2012年7月6日金曜日

微妙に生活できている専門家

最近、全国に講師でお伺いすることが多くなっています。
今日は石川会の研修会、明日は福井会の研修会にお伺いします。

いつも、全国の土地家屋調査士の皆さんとお会いすることで、頼もしい思いをしています。世の中に数多ある職業の中で、何故か土地家屋調査士を選んだ人達です。なにか共通する部分を感じられ、初対面でも親近感が湧くことが多いですね。いつも、どこに伺っても、昔から知り合いのようにお話ができ、オープンな話ができます。
これは他の士業と違って、商売敵と言っていたら仕事ができない業界だからということも言えるでしょうし、公嘱事業等でよく連携を組んで行動しているので、仲間意識ができることも理由の一つでしょう。

全国の土地家屋調査士は、不動産登記を通して、社会や制度に対する問題意識も同じようなものを持っているようです。

ただ違う部分も見られます。
地域経済のポテンシャルによって、土地家屋調査士業として普通の努力で生活できている地域と、かなりの努力をしないと生活して行けない地域が有り、その危機感と生活感の差が有るようです。
全国で議論していて、若干の違和感が有るとすれば、ここの問題を捉える真剣さが異なっていることが原因のようです。

何らかの問題はあるけれど、でもなんとか仕事が有って、微妙だけれども生活はできている人たちは、中途半端な満足にしがみつきます。
その収入が有るうちに、新しい未来への投資をすべきですが、そういった地域の人は、中途半端な満足感から、周囲に眼を向ける意識が低い人が多いようです。ギリギリでも微妙に生活ができていると、どうしてもそのポジションを守りたくなるのでしょう。

専門家の使命は、その変化する社会に即応した専門的知見が無ければならないはずなのに、現状のスキルにしがみつくことは困ったものです。時代の変化に対応できないのでは、専門家とは言えないと考えます。

むしろ、今制度の未来に危機感を持っている人たちの方が、新しい努力をしています。
それに対して微妙に生活できている人たちが、変化を嫌う意見を出します。

今は良くても、社会も経済も変わるのですから、制度も変わります。
明日、5年後、10年後、間違いなく、今のままではいられないでしょう。


以下は、ある他会の会員さんへ、私からの返事です。

〇〇さんの文面を見て、いつも思うのですが、〇〇さんの所属会とそのブロックは、今のところ、比較的恵まれた地域だと思います。
全国の動きはもっと厳しいです。
一番の問題は、そのまま行けるのならば問題意識が無くても良いのですが、今そういう社会では無いことなのです。
中途半端な満足感を持った会員の集まりが、いざというときの足手まといになります。

本当に満足しているのですか?
面倒な事から逃げているだけなのではないですか?
今だけを見ていないで、3年後5年後10年後を見て行動して欲しいと思います。