まだまだ何が起こるか分かりません。油断しないようにしたいですね。
さて、昨年の8月3日のブログで、東日本大震災による仙台の被災マンションについて書きました。その中には「サニーハイツ高砂」も含まれていました。
サニーハイツ高砂のエントランス
建物が左側に傾き、その右側にこのような地割れができました。
外側の壁がこのような状態です。壁の穴から中が見えます。
左側の建物が傾いています。
本当に気の毒な状態でした。
今回の東日本大震災においては大津波ばかりがフォーカスされ、大地震については折立地区などの顕著な被害は取り上げられたものの、マンションの被災はあまり多く取り上げられませんでした。
しかし、これらのマンションの問題の解決には、物理的な問題も当然ですが、権利の問題がとても大きいのです。マンションはたくさんの人の、たくさんの権利が絡み合っているからです。
これらのマンションを取り壊して更地にして売るにも、立て直すにしても、権利関係の整理がとても大変です。前回も書きましたように、被災マンション法も適用されません。
その中で「サニーハイツ高砂」の住民の皆さんは、現地で新たな集合住宅を再建する目的でNPOを設立したそうです。
同じマンションを再建するのではなく、「福祉施設や保育所、幼稚園、病院なども備え、さまざまな世代が集うコミュニティー拠点とする構想」だそうです。
まとめるまでに大変なご苦労でしょうけれど、私たちもこの動きに注目していたいし、専門家として何か応援したいものです。
以下本日(4月12日)の河北新報の記事です。
参加を呼びかける連絡先もあるので、河北新報記事の原文のまま紹介したいと思います。
仙台の被災マンション住民ら 現地再建へNPO設立
東日本大震災で全壊し、解体が進む仙台市宮城野区のマンション「サニーハイツ高砂」の住民らが、現地再建を目指すNPOを設立した。集合住宅を核に、介護や子育て、医療などの機能を併せ持つ新たな「ついのすみか」を建設する。NPOは計画に参加する個人、団体を募っている。
今回の震災で、被災したマンションの住民が、住民以外にも協力を呼び掛け、複合型集合住宅の再建を目指すのは初めてとみられる。
住民有志ら十数人が昨年夏ごろから再建に向けた話し合いを始め、ことし3月、「NPOサニーハイツ高砂震災復興委員会」を設立した。新たな集合住宅は、福祉施設や保育所、幼稚園、病院なども備え、さまざまな世代が集うコミュニティー拠点とする構想を思い描く。
入居者の対象は、50歳以上と、被災者を想定する。「以前の住民の年齢構成や、高齢者が賃貸物件を借りにくい状況を考慮した」という。
被災者同士が支え合って生活する場として、災害公営住宅としても活用できるよう、市や県に働き掛けていく。施設規模や建設費など、大まかな計画を今月中にまとめる予定だ。
マンションの再建・建て替えは、現在の法律では、区分所有者の5分の4以上の賛成が必要。現時点で全189戸のうち半数以上が賛同しているという。
理事長の石田貞一さん(64)は「入居したら生涯、安心して住み続けられる集合住宅を目指す。ついのすみかとなるはずだった場所を再生させたい」と話し、住宅を失った被災者や医療・福祉法人、企業などに参加を呼び掛けている。
連絡先はNPOの事務局022(786)1363(電話、ファクス共通)、電子メールinfo@npo-shinsai-sh.com
今回の震災で、被災したマンションの住民が、住民以外にも協力を呼び掛け、複合型集合住宅の再建を目指すのは初めてとみられる。
住民有志ら十数人が昨年夏ごろから再建に向けた話し合いを始め、ことし3月、「NPOサニーハイツ高砂震災復興委員会」を設立した。新たな集合住宅は、福祉施設や保育所、幼稚園、病院なども備え、さまざまな世代が集うコミュニティー拠点とする構想を思い描く。
入居者の対象は、50歳以上と、被災者を想定する。「以前の住民の年齢構成や、高齢者が賃貸物件を借りにくい状況を考慮した」という。
被災者同士が支え合って生活する場として、災害公営住宅としても活用できるよう、市や県に働き掛けていく。施設規模や建設費など、大まかな計画を今月中にまとめる予定だ。
マンションの再建・建て替えは、現在の法律では、区分所有者の5分の4以上の賛成が必要。現時点で全189戸のうち半数以上が賛同しているという。
理事長の石田貞一さん(64)は「入居したら生涯、安心して住み続けられる集合住宅を目指す。ついのすみかとなるはずだった場所を再生させたい」と話し、住宅を失った被災者や医療・福祉法人、企業などに参加を呼び掛けている。
連絡先はNPOの事務局022(786)1363(電話、ファクス共通)、電子メールinfo@npo-shinsai-sh.com