土地家屋調査士など資格業者は、長年「先生」などと呼ばれ、いわゆる武士の商売を長年やってきたようです。
先生と呼ばれる人は、お金の話などするものでは無いのでしょう。
その上、平成15年までは報酬が法務大臣によって全国一律に決められていたために、自ら報酬を算出することの勉強を放棄してきました。
そのため、土地家屋調査士の報酬額については、近年混乱が見られます。
報酬額に関する研修も、以前は「この金額を守れ!」という研修でした。
法務大臣認可の時代ですから、この研修スタイルもある程度仕方ないでしょう。
しかし、あまりにもプロセスを省略して結果だけ追い求める研修会だったので、今の時代どんな研修をすればよいのか迷っている会も有るようです。
最近そのような会に伺って「業務報酬」に関する講義をさせていただいておりますが、会員の皆様とお話をしてみると報酬の組み立てそのものが欠落しているようです。
8月25日のブログ「報酬Q&A」は、その講義で触れる一部の問い掛けですが、合理的な回答は難しいと言われます。
しかし、それは過去の土地家屋調査士報酬に立脚しているからです。
「土地家屋調査士という資格者の報酬」を離れて、一般論として考えれば非常に簡単なQとなります。
すべて原価計算と信義則に戻って考えてみてください。
答えは明確になります。
えっ、信義則を知らない?
それは土地家屋調査士をすぐに辞めなければなりませんよ。
なお、原価については、変動費だけ思い浮かべる方が多いようですが、固定費も忘れてはいけません。
ちなみに変動費とは、売り上げに連動して増加する原価で材料費などを言います。
また固定費とは、売り上げに関係なく発生する原価で家賃等を言います。
この2つの原価を考えて計算しなければなりません。
合理的な報酬とは何かを考える上で、最低でも原価計算を身につけてください。
それらによる損益分岐点が言えないと、報酬額に説得力を持ちません。
いつも研修会で申し上げる言葉です。
「40万円で赤字だ。」という人、それならいくらから黒字か言えますか?
50万円からですか?
45万8,342円からですか?
それが言えなければ、「赤字だ。」と言う資格は有りませんよ。