一見復興しているようで、まだ何も変わっていないようでもあります。
政策方向性未定の問題も有ります。
マンパワーの問題も有ります。
民間資金の問題も有ります。
復興しようという気力の問題も有ります。
公共施設や大手企業の復旧は進んでいます。
でも零細企業や個人の生活は、これらが解決しないと復興できません。
仙台市折立地区はまったく変わっていません。優先順位は後なのでしょう。
仙台市荒浜地区は、がれきの撤去だけは進んでいました。なおさら何も無い場所になりました。
荒浜の、建物の基礎だけが空しく並んでいる広い土地の一画に、遠くからでもお墓だけが見える場所があります。大津波で流されたお寺の側の墓地だけが残ったところです。
一切の樹木が無い、うだるような暑さの中、そこにたくさんの喪服の家族が立っていました。
新盆です。
あの震災後初めて被災地を訪れた遠くの親戚もいるでしょう。
お墓参りの前に、お墓のある情景を見ただけでも特別の感情が湧くでしょう。
また、行方不明者の身内を、死亡届を出さずに待っている家族もいます。世間が何を言おうと、納得するまで出す必要は有りません。
あらゆる被災者にとって、初めてのお盆です。
鎮魂