セーラー万年筆から発表された新製品です。
セ-ラー万年筆には、3月11日に逝去成された長原宣義氏という万年筆の名工がいました。
私も彼の万年筆を持っています。
「長刀研ぎ」のペン先はとても気に入っていますし、「ふでDEまんねん」も以前このブログで紹介しましたね。
惜しい人を亡くしました。
そういったことで、私はセーラー万年筆にはシンパシーを感じています。
さてこの「G-FREEボールペン」、セーラー万年筆のうたい文句がとても凄いのです。
未体験の書き心地
重力を自由自在にコントロールする
次世代のボールペンとして誕生した
『G-FREE(ジーフリー)』
書くことを、もっと快適に
書くことを、もっと楽しく
まるで宇宙空間を駆け抜けるような
ここちよさを、あなたの手に。
具体的に特徴は2つです。
一つは時代を席巻した三菱のジェットストリームのような、滑らかで筆記時にストレスの少ないインクの開発。これを「G-FREEインク」と呼ぶらしいです。
もう一つが「筆圧アジャスター」です。
これが面白そうで買ってきました。
ペン軸内上部にスプリングが内蔵されています。
そのスプリングにより、筆圧から来る紙面からの反力を吸収します。
普通のボールペンはペン先と軸が固定されていますが、このG-FREEは紙面にペン先が当たっているときに弾力的にペン軸が上下します。
そしてこのスプリングの硬さを調整ができるのです。
ノック部分を右に回すとスプリングの弾力がハードに、左に回すとソフトになります。
これで筆記時の弾力を好みに調整ができます。
筆圧から来る疲労が軽減できる可能性があります。
セーラーの研究によると手の筋肉負担を10%以上軽減するとのことでした。
私が万年筆好きな理由の一つにその筆圧が不要な書き心地があります。
紙にインクを押しつけていく油性ボールペンでは、その機構上筆圧フリーは不可能なことだと思っていました。しかしこの技術はボールペン欠点のブレイクスルーになる可能性があります。
実際に使ってみました。
インクは確かに各社ラインナップが揃っている滑らかインクに並ぶ滑らかさがあります。
ボタ落ちもほぼ無いです。
ボール径は今のところ0.7mmのみ。これも理にかなっています。
ペン挿しの大型クリップも使いやすいでしょう。
さて問題の筆圧アジャスターです。
確かに効果が有ります。
悪くありません。
万年筆と同じとは言えませんが。
筆記時間が長い学生や論文試験対策の資格受験生にはお勧めかも知れません。
司法試験の論文は万年筆という時代がありました。
万年筆はインクの乾きを待ったり、ペン自体扱いにくいので、この定価300円のボールペンは気軽な意味で置き換えが効くかも知れません。
この製品に対する私の要望としては2つ。
一つはできるだけ万年筆の書き心地に近づけて欲しいこと。
まだ重力を自由自在にコントロールしていませんし、宇宙空間を駆け抜けてはいません。(笑)
売り出す前にかなりのモニターのテストを受けたのでしょうが、発売されて不特定多数のユーザーの評価を受けて、今後この機構が熟成されることを望みます。
もう一つは、300円で実現したこの機構を熟成させた後に、大人が外で持ち歩くことを意識した見栄えの良いG-FREEもラインアップに入れて欲しいことです。