2010年9月3日金曜日

長靴をはいた猫の後日談(甘利編)

先日の私のブログ「長靴をはいた猫は登記をしていなかった」でお知らせしたように、土地家屋調査士制度制定60周年イベントとして、「長靴をはいた猫」の後日談を演劇にする企画を練っています。


このブログを読んで戴いた神奈川の甘利雅雄さんから、ご自身作の後日談を送っていただきました。
今回宮城で企画しているのは、小学生を対象にしているので(できれば同行する三世代)、甘利作品は難しいかも知れません。しかし面白いので、このブログで紹介させていただきます。


皆さんも後日談で遊んでみませんか?


長靴をはいた猫 後日談」 作:甘利雅雄さん

実はカラバ侯爵の土地と言わされた翌日、数人の農民の
呼びかけで農民が一人残さず自治会館に集まりました。
何であんな事を言わされたのだろう
この土地は一体誰のものなのだろう
昔から俺たちが農地を耕して来た
先祖から受け継いだ土地を嘘つきに渡せない
農民の意見は一致しました。
時効取得を原因とする所有権移転仮登記を申請しました。
土地の法務局は事情がわかっていましたので丁寧に指導
しましたし、農民も久々の知的活動に興奮しました。
農民の中には自分の名前の綴りがわからず慌てる者や、
又貸しした為に現在の耕作者の欄の記載ができず、しょう
がなくて畑に泊まり込んで借りた農民が来るのを何日も
待つしかなくなりました。
後日、カラバ侯爵は部下に土地の登記名義を自分の名前
にするよう命じました。
王様大変です!部下のあわてた報告が届きました。
土地の全てに仮登記が付いていたのです。
たかが仮登記ですが元々王様の方も力ずくで奪い取った
土地なので正規の所有権証明がないのです。
裁判で争っても長期化するし、仮に和解で全国土を買い
取る羽目になったら国の財政が破綻します。
王様はあきらめました。
農民の仮登記を本登記とする法律の成立を認めました。