2015年3月29日日曜日

タグ管理とフォルダ管理の違いを紙データベースで説明してみる

私が仕事でもプライベートでも手放せないEvernoteについて説明する機会が多いのですが、Evernoteの重要な機能である「タグ」について理解が曖昧な方が多いようです。
そこで私がコンピュータ以前に使っていた紙データベースを紹介して、その機能を説明したら、タグが良く理解できたと言われたので、ここでも紹介します。

私は昔からデータベースにお金と時間をかけてきたことは以前からこのブログで書いていたことです。もちろん、あくまでも私はプロとしての仕事を遂行する上でデータベースを工夫してきたので、データベースの技術屋を目指していたのでは有りません。

コンピュータが一般的に利用できるようになる前の時代に、私の周囲のデータを全部保存して、そのデータを効率よく検索できるシステムが欲しくて様々な工夫をしていた時代のことです。

しばらくの間、私は以下のような紙によるデータベースを作っていました。
ルーズリーフ用紙の1枚を1データと考えて、用紙1枚に1データを貼り付けるのです。
名刺1枚でも、研修会の数ページのレジュメでも、用紙1枚に貼り付けます。
もちろん貼り付けるだけでなく、仕事上のメモを書き込んだりもします。

それをジャンル別に箱に入れるのが、いわゆる「フォルダ分類」です。
例えば「名刺」という箱、「研修会資料」という箱、「2015年の土地登記事件」という箱、というように分類して箱に入れるのです。

しかしフォルダ分類には限界があります。
どのフォルダに入れたら良いか分からないデータが必ず出ます。
新しいジャンルならたとえば「筆界特定事件」という新しいフォルダを作れば良いのでしょう。
そのような新しいジャンルという意味ではなく、そのデータの性質により複数の箱に入れなければならないデータが出てきます。
たとえば「仙台市青葉区」内に住んでいる「大学時代の友人」で、たまに「テニスをする友人」Aは、たまたまお付き合いの有る「○○銀行」に勤めているのだが、今回「2015年3月」に「筆界特定事件」を「相談」された場合、彼の「名刺」はどの箱に入れれば良いのでしょうか。
一つの回答は複数コピーして関係する全部の箱に入れることです。
これがフォルダ管理です。

当時私はフォルダ管理ではない別の方法を使っていました。
ルーズリーフは紙を綴じるために穴が開いています。
それらの穴一つ一つに意味を付けていました。
「会務」「研修会資料」「土地」「建物」「筆界特定」「地積更正」「1月」「2月」「名刺」・・・何でも良いのです。
あとで検索しそうな単語で決めておきます。
そしてルーズリーフの該当する穴の上の部分を切り取っておきます。

そして全部のデータを書き込んだり貼り込んだルーズリーフ用紙をおおまかな分類(たとえば「2015年」「2016年」など)で箱に分けて入れておき、複数の条件で検索したくなったら「竹ひご」でその条件に合う穴に差し込み持ち上げます。
持ち上がった残りが検索語にヒットしたデータになります。
それを複数回すると、残ったものが最終的に捜していたデータになります。
もちろん「竹ひご」を複数本同時に挿して持ち上げると、一気に複合検索になり他人の前でやるととても気持ちの良いものになりました。
この穴一つ一つに意味づけた検索語が今で言う「タグ」の役割でした。

このようにタグによる分類はフォルダ分類とはまったく違います。




以上挿絵の下書き。清書してから掲載しようと思ったけど、面倒になったのでこのまま掲載しちゃいます。
気が向いたらきれいに清書しておきます。m(_ _)m

Dropboxではフォルダ管理になります。
私は書きかけの原稿のような更新を続けるべき文書等を、Dropboxのフォルダにいれて管理しています。いつでもどこでもクラウドにアクセスして書き込む文章はここに置いておくのが一番早いです。
フォルダ管理の弱点を書きましたが、確実にどこにあるか覚えているファイルならここが良いでしょう。もちろんそうでなくても、今のコンピュータの能力では全文検索も一瞬ですから、データを見失うことは少ないと思います。

一方Evernoteは「タグ」で分類するのが得意なクラウドサービスです。
上記私の紙システムによるルーズリーフの用紙はEvernoteでは「ノート」、大まかな分類とはEvernoteで言う「ノートブック」です。そして一つのデータに複数の「タグ」を付けて分類することでデータを検索し活用します。
私は更新が一段落したデータは必ずこのEvernoteに入れておきます。
フォルダ分けしないから、検索したデータと自分も忘れていたデータとが関連づけされて出てくることがあり、様々な発見が新しい想像に繋がることもあります。

如何でしょうか。
「フォルダ」と「タグ」は理解できたでしょうか。
よろしければそういう眼でもう一度Evernoteを使ってみてください。

もちろん上記紙システムも悪くありませんよ。
電気を喰わないエコシステムですし、データごとクラッシュすることもないですから。
「竹ひご」はUSBメモリより入手しにくいかも知れないけれど(笑)