土地家屋調査士など資格者は「先生」と呼ばれることが有ります。
お客様の為に一生懸命にお仕事をさせていただき、その報酬を頂くのだから、サービス業と考えた方が良いと思っています。「先生」と呼ばれるから、自分でも勘違いするんだと。
何故「先生」と呼ばれるのでしょうか。
時代劇などを見ていると、食い詰めた侍が金で用心棒に雇われている場合、雇用者がその侍に「先生、奴らを斬っちまってくだせい。」などと言ってます。
侍のプライドを傷つけずに顎で使うキーワードだったのでしょう。
時代が下がり、明治になり士農工商の身分制度が消滅し、それまで威張っていた侍達は突然無職になりました。侍達は、読み書きはできるので、その中から代書屋になった元侍もおりました。
武士の商売ですから威張っていたのでしょう。現代の資格業者がこの「先生」と呼ばれるのも、おそらく代書屋の頃からの名残ではないでしょうか。
「先生と呼ばれるほどの・・・」という言葉も世間には有ります。私達が他の職業の方々を「先生」と呼ぶ場合、どれだけ尊敬の念が入っているでしょうか。心から「先生」と呼びたくなる方も実際いらっしゃいますが、ほとんどは呼称以外の何ものでも無いかも知れません。
私は24歳で開業したので、当時のお客様、つまり権利証をお持ちの方々は私の祖父ぐらいの歳でした。そのころのお客様で、今でも電話をくださる時に「オサムちゃん、居る?」って、おっしゃる方がいます。これは大変嬉しいです。
「先生」と呼ばれることに価値を見いだすよりも、研鑽を重ね、どんな時代でも本当に「土地家屋調査士」が国民の皆様のお役に立てるような位置にいることに価値が有ると思います。