2011年9月12日月曜日

パネルディスカッションが苦手です

震災後しばらく全国各地に講師に伺うことができませんでした。
そのお詫びと、ご支援のお礼を兼ねて、8月の大分会研修会から、また研修会の講師として活動始めました。

基本的にご依頼いただいたものは、日程が重ならない限り、すべて断らないことを原則にしています。既に3月までにたくさんのお約束が入りましたが、全国の皆さんに何らかお返しできることが嬉しいのて、全部頑張りたいと思っています。

さて土地家屋調査士が主催する研修会については、私は同じ土地家屋調査士として、言われなくてもその研修会は何を目的としたいのか概略は把握できるので、詳細な打合せ無しでも大抵は問題有りません。

しかし一番苦手なのが、パネルディスカッションや座談会の企画です。
「研修会もマンネリだし、ちょっとオシャレなシンポジウム的な企画でも・・」と担当者が考えはじめると、大抵この種のディスカッションが企画されるようです。

それは、パネラーやコーディネーターの力量も確かに問われるのかもしれませんが、ほとんどは企画に問題があります。

一つのテーマについて、立場の違う人に何をどの観点で話させるのか。
どこで対立して、どこで合意し、どの方向に議論が進むのか。
そして、それをどのようにまとめたいのか。

ただただ、それなりの人を並べても議論は成立しません。
例えば、6人パネラーがいて、各々自己紹介を兼ねて立場を10分説明しただけで、1時間が経過します。それから共通議論が1時間ではどうにもなりません。

主催者側である程度のストーリーが描けなければ、全体として「ぐずぐず」の時間になるか、それとも消化不良の時間になります。

受講者に何か「勉強になった、参考になった」と言ってもらうには、主催者として何を伝えたいのか。強い思いが無ければなりません。
そして巷には、それが感じられないパネルディスカッションまたは座談会が、あまりにも多いと思います。

もっとも、座談会の場合は、聴衆のいないところで長時間議論したものを、後でまとめて発表することが多いので、出てくるものはまだマシなのですが。

だから鈴木にはパネルディスカッションのパネラーは依頼するなと・・・。
いえいえ、私の原則どおり、依頼されたら決して断らず、喜んで受けますよ。
もう既にいくつか入っていますし。

でもその前に企画者としっかりディスカッションをさせてもらいます。
「ただ形だけ揃えた企画なら、あなた自身も聞きたくないでしょ。」と。