2013年10月6日日曜日

事前にシミュレーションすること

本日は他会の新人Oさんから相談を受けました。
相談の主要な部分はこのブログでは書きにくい部分がありますので割愛しますが、相談では無い部分で気になる部分がありましたので、ここで書かせて戴きます。

Oさんは先日お客様から測量の仕事を受けたのですが、測量図を描くことに慣れていなかったそうで、完成がとても遅くなって叱られたそうです。
遅くなった理由は、隣接者がどうのこうのでは無くて、個人のCADの操作慣れの問題のようです。

前から私の研修やこのブログでも言っていますが、この資格業界は仕事を受託してから調べたりする人が多すぎます。
どんな業界でも修行に修行を重ねて、お客様にお出しできる技を身に付けてから暖簾を出したり、メニューに加えます。
我々も、様々な依頼が来ることを予想して、事前にその仕事のシミュレーションをしておくべきです。むしろして準備しておかないと、その仕事の依頼は来ません。

今日のOさんのようにたまたま仕事が来たとしても、その仕事でお客様にダメ出しされたら、二度と仕事は来なくなります。後でどんなに仕事ができるようになっても、もう声はかけて貰えません。
彼に限らず仕事が来てから調べている人達は、何を甘ったれているんでしょうか。
おそらく合格率1桁の土地家屋調査士資格合格の成功体験に浸っているんでしょうね。
世間に褒められて、もう専門家になっているつもりなのでしょうか。
入会してみれば、土地家屋調査士は全員合格者ですから、ただの人なんですけどね。
そこを謙虚に捉えて、毎日トレーニングをしなければなりません。

Oさんのように図面を描くのが遅いなら、自分だけの問題ですから、毎日CADの練習すれば解決することです。以前から紹介しているように、入会したばかりの私のように、仕事の依頼が無くても毎日近所を測量して、毎日図面を描けば良いのです。
私は毎日公園を測量していました。
そのときの私は測量そのものがテーマでした。
たとえば「今日は偏心補正で」などのテーマを決めて、毎日練習していました。
もし彼のようにCADに慣れていなくて図面を描くことが遅いのならば、様々な現況を入れた図面を「毎日タイムを計って」描いてみることも必要でしょう。

もしOさんが筆界特定申請をやったことが無いのなら、シミュレーションしてみましょう。
自分の分筆などの資料を見て、「もしこの場所に境界トラブルが有ったとして、自分が筆界調査委員ならどんな意見書を出すか」を考えてみましょう。
そして実際に意見書を書いてみましょう。
筆界に関する意見書は、普段からトレーニングをしていなかったら、そうそう書けるものではありません。

新人の皆さん、まずはシミュレーションとトレーニングです。
仕事が中途半端な内に営業に行っても、自分で唯一のチャンスを潰すことになります。もう取り返すチャンスも貰えません。

Oさんも焦らなくて良いんですよ。
仕事ができるようになれば、必ず仕事は来ますから。