2012年7月19日木曜日

コミュニケーションが苦手な業界

土地家屋調査士は、比較的コミュニケーションが苦手な人が多いようです。

「そんなことは無い。俺は友達が多い。いつも楽しくコミュニケーションをとっている。」とおっしゃると思いますが、相手が初対面で、しかも好意的に聞こうとしていない他人に対しても同じでしょうか。
土地家屋調査士は、素人に説明することがとても下手です。
最後には専門用語で逃げようとする人が多いようです。
もし「法〇〇条により・・・」と言い出す人がいたら、法律という権威で自らの説明義務から逃げようとする人だと、私は思うのです。相手は法律を学びたい訳ではないからです。

先生と呼ばれる専門家は、へらへら話をするものではなく、寡黙な方が権威があるように見えるなどと、落語「代書屋」で紹介されていますが、今の時代では間違いだと思います。専門家は素人に難しい専門分野を分かりやすく説明して、国民に安心してもらう義務があるのです。

また、変に職人気質を気取る人がいます。補助者や後輩に物事を教えるのに、「俺の技を見て盗め」などと言い出したりします。これにはいつも「あなたの技は見ただけで盗めるのか?」と聞きます。おそらく、その人は説明する気がないか、説明する能力が無いのでしょう。

専門用語を使わず易しい言葉で説明することは、最終的には語彙力の問題だったり、言葉を選ぶセンスの問題だったりしますが、基本的に理解して欲しいと心から思ってお話をしていれば、ある程度センスは磨かれてきますし、使える語彙も増えてくるものです。
私は後輩にいつも「相手を地権者と思わずに、自分の祖父や祖母だと思いましょう。自分のおじいちゃんやおばあちゃんが、そんな言葉の説明で本当に理解できると思いますか?」と言っています。

また、土地家屋調査士は、文章を書くこともとても下手です。このブログの様な雑文の話ではありません。文章による報告や説明が下手なのです。おそらく、いつも図面を提示して一目瞭然という癖がついているからでしょう。これは訓練ですぐに要領が掴めるでしょう。問題は訓練する気があるかですが。

お客様とのトラブルの大半は、コミュニケーション不足によるもののようです。
もう少し我々はコミュニケーションに努力を払う必要があると思います。