2010年10月24日日曜日

スロヴァキア放送交響楽団の選曲

私は中学のブラスバンドから始めて30歳過ぎまで20年程ホルンを吹いていました。オーケストラやブラスバンドなどの複数の楽団に所属して、毎月どこかのステージに乗っていました。
本当は音楽家になるはずだったのに、今は何故か土地家屋調査士をやっています。
当時は音楽の無い生活は考えられないと信じていたのに、今はあまりにも忙しいので、ゆっくりコンサートに行く回数も減りました。いつも間にか世間からは体育会系と誤解されているようです。

さて本日は久しぶりに妻とコンサートに行って来ました。イズミティ21で開催された「スロヴァキア放送交響楽団」のコンサートでした。
驚いたのはお客さんの少なかったことです。会場の半分まで入っていたでしょうか。
ついこの間までこのようなことは無かったはずです。

確かにこの不況の時代、入場料1万円は痛いかも知れません。ただこれを不況だけのせいにして良いのでしょうか。不況が終われば客は戻るのでしょうか。

問題は、客席を見渡して、ほとんど若い人がいないのです。
これは根本的な問題かも知れません。
ネット配信、欲しい曲だけダウンロード、シリコンオーディオで「ながらリスニング」。時代は変わっています。「良いものは良いのだ」それだけで付いてくる時代じゃないのでしょう。スロヴァキアのブランド力だけでは難しいでしょう。
クラシック界も、新しいお客さんを獲得する工夫と努力が必要です。(もともと「クラシック」というネーミングから問題だと思っていますが)

今日のプログラムは
グリンカ「ルスランとリュドミラ」序曲
チャイコフスキー「ピアノ協奏曲1番」
ドヴォルザーク「交響曲9番新世界」
でした。

これは日本でお客さん受けする人気の選曲なのでしょうが、最近どこのオケが来てもいつも大抵同じ曲です。有名曲10曲程度を廻している状況です。本当にこれはお客様のニーズなのでしょうか。勝手にプロモータが思い込んでいるのではないでしょうか。工夫の方向が違うのかも知れません。
お客さんに媚びるのではなく、クラシックの良さを伝えるのは難しいかも知れませんが、やらなければ、クラシックは滅びます。

「勝手にニーズを決め込んでいる。」
どこかの業界にも通じることだと思いました。

*追伸
スタニスラフ・ジェヴィツキのピアノは大変良かったですよ。