2011年8月12日金曜日

被災建物滅失調査業務説明会

会員の皆様には、本日暑い中、「東日本大震災倒壊建物の滅失調査作業」説明会にお集まりいただきありがとうございます。
私の冒頭のご挨拶にも申し上げましたとおり、あの大震災から5ヶ月が経ちました。

今までの5ヶ月は本当に皆で走り回ってきた5ヶ月でした。
最初は会員の安否確認、同時に会員はじめ地域の住民の方々の生活支援の毎日でした。その後、立ち直った会員の皆様と一緒に、登記や境界に関する無料相談会を、避難所や地域の役場を廻り開催しました。電話相談も会員の皆様に協力を願いました。

復興業務関しては、がれきの判定は業務にはなりませんでした。
しかし、それより良い方法を行政が考えたことは、地域のために良かったと考えています。

震災に関して境界をどう考えるのか、地図をどう考えるのか、被災マンションをどう考えるのか、提言するために様々な検討をいたしました。これについては、日調連の指導も戴きました。

さて、そのような中、大震災による倒壊または流失した建物を法務局が職権で滅失登記をするという事業が始まります。そして、その調査業務が発注になりました。

この業務は、被災建物が不動産登記法上の滅失状態にあるのかどうかを調査する業務です。
建築基準法上の滅失建物かどうかという問題ではなく、構造上、社会経済上建物であるかという不動産登記法上の判断が必要です。これからが土地家屋調査士の腕の見せどころです。

本日の説明会でも申し上げましたとおり、建物が倒壊して一変した現地で、確実に現場に辿り着けることができるのは、現地宮城の土地家屋調査士に限ります。宮城の義務だと考えています。

また報酬の面では若干安いとは思うのですが、それでも地元の土地家屋調査士事務所の復興の一助になればと思い、宮城会会員全員でこれに当たれれば良いなと思っていたところでもありました。

今回の法務局の発注は、宮城県公共嘱託登記土地家屋調査士協会(以下公嘱協会)が落札しました。入札の形式になっておりましたが、他所のハイエナのような団体に落札しなくて、本当に良かったと思っています。

本日の説明会については、宮城会会員全員でこれに当たるという趣旨で開催しました。
公嘱協会が落札したので、本来は公嘱協会社員のみで処理すべき案件でしょう。
しかし、宮城県では被災直後から、宮城会と公嘱協会が連携して対策本部を設置してきました。
組織を超えて「チーム宮城」として事に当たると決めてきました。短期間に大量の調査をするには、非社員も全員で復興業務の補助をすることが必要だと考えています。
そのような背景があり、岩渕理事長をはじめとする公嘱協会のご理解のもと、今回この説明会が開催されたことを報告いたします。

チーム宮城として「権利も義務も公平であれ」と思っています。
この業務を皆でこなすことが、義務でなく権利だったと感じられるのは、これからの工夫次第だと思っています。よろしくお願いします。