2011年11月28日月曜日

阪神淡路大震災と東日本大震災~神戸支部来仙

あの大震災から8ヶ月過ぎて、全国からたくさんの皆さんが仙台にいらっしゃっています。

先々週末の葉月の会先週末の鳥取会の皆さんに続いて、今週末は兵庫会の神戸支部の皆さんが宮城県に来てくださいました。
今回は支部旅行の行き先に、宮城県と岩手県を選んでくださったとのことでした。

そしてその旅行中の懇親会に、宮城会と仙台支部をお招き戴きました。


神戸支部は、阪神・淡路大震災を経験した支部です。
先日の藤原光栄先生の講演でもお聴きしたように、被災から復興まで頑張った支部です。
懇親会の席でも、当時の阪神の震災の話しをお聞きして、今回の宮城の震災の話をお伝えしました。

同じ大震災のようですが、被災状況がまったく異なります。
これは私が被災当時から主張していたことです。

範囲が違います。今回は南北に500kmです。
被災地域の用途が違います。前回の商業集積地と、今回の海辺の住宅地域・工業地域の違いがあります。
被災については、今回は地震だけでなく津波によるものもあります。
そのため、家を建てたくても大津波が来る虞があるところでは建築制限もあります。
高台移転かどうか政策決定と実行が遅れています。
まだ海辺の鉄道は復興していません。ルートを変える議論があります。

ですから、その復興の方針も、その復興の具体的方法も違いますし、それに伴い土地家屋調査士の動き方も違います。この違いは、とても重要なことです。
建物滅失登記の調査も、大津波によるものなどは、その内容や方法が異なります。
建築制限のあるところで、筆界復元の必要性がどれだけあるのでしょうか。
地図も技術論だけでなく、政策論まで触れないと、本当の復元はできないでしょう。

これらのことは、現地を見ないと実感が分からないでしょう。

復興については、当然、阪神・淡路大震災から学ばなければなりません。
しかし、今回の震災復興するには、阪神から学ぶだけでもいけません。
そこが大切です。

おそらく今後想定される大震災のためには、阪神・淡路大震災を学び、東日本大震災を学び、そしてまた、それだけでもいけないはずです。
これはまた別の機会に書きます。

それにしても、今回の神戸支部の皆さんの来仙は嬉しく楽しいものでした。
被災を経験した支部だからこそ、気楽に来てくださいました。
ありがとうございました。