日本建築士会連合会の会報「建築士」の8月号の中に大変面白い記事が有りました。速水清孝氏の連載講座「還暦を迎える建築士法」の「第10回:誰を建築士とするか」です。
その中で、建築士の選考考査問題で最終問題に次のような問題がでたことを紹介していました。
<問>
あなたがある一級建築士事務所の管理者であつたとする。
もし或る人が或る建築物の設計を依頼したときに、
それがあなたの事務所の技術的能力からみて到底出来そう
ないものであったならば、あなたはどの処置をとるか
1.あなたの知っている他の有能な建築士を紹介する
2.引き受けた後知り合いの有能な建築士にやってもらう
3.引き受けて設計をまとめ上げた後、他の有能な建築士にやってもらう
4.不明な点は建築主事に相談し、建築基準法に完全に適合するように注意して設計する
5.責任をもつて引き受け、大いに勉強して完遂に努力する
大変面白い問題です。
残念ながら、この記事に回答は載っていませんでした。
しかし、この記事の中に、このようなヒントが添えてありました。
この問題を作った前川さんは言う。
「建築士というのは全ての建築を扱えるものではなく、自分の能力を客観的に評価できて、その範囲で技術能力を発揮できる者であることがふさわしい」と考えての出題であった。
土地家屋調査士のあなたは、どれを選びますか?
このような出題ができる建築士試験を羨ましく思いました。