2010年1月26日火曜日

法務局が地図を作ることはない?

ニッポン放送の「テレフォン人生相談」というラジオ番組があります。40年以上続く長寿番組で、本当に評判の良い番組です。

このラジオ番組の1月25日の放送内容に、かなり問題が含まれていると思われます。タイトルは「母名義の土地の一部が市の歩道になってた。」です。
宮城会業務部長が教えてくれた内容ですが、とりあえず下記のURLを開いてお聞き下さい。

「テレフォン人生相談の録音」
http://circle.zoome.jp/zinsei/media/333/
このサイトが問題ではありません。
ここは、流れたまま消えていく貴重なラジオの内容を保存してくれているありがたいサイトです。

この日は、法務局の14条地図作成業務の地区内の地権者からの相談です。
「法務局の14条地図作成事業により、その地区内の地権者の土地の一部が市の歩道に含まれていることが判明した。固定資産税も支払っていたようだが、どうすれば良いか?」という相談内容でした。

回答者は弁護士なんですが、聞かれたことの回答以前に
「法務局側が測量することはない。国土調査以外でそんなこと聞いたこと無い。」
「法務局備え付け地図とは公図のことである。公図をつくるために法務局は測量しない。」
「なんのための測量かわからない。ちょっと目的が違うかもしれない。」
と不勉強にも言っちゃいました。

この地権者の土地の一部が昭和51年から市道に入ったようですが、その地区ではそれを「未処理用地所有者」と言っているようです。市道を整備する権利は有るが登記が出来なかった何らかの事情が有ったと思われます。仙台ではいわゆる「敷民」と言っているのと同じものでしょう。

「だったらその段階で市が処理しなければならなかった。

市が言うことはおかしいですね。弁護士に相談すべきだ。」
知識不足にも拘わらず、かなり断定的な回答をしておりました。

この件は宮城県内では無いようですが、この番組は全国放送で、しかも聴取者はお年を召した方が多いので、各地で影響があるかもしれません。なお、この件は仙台法務局と日調連にも報告しました。

しかしこの番組は、突然の電話相談ではなく事前に相談内容を把握してから回答すると思われるのに、勉強不足の回答者が何も調べずに出てきて回答するのは困った問題です。

もっとも回答者は何回か「勉強不足かも知れないが」という言葉も発したけれど、その言葉が枕詞にしか取られないような断言をしておりました。
私たちも登記相談等で様々な相談場面に当たりますが、プロが回答するときは、どんな言葉で言い訳を付け加えておいても責任が出そうだなと、あらためて思いました。注意しましょう。