2011年9月11日日曜日

被災は半年前に終わったことではなく半年間続いていること

東日本大震災から今日で半年が経ちました。

「もう」半年か、「まだ」半年か、私自身良くわかりません。
おそらく被災地の人間にとって、半年前に終わったことではなくて、被災して半年間続いていることだから「もう」も「まだ」も無いのかもしれません。

昨日の段階で警察の調べによる大震災による死者は15、781人、届け出のある行方不明者が4,086人とのことです。
まだ行方不明者のご家族はどのような思いをしているのでしょうか。

私は、運よく自分も家族も無事でした。これは以前も書きましたが、まったくの運でしかありません。
今回の被災で1分差で偶然生き残った人と、1分差で運悪く亡くなった人達の話をたくさん聞きました。生き残った人間にとっても、絶対他人事ではないのです。

あれから、私の周辺にはいろいろな変化が訪れています。
良くも悪くも、様々なことを経験しましたし、考えもしました。
これを全国に伝える義務も感じています。
本来なら専門家である土地家屋調査士の視点からたくさんメッセージを出さなければなりませんが、もう少し後になります。被災地はまだ不動産登記どころではないからです。
しかし専門家である前に、被災地の人間としての経験や考えを伝えることなら、今でもたくさんできます。

これは、「被災地責任」と考えています。

被災地も少しずつ復興に向けて動いています。
ただ義援金や支援物資を戴ければ復興できるわけではないのです。
先の希望が欲しいのです。
日本人は、もちろん東北人は、忍耐強く、頑張りもできます。しかしそれは、先に希望が有るときです。
仮設住宅に移って、衣食住がギリギリ安定して、はじめて先を見る余裕ができます。
そこで見た先に希望が無いと、生きている意味が分からなくなります。
実際に阪神淡路大震災の時も、仮設住宅に移ってから自殺者が多数出てきたと聞いています。

先の希望が見えないときに一番頼りにすることは、政府の方針と行政の動きです。

復興するためにも、まず避難所から仮設住宅へ、仮設住宅から自分の建物へ、という段階が有りますが、被災地の多くには建築制限が存在ます。
再度被災が有るかもしれない地域に建築を認めてよいのか、確かに自己責任とだけ言えない話とも思います。
そうであれば、早い決定が欲しいのです。
その決定には補助金や被災地の買上げ等の大きな国の方針決定が必要なのでしょう。
地域が死ぬか生きるかの時期に国会は空転していました。


そして先週、この建築制限が2か月延長されることになりました。