全に切り離して挑戦した方が合理的だ”と思っています。

試験に受かるための知識は、実務の現場ではなく、受験予備校などで集中的に学ぶ方が圧倒的に効率的です。

だからこそ、Yさんには「今の環境で最大限に時間を捻出し、まずは今年、さっさと合格してください。実務を学ぶのは、それからで十分間に合います」とお伝えしました。

年齢を理由に採用を断られるのではないかという不安もよく耳にしますが、これについては以前のブログで書いた通り、考え方次第でどうにでもなります。どのような事務所を築きたいのかというビジョンを明確にし、その戦略に合致する場所で実務を学べばいいのです。

いつもお話ししているように「10年他人より遅く始めたら、その分長生きすれば良いだけ」ですから。


もし、自分に合う事務所が見つからない場合や、現在の仕事を辞める前に修行を始めたい場合は、「鈴木修塾」で学ぶという選択肢もあります。

塾では受講者一人ひとりに丁寧にヒアリングを行い、その人に合った事務所像と、そこへ到達するための努力の方向性を提示できます。


6月のガイダンスでYさんと直接お会いしお話を伺えば、さらに深い回答ができると思います。

それまでの間、どうか受験勉強を一歩でも前に進めてください。

あなたの挑戦を、私は全力で応援しています。








2026年5月5日火曜日

家族と進む独立への道

 先日、「迷い続ける時間より、今日の2時間が未来を変える」というブログを書きました。

https://fermatadiary.blogspot.com/2026/03/2.html

あれは、公務員として働きながら合格した S さんからの相談がきっかけでした。


今日も彼に確認したところ、今も勉強を続けているようで安心しました。

実は、先日のブログには書かなかったことがあります。

あの日の相談は Zoom で行ったのですが、彼の隣にはお子さんを抱いた奥様もいらっしゃり、ご夫婦そろって相談に参加してくださったのです。

奥様の応援もあって、今も継続して努力されているようで、私も本当に嬉しく思っています。


試験に合格した直後というのは、誰しも高揚感で胸がいっぱいになります。

その勢いのまま「すぐに開業したい」と思うのは自然なことです。

しかし、独立開業には冷静な分析と判断、そして大きな決断が必要です。

勢いだけではなく、経営者としての視点が欠かせません。


個人事務所といえど、開業は立派な“起業”です。

もしあなたが会社を設立するなら、マーケティングをし、経営判断を重ね、シミュレーションを行い、資金計画を立て、相当な調査をして臨むはずです。

それなのに、土地家屋調査士の開業となると、誰が書いたか分からない SNS の一般論を鵜呑みにして、人生を委ねてしまう人があまりにも多い。

そしてその判断は、本人だけでなく、奥様やお子さんの人生にも大きく影響します。

それが私にはとても心配なのです。


だから私は、相談の際にはご家族にも同席していただくことがあります。

試験に合格しただけのスキルでは、この業界でやっていくには不十分です。

今後も継続的な努力が必要になります。

そこで私は奥様にこう尋ねます。


「あなたの旦那様は、受験勉強だけでなく今後もずっとその努力を続けられると思いますか」


奥様がそれを信じ、応援すると言ってくださるなら、私もその方向性を支持します。

逆に、試験のときは頑張ったとしても、その後に何もしない夫を見ていたら、奥様は不安になるでしょう。


ここが一番大事なポイントです。


私への相談は、ご本人だけでなく、ご家族も一緒で構いません。

家族の将来のために、一緒に考えていきましょう。

家族とともに歩む覚悟があるのなら、私はその挑戦を心から応援します。