この件で、少し補足させていただきます。
どうも、新聞も読まず、時代も読まず、土地家屋調査士の仕事を理解しないで、宮城会に登録移転さえすれば、仕事が潤沢にあると妄想を抱く方がいるようなので、もう少しご説明します。
今回の被災は、阪神淡路の震災の頃とは時代も場所も規模もまったく違います。
時代を読み、社会経済と調査士の仕事を理解したら、そんなに仕事が有ると考えることが不思議です。
東北の経済は止まっています。この震災で東北は疲弊しています。
多くの家屋が全壊又は流失しました。「だからすぐ建設ラッシュになるだろう。」と何故単純に考えられるのでしょうか。
家屋は流失しましたが、借金は流れません。職場を失った人も数多くいます。政府の対策待ちの要素もありますが、皆さんが被災者ならローンを抱えて、新たな資金をすぐに調達できますか。
仙台市内は、全壊は少ないですが、大抵の建物は何らかの被害が有ります。宮城県土地家屋調査士会の会館も修繕の見積りを取っています。結構大きな費用になりそうです。
私の事務所も半壊です。私の自宅も亀裂が入っています。
皆どこかで資金を工面しながら、最低の補修をして、我慢しながら生活をする事でしょう。
東北の人間は、これから少なくても5年から10年は厳しい生活をしなければならないでしょう。
ですから私は会長として頑張っているのです。何もしなくても宮城に住んでいれば仕事になるのなら、こんな睡眠不足で頑張る必要は有りません。
もちろん復興の仕事は期待しています。
それを被災した会員が立ち上がる為の足掛かりにしたいのです。仕事が有れば、当然被災した会員が優先と考えています。
それでも、復興の仕事が有ったとしても、ほんの一時的なものです。
本当に仕事が欲しいだけで、登録移転を考えているなら、お勧めしません。
目先の仕事や噂に惑わされずに、しっかりと自分の地域に根を下ろして、地域住民と信頼関係を築いてください。それが一番の営業になります。
決して村社会の発想で書いている訳では有りません。
わずかな仕事を抱えて、よそ者を排除するようなレベルの話はするつもりもありません。
土地家屋調査士だけの都合でこの問題を捉えても意味が無いのです。今は東北の社会全体が復興しなければ土地家屋調査士の仕事の回復は有りません。ですから今、宮城の会員は手分けして地域の為に動いています。
前回も書きましたが、これらを理解した上で、宮城に骨を埋める気で復興に立ち向かって下さるなら、全国の土地家屋調査士の皆さんが仲間に入ってくださることを大歓迎いたします。