2012年7月2日月曜日

東北の復興は日本全体の問題である


6月30日に兵庫県弁護士会主催の「シンポジウム 今被災地では何が求められているか〜復興支援のためになすべきこと」が神戸で開催されました。





各資格者やボランティア団体等様々な立場の方が参加されました。

まず被災地からの報告があり、その後写真の方々によるパネルディスカッションがあり、また各専門家から、その知見や立場による様々な意見の発表がありました。

以下このシンポジウムのアピールです。シンポジウムに出て来た意見は、これに集約されていると思います。

「東日本大震災の復興まちづくり支援に関するアピール」


 東日本大震災・原発事故の被災地は、被害があまりにも甚大・深刻であるだけでなく、地域によって事情やニーズが異なる上、生活再建に関する課題も山積している。
 こうした数々の難題を乗り越え、復興まちづくりに向けた歩みを進めるためには、被災者が主体となって取り組むことが第一であり、そして、これを支える国民的な支援活動が不可欠である。
 私たちは、被災地の復興まちづくりを支援するため、被災地の方々と、市民、行政、自治体職員、ボランティア、各分野の研究者・実務家などが協働し、全国の人・知恵・情報がつながり合ったネットワークを広げ、息長く支援していくことを決意した。
 今日この兵庫の地で、この旨をアピールする。
2012.6.30 震災復興支援シンポジウム参加者一同




私も被災地の資格者の一人として発表して来ました。

筆界移動と地図、建物、区分建物様々な論点をお話ししたかったのですが、短い時間でしたので、それらの問題提起だけをしてきました。

地籍に関する問題は、まだ被災地では顕在化していない問題です。復興計画が実際に動き始めれば、必ず現れる問題です。世間は問題が現れないと取り上げない風潮ですが、今のうちに議論する事が必要だと思います。

また他に伝えたいことがあります。

震災はそれぞれ違います。上記のアピールのとおり事情もニーズも違います。

専門家が現地を自分の眼で見ないで、ニュースや人伝えで得た情報だけで意見を言ってはいけません。阪神淡路大震災の際の知恵と経験は大切ですが、それだけでは東北は解決しません。専門家の発言は重いものです。

また、東北の復興は、東北だけの問題ではありません。日本全体の問題です。世界もこの復興にかける日本の力と姿勢を見ています。
これは、東北人だから言っているのではありません。
東北復興に10年も20年もかかっていたら、その間に日本のどこかで大震災が起こるかもしれません。家族に病人を抱えているところに、新たな病人が増える様なものだと理解しなければなりません。