2010年5月31日月曜日

オーケストラ!

ボリショイ交響楽団の伝説の指揮者アンドレイが、ソビエトの政権下、ユダヤ人をかばった罪で、その地位を追われて30年、ボリショイ交響楽団で清掃員をしながら指揮者に戻る夢を持ち続けていたところに、一通のファクシミリが届く。

このファクシミリは、ボリショイに来たもので本人に来たものでは無いが、アンドレイは昔の仲間を集め、ボリショイ交響楽団の名前を騙り、パリでコンサートをやってしまおうと計画する。

そのコンサートのソリストに、アンドレイは、
パリで売れっ子の若い女性バイオリニストであるアンヌ・マリーを指名するのである。何故このバイオリニストでなければならないのか、謎を秘めたままコンサートの日が近づく。




こんな感じで映画が始まります。いろいろ書きたいのですが、ネタばれになりそうです。


昔の仲間もオーケストラを追われてから様々な境遇で生活しているのですが、一癖も二癖もあるキャラクターでなかなか楽しませてくれます。
また、したたかに働きながら夫を支えているアンドレイの妻もなかなか良いです。
ところどころロシアの共産党政治体制を笑っている小ネタがあり、笑えます。
ヒロイン役のメラニー・ロランは「イングロリアス・バスターズ」の時も美人とは思いましたが、今回の方がより魅力的に感じました。やはり美人とバイオリンは合いますねぇ。

私は20年ほど楽器を吹いていた時期が有りました。
その当時も「楽器も1日休めば取り戻すのに3日かかる」と言われていましたので、30年のブランクがこんなに簡単に埋まる訳が無いとか、そもそもここまで偽楽団として誤摩化せる訳は無いとか、大いに疑問は湧くはずですが、そんな細かいことはどうでも良くなる程魅力のある映画でした。

とにかく、笑えて、少し泣けて、しっかり感動しました。
フランス映画も変わったものです。
最後のチャイコフスキーのバイオリンコンチェルトを聴くだけでも、映画代を支払う価値があると思います。

お時間があればお薦めです。
仙台法務局の指定駐車場であるBiviビルの2階のチネ・ラヴィータで上映しています。