2013年10月28日月曜日

筆界調査は調査士の基本で王道です

かなり書きたい記事が溜まっています。遅ればせながら少しずつ書いていきます。
さて、18日(金)に宮城会の研修会を開催しました。今回も多数の参加者がありました。

研修タイトルは
「筆界特定制度について」
  蝦名貴保氏(仙台法務局総括表示登記専門官)
「法務局備えつけ地図公図の成り立ちとその特性及び留意事項」
  江口 滋氏(日調連制度対策本部委員・愛知会)

蝦名氏も江口氏も、とても得がたい講師です。
秋晴れの測量日和の中で、測量に行かずに室内の座学を選んでくれた会員に後悔させない研修会だったと思っています。

毎年全国流行の研修会もあるけれど、やはり土地家屋調査士が何度も何度も継続して研修すべきものはこれです。
筆界調査は、土地家屋調査士のすべての基本であって、とても奥が深いものです。
日常業務の土地の登記はもちろん、筆界特定、境界鑑定業務も、すべての業務は、この筆界調査能力が必須です。
そして私達の測量能力や法律能力は、この筆界を判断するためのツールであって、目的でないことも再確認してください。

会員の皆さんは、日常業務でいつでも触れているから、この調査技法については分かっているつもりでしょう。でも私はまだまだ甘い部分があると思っています。

14条1項地図の地域の会員は、復元だけに頼っていませんか?
14条4項地図(いわゆる公図)の地域の会員は、立会だけに頼っていませんか?

それなら土地家屋調査士は不要です。
復元だけだったら、測量コンサルでもできるでしょう。
立会だけだったら、資格がなくても誰でもできるでしょう。

我々が調査判断した筆界は、裁判でも覆されてはなりません。
書証・物証・人証を丁寧に検証して、土地家屋調査士の能力により総合的に判断して筆界が浮かび上がります。

新人の皆さんは特にこの技法は疎かにしないでください。
復元だけや立会だけに頼っていませんか?
あなたの補助者時代に勉強した事務所の技法が王道かどうか、そこから検証してください。
私達が判断した筆界が、裁判等で覆されることがあれば、もう専門家とは言えませんので。

宮城会では、しつこいくらいにこのテーマの研修会を、多角的に企画して開催し続けます。